BanG Dream!~あの時の約束~完結 作:レイハントン
あー、えっと。俺は開幕一番で困っております。いつも通りに戸山達と学校に行って(毎回途中で会う)、教室に来た訳だけど……。
「な、なんなんだ? 変態って……」
朝から花園さんから教室に変態が居たとalmondに連絡が来ていた。変態って通報しないといけないやつじゃん。ポリスメン呼ばないとダメじゃん。つうかなんで、女子高に変態が現れるんだよ! 変態が居たらもっと大騒ぎになるだろ!!
1人虚しく心の中でツッコミを入れる中、徹はなにやらニヤニヤしながらスマホをいじっていた。
なんか腹立つからグーパンしてやろうかな。いや、グーパンは可哀想だから、ラリアットくらいにしておくか。
「なにニヤニヤしてるんだよ」
「え? あっ、まぁな~。最近とんでもない人と仲良くなってな。それでな────」
始まったコイツの長い話。マジで長い。10両編成の電車より長い。1回目はお金持ちのお嬢様の話。2回目は清楚系の可愛い人の話。今回はいったいどんな話なのやら………。
「んで、ずっと学校の廊下の真ん中に立ってたんだって」
「ふーん」
「なんでずっと立ってるんですかって聞いたら」
「へー」
「木の練習をしてたんだと」
「・・・・・はぁ? なんで木の練習なんてしてんだよ!」
なにその人。木の練習ってなんだ?! そんな練習してなにになるんですか!? だいぶぶっ飛んでるなその人。なんかだんだん徹の友達に興味湧いてきたわ。
「将来は宝塚じゃねえかな。人のことを子猫ちゃんとか呼んでるみたいだし」
「なんでそれが宝塚に繋がるんだ?」
なんかもうよくわかんねえ。それよりも花園さんの方がわけわかんないんだよ。変態ってなに? って返事返したんだけど、変態は変態だよって返ってきた。これは手強い相手だ。だけど、戸山で耐性は少しついてるから問題ないはず!!
「ん? ・・・・・え」
「どした?」
「いや………。世界には凄い人が沢山居るな~と思って……」
スマホの画面を眺めながら言う。画面には返ってきた返事が映っている。
『神山君も変態だよ?』
なんでそうなるんだよ! 花園さんの変態認定度合いがよくわかんねえ。これは………大変になりそうだな。そういえば今日有咲と少し話したんだよ。話だぞ、話。独り言じゃなくて。
少し時間を遡る。いつも通りに徹と待ち合わせした俺は2人で学校に向かっていた。だいたい途中で戸山と有咲と合流するんだけどな。
「最近戸山のギターはどうなんだ?」
「こないだステージに上がったきり、やる気が凄くてな。いい感じに上達してる」
昨日はやる気が違っていたのは確かだ。それと牛込さんのベース
の腕は基礎がちゃんと出来てる。お姉ちゃんと一緒に練習してたみたいだし当然ちゃ当然か。
「オレにもなにか楽器の弾き方教えてくれよ」
「急になんだ? ……お前にピッタリなのがあるぞ」
「マジか!? どんな楽器だ?!」
目を輝かせながら俺のことを見る徹。こいつに合う楽器は1つしかない。たまに無駄にマスターしてくるから、早々に諦めてもらおう。
「ドラム」
「おー! ドラムか! やってみっかな~」
お前はバカか。よしやろうと思って出来るものでもないんだよ。俺は最初見たときどうなってんの? って思った。足使ったり、両手使ったりして覚えるの大変だったことを今でも鮮明に覚えてる。
「んじゃ、頑張ってみようかね」
「そうか。頑張れよ」
話がひと段落ついたところで、いつも戸山達と会う場所に来た。案の定いつもと変わらぬ独特な髪形で、背中にりぃ先輩が注文してくれたギターケースを背負っていた。相変わらず有咲はこっちを睨んでくる。あー怖い。
「おーす。戸山、市ヶ谷さん。それと君が牛込さん?」
「は、はい。えっと……」
初めて会うであろう徹に話しかけられてオドオドする牛込さん。すかさず紹介に入る。
「こいつは友達の宇崎徹。マジックが特技の」
「この間、生徒会長に注意されてた人ですよね?」
「え?!あ、うん。そうだよ」
とうとう注意されたか。だからやり過ぎには注意しろって言ったのに。許されるのは最初だけだと思うけどな。
「恵君! 恵君! どうかな♪」
昨日一緒に受け取りに行ったのに覚えてないのだろうか。全く………勘弁してほしいものだ。適当に、「似合ってる。似合ってる」と返す。次に標的になったのは徹。もちろん同じことを聞いている。戸山、徹、牛込さんの3人で仲良く話しているのを見ていると、以外にも有咲が話しかけてきた。
「昨日一緒に居たの誰?」
「昨日? ………もしかして午前中のか?」
「そうだよ」
言い方は冷たいものの話しかけてきたことに内心驚いている。今日は雪でも降るんじゃないか? いや吹雪の方が正しいか? どっちにしろ凄いことだ。
「友達だよ。ギター好きの」
「ふーん」
それ以降会話はなかったけど少し話せてよかった。最近は意識して見なかったけど、やっぱり有咲は普通に可愛いと思う。性格さえ良ければ絶対モテてると思うのに。ツンデレな所もまた売りになるのか。まあ俺にはツンどころか鋭い針並に尖った態度だけど。
「なに見てんだよ。気持ち悪い」
「いやいや。向こうの壁見てただけだし」
「壁見てるとか頭どうかしてんじゃねえの? もともとどうかしてるか」
「俺はもともと普通だから」
こうして今日も顔を合わせずに黙々てワイワイ話す戸山達の背中を追って独り言という括りで話す。ここだけの話だけど、結構楽しかったりする。
「神山君と有咲ちゃんはどうしてお互いに顔を合わせて喋らないの?」
「ん? さあ~。オレもわからん」
「聞いても答えてくれないんだ~。気になるのに」
「そうなんだ」
戸山達の会話も聞こえぬまま、別れ道までお互いに前を向いて歩きながら喋った。
「ありがとうございましたー」
カウンターで椅子に座りながら、店をあとにする4人組のお客さんに軽い挨拶をして見送った。これで8人目くらいか? 平日で学校とかあるはずなのによく来るよな~。帰りにハンバーガー専門店とかでだべった方が楽しいと思うのに。頑張ってますなー。
「ちょっと、ちょっと。困るよ
このめんどくさい人。まあ、自分のバイト先の先輩なんだけどー。面倒見がいいんだけどねー。ちょっとめんどくさいというかね。うん。
「了解っす。もっとシャキッとしまーす」
「それはもうたくさん聞いたよ………」
明らかに呆れ顔。でもこんな後輩もった以上仕方ないと思うな~自分は。そうだ、そうだ。自分の自己紹介してなかったな。自分は
「たまにはちゃんとやろう! って気概はないの?」
「ありますよー。次のお客さんが来たら頑張ります」
「頼むよ?」
「へいへい」
適当な返事を返すと、店のドアが開いた。ぞろぞろと5人組の女子高生が入ってくる。
「らっしゃい! 今日も練習か? ひーちゃん」
「はい! もちろんですよ!」
自分の声かけに元気よく答えてくれたのが、うちの店の常連客の
「相変わらずノリが軽いですね」
「相変わらず無愛想だね~ランちゃんは。元気してる?」
「はい」
クールな印象だけど、デレる時は時はデレる黒髪ショートカットの子が
「イエーイ」
「イエーイ。今日もマイペースだな、モカちゃん」
「えへへ。またパン奢ってくれるの待ってますよ~」
「おう! また奢ってやっからな!」
このマイペース過ぎるクリーム色のショートカットの子は
「こんにちはー」
「こんちはー。今日もつぐるのかい?」
「は、はい。頑張りますよ!」
見た目でわかる真面目でしっかりさんの
「おっ、今日も格好いいっすな~姉御は」
「やめてくださいよ~。その呼び方」
もうね、見た目はクールビューティー。赤っぽい長い髪が特徴の
彼女達は全員幼なじみで中学校の文化祭をきっかけで、Afterglowというバンドで活動
を始めた。そんで、自分が働くこのスタジオに練習に来る常連客ってわけ。みんな可愛いから悪いおじさんや、パリピな兄ちゃんから守ってやんねえと。
「いつもの場所空いてっから使いなー」
「ありがとうございます!」
「ほいよー」
スタジオに入ってく彼女達を見送り再びダラける。もう今日の仕事は終わったも同然。いや~今日も頑張った頑張った。そんじゃ閉店かー?
「スイッチ切れるの早くないかい?」
「そんなもんでしょ」
「いやいや………」
呆れてる先輩はほっといて、バイトが終わる時間まで頑張りますかー。お客さんが頻繁に出入りしないことを良いことにスマホを出していじり始める。
「もうちょっとでわかりそうなんだよな……この動画の主、が」
画面にはギターを華麗に弾く男? の動画。前に一瞬映った制服……あれは花高の制服だった。つまりこの動画の主は花高の生徒。しかも手に傷まである。探すのは意外と簡単かと思ったけど、なかなか見つからない。そしてついに、ライブハウスspaceで凄いギターを弾くのが上手い青年が現れたらしい。そんで今度、花高の生徒に聞いてみることにしたわけだ。どうしてそんなことするかって? それはな………自分は探偵だからさ。
「最近の趣味の探偵ごっこはどうなんだい?」
「ごっこじゃないですー。………まあ、ボチボチってところっす」
動画をなんとなく眺めながら返事を返してtwisterのタブを切った。今度はメモ帳を開いて今調べてる案件を確認。ギターを華麗に弾く謎の青年。二股疑惑の美人女子高生の真実。花女に居る可愛い過ぎる楽器オタク。ギターを弾きながら登校する人。ライブハウスspaceの出場条件の謎。数えたら切りがない。まあ………全部真実を確かめるだけだけどなっ!
…………俺は今、いつもの蔵に来てる。わけなんだけど・・・・・ものすっごい程有咲の機嫌が悪い。大事な大事な盆栽、利根川を売って買った新品の白いキーボード。結局バンドやるんだなと思った矢先に戸山が全然来ないという事態に………。
「おーい市ヶ谷さーん。気を取り直して、練習しませんかー?」
「うっさい」
いつもより冷たい感じの一言で終わり。今日何度目かわからない「うっさい」もらいましたー。もうやってらんねえ………。戸山はなにしてんだよ! あいついつまで家庭科に手こずってるんだ?!
「戸山はいつ頃終わりそうなんだ?」
らちがあかないから、ベースのチューニングをしている牛込さんに質問した。
「んー、どうだろう。最近新しい友達とお話してるみたいだから」
「友達?」
「うん」
なんだよ……それ。確かに友達を作るのは大切だ。だけど、こっちの練習サボってまですることか? それに一度だけ戸山のギターの演奏聞いたけど、妙にギターが上手くなってるんだよな~。なんで上手くなったのか聞いても「秘密ー」とか言われて終わり。そんで牛込さんに聞いたところ、クラスにギターが出来る人が居るみたいで教えてもらってるらしい。花女に花園さん以外に居たんだな。ギターが出来る人。戸山の上達が早いのを見て結局教えるの上手いな。
「とりあえず2人で合わしてみたら?」
「意味あんのか?」
「練習にはなるだろ。戸山の変わりは俺がやるから」
「あっそ」
あっそとか言ってる割には有咲の上達ぶりが凄い。要領良いから覚えが早い。ブーブー文句言いながらもちゃんと俺の練習メニューを全部こなしてくれたし。ゆっくりだけど合わせるのも出来てる。
牛込さんも同じようにこなしてくれるから安定だ。時々わからないことがあるらしいけど、お姉さんに教えてもらってるから大丈夫なんだと。
「そんじゃ始めるぞ」
どうしようか悩む中、俺はギターを弾き始めた。
新キャラ 風間翔太(かざましょうた)は後々活躍するかもなキャラクターです。趣味は謎解きなので、探偵ではないですので悪しからず。