魔法少女リリカルなのは『INNOCENT BRAVE』 作:ウマー店長
ブレイブデュエルが正式に稼働を始めた日・・・なのは達がブレイブデュエルに出会った日の翌日。なのはたちが通う海聖小学校の4年生のとあるクラスに転校生がやってきた。
「あの、フェイト・テスタロッサといいます。よろしくお願いします」
教室からあふれかえる拍手にフェイトは照れくさそうな顔をした。拍手を浴びながらこれからクラスメートになるメンバーを見渡していると教室の隅からひときわ大きな拍手が送られているのに気付いた。
(あ、みんな・・・)
先日、自分の母親とその友人が経営するホビーショップに遊びに来てくれた三人組を見つけると、彼女たちから送られる拍手に笑顔を返した。
一日の授業が終わり、なのはたちは先日訪れたホビーショップT&Hへと向かっていた。
「まさか会った次の日に転校してくるなんてね~」
「しかもうちのクラスっ!すごい偶然だよね!!」
「うんっ!なんだかうれしいな!」
「うん、私も・・・。転校はやっぱり不安だったから、みんながいてくれてすごく嬉しかった」
「フェイトちゃん・・・!」
フェイトの言葉に感激したなのはは、ぱぁっ!と表情を輝かせた。先日出会ったばかりなのに仲がよすぎる二人の姿を見てアリサはため息を、すずかは苦笑いを浮かべる
そんな二人の様子を知ってか知らずか。なのははフェイトと楽しそうに会話を続ける。
「お家も近いし。これからは一緒に学校行って、一緒にお昼食べて、一緒に遊ぼうねっ!」
「う、うんっ!」
感極まったなのはは両手でフェイトの手を握り、ぶんぶんと縦に振った。フェイトは少し困った表情をしながらもなのはの手を優しく握り返し、笑顔を浮かべた。
そんなフェイトの様子を見ていたアリサは、あごに手を当てて小さく唸り声を上げる。
「ん~、それにしてもフェイトはブレイブデュエルのときとはまるっきりイメージが違うわね」
「え?そう・・・かな?」
アリサの言葉になのはもすずかもうんうんと頷いた。三人の脳裏に映るのは黒い戦斧を掲げ、マントをはためかせ、凛々しく立ち回るフェイトの姿だったからだ。
なのはたちがT&Hに入店した際に行われていたエキシビションマッチでのデュエルやヴィータとなのはの間に割って入った姿は、転校に不安を感じオロオロとしていた姿とは似ても似つかなかった。
「始めて見たフェイトはすごいデュエリスト!って感じだったから・・・」
「大人の人に勝っちゃったり助けてくれたりすごかったもんね!」
「・・・なのはにとっては王子様みたいなものでしょうしね」
「にゃっ!?」
口に手を当てながらにやにやと笑うアリサにからかわれ、なのはは顔を茹でたタコのように真っ赤にして慌てた。その顔の赤さといったら、頭の上から煙が出ているのではないかと錯覚するレベルである。
「学校でもずーっと気にかけてたし!」
「始めて会ったときもぼーっとしちゃってたしね」
まるで追い討ちをかけるかのような二人の言葉に、なのはの頭の中はさらにごちゃごちゃになっていく。
「いやっ!あのっ!カッコよかったなぁとか、綺麗だなーなんて私は考えてただけで・・・」
「う、うん・・・ありがとう・・・?」
おそらく自分が何を口走っているのかもなのははわかっていないであろう。フェイトも頭の上に「?」マークを浮かべ、なのはの言葉にとりあえず頷いていた。
そんな二人の様子を見ていたすずかが、何かを思い出したかのようにポンと手をたたいた。
「あ!フェイトちゃんが王子様なら・・・アヤトさんは騎士(ナイト)様だね!!」
「ふえぇっ!?な、なんでアヤトさんが出てくるの!?」
「あー、確かに!最後まであの子からなのはを守って戦ってたのよね~?」
「そ、そうだけど!確かにアヤトさんかっこよかったし頼りになったけどそういうのじゃ・・・」
「あ、もしかしてアヤトさんが王子様のほうがよかった?」
「そ、そういうんじゃなくて・・・もぉ~っ!!」
「・・・俺がどうかしたの?」
「うひゃあっ!!」
突如後ろからかけられた声になのはは飛び上がった。聞き覚えのある声に振り向くとそこには黒髪の青年が大きめの手提げカバンを持って立っていた。
「あ、アヤトさんっ!?なんでこんなところに!?」
「なんでって・・・この荷物片したらT&Hに行こうかなって思ってたところなんだけど・・・」
「な、なんでもない!なんでもないですからぁ!!」
「そ、そう・・・?」
顔を紅くしたなのははアヤトに詰めより、腕をぶんぶんと振りながら先ほどの会話の内容を必死にごまかしていた。
その成り行きを見ていたフェイトは、アヤトの手に握られているカバンに目が行く。
カバンの中に何が入っているのかはアヤトよりはるかに身長が低いなのは達からは見ることはできなかったが、許容量限界まで荷物が詰め込まれていることが容易に想像できるほどにそのカバンは膨らんでいた。きちんと口が閉じられていることからアヤトの収納技術の高さが伺える。
「あの・・・それ何が入ってるんですか?」
手提げカバンを指差しながらおそるおそる尋ねるフェイトにアヤトは非常に満足気な笑顔で言った。
「ああ、スーパーのタイムセールの戦利品だよ。いやー、なかなか激しい戦いだった・・・」
「た、タイムセールって・・・ソレ全部ですか?」
「うん、一人暮らしだからお金に余裕も無いしね。切り詰めるところは切り詰めないとブレイブデュエルに回すお金が減っちゃうし」
食費を削るよりもブレイブデュエルにかけるお金を減らせばいいのでは?と思われても仕方が無い発言ではあるが趣味人とはこういうものであるということをご理解いただきたい。
お金は自分が満足できる形で使うのが一番である。言い訳臭いが、アヤトは常日頃からそう思っている。
「へぇ・・・アヤトさんって一人暮らしだったんだ・・・」
「どのあたりに住んでるんですか?」
「ん?海鳴駅から2駅行ったところのアパートだよ。・・・っと、着いたね」
歩きながら喋っているうちに一同はT&Hの近くまでたどり着いていた。荷物を持ち直したアヤトは「それじゃあ」となのはたちに手を振ってT&Hとは反対側に位置する海鳴駅のほうへと向かおうとした。
「あ、アヤトさん!」
「ん?」
アヤトを後ろから呼び止めたのはフェイトだった。金色のツインテールを揺らしながら小走りでアヤトのほうへと向かってくる。
「あの、また後でお店に来るんですよね?」
「うん、この荷物家に置いたらまたくるよ」
「・・・あの、そのときに私と対戦してもらえませんか?昨日からアヤトさんと対戦してみたいってずっと思ってて・・・。」
「・・・うん、いいよ。望むところだ」
ニヤリ、とアヤトは笑う。
その表情はフェイトたちと接するときのようなものではなく、どこか子供っぽさが見え隠れするものだった。
【独り言】
お待たせしました。現実のしがらみから開放されたい作者です。
水着ローダーが始まり、水着アインスを取るっきゃねえと勇んでローダーをまわした結果、ザッフィーSR+という誰得な結果となりました。
ここまできたら早くトーマのカードとクロノ、ユーノのSR+を出してもらってウホッ!男だらけのブレイブデュエル!デッキを組むしかないね、しかたないね。
フェイトの王子様話にアヤトを突っ込みたかった、ただそれだけの回です。
なのはをいじるのは書いてて楽しいです。今後もこんなシーンを書いていきたいな。
フェイトちゃんとのガチバトルを書きます。戦闘描写のため時間がかかるかもしれませんがご了承ください
では、次回でお会いしましょう