BanG Dream!~あの時の約束~完結   作:レイハントン

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こんにちは。

最近感想や評価来ないので、頑張りが足りないと思う今日この頃。

一緒くらいに投稿始めたあの人の作品は凄い人気で嫉妬してしまいますね笑

嫉妬はしてませんが尊敬はしてます!


15.修羅場

 ここはいつもの蔵。

 

 やあ。突然だけど、テストがある。・・・・・死にてーー!! こっちはバンドの練習があんだよ! ただでさえ3人も居て教えるの大変なのに、次から次へと問題増やして行くんじゃねえよ!! え?! うちの教師陣はアホか?! アホだけで済むならいいぞ。済んでないから文句言ってるんだよ! なんで、数学の先生がテストやるわって言ってそれに賛同して他の教科までテストになるの?! ねえー! 誰か答えてくれーー!!

 

「頭抱えてるんだったら、さっさと問題解けポンコツ」

 

「そうですねー。ポンコツだからこうして勉強教えてもらってるんですもんねー」

 

「口じゃなくて手を動かす」

 

 いつもの冷たい言い方で俺を蔑んでくる有咲。コレが最近クセに………なったら終わりだよな~。頭の良さの差は全く縮まっておらず今も有咲の方が勉強が出来る。コイツは化け物か、なにかか? その要領の良さを分けてほしいくらいだ。

 

 俺のことをよそに英語の単語が書かれたカードをペラペラとめくりながら俺の面倒を見てる。わからない問題を聞くと、「こんなのも出来ないのかよ」と笑ってくる所がまた腹立つ。だから俺もキーボードの練習の時も程ほどにバカにしたりしなかったり。

 

「こんな所で勉強して頭に入るのか?」

 

「まあ、一応。わからない所だけ聞きに来てるだけだからな。………そこ1弦の7フレットじゃねえか?」

 

「あっ、本当だ」

 

 勉強しながら戸山のギターの音を確認。なんか俺の居ない間に新しい曲を練習するみたいな話と、蔵でライブをするのが決まった。曲名は確か、私の心はチョココロネだっけか? 楽譜は完璧に覚えてるから大丈夫。え? だったら勉強しろ? そんなん知ってるんだよ。覚えたあとに気付いたわ。

 

 勉強と聞くのを平行に行うので、たまに音に気付かないこともしばしば。このままじゃ練習がはかどらないのは目に見えてる。そこでだ────

 

 

 

 

 

「こんにちはー」

 

「おたえー!! 教えてー!」

 

「ごめんね。ギター教えられなくて」

 

 いきなり花園に抱きつくなバカ野郎。目の保養にしかならないだろ。それにしてもおたえって………。どっかの実写化した天然パーマの主人公の話に出てくる人やんけ。

 

「この曲なんだけど」と牛込さんが花園に楽譜を渡した。

 

「悪いな。来てもらっちゃって」

 

「ううん。恵ちゃんも大変でしょ?」

 

「まあな」

 

 さてここで皆さん気になっただろう。なぜ俺が花園のことをさん付けで呼ばないのか。それは昨日の夜になる。

 

 

 

 

 

 

 

 昨日の夜は戸山、花園さん、俺の3人で帰っていた。あれから大変だったんだよ………。花園さんはばあちゃんの料理食べ始めるし、戸山も一緒になって食べ始めるしでもう大変。なぜか全て俺のせいになったんだよ。有咲の奴……なんでも俺のせいにすればなんでも解決すると思うなよ!!

 

「ねえ、神山君」

 

「なんだ?」

 

 流れる景色を見ていると不意に花園さんが話かけてきた。横に視線を写すと、花園さんも外の景色を見ていた。

 

「恵ちゃんって呼んでいい?」

 

「はぁ? 頭大丈夫か?」

 

 唐突な名前呼びしていいですかタイム。俺はこの世で一番苦手な時間と言っても過言ではない。そして何度も言おう。ちゃん付けで呼ばれるのが一番嫌だ。男でも可愛い系だったら良いと思う。例えば、某カード使って変身する戦隊のレッドの人とかだったら。

 

 俺はそういう系ではない。普通系の人間。だから嫌なんだ。

 

「だって沙綾が、恵ちゃんって呼んでたから、そう言うの解禁したのかな~って」

 

 解禁ってなんだよ! 今まで閉ざしてたみたいじゃん!! つうか沙綾のせいかこの野郎! あいつたまに変なお節介焼いてくるけどなんなの?! 嬉しさ半分、嫌な気持ち半分だよこんちきしょう。でも沙綾の家のパンは美味いから勘弁してやろう。うん仕方ない。

 

「じゃあ私も!」

 

「じゃあってなんだよ! ついでみたいだろ、それ」ジト目で戸山を見る。

 

「だったらわたしのことはおたえって呼んで? それでおあいこでしょ?」

 

「なってねえよ!」

 

 おたえって呼んだらなんでおあいこになるの? はっ?! もしかして花園さんもおたえって呼ばれるの嫌なのか?! それだったら納得いくんだけどな。

 

 …………そんなわけなさそうだな。はぁー。いったい誰だ? おたえとか言うあだなつけたのは。牛込さんだってそうだよな。りみりんって………。ちゃんと本人の許可を得たのだろうか。

 

「3人で文化祭出るの?」

 

 ものの見事に俺の名前呼びの件が終わった。ホント、自由過ぎるんだよな…………花園さん。こんな人初めて出会ったわ。でもギター上手い人は不思議な人が多いのかもな。例えば俺のお父さん。一週間に2回御茶漬け食べないと死ぬとか言ってる。

 

「うん! 有咲がキーボードで、りみりんがベース。私がギター」左手の指を動かしながら言う。

 

「スリーピースだー」

 

 今の現状だとスリーピースしか出来ないんだけど。だって俺が入る訳にはいかないじゃん? 花女は女子高だし、元々戸山が憧れたのはガールズバンドで普通のバンドじゃない。となると必然的にスリーピースになる。

 

「スリーピース?」

 

「3人組のバンドのこと」

 

「前に俺が説明したよな?」

 

「えへへ。そうだっけ?」

 

 全く……ホント物覚え悪いよなコイツは。まあ、俺の説明の仕方も悪かったからおあいこか。……こういう時におあいこは使うんだかんな。

 

「スリーピースってなんか可愛いー」

 

「ふふっ。楽しみにしてるね」

 

 花園さんはそう言うと外の景色に視線を移した。すると戸山は花園さんのことをしばし見つめ、一旦俯くと覚悟を決めた様子で再び顔を上げる。

 

「おたえ……」

 

「ん?」

 

「………一緒にバンドやろう!」

 

「え?」

 

 まあ、そうなるよな。2日か3日くらい教えてもらって先生と生徒みたいな関係……いや。友達っていう関係になったて、相手がギターがもの凄く上手い。だったら誘うしかないな。俺だったらそうする。

 

「おたえと行きたい! おたえのギター聞いててドキドキする! 一緒に弾いたらもっとドキドキする! 家庭科終わっちゃったから」

 

「うん。また一緒に──」

 

「本当?!」

 

「文化祭はわからないけど」

 

 花園さんがたまに? 来てくれる=俺の仕事が減る。あれ……? いや待てよ。こう考えよう。戸山に教える時間が減る=牛込さん、有咲に教える時間が増える。これでよし。もっと効率よくなるじゃねえか。

 

「やったー! 文化祭出たら次はオーディションだよ~」

 

「「え?」」思わず俺と花園さんの声が重なる。

 

 初耳なんですけど? 

 

「皆にはまだ言ってないんだけどね。spaceのオーディション受けるんだ~。合格しないとライブ出来ないんだってー」

 

 まあ普通そうだろうな。

 

「この前勝手にステージ上がったら、あとでオーナーに凄く怒られちゃった。ふふっ」

 

「ふふっじゃねえよ。俺までこっぴどく怒られたんだからなー」

 

 あん時はね………もう。すごかった。以上。

 

「ステージの上すっごくキラキラでドキドキしたー。だから絶対spaceでライブ───」

 

「無理」

 

 戸山の言葉を遮るようにして花園さんが口を開く。その言葉からはなんとなく感情が読み取れた気がする。聞くところによると、spaceのオーディションは凄く厳しいらしく、いくつものバンドが落ちたらしい。

 

 その後も花園さんはきっぱりと恐れずに「無理だと思う」と正面切って戸山に言った。

 

 その後戸山と花園さんはspaceで話したいと言って、電車を降りた。もちろん俺も付いていったぞ。夜に女の子2人を置いていけるわけないだろ? 不審者が出ても2人が逃げる時間稼ぎくらいは出来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ってことでspace到着。もう閉まってるはずだけど、花園さんが普通に入っていく。そーっと覗くと中にはオーナーが残っていた。

 

「オーナー。ちょっとだけ良いですか?」

 

「飲んだらすぐに電気消すよ」

 

 相変わらず素っ気ない態度で答えた。俺はこの人が苦手だ。

 

「ありがとうございます」

 

 挨拶をするとドアの方に振り向き戸山のことを呼んだ。なぜか緊張した様子で恐る恐る入っていく戸山。あんだけ怒られたんだもんな~。そりゃそうなるよな。俺だってもの凄く帰りたいもん。

 

「お邪魔します」

 

「こ、こんばんは」

 

 オーナーは何も言わずに俺達のことを見ると正面を向いてしまった。戸山と花園さんはスタジオの方に行くということなので俺も付いて行こうと───

 

「神山。あんたには話がある。ここに残りな」

 

「は、はひぃ!」

 

 返事すら噛んでしまう始末。・・・・ってことで………今絶賛修羅場でございます。もう帰りて~。それにしてもオーナーの威圧感ときたら……。

 

「花園はどうだい? もう話したんだろ?」

 

「は、はい。なんかこう……外から見ればしっかりしてるけど、中はバカ? というより天然だと思います」

 

「そうかい。花園が言ってたよ。SNSに上げてる動画の人に会ってみたいって」

 

 え? なんでだ? そう言えばなんで話かけてきたのかは聞いてなかったな。今のところ思えばかなりドタバタな出会いだった。トイレから出たらいきなり話かけられたもんな。

 

「どうしてです?」

 

「私には持ってないものを持ってるから…って言ってたよ。確かにあんたの技術は凄い。だけどまだまだだ」

 

「それ、お父さんからも言われました。お前はまだ圧倒的に足りないものがあるって。未だになんだかわかってないんですけど」

 

 それらしい答えすら見つからないまま過ごしてるわけだけど……そろそろ考えないとだよな。もしギター弾いて食っていけるなら、そういう道もありだと思うし。

 

「いつかわかる時がくるよ」

 

「そう…ですか。頑張ります」

 

「帰り道気をつけな。最近ここら辺に不審人物が徘徊してるとか噂になってるから」

 

「はい。わかりました」

 

 オーナーとの話はこれで終わった。最後の忠告はしっかり心に刻んで戸山と花園さんを送った。その帰りに再び俺の名前の話題が浮上。ホントわけわかめだ。結局俺は戸山は変わらず戸山。花園さんはさんを取って花園と呼ぶことにした。理由はなんとなくだ。それでも有咲のことは名前で呼ぶ。なぜかって? もう癖みたいなもんなんだよ。それに最近名前で呼んでも文句言ってこないし。

 

 

 

 

 

 

 ってなわけでいろいろあって今は勉強だけど、そろそろ有咲にキーボード教えないと。

 

「とりま、そろそろキーボードの練習でもするか」

 

「勉強はいいのか? 出来ないのに」

 

「うっせ。こんくらい自分でなんとかするわ。それより練習だ練習。イジメられた分は全部返してやるからな」

 

「はぁ? やれるもんならやってみろよ」

 

 おうおう自信満々じゃないですか~。そんじゃ遠慮なくダメ出ししようかな。

 

 

 

 

 

 早速始まった練習。まずはゆっくりでいいから弾いてもらう。楽譜わからないってことはないだろうけどまさか、ね? あれだけ大口叩いたんだから。

 

「ん? そこ違うぞ。こっちな」て指で示す。

 

「わ、わかってる」

 

 しばらく聞く。…………あ。

 

「ここも違う。指をこっちから動かした方が楽にいける。なにもそんな難しい方向から行くことねえよ」

 

「マジか。初めて知った」

 

「そんじゃ続きどうぞ」

 

 間違えたら指摘。これの繰り返しだ。間違えた箇所がわかりやすいように楽譜に記しをつけながら指摘。嫌いな俺に指摘されるのは正直教えてもらってるけど、うざいと思ってるだろう。そこが狙い目だったり。指摘されるのがうざいから練習すると思うからだ。有咲は結構そういうタイプだったり。

 

「なんか、けーちゃんの目怖いね……」

 

「うん……」

 

「本気の目」

 

 そんな雑談してる暇があるのか? よほど余裕なのかな? 蔵イブが今週の日曜日なのに。

 

「口じゃなくて、手動かせよ?」

 

「「「は、はい」」」

 

「よろしい」

 

 こうしてスパルタ? 練習が始まった。有咲は文句を言いつつもやってくれる。好感度が下がった気もするけど仕方ない………。もともと好感度なんてあるのだろうか。いや、ないな。有咲達の為にも心を鬼にして指導だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後。一旦休憩を入れた。もうみんなヘトヘトだ。俺は教えてるだけだから、なんともないけど。それは置いといてだ。休憩の合間に勉強だ勉強。少しの時間も無駄には出来ない。

 

「ねえねえーけーちゃん」

 

 俺の両肩に手を置いて上から覗き込むように話かけてきた戸山。正直邪魔だ。

 

「なんだ? 忙しいんだけど」

 

「けーちゃんもクライブ一緒にやろうよ~。その方が絶対キラキラすると思う!」

 

「あのなー。お前が憧れたのは、ガールズバンドだろ? そこに男が入ったらガールズバンドにはならない」

 

 喋りつつも手の動きを止めずに答える。ライブする分には構わないけど、今はテストに集中したいんだよ。「90点くらいは取れるよね?」とお母さんに脅されてます。あの笑顔はヤバい………。怖い意味で。

 

「神山君、テストあるからさすがに悪いよ」と苦笑いしつつ言う牛込さん。

 

 なんて優しい人なんだ。牛込さんよ。しかし、意地でも引かない戸山は。

 

「えー! だって上手い人と弾いてみたいー!」

 

「えー! じゃないの。それに俺は上手くない。端くれだよ端くれ」

 

 

 

 

 

 なぜだかはわからないけど、今の言葉が有咲に火を点けてしまったようだ。

 

 

 

 

 

「は? お前本気で言ってんの?」

 

「ん? な、なんでだ?」

 

「へー。そうですか。じゃあ私たちはゴミ以下ってことになるよね?」

 

「別にそんなこと言ってないだろ」

 

 突如として、不穏な空気になった。今の意見に関しては異論がある。

 

「お前の技術で端くれだったら、私はゴミ以下。違うんですか? 天才さん」

 

「だったらなんだ? 超上手いですって言えば良いのか? 俺は天才なんかじゃねえ。………今の俺があるのは友達との時間を潰して練習したからだ。そのせいで遊びにも誘ってもらえなかったよ」

 

「けーちゃん……。嫌なら大丈夫だよ。無理にやっても楽しくないし」

 

 …………本当に良いのか? そんなんで。確かに時間はない。テスト勉強と平行してバンドのみならず練習もしないといけないからな。でも出来る奴はそんな状況でも両方こなしてる。だったら俺に出来ないわけがない。

 

「でもな……謙遜ってことは大事なんだよ。……じゃあ、俺も今回だけ参加しようかな」

 

「ホント?! でもいいの?」

 

「良いって良いって」

 

「やったー! なにやるの? やっぱりギター?!」

 

 さっきまで不安な表情だった戸山が、一気に明るくなって興奮気味に話かけてきた。……コイツは…仕方ない奴だな。でもギターばっかりだと面白くないんだよな。戸山と花園が居るし……キーボードは有咲。ベースは牛込さん。じゃあ1つしかないやん。

 

「いや。今回はドラムやろうかな。ギター2人居ることだし」

 

「ドラム? お前ドラムも出来んの?」

 

「基本は全部出来る。手が痛くて動かせなくなる程練習したけどな。あれは地獄だった……」

 

「そ、そうなんだ。じゃあ今日、お姉ちゃんとドラムの楽譜作ってくるね」

 

「マジか。それは助かる」

 

 あとは……勉強をどうにかしないとだな。・・・・親には怒られるかもだけど、久しぶりに気合い入れて頑張りますか~。最初は短時間睡眠で乗り切って残りギリギリは暗記の為に6時間睡眠。よし……完璧だ。

 

「でも私達の方が練習してるけど追いつけるの?」

 

「まあな。2日でどうにかする」

 

「2日でどうにかなるものなの?」と不思議そうに花園が聞いてきた。

 

 そこはもう……な? 気合いと根性とやる気で乗り切るしかない。

 

「どうにかする。とりあえずみんなは練習に集中。俺のことは気にするな。わかったか?」

 

「「うん」」

 

「もともと気にしてねえよ」

 

「あーそう」

 

 そんなこと言って。まあ、でも意外と有咲は小さい頃の俺を見ていてくれてたんだな。今はそこだけが、ただただビックリだよ。こりゃ負けてらんないな!

 

 

 

 

 

 

 こうして俺は崩壊への一歩を踏み出した。   

 

 

 

 

 

 

 

───────☆

 

「へー。まだ有咲に話してないんだー。さっさと話して楽になればいいのに」

 

 私は電気も点けずにパソコンの画面を眺めていた。もう少しだからね………恵。もう少しで有咲と仲直り出来るよ……。

 

「あの世で、ね」

 




いよいよ主人公が崩壊へと近づいていくかも………。それてあの人もとうとう動き始めるのか。

それではまた次回。
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