魔法少女リリカルなのは『INNOCENT BRAVE』 作:ウマー店長
キーンコーンカーンコーンと、一日の授業の終わりを告げるチャイムが校舎に響き渡った。
私立海聖小学校、4年生のとあるクラスの教室内では授業という自分たちを束縛する時間がようやく終わりを告げたことに対する歓喜にあふれた話し声が教室にあふれ始めていた。
そんな教室の中に栗色の髪を頭の両端でまとめた少女、『高町なのは』は居た。
なのはは特にこれといった趣味も無く、友人とのおしゃべりや家族との団欒を楽しみに生きていた自称「平凡な小学四年生」である。
そんな彼女の日常は、友人の何気ない一言がきっかけで大きく変わることになる。
「ねぇねぇなのは!駅前に新しいホビーショップができたの知ってる?」
なのはに声をかけたのは美しい金髪のロングヘアー、そして少し勝気な雰囲気をまとった少女だった。
名前は『アリサ・バニングス』。
なのはとは入学直後からの友人・・・親友である。
そんな彼女が振った話題になのはは相槌を打った。
「うん、知ってる。今日開店なんだよね」
「確か、最近開発されたすごいゲームが目玉なんだよね。名前は・・・なんだったかな?」
なのはの言葉にこう返した少女の名前は『月村すずか』。
彼女の少しウェーブのかかった美しい黒髪は、女性ならば誰もがうらやむだろう。
さらに、彼女が元来から持つ落ち着いた雰囲気と合わさり、まさに『大和撫子』を体現したような特徴を持っていた。
二人の返事を聞いて満足そうに頷いたアリサは再び口を開いた。
「ねぇ、これからそのお店に行ってみない?」
アリサの提案を断る理由も無く、なのはとすずかの二人は首を縦に振ることで了承する。
「決まりね!」
学校指定のカバンを背負い、アリサを筆頭に三人は教室から出て行った。
「えーっと・・・ここで合ってるわよね?」
三人の目の前には『ホビーショップT&H』と書かれた真新しい看板のついた店舗があった。
今日開店したばかりだからだろうか、店内は多くの人でごった返していた。
そのほとんどがなのは達と同じくらいの年頃の子供なのはちょうど下校時刻が過ぎたくらいの時間帯のせいだろう。
「ほら二人とも、早く入りましょ!」
そういって真っ先に自動ドアをくぐり、店内へと足を踏み入れるアリサだったが。
「あ、アリサちゃん!前!」
「え?・・・きゃあっ!」
「おっと!」
なのはとすずかに声をかけるために余所見をしていたアリサは、入り口の自動ドアから少し離れたところで人にぶつかってしまった。
幸いぶつかった相手が倒れそうになる体を支えてくれたためしりもちをつくことは無かった。
「大丈夫?アリサちゃん」
「うん、平気よ。・・・あ、すみませんでした。よそ見してて・・・」
アリサはなのはとすずかに大丈夫である旨を伝えつつ、ぶつかった相手に軽く頭を下げた。
「いや、気にしないで。ケガとか大丈夫?」
「あ、はい。支えてくれたから転ばずに済みましたし」
「そっか、よかった」
アリサがぶつかってしまった相手は青年だった。
少し癖のついた黒髪で、特出しているわけではないが十分整った顔立ちをしている。
身長は当然ではあるがなのは達よりもはるかに高い。おそらく170cm台だろう。
その青年は心底ホッとした表情を浮かべている。
「人が多いみたいだし、周りには気をつけてね」
「はい!」
「君たちもね」
「はーい!」
「わかりました」
青年の言葉にしっかりと頷くなのはたち。
それを見て安心したのか、青年は手を振りながらなのはたちの元を離れカウンターのほうへと向かっていった。
なのはが遠目から見る限りだと、カウンター越しに店員さんと何か話をしているようだ。
「いらっしゃい、何かお探しかしら?」
そう横から声をかけられなのは達は声のした方向へ振り向いた。
その先には緑色の髪をポニーテールに結び、胸元にT&Hのロゴが入ったエプロンをつけた女性が軽くひざを折って立っていた。
「こ、こんにちは!あの、ここのお店にすごいゲームがあるって聞いて来たんですけど・・・」
「あら、ブレイブデュエルのことかしら?」
「ブレイブデュエル?」
なのはのした質問に笑顔で返す女性店員。
すずかは彼女の口にした聞きなれない単語を思わず聞き返していた。
「ブレイブデュエルっていうのは、体感型シミュレーションゲームのことよ」
「へ?」
目の前に居る女性の後ろからまた別の声が聞こえ、なのは達は視線を移す。
そこにはすずかとよく似た髪色の女性が立っていた。
「あらプレシア。カウンター業務のほうはもういいの?」
「ええ、人の流れも落ち着いてきたから」
緑髪の女性は立ち上がり、『プレシア』と呼ばれた女性がその隣に並ぶ。
「はじめまして、私は『プレシア・テスタロッサ』よ。
こっちの『リンディ』と一緒にこのお店の店長をしているわ」
「ご紹介に預かった『リンディ・ハラオウン』です。
気軽にリンディさんって呼んでね」
「はじめまして!海聖小学校の四年生の高町なのはです!」
「同じく、アリサバニングスです!」
「月村すずかです」
「あら、三人とも海聖小学校なのね」
「もうすぐうちの娘たちもそこに通う予定なの。
姉妹なんだけど、下の子はみんなと同じ四年生よ」
よかったら会って欲しいというプレシアのお願いに二つ返事でうなづいたなのはたちは、プレシアが娘たちを呼びに言っている間にリンディからブレイブデュエルについて簡単に説明してもらうことにした。
実際に見せたほうが話が早いということでシミュレーターの設置されている場所へと案内される。
「ほら、ここがブレイブデュエルのシミュレーターがあるデュエルスペースよ」
なのはは部屋の中を見回す。
部屋の中央に大型のシミュレーターが1台設置されており、いくつかの大型モニターが取り付けられている。
モニターにはなのは達と同じくらいの年齢の少女が映し出されていた。
「あら、フェイトちゃんがちょうどデュエル中だったのね」
リンディが『フェイト』と呼んだ金髪をツインテールにまとめた少女はモニターの中で縦横無尽に”飛び回って”いた。
その様子を見てなのはたちは驚愕する。
「す、すごい!飛んでる!!」
「ふふ、これがブレイブデュエルの最大の目玉・・・魔法よ」
リンディはそういいながら楽しそうに笑う。
モニターの周りには子供から大人までたくさんの人が集まり、フェイトという少女とその対戦相手に応援の言葉を放っている。
『トライデント・・・スマッシャーッ!!』
光弾や砲撃の応酬がしばらく続いた後、フェイトの放った3つの砲撃が相手に直撃し、モニターに表示されていた相手の『HP』と表示されたゲージを削りきった。
モニターに『WINNER』の文字と共にフェイトの画像が表示され、周りに歓声が響き渡った。
「さすがはフェイトちゃんね。」
「あの、今のはあの金髪の子が勝ったってことですか?」
「そうよ、デッキにセットされたカードに登録されてる魔法を使って相手の体力・・・HPをゼロにしたほうが勝ち。」
なのはは自分の胸が高鳴っているのを感じた。
フィールドを文字通り縦横無尽に駆け回り、魔法を駆使して戦う。
ゲームアバターをコントローラーで操作するのではない、自分自身が空を飛ぶのを想像すると居てもたっても居られない気分になった。
「あの、リンディさん!」
「ふふ、三人とも早くやってみたいって顔してるわね。
ちょっと待ってね、さっきのデュエルが終わったからそろそろ・・・」
「お待たせ~、フェイトのデュエルが終わるの待ってたら遅くなってしまったわ」
そういいながらプレシアが小走りで近づいてくる。
その顔には満面の笑みを浮かべており、どんな表情かと聞かれたら『デレっとしてる』という表現がぴったりと当てはまる。
「プレシア・・・フェイトちゃんの試合を見たかったのはわかるけどお客さんをほったらかしにしたらだめでしょう?」
「ご、ごめんなさい!わたしったらつい・・・」
ハッと我に返りなのはたちにペコペコと頭を下げるプレシア。
その後方から金髪の少女が二人小走りで近づいてきた。
「母さんお待たせ!」
「お待たせ~」
一人はさっきの試合をしていたフェイトと呼ばれていた少女だ。
さっきの試合では黒いボディスーツにピンクの薄いスカート、その上からマントを羽織っていたが、今では白いワンピースの上に水色の上着を羽織った私服姿になっている。
リボンだけはさっきまでと同じ黒色で、長い髪の毛をツインテールにまとめている。
もう一人はフェイトとよく似た外見の少女だ。
白いシャツに薄茶色のスカートを履き、胸元には緑色のリボンが結ばれている。
髪はフェイトと同じ金色で、髪の半分ほどをツインテールでまとめ、残りはまっすぐに流している。ちなみにリボンの色は水色である。
「母さん、その子達は・・・?」
おずおず、といった感じでプレシアに声をかけたフェイトからは、先ほどの試合のような勇ましさは感じられず、逆におとなしい印象を受ける。
「みんなあなたが転入する学校に通っている子達よ。ブレイブデュエルに興味があるみたいだからアリシアと一緒にいろいろ教えてあげて欲しいの」
「はい、わかりました」
「アリシアもいいかしら?」
「うん、いいよ~」
二人の返事を聞いて満面の笑みを浮かべたプレシアは二人をギュっと抱きしめると通常業務に戻るため名残惜しそうに、本当に名残惜しそうにリンディと一緒にカウンターへと向かって行った。
「えっと・・・」
子供たちだけが残され、フェイトはやや緊張気味になのはたちに話しかける。
「その、フェイト・テスタロッサです。よろしくお願いします」
「アリシア・テスタロッサです!よろしくね!」
そんな二人の様子を見てなのはたちは考える。
(プレシアさんは妹さんが私たちと同い年って言ってたから・・・)
(フェイトさんがお姉さん?)
(アリシアが私たちと同い年・・・ってことよね?)
フェイトとアリシアが横に並ぶと、フェイトのほうが背が大きい。
しかも、フェイトの落ち着いた大人びた雰囲気が余計に年上っぽさをなのは達に感じさせた。
しかし、フェイトは落ち着いているわけではない。
(ど、どうしよう・・・いきなり初対面の子と話すなんて・・・)
ただテンパリ過ぎているだけである。
緊張しすぎてうまく話せないのをなのは達は物静かで大人っぽいと感じているだけなのだ。
「うん、よろしくね!みんなブレイブデュエルはまったくの初心者?」
そんなフェイトに助け舟を出したのはアリシアである。
そもそもこの姉妹、姉はアリシアであり、フェイトは妹なのだ。
初対面の同世代の子供たち相手で完全に緊張してしまっている妹を助けるべくアリシアは動いた。
「はい!何も知らないのでいろいろ教えてください!」
「ん、それじゃあまずはデュエリスト情報の登録からやろうか。
ほかの事は順を追って説明するね」
アリシアは棒立ち状態になっていたフェイトを引っ張りながらなのはたちを先導する。
(もう、何やってるのフェイト!)
(ご、ごめん姉さん。緊張しちゃって・・・)
(せっかく転校前に同年代の子と知り合えたんだよ?友達にならなきゃ!)
(う、うん・・・がんばる!)
二人が小さな声でそんな会話をしていると、五人の後ろから大きな歓声が沸きあがった。
びっくりした五人が振り返ると、先ほどフェイトが試合をしていた大型シミュレーターのモニター前には先ほどよりも多くのギャラリーが集まっていた。
「おい!なんだあいつ!」
「めちゃくちゃ強いぞ!」
「みろよ!HPがほとんど減ってないぜ!!」
どうやら試合がかなり大盛り上がりしたようだ。
ちょうどモニターに先ほどのフェイトと同じようにWINNER表示とともにプレイヤーの画像が表示される。
「あ、あの人さっきの・・・」
モニターを見たなのはが真っ先に声を上げる。
そこに表示されていた人物に見覚えがあったからだ。
「あっ!私がさっきぶつかっちゃった人ね」
そう、先ほど入り口で会話したあの青年だった。
プレイヤーネームには『アヤト』と表示されている。
「アヤトさん、って言うんだ」
なのはが一人つぶやくとギャラリーをかき分けて一人の青年がこちらへ向かってきた。
「ふぅ、もみくちゃにされた・・・ん?」
どうやらなのは達の下に来たわけではなく、人ごみから抜けた先になのはたちが偶然居合わせただけのようだ。
「あれ、さっきの。」
なのは達が声をかける前に青年のほうから声をかけてきた。
「君たちもブレイブデュエルが目当てだったんだね。もうプレイはした?」
「いえ、これから教えてもらうところなんです」
「あ、新規プレイヤーだったんだ。ごめんごめん」
「今の試合、すごく盛り上がってましたね!」
すずかが若干興奮した様子で話しかける。
「ああ、相手の人も強かったから。すごく楽しいデュエルだったよ」
本当に楽しかったんだろう、満面の笑みを浮かべる青年。
「そうだ、私はアリサ・バニングスです!改めてさっきはありがとうございました!」
「月村すずかです、よろしくおねがいします!」
「私、高町なのはって言います。あの、アヤトさん・・・でいいんでしょうか?」
「そうだよ。如月アヤトです、よろしく」
簡単な自己紹介をしたところで、部屋の真ん中で話していることに気がついた一同は邪魔にならないようにシミュレータルームの隅へと移動する。
移動しながらアヤトはフェイトに声をかけていた。
「さっきのデュエル見てたよ、強いんだね」
「い、いえ。私なんてまだまだです」
「そんなことないよ、スピードを生かしたかく乱、そこからの近接攻撃、それに最後の相手の回避ルートを読んだ砲撃・・・」
「あ、ありがとうございます・・・えっと」
「如月アヤトです。えっと・・・フェイトちゃん、だったかな?」
「はい、よろしくおねがいします!如月さんのデュエルも・・・」
ブレイブデュエルの話で盛り上がる二人。
その様子を見ていたアリシアは心の中でため息を吐いていた。
(もう~、ブレイブデュエルの話ならできるのに・・・)
妹には人見知りの気があるため、新しい学校に転入する前に同年代の子と知り合えたこの機会を逃して欲しくないのだ。
しかし、先ほどまでは硬かったフェイトの表情はアヤトとの会話で少し緊張がほぐれたのか、普段どおりの柔らかさになっているようにみえた。
(ま、なんとかなりそう・・・かな?)
少し歩いたところでアヤト達はシミュレーターとはまた違った機械が設置されている一角にたどり着く。
「あの、この機械は?」
すずかが疑問を口にするとアリシアはその機械に駆け寄っていき、なのはたちに手招きをした。
「これはカードローダーって機械だよ。これを使ってカードを手に入れるの」
「新規登録用の機能も付いているから、ここにくれば登録とカードの入手が同時にできるんだ」
「その通りっ!」
この展開も今日で何度目だろうか。
フェイトとアリシアとは別の声が聞こえ、なのは達はその声の聞こえた方向へ振り向く。
そこにはT&Hのエプロンをつけた茶髪の女性が仁王立ちで立っていた。
「あ、エイミィはここの担当だったんだ。」
「そうよ~、開店前から張り切って働いてたんだから!
あ、エイミィ・リミエッタです!よろしくね~」
アリシアによると彼女はT&Hのアルバイトチーフという立場らしい。
ブレイブデュエルの公開が楽しみで仕方なく、現在もカードローダーをはじめて使う人にいろいろと解説をしていたようだ。
「みんなはブレイブデュエル初めてなんだよね?じゃあこれをどうぞ!」
そういってエイミィはなのはたちに二つの機械を手渡した。
「小さいほうがデータカートリッジ!みんなのパーソナルデータを保存するためのものだからなくさないようにね!」
「そして大きくて薄いほうがブレイブホルダー!みんなのデッキなんかをしまうためのものだよ!デッキホルダーとも言うね!」
へ~、と感想を漏らしながらなのは達は手渡された二つの機械を眺めていた。
「しかもなんと!今なら開店セールで両方ただでプレゼント!!」
「それを使ってうちのお店でどんどんプレイしてね!」
エイミィとアリシアの顧客獲得のためのセールストークを聞いてアリサはうんうんと頷きながら。
「なるほど、こうやって入りやすくしてお客をつかむのね・・・うまい商売だわ」
「アリサちゃん・・・」
(最近の子は大人びてるな・・・)
小学生らしからぬ感想を抱くアリサとそれをいさめるように笑うすずか。
そして若干年寄りくさい感想を漏らしたアヤトであった。
「それじゃあ、みんなローダーの前に並んで。」
アリシアに促されローダーの前になのはが立つ。
「はい、ここにパーソナルデータを入力して・・・って」
「ん?」
何気なくその様子を眺めていたアヤトにエイミィが白い目線を送る。
その視線の意味がわからず首をかしげるアヤトにエイミィはため息を吐いた。
「お兄さん・・・いくら相手が小学生とはいえ乙女の個人情報を覗くつもり~?」
ハッとしたようにあわてて画面を隠すなのは。
「あ、アヤトさんはしばらくあっち向いててください!!」
すずかとアリサ、そのうえフェイトにまで引っ張られるアヤト。
ここで「あっちに行け」といわれないだけましだろうかと考えながらアヤトはあわてて回れ右をした。
「それじゃあここにデータカートリッジを入れて・・・はい、パーソナルデータ入力完了!ここからが夢のスーパーマシンの本領発揮だよ~。」
もうこっちを見ていいですよ、と若干顔の赤いなのはに言われ、アヤトは改めてローダーへと向き直る。
「はい、なのはちゃん。スキャンが始まるからこっちのカメラのほう向いてね~」
エイミィにそう言われ、なのはは慌ててローダーのほうへ向き直った
カメラによるスキャンが終わるとローダーの中央に一つの光が浮かび上がる。
その光はだんだんと薄い長方形へと変化し、一枚のカードとなった。
「はい!なのはちゃんのカードの出来上がりだよ!」
ローダーの中で浮かぶカードを手に取るなのは。
そのカードには『N+(ノーマルプラス)』のマークとミッドチルダスタイルをあらわす刻印が付いていた。
カードランクはカードの貴重さ、珍しさをあらわす基準で『N,N+,R,R+』が存在し、基本的にランクが高いほど強力なカードとなっている。
そしてスタイルはそのプレイヤーの所属を表す。
スタイルはミッドチルダ・ベルカ・インダストリーが存在し、スタイル間には優劣が存在する。
ミッドはベルカに弱く、ベルカはインダストリーに弱い。
そしてインダストリーはミッドに弱いというじゃんけんのような三すくみになっているのだ。
「うわさによるとR+以上のカードランクのカードもあるらしいんだけど・・・私は見たこと無いかなぁ」
そうつぶやくアリシアにアヤトは頷いた。
「まだブレイブデュエルは一般公開されたばかりだし、ロケテストのときはカードランクの制限があったから。俺もまだ見たこと無いよ」
「へ~、ロケテストに参加してたんですね!」
アヤトのロケテストという単語に反応したアリシアはフェイトの腕を引っ張る。
「この子もロケテストに参加してたんだよ!」
「わわっ!アリシア、急に引っ張らないで・・・・・・あれ?ロケテスト・・・アヤト・・・」
フェイトはロケテストという単語を聞くと何かつぶやき始めた。
「ん?フェイトはどうしたの?」
「さぁ?」
急に様子が変わったフェイトをみて首をかしげるアリサとすずか。
「ほ、ほら!アリサちゃんとすずかちゃんも自分のカードを作らないと!」
「あ、そうだったわ!」
「自分のカードかぁ・・・ちょっとはずかしいな」
若干慌てて話題をそらすアヤトに促されアリサとすずかもローダーを操作し始める。
そんなアヤトをなのはは不思議そうに眺めていた。
そして・・・。
「できたー!」
「できましたっ!」
そううれしそうにカードを掲げてみせるアリサとすずかは、すでにカードを作っているなのはとカードの見せ合いっこをしていた。
「ちょっと解説が遅れちゃったけど、それがパーソナルカードっていって一番の基礎になるカードだよ!みんなカードランクはN+みたいだね」
「カードランクについてはさっきも説明したけど、Nランクはほとんど観賞用のカードなんだ。実際に戦えるのはみんなの持ってるN+からだね」
エイミィとアリシアの解説を相槌を打ちながら聞くなのはたち。
そんななのはたちのカードを見てアヤトがつぶやいた。
「みんなミッドスタイルにしたんだね。」
「はい!フェイトさんとアリシアちゃん、それにアヤトさんとお揃いです!」
そう嬉しそうにはしゃぐなのはたちを見てフェイトは恥ずかしそうに頬を赤らめ、アリシアはニコニコと笑い、アヤトは照れくさそうに頭をかいた。
「よし、それじゃあ早速遊んでみよっか!みんな待ちきれないって顔してるし!」
アリシアの言葉に元気よく頷くなのはたち。
そんな中、年長者のアヤトは。
(これ以上はお邪魔・・・かな?)
年が近い子同士のほうが気兼ねなく遊べるだろうと思ったアヤトは、なのはたちに「それじゃあね」と声をかけ立ち去ろうとした。
しかし、服の裾に何かの重さを感じ、それに引っ張られるようにして振り向いた。
そこにはアヤトの服の裾をつかみ、顔を見上げるなのはの姿があった。
「えっと・・・なのはちゃん?」
「あっ、あの!ご迷惑じゃなければ・・・その」
はじめは服の裾をつかんだままもじもじとしていたなのはだったが、意を決したかのように強いまなざしでアヤトを見つめ。
「ブレイブデュエルのこと、いろいろ教えてください!私、アヤトさんやフェイトちゃんみたいに上手になりたいんです!」
そう言った。
そんななのはに続くようにアリサとすずかもアヤトの元へやってくる。
「私も!」
「お願いします!」
一瞬あっけに取られたアヤトだが、すぐにその表情は優しい笑顔になり。
「もちろん、喜んで教えさせてもらうよ。」
そう返事をした。
グッとガッツポーズを作るアヤトを見てなのはたちは軽く笑いながら御礼を言った。
【単語集】
『私立海聖小学校』・・・なのはたちが通う私立の小学校。
『ホビーショップT&H』・・・最近開店したホビーショップ。モバゲー内ではミッドスタイルのプレイヤーの本拠地である。この小説内でもミッドスタイルのプレイヤーが多い。なお、T&Hは『テスタロッサ&ハラオウン』の略。
『ブレイブホルダー』・・・デュエルで使用するカードをセットするためのホルダー。RPGの冒険者カバンのようなものらしい
『カードローダー』・・・新しいカードを手に入れるための機械。有料のプラチナローダー、イベントなどで配布されるチケットを使うレアローダー、対人戦で手に入るLDを使うカードローダーがある。そこのキミもプラチナ12連に挑戦だ!
追記:改正内容について
ようやくなのセントのコミックが手に入ったのでそれを踏まえた修正
ブレイブホルダーとかカードランクなどの用語の間違いなどなどを修正したら内容がダイブ変わってしまいました、サーセン