BanG Dream!~あの時の約束~完結 作:レイハントン
少しの時間で読めるように文字数は短めです。
主人公の名は神山恵(かみやまけい)。
almondとは黄色に似たようなやつです。twisterも同じくです
『ホントマジ最悪』
いや違う……。
『そうやって騙してたんだ』
違う……。
『バカみたいだよね。勝手に信じちゃってさ』
違う……!
『もう顔も見たくない』
待ってくれ……
『二度と来ないで』
「───待ってくれ! ……………………………はぁ、はぁ、はぁ。またあの事か……………」
未だに忘れられないあの時折の彼女の顔。
泣きながら俺に放った言葉はどれも辛辣で冷たかった。
額の汗を拭うと灰色の服がうっすら黒くなる。
目覚まし時計で時間を確認すると時間は5時。
大抵いつもこの時間に目が覚めてしまったり、あの夢で起きてしまう。
なぜここまで忘れられないのか。
俺も不思議でしょうがなかった。
ただ女の子を泣かしてしまっただけなのに………。
いや、それがいけなかったのだろう。
あの事があってからは彼女には会ってない。
もう2年近く経つ。
今でもあいつの事は一度たりとも忘れたことはない。
いや……忘れられないし、忘れちゃいけない。
いつか時間が解決してくれると思ったがそうでもない。
今ではあっちは俺の事を見てもスルー。
まるで赤の他人のように。
そしていつも話しかけられそうな雰囲気じゃなかった。
当初はその衝撃が凄くてご飯もろくに食べなかったし、学校も1日だけ休んだ。
本当は何日も休みたかった。
でもあいつに「学校くらいは行こうぜ」って言った手前、自分が破る訳にはいかなかったから。
少しボーッとしてスマホを確認すると
昨日の夜電話しててそのまま寝落ちしたなこりゃ。
確認すると電話が終わっていて、寝落ちしちゃた?笑の後におやすみと来ていた。
相手は俺が今付き合ってる人─
もう2年は経つかな。
あの事の後ぐらいから付き合い始めたんだ。
俺も精神的に来たものがあってさ。
彼女は優しくしてくれて、話を真剣に聞いてくれたんだ。
それに惹かれて告白しようと思ったら、先にあっちが告白してくれた。
もちろん返事は「はい」の一言。
今返すのは流石に悪いから後で返そう。
ベッドから起き上がり背伸び。
カーテンを開けるとまだ日は昇ってきてはいない。
そう言えば今日は高校の入学式。
「今日から高校生か……」
高校生ってなんか憧れがあるよな~。
中学とはまた違った感じになるんだろう。
とりまバイトでもして金稼ぎますかね。
いつも世話になってる優衣になんか買ってあげたいし。
スマホを持って2階の自室を出て下に降りる。
1階ではすでにお母さんが朝ご飯とお父さんの弁当を作っていた。
毎日ご苦労様です。
「あれ? 今日は早いのね」
「なんかこの時間に目覚めるんだよ」
「そうなの? ………いつになったら有咲ちゃんと仲直りするの?」
不意に飛んできた質問。
俺はすぐには答えは出せなかった。
いや……この2年で何度かされた質問。
いつも答えをはぐらかしていた。
親に知られるのはなんとなく恥ずかしかったからだ。
だってある日突然二度と来るなって言われたんだぞ。
なにか余計なこと言ったに違いない。
そんな事が親にバレでもしてみろ。
バカにされるのは目に見えてる。
「そのうち」
テレビに映る痴漢行為および暴行の疑いで捕まった男の報道を見ながら適当に答えた。
つうか世の中物騒だな。女子高生が2人襲われたのか。
この時はそう思ってた。
あの約束を思い出すまでは。
朝ご飯を食べて自分の部屋に戻った。
ハンガーに綺麗に掛けてある高校の制服。
今日からあいつも高校生か……。
でも受験とかなかったんだろうな。
付属の中学校だったから………やっぱ考えちまうよ。
長い間好きだった人の事は。
それを忘れようと、来ていた通知を開いて返事を返して制服に着替えた。
サイズ合わせで1度着たが、こうしてもう1度ちゃんと着ると身が引き締まる思いだ。
1階に降りると弟とお母さんが用意を済ませていた。
因みに1つ下の弟も居る。
「あら~良いわね。似合うわよ制服」
「嘘つけ。絶対そんなこと思ってないだろ」
「僕が中学に上がった時にも言ったよね? お母さん」
たまにというか結構お母さんは適当なことをいう。
それがテレビではうけてたし。
うちのお母さんは元歌手で、お父さんは今でもバリバリ働くギタリスト。
「とりま俺は友達待たせてるか先行くわ」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
鞄を持って家を出た。さっきの話の続きだけど、お父さんの影響で俺もギターをやってたりする。
上手さは……な? あんまり聞かないでくれ。
父親が凄いとあんまりギターやってるとか言えない。
絶対に比べられるからだ。
でも人間どうても腕試しをしたくなる。
だから世界中で使われてるSNSアプリ、
ってことでまだバレてない。
しばらく歩くと友達の
「遅ーい。遅刻だ遅刻」
「悪い悪い。じゃあー行こうぜ」
「お前悪いと思ってないだろ」
「まあな」
徹とは小学生からの付き合いで腐れ縁というやつだ。
こいつはギターをやってることを知ってる。
誰にも言わないと信じてるからだ。
「そういやさ~こないだ弾いてたのグリグリのやつだろ?」
「そうだ。今人気だろ? ガールズバンドのグリグリ。流行りに乗っかってみた」
「なるほ~」
今世の中はガールズバンドというものが流行っている。
その名の通り女子がバンドをやるということ。
しかも女子高生の間でもの凄い流行ってるらしい。
あんまり興味ないからスルーだけど。
「でもグリグリの曲は良いよな~」
「そうか?」
略してグリグリ。
今流行ってるガールズバンドだ。
雑談をしながらしばらく2人て歩いてると、カフェの前で自分の制服を確認しているバカが1人。
「なにしてんだ? あいつは……」
「朝から
説明しよう香澄ワールドとは、いつでもポジティブで元気全開な
「あっ! 神山君! 宇崎君! おはよう!」
「おはよう~戸山」
「朝から元気だな」
俺は朝から相手のテンションには合わせないスタンスだ。
徹は平気で戸山に合わせるみたいだけど。
そこに痺れる! 憧れ………ない。
「あれ? 戸山は高校どこだっけ?」
「花女だろその制服は。ここら辺じゃ有名な女子校だし」
「詳しいじゃん」
だって優衣もそこ通ってるし、それに………いや。
そういうことにしよう。
彼女が通ってるから。
それでいいよな。
「ほれ行くぞ~恵」
「おう」
「早く早く~!」
なんか知らんが戸山と一緒に行くことになった。
朝から疲れる……。
結局戸山とは一緒に行くことになるんだよ。
俺と徹が通う花咲川高校は花女の前を絶対通るから。
あいつにも会う可能性があるけど、殆ど学校行ってないだろうからその確率は低いし、会ってもどうせ話さない、顔合わせないからたぶん大丈夫。
因みに花咲川女子学園は略して花女。
地元の花咲川高校は共学の高校で略して花高と呼ばれている。
そして意外と進学校としても有名だ。
少し歩き街の中を走る路面電車に乗る。
短い距離を移動する手段としては有効だ。
「戸山はなんで花女受けたんだ?」
「ん~。なんかキラキラしてたからっ!」
「聞いた俺がバカだった」
「え~!」
これが香澄ワールドという由縁だ。
こういう意味不明なことをよく口にする。
そのせいでこっちは当たり前になったよ。
でもポジティブで人当たり良いから女子でも接しやすい。
「オレはわかるぞ~。戸山の気持ち! あそこはキラキラしてるよなっ!」
「でしょ! でしょ!」
「なんでお前はわかるんだよ」
まあ、あらかた予想はしてるけど、こいつの言うキラキラしてるは戸山が言うキラキラしてるとは違うと思う。
それはすぐにわかる。
「あそこは可愛い子が沢山居るって噂だからなっ! 一度でいいから行ってみたいと思ってたんだよ!」
「アホ。呆れてものを言う気すら起きないわ」
「あははは」
ほら見ろ。あの戸山が苦笑いだぞ。こいつの女好きいい加減直るか、もう少しマシになってくれないかな。………ならないか。
路面電車を降りて少し歩くと花女が見えてくる。
それと同時に花女の制服を来た女子が増えてきた。
結構俺と徹が浮くなこりゃ。
早いとこ退散する方が最善か。
「そんじゃな戸山。学校頑張れよ」
「うん! ありがと! 頑張るよー!」
「行くぞ徹。俺達だけ浮いてるから」
「はぁー? ちょっと待ってて! まだオレの目に焼き付けてないから~」
無理やり襟を掴んで引きずって連れて行く。
これを強制連行という。
そんなこんなで花咲川高校にたどり着き無事に入学式を済ませた。
終わった後に入学式どうだった?って優衣に聞いたが楽しかったよ!と帰ってきた。
楽しいということなのでなによりだ。
でも友達と帰るからと言って一緒には帰れなかった。
最近一緒に登下校することが減ってきたような気がするけど、あっちにも友達付き合いというものがあって、我が儘は言ってられない。
結局徹と2人で帰路についたわけだ。
そして例によってまた花女に来ている訳だ。
今度はあまり近づかないように見てる。
俺は隣で携帯いじってるけどな。
そしていざという時は逃げる。
「やっぱ可愛い子めっちゃ居るじゃん! なあなあ恵も見てみろよ」
「興味ないね」
「へいへい。彼女が居る人は興味ないですよね~。お~! あの子結構タイプかも!」
1人でやってろ。
俺はtwisterでコメント確認するので忙しいだよ。
…………結構良いコメント来てるし、ダメな所も指摘されてるな。
とりまそこを直すか。
数分後ようやく徹が帰る気になったので帰ることになった。
待った分は今度なにか奢ってもらおうと心に決め帰路につく。
そして止まっていた歯車が動きだし、止まっていた時間が進む。
それは家に帰ってから夕方に起こった。
まさかまさかのおつかいを頼まれた。
この年になっておつかいとかマジ無いわ~。
弟は部活で居ないし、俺しか居ないって訳ですか。
仕方なく買い物をするために外に出た。
「あーめんど」
人に買い物行かせといて自分は家でゆっくりしてるんだろうな。
まあ、毎日頑張ってるから今日くらいはやるけどさ。
でも聞こえない所で文句は言わせてくれ。
夕方の空の元俺はただ無言で歩いた。
1人で喋ってたらおかしい奴になるからな。
一旦携帯で時間を確認し、前を見る。
この時──T字路で横から来ている人に気付かなかった。
そうなると普通にぶつかる。
「あっ、すいません」
「こちらこそ」
ぶつかった人に視線を向ける。
そこには───
「有咲?」
そこには
そして思わず声に出してしまった。
「恵?」
向こうもいきなりの事に思わず名前を呼んでしまったのだろう。
すぐに無視して歩きだしてしまった。
「待ってくれよ。どうして無視するんだ?」
俺の問いかけには答えずに俺の来た方向に歩いていく。
朝夢を見て、会ってしまったら聞くしかない。
「なあ、有咲!」
「うるさい! 話掛けんな。私を裏切ったクセに話掛けるとか有り得ない」
「は? 俺がいつ裏切ったんだ?!」
それでも俺の問いかけには答えてくれない。
そのままその背中を見送るしかなかった。
いつどこで裏切ったかなんて身に覚えがない。
なにを言っても答えてくれないあいつに少し苛立った。
「俺がなにしたって言うんだよ………有咲」
ボソッと言った言葉が有咲に届くはずはなかった。
届いたとしても答えてくれるはずはない。
そこまで否定されるならいっそのこと本当に忘れてやろうかと何度も思った。
だけどそれは俺には出来ない。
どうしてもあの時の有咲の顔が頭にこびり付いて離れないからだ。
だから人に頼ってしまった……優衣に。
彼女は忘れさせてくれた。
嫌な思い出も有咲との楽しかった記憶も全て。
頭がモヤモヤするまま買い物を済ます為にスーパーに向かったけど、間違って違う物を買ってしまったのはここだけの話。
ツンデレ良いわ~。そんな有咲はこの小説で主人公にデレる日は来るのか。
バンドリのキャラ可愛い子多くない? それはそれでいいけど。
では