魔法少女リリカルなのは『INNOCENT BRAVE』 作:ウマー店長
「初プレイお疲れ様。どうだった?ブレイブデュエルは」
「真っ先にやられちゃったのは悔しかったけど・・・」
「うん、空を飛んだりできて楽しかったね!」
ヴィータの乱入というアクシデントがあったものの、なのはたちのブレイブデュエル初プレイは終了した。
アヤトとなのはたちはすでに店舗の外に出ており、アリシアとフェイトも見送りのために一緒に外に出ていた。
あたりにはすでに夕日のオレンジに染まっており、沈みかけの太陽に照らされてできた影は道路に長くのびている。
「ホントにごめんね~、最後の設定のこと」
「もういいわよ、気にしてないから」
「あと、プレイヤースキャンのことも・・・」
「そのことはもう触れなくていいから!」
アリシアの言う最後の設定とは、なのはが誤って押してしまった対戦相手募集のテンプレートボタンのことである。
そしてプレイヤースキャンの際の騒動のことに触れるとアリサをはじめとした初心者メンバーは少しだけ頬を赤くした。当事者のアヤトもばつが悪そうに頭をかいている。
「オホンッ!・・・なのはちゃんは?ブレイブデュエルをやってみてどうだった?」
アヤトはこの空気をごまかすようにさっきから黙っているなのはに話を振った。
「初めてのデュエル・・・」
なのはは目を閉じると今日のプレイを思いだした。
空を自由に駆け回ったこと。アリサの攻撃の追いかけっこやすずかにかばってもらったこと。
そしてなによりも、ヴィータの乱入。
自分という足手まといを抱えながらも戦っていたアヤトの姿。自分を助けるために割って入ってきてくれたフェイトのことを。
「ゲームのすごさにびっくりして・・・驚いて・・・」
「うん」
今日あった事柄を一つずつかみ締めるように言葉にしていくなのは。そしてその言葉をやさしい表情で受け止めるアヤト。
「急な対戦に戸惑って・・・一方的にやられたのが悔しくて・・・」
「・・・うん」
「でも・・・楽しかった!すごくすごく・・・楽しかったです!!」
「そっか・・・よかった。俺も教えた甲斐が・・・って、そんなにたいした事してなかったね」
「そんなことないです!」
なのははずいっ!とアヤトに詰め寄り、アヤトの右手を両手で握った。
「デュエルを楽しむこと・・・最後まで諦めないこと・・・。全部アヤトさんが教えてくれました!!」
「・・・・・・」
「だから、ありがとうございます!!」
なのはは、まるで大輪の花のような満面の笑みを浮かべた。何の含みも無い純粋な感謝に、アヤトは少しだけ顔を赤くしてそっぽをむいた。
小学生の少女の言葉に照れている大学生の青年の頬の紅さは、夕日のオレンジにごまかされていた。
「あ、あの・・・その・・・アヤトさん!」
「え、あ、何かな?」
「も、もしよかったら!暇な時とかでいいので!その・・・」
「・・・うん?」
アヤトの手を握ったままもじもじとするなのは。その際に手をにぎにぎとされているアヤトからすればくすぐったくてしょうがないのだが・・・。
「私にブレイブデュエルのこと・・・これからもいろいろと教えてください!!」
「えっと、それは全然かまわないけど・・・。どうして俺に?フェイトちゃんやアリシアちゃんも経験者だし教えるには十分な実力を持ってると思うけど」
「そ、それはそうですけど・・・その・・・」
言葉を濁しながら、またもじもじとするなのは。そして再びにぎにぎされだした右手が非常にくすぐったいとアヤトは感じていた。
数秒の沈黙の後、なのははようやく口を開いた。
「その・・・友達に・・・」
「え?」
「アヤトさんと、お友達になりたいんです・・・」
消え入りそうな声ではあったが、なのはの言葉は確かにアヤトの耳に届いた。
その一言を伝えるのにかなりの勇気が必要だったのだろうか。なのはの顔は若干赤くなっていたが、やはり夕日のオレンジのせいで周りの人間にはわからなかった。
「あの、だめ・・・でしょうか?」
「・・・ははっ。酷いな、なのはちゃんは」
「ふぇ?」
「俺はもう、君と友達のつもりだったんだけどな」
「・・・・・・」
アヤトの言葉を聴いて、なのはの表情に再び笑顔が浮かんだ。
「やったぁ!ありがとうございます!アヤトさん!!」
なのははさっきから握ったままのアヤトの右手をぶんぶんと上下に振った。されるがままのアヤトは勢いよく振られている腕に若干の痛みを覚えた。
ようやく満足したのか、アヤトの手を離したなのははアヤトの顔をじっと見つめた。
「えと、どうしたの?」
「あ、いえ・・・男の子のお友達ができたのって初めてなのでうれしくて・・・えへへ」
(もう男の子って年じゃないけど・・・)
「ちょっとなのは~?二人の世界に入らないでもらえるかしら?」
「きゃっ!あ、アリサちゃん!」
アヤトとの会話に夢中になっていたなのはは突然後ろからアリサに抱きつかれ小さく悲鳴を上げた。
「親友の私たちを除け者にするなんてちょっとお仕置きが必要かしら~?」
「い、いひゃい!いひゃいよあいひゃひゃん~!」
アリサは背後からなのはのほっぺを引っ張り、お仕置きといわんばかりにむにむにとしていた。
「なのはだけいろいろ教えてもらうとか、許さないんだから!」
「もう、アリサちゃんってば・・・」
「アヤトさん!」
「な、何かな?」
なのはから手を離したアリサがアヤトに詰め寄る。そんなアリサの勢いに押され、アヤトは一歩後ろに下がった。
「なのはだけじゃなくて、私たちにもブレイブデュエルのこと教えてくれますよね!?」
「も、もちろん!」
「やった!」
もとからアヤトはなのはだけに教えるつもりではなかったが、まるでアリサに押し切られるような形で指導依頼を受けた。アヤトの言葉に喜ぶアリサの横ですずかが手を挙げる。
「わ、私もお願いします!」
すずかだけ断るはずも無く、アヤトは二つ返事で引き受けた。アヤトの返答を受けてすずかもまたアリサのようにはしゃぎだした。
「よーし、とりあえずの目標は今日乱入してきた子に勝つことね!がんばりましょ、すずか!」
「う、うん!」
初心者のアリサたちが全国レベルの実力者であるヴィータを目標にするのはなかなか大変だとは思う。だが、アヤトはそれを口にはしなかった。
高い志を持つことは悪いことではないし、何よりも──。
(みんなは、きっと強くなれる)
ブレイブデュエルには無限の可能性がある。既存のカードゲームとは違い弱いカードでも使い方しだいでは大きく化ける。個人が努力し、工夫すれば新たな道はいくらでも拓かれていく。
初心者、特に子供のほうが既存の考えや常識にとらわれない自由な発想をもっているとアヤトは思っている。
なのは達は可能性の塊なのだ。
アヤトがそんな考えをめぐらせていると、突如背中に衝撃が走った。
「みんなだけずるいよ~!私とフェイトは仲間はずれ~?」
衝撃の原因は背中に飛びついてきたアリシアだった。アヤトの背中越しに抱きつき、ぷらーんとぶら下がっている。
「いや、そんなつもりは・・・」
「だ、駄目だよアリシア。早く降りないと」
「いや、アリシアちゃん軽いから全然平気だけど・・・ホントにフェイトちゃんはしっかりしてるな」
「そうよね。さすがは先輩って感じ!」
「えっ?」
アリサの言葉に首をかしげるフェイト。そして、アヤトの背中でプルプルと震えだすアリシア。
「アリシアちゃん?どうかした?」
「・・・ねえ、みんな。私たちが四年生と六年生って事は聞いた?」
「う、うん。プレシアさんから・・・」
若干声が震えているアリシアに戸惑いながらも、すずかは首を縦に振った。
「じゃあ、どっちがお姉ちゃんかは・・・?」
「聞いてないけど・・・フェイトさんがお姉さんだよ・・・ね?」
恐る恐るといった様子でアリシアの問いに答えるなのは。
アヤトから手を離し、なのはたちへ向き直ったアリシアは、プルプルと震えながら涙目で言った。
「・・・わたし、六年生なんだけど」
その後、全員が驚愕の叫びを上げた。
もうちょっとだけ続くんじゃ
【独り言】
2週間ぶりでしょうか、お久しぶりです。
モバゲーのほうでグランプリがあったりいろいろ予定が立て込んだりしましたけど私は元気です。
グランプリの順位は1700位前後といったところでした。今回はあまりがんばって走らなかったのでこんなもんですね。課金もしてないです。
次回のイベントはグランツ研究所かな~、ユーリの新カードが出るのではないかとかなり期待してます。シュテルんでも可。むしろ大歓迎。