23歳非道程私立傭兵元不良、IS学園にぶち込まれました。 作:モズク
それなりの設定と駄文の域に入る文章力ですが、生暖かい目で見て行って下さい。
事実は小説より… なんてのはよく言うことです。
しかしまあ、僕は実際にはこの言葉を信じてはいませんでした。 思ったことを書き綴れる小説よりも、当たり前しか起こらないような現実が奇妙なんてありえないですから。
でも、今日私はその言葉を痛感しました。
『藤御… まさかお前まで…』
受話器の向こうから疲れ果てた声を聞かせるのは、私の中高の一つ上の先輩である織斑千冬です。
織斑先輩は剣道ではめっぽう強く、ついでにとある競技の世界大会優勝者でもあります。
「あはは、文句は篠ノ之先輩に言ってください。」
『嫌だ。 あいつに電話をかけたくない。』
「直接会いに行くのは?」
『尚嫌だ。』
篠ノ之先輩とはおそらくこの状況を作り出したであろう人で、織斑先輩と同じく私の一つ上の先輩。
本当に面倒を起こす人だったのは鮮明に記憶している。
『しかし… お前、今どこにいる?』
「ん? 今は国内にいますよ? ようやくイラクでの仕事が終わって帰って来たんです。」
因みに私は世界中、主に紛争地域を飛び回る仕事をしている。
『全く… 不良から傭兵とは、正しく成り上りか?』
「いえいえ、PMCならまだしも、私立傭兵なんて小銭目当てで殺戮するど底辺ですよ。」
『不死身の藤御、だったか?』
「学生時代はね、今はPhoenix Hushimiです、有名になった物ですよ。」
人に不死鳥など、本当にハイセンスでかっこいいあだ名です。
でも流石に首が取れたら死にますよ。
『それで、日本に帰って来ていた時にISの起動試験を?』
「ええ、次の仕事の間の暇つぶしに受けてみたら、動かしちゃいまして。」
IS、略さずに言えばインフィニット・ストラトス。
これは件の篠ノ之先輩が単独で作り上げた宇宙空間での活動を目的とした、マルチフォーム・スーツです。
残念ながら宇宙開発は進まず、アラスカ条約により軍事利用も禁止されていて、現在は競技用に使われています。 因みにその競技が織斑先輩の優勝した競技です。
仕事中に一度、警備用のISに遭遇したことはあるんですが、あれは悪夢でした。 左手を吹き飛ばされて、危うく依頼失敗になるところでしたよ。
因みにこのISには致命的欠陥があります。 それは、女性にしか動かせない、ということ。
それを僕と、彼女の弟である一夏くんが動かしてしまって僕ら2人が彼女が教師を勤めるIS学園に入学させられる羽目になりまして、それのせいで爆発的に仕事量の増えた彼女が疲れ果てているわけです。
「ISを動かせたら傭兵稼業にも使えそうですしね?」
『使わせんぞ、そもそもISの無許可での使用は違法だ。』
「おや? 僕の仕事自体が違法のものですよ?」
『そうか、ならば私が飛んで行って斬り殺してやろう。』
「あはは、織斑先輩ならば不死身も殺してしまいそうですね。」
『残念ながら、お前はそれでは死なないだろうがな。 そもそもISを生身で落とした者などお前だけだぞ?』
「それは相手の技量が無かっただけですよ。 あれが織斑先輩だったら五回は死んでました。」
『それで6回生き返るわけだな?』
「よくおわかりで。」
笑いながら、ズレたメガネをかけ直す。
しかし、国も何を考えているのか…
「しかし、よくこんな野郎を高校に入れようと思いましたね?」
『お前は仕事以外では殺しはしないだろう? Undead Hushimi、Phoenix Hushimi、Hushimi of Zombie。』
「あのね、Phoenixは気に入っているんですがそれ以外は好きじゃないんですよ。 なんですかundeadとzombieって、人を化け物みたいに。」
『…違うのか?』
「断じて違います。」
本当に疑問に思っているかのような彼女の声に否定を返し、溜息をついた。
「一夏くんも入学するんでしょう? 他にも男がいて助かりましたよ。」
『ああ、一夏もお前には会いたがっていた。』
「へえ、それは良かった。」
一夏くんとは一応接点があるが、それについて話すのはまた機会があったらにしよう。
『む、もう時間だ。 切るぞ。』
「ええ、ではまた。」
プツン、と電話が切れて部屋には静寂が広がった。
スマートフォンをスリープモードにしてコトン、と机の上に置く。
「うーん、生活必需品でも買いに行こうかな?」
IS学園での暮らし方を考えながら、取り敢えずは持ち物を揃えようと財布を持って家を出た。