魔法少女リリカルなのは『INNOCENT BRAVE』   作:ウマー店長

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DUEL1 リライズ・アップ!⑧

「ぐすっ、やっぱり間違われてたぁ~」

 

へにゃぁ、とその場に崩れ落ち、ガックリと肩を落としたアリシア。慰めようにもアヤト本人もアリシアが妹でフェイトが姉だと思い込んでいたためかける言葉が見つからずにいた。

それは他のメンバーも同じようで、全員そろって口をパクパクさせながら「あ~・・・」とか「え~っと・・・」などと唸っている。

そんな中アリシアに声をかけたのは、実は妹ということが判明したフェイトだった。

 

「しょ、しょうがないよアリシア・・・」

 

確かに二人の身長の関係上、アリシアが妹だと勘違いされるのは仕方の無いことなのだが、本人に直接「しょうがない」と告げるあたりこの子は天然なのかもしれないとアヤトは思った。

 

「それっ!それだよフェイト!!」

「へっ?」

 

アリシアは突然がばっ!と起き上がり、フェイトに詰め寄った。

 

「何で最近『お姉ちゃん』って呼んでくれないの!?そうすればすぐにわかるのに!!」

「確かに」

 

アヤトは今日一日のアリシアとフェイトの会話を思い出してみるが、フェイトがアリシアのことを「お姉ちゃん」と呼んでいる場面は無かったはずだ。

見る限りではお姉ちゃんと呼ぶのを嫌がるような姉妹仲には見えなかったため、何か別の理由があるのだろう。

 

「そ、それは・・・」

 

全員分の「どうして?」というニュアンスの視線を浴びたフェイトは、胸の前で人差し指をごにょごにょと動かしていた。

数秒後に口を開いたフェイトは。

 

「みんなの前だとなんか恥ずかしい・・・し・・・」

 

そう言った。

思わずアヤトは「思春期か!」とツッコミそうになったがぐっとこらえる。以前そんな感じのネタで漫才をしていたお笑い芸人がいたな、などとくだらないことを思い出した。

しかし、アリシアは頬を膨らませ明らかに納得していません!といった表情である。

 

「そんなこという子にはこれ読んじゃうからね!」

 

そう言ってアリシアが取り出したのは一枚の紙だった。アヤトの位置からは表に何が書かれているのかはわからなかったが、裏面に大きく書かれている文字はこうだった。

 

『対フェイト用ひみつへ~き』

 

秘密兵器、という漢字がまだわからなかったのだろうか?と思いつつもその内容が気になってしまう。そんな自分もまだまだ子供だな、と思うアヤトを尻目にアリシアが内容を読み始めた。

 

「『私のお姉ちゃん』1年B組、フェイト・テスタロッサ」

 

どうやら内容はフェイトの書いた作文のようだ。この時点でアヤトはフェイトに激しい同情を覚える。

 

(昔の作文朗読とか、公開処刑もいいところだ・・・)

「私にはアリシアという『大☆好き』なお姉ちゃんがいます。お姉ちゃんは私と違って明るくて元気で・・・」

「わっ、わっ、わぁああああ!!な、何でソレおねえちゃんが!?」

 

必死に大声を出してアリシアの声を掻き消そうとするフェイトの姿に、この場に居る全員が全員ほほえましい視線を送っていた。

当のフェイト本人はそんな視線には気づかず、アリシアから作文の書かれた原稿用紙を取り返すのに必死である。

 

「あー、アリシアちゃん。そのへんで・・・って、ぅおわ!!」

 

フェイトの顔が夕日の中でもわかるほど真っ赤になっているのを見たアヤトがそろそろアリシア止めようとしたときだった。アヤトはさっきまでこの場に居なかった人間が自分の隣に立っているのに気がついたのだ。

 

「ぷ、プレシアさん・・・?」

「あぁ・・・恥ずかしがるあの子もかわいいわぁ・・・」

「あ、あのー?」

 

アヤトが声をかけても気がつかない。

恍惚とした表情で自分の愛娘たちを観察しているのはT&Hの店長の一人、プレシア・テスタロッサその人だった。

 

(間違いない。アレをアリシアちゃんに渡したのはこの人だ)

 

目にハートマークを浮かべ、心なしか肌がツヤツヤしている二児の母を見てアヤトは思った。親馬鹿にはならないようにしよう、と。

 

「あ、プレシア!こんなところに!!」

「はっ!リンディ!?」

「またあなたは抜け出して・・・まだ仕事は山ほど残ってるのよ!?」

「あぁ、アリシア~!フェイト~!」

 

リンディにずるずると引きずられるように店内に引っ張られていくプレシアを見て、アヤトは思った。仕事はまじめにやろう、と。

 

「ご、ごめんね・・・高町さん、みんな・・・」

「あはは、フェイトさん・・・じゃなくてフェイトちゃん・・・かな?私のこともなのはでいいよ」

「え?あ、うん。ありがとう・・・なのは」

 

まだ思考回路がまともに機能していないのか、フェイトはなのはを名前で呼ぶことをあっさりと受け入れた。

そして、顔を赤くしたままオロオロとするフェイトになのははトドメの一言を放つ。

 

「フェイトちゃんって、お姉ちゃん子だったんだね」

 

ボンッ!と音を立て、フェイトの頭から煙が出たのをアヤトは見逃さなかった。

 




【独り言】
どうも、水着ガチャのフェイトさんはやっぱりどこかエロいと思いました。
DUEL1もようやく終わりです、お疲れ様でした。
次回から八神堂メンバーや研究所メンバーが絡み始めます。キャラ多くなると管理大変だよ勘弁してくれ。
まぁ、みんなキャラが濃いから書き分けにはそこまで苦労しないだろうと思うんですけどね(油断)
では、DUEL2でお会いしましょう ノシ
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