BanG Dream!~あの時の約束~完結   作:レイハントン

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なんとか間に合いました!

地の文の形を変えました

今回はアニメ1話の後半の話です。まだあまり有咲の出番は無いです。初登場のあのポニテの子が!恵との意外な関係とは。




2.変化

 有咲と会ってから数日。

この日はいつも通りに目覚まし時計で目が覚めた。ふと数日前の夜の会話が蘇る。

 

 数日前に夜、優衣と電話をした。

 

 夕方の話を聞いてもらって、なにか意見が欲しかった。結局避けられても俺はあの関係を断ち切ることはどうしても出来ない。久しぶりに会ったら話してくれるんじゃないかとか、もう許してくれてるとどこか期待してた自分が居たんだ。

 

 でも………違った。

 

 有咲は忘れてなかった上に、少しも俺のことを許してくれていなかった。そのことを優衣に話したらこう言われたんだ。

 

『そんな女のことなんか忘れちちゃえば? 恵にはあたしが居るんだからさ』

 

 優しい声でそう言ってくれた。

だけど俺はどうしてもそうは出来ないと言ったら、その直後に小さな舌打ちが聞こえたのを俺は聞き逃さなかった。

 

 どうも最近優衣の様子がおかしい。

 

前は舌打ちなんてしなかったのに、最近はその頻度が増えた。ストレスが溜まってるのか? それとも本当に俺にムカついているのか? まあ2年も付き合ってれば、愚痴が沢山出てくるのはわかる。それを裏で言うのはいいけど、表に出さないでほしい。そうするとますます関係が悪くなるような気がするからだ。

 

 結局良いアドバイスはもらえず俺はまた1人悩むことになったわけだ。ベッドから起き上がり1階に降りた。

 

「あんちゃんおはよう」

 

「おはよう。今日も部活あるのか?」

 

「まあね。見学があるからいつもより気を入れないと」

 

「そうか。あんまり気を入れすぎるなよ」

 

 弟の雅史はバスケ部でレギュラー。なかなかバスケが上手い。うちは運動というより、音楽一家だから雅史も音楽の1つくらいやるのかと思ったが全然やらない。でもお父さんとお母さんは良いって言ってるんだけどな。

 

 いつも好きなことを好きなようにやれって言ってくれる優しい家族だ。でも、音楽をやるなら厳しく指導するぞ? と言われ若干怖いのは内緒。

 

「あんちゃん部活やらないの?」

 

「やる訳ないだろ。俺はバイトで忙しいのバイトで」

 

「バイト始めてから言ってよねー」

 

 うっ……それは言わないでくれよお母さん。まだバイトが決まらない。理由? そんなの知らん。聞きたいのはこっちだ。

 

「ごちそうさま」

 

「片付けはいいわよ雅史。恵にやってもらうから」

 

「わかった」

 

「素直に納得してんじゃねえ。それと俺に頼むなめんどくさい」

 

 最近お母さんの人使いが荒い。どうせ疲れてないでしょ?

とか暇だから手伝ってとかさ。………うんもう。バイトしよ。

 

 結果的に雅史の分も片付けて用意をして家を出た。徹は例のごとくナンパしに花女に行ってまーす。本人は友達作りとか訳わからんこと言ってたけど、ナンパしか考えられない。

 

 

 

 

 家を出た俺は1人花高に向かって歩いていた。

 

「おーい! 神山くーん!」

 

 この声。そして俺を名字で呼ぶのは1人しか居ない。それは独特な髪型をしている少女。

 

「戸山か。朝から人を大きな声で呼ぶなよ」

 

「ごめんごめん」

 

「いやこれ毎朝やってるだろ。いい加減覚えろし」

 

 全くこいつは。最近毎朝会うんだよな。今更だが、戸山と俺の家は近い。というのを中学の時に知った。まあだからという話なんだが。

 

「今日も宇崎君はナンパ?」

 

 ほら戸山にもこう言われてる始末だぞ徹よ。説明しても無意味そうだから伝えずにいよう。とりまあいつが悪いんだから。

 

「まあな。今日はなんの部活見学に行くんだ?」

 

「今日はね~バレー部とかかな~。どの部活も楽しそうなんだよね!」

 

 戸山は最近いろんな部活に見学に行ってるらしい。運動が好きとか俺と正反対過ぎて逆に羨ましいわ。運動はね…なんかね。めんどい。結局この一言である。

 

「アクティブだな~。俺は無理だわ。めんどいし」

 

「そんなことないよ! 神山君も体動かせばわかると思う!」

 

「へいへい。さいですね」

 

 そんな熱く言われたら少しくらいはやってみてもいいな~とか思わない。やっぱり、めんどいものはめんどい。

 

 するとさっきまで喋っていた戸山が急に黙りこんだ。何か余計なこと言ったか?

 

「どうした?」

 

「ううん。……神山君って変わったよね」

 

「なにが?」

 

「うーん。・・・・・性格?」

 

 性格が変わった? 前からこんな感じなんだけどな俺は。

 

 この時俺は戸山が言った変わったという意味がいまいち理解出来ていなかった。

 

「前は明るくてクラスの中心って感じだったけど、ある時を境に今みたいな感じになったよね?」

 

「あーそれか。……俺はただ変わったというより、慣れてきて素が出てきたって感じの方があってる。前の方が良かったか?」

 

「ううん! 私は今の方が神山君らしくて良いと思うよ! もう慣れちゃってるからかもしれないけど」

 

 そう戸山は言ってくれた。その時の笑顔は俺の脳裏からある記憶を引っ張り出してきたのだ。それは有咲とようやく仲良くなってきた時に俺に見せてくれた笑顔。……なんとなくそれに似ているような気がした。

 

 そう考えているといつの間にかに路面電車に乗る駅に着いた。人と話しながら歩くのはここまで時間が経つのは早いんだな。

 

 路面電車に乗り1つしか空いてなかった席を戸山に譲りその前に立った。

 

 言っておくけど席を譲らない程俺は腐ってないぞ。お年寄り、小さい子とか妊婦さんとかには席は譲る。それがマナーだろ?

 

「なあ戸山。花女の入学式の時に挨拶した人知ってるか?」

 

「うん、知ってる。確か市ヶ谷さん! その日は来てなかったけど。中学生の頃から頭良かったんだって~。凄いよね~!」

 

 やっぱりか……と戸山に聞こえない声でボソッと言った。そんなめんどくさい式に出るあいつじゃないか。それに学校あまり行ってないっぽいな。

 

「でも学校休みがちなんだって。今日まで1回も見てないし」

 

「そうか。twisterで流れてきたから気になってな。世の中にも凄い人は居るもんだ」

 

 一応戸山にも誤魔化しておくか。有咲と仲良くなるってことはあんまり考えられないけど、念のためだ。

 

 因みに俺の問題は徹も知らない。こればかりはあまり広めたくないからだ。優衣は誰にも言わないって言ってたから、まあ大丈夫だろう。

 

 目的地に路面電車が着いた。電車を降りると戸山は足早にじゃあねと言って走っていった。よっぽど学校に行きたかったのか。

 

 花女の近くでお友達作りと言い換えナンパしている徹をいつも通りに引きずって学校にむかった。

 

「お前いい加減通報されるぞ」

 

「いやいや。甘いな恵君。ショートケーキに砂糖ぶっかけて、蜂蜜垂らしたくらい甘いぞ」

 

「そうかあ~。じゃあお前を蜂蜜まみれにして熊の群れにでも捨ててやろう」

 

「それは死ぬ」

 

 結局普通に歩いて学校に着いた訳だが、どうにも徹は早速友達が出来たみたいだ。話を聞く限りでは戸山より凄くて、金持ちで金髪でハーフらしい。

 

 金持ちのハーフなんてどこの内浦を舞台にしたアニメだよ。秋にやるよな! 2期が。

 

 徹はコミュ症? なにそれ? の次元だから関係ないんだよな。羨ましいわ~なんて思わない。俺は自分のペースで友達を増やす。

 

 

 

 

 授業中。今は数学の授業。朝一番の授業とあってか寝てる人が結構居る。ナンパとか訳わからん事をやっている徹も寝て───ないだと?! そうかあいつは意外と勉強出来るんだった。そうじゃなきゃ進学クラスには来ないか。

 

 そしてそろそろ読者の皆様はお気づきだろう。今こうしてるという事は………そう。───話を聞いていないということだ。

 

 ここは春休みに勉強した所だから聞かなくても出来る。自慢じゃないけど勉強は出来る方だ。でもこれは有咲の教え方が良かったから。自分の力じゃない。今の自分が居るのは有咲のお陰。でもその有咲に否定された。

 

「なにやってるんだろうな俺……」

 

 俺はどうすればいいかわからない。有咲との仲を戻したいのか、今の関係を続けるのか。

 

 今は考えてもしょうがないと思い、その日有咲の事を考えるのを止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 その日の帰り。高校生になって買い食いというのが出来るようになった俺は中学の時に通い始めたパン屋にきた。

 

 お店の名前はやまぶきベーカリー。

 

 ここのパンは他のパン屋と比べると数倍旨い。通いすぎてるせいか店員さんとも顔見知りだ。

 

「今日はいつものじゃなくて、冒険しようかな」

 

「そう言っていつも冒険しないでメロンパン買って帰るのはどこのお客さんだっけ?」

 

 今話掛けてきたのはピンク色のポニテールの子──山吹沙綾。

 

 ここの看板娘と言っても良いくらいの容姿を兼ね備え、戸山同様花女に通っている。付属中学からあがったんだっけか? 確か。よくお店の手伝いをしてて偉いな~と感心してる所存です。

 

「別に良いだろ? お客さんの勝手だから」

 

「はいはい。まあ見てってよ。今日は新作のパンあるから」

 

 新作のパンか………その響きに載せられて買う人が続出してるだろうが、そうはいかない。俺はそういうのに流され───

 

「じゃあメロンパンとこの新作のカレーパンで」

 

「毎度あり~。結局そうやって買う所私は好きだよ~」

 

「なんかいろいろ負けた気がする………」

 

 いやだってさ、新作のパンと聞いたら買うしかないじゃん。しかもここのパンは旨いときたらね? 尚更じゃん。だから俺は負けた訳ちゃう。

 

「ありがとうございました~」

 

 やまぶきベーカリーを後にして俺は負けた感が否めないが、新作のカレーパンを一口食べた。

 

「あ、旨い」

 

 やっぱり普通に旨い。さっきの話に戻るけど、山吹とはお店に通ううちに仲良くなった。確か弟と妹が居たな。よく弟君にはう○こー! と悪口を言われる。俺がなにしたっていうんや。それに今時う○こなんてバカにする人はいないと思う。

 

 この後家に帰って、なんでお母さんの分はないの? と言われ、またやまぶきベーカリーに行ったのはここだけの話にしたかった。

 

 けど山吹にバレた。そして弟君にこんにちはって言ったら、うるせえ! う○こ! と言われた。俺がいったいなにしたっていうんだ。

 

─────────────

市ヶ谷家

 

「これでよし」

 

 盆栽の手入れが終わって私はそれを眺めていた。

 

 盆栽を見るだけでもあいつを思い出す。なにが、俺がいつ裏切ったんだ?! よ! 自分がしたことも覚えてないとか、マジ最低。

 

 あー! 思い出しただけでもイライラする~!! 

 

 でも思い出すのは嫌な思い出だけじゃなかった。あいつと過ごした事とか、毎日一緒に学校に行ってくれた事。私が学校に休まず行けたのもあいつのお陰。………それでも裏切ったことは許せないし、なにより約束を破られた事が一番許せない。

 

『絶対にどこにも行かないし、有咲を裏切らない。ずっと友達だ!』

 

 ふと思い出すあの時の言葉。これ以上考えても変わらないから、あいつの事を考えるのを止めた。

 

 

 

 

 

 運命の歯車は止まることなく動き続ける。

 

 

 

 

 

─────────────

 

???家

 

「あ~あ。そろそろ飽きて来ちゃったな~」

 

 スマホの画面に移るあたしと恵の2ショットの写真。中3の春休みに撮った写真だっけ? まあいいや。他にも彼氏は居るから恵が居なくなったところでなにも支障はないし。

 

 今でもあの2人仲悪いのかしら。あんな簡単な手に引っかかるなんて市ヶ谷もバカよね。今でも学年1位なのはムカつくけど、人間関係はもう絶望的。あなたが悪いのよ。あたしの前に立つから。

 

 机に貼り付けた中学校の最後のテストの順位。結果は学年2位。どれだけ頑張っても追いつかない市ヶ谷が………あたしは嫌い。

 

 

 

 

 

この人物はいったい………

 

 




どうでしょうか?

やっぱりお互いの事は忘れられない……。
あの時の約束を破ってしまった恵。しかし本人は気付いていない。話が噛み合わないまま2人はすれ違う。そして最後の人物はいったい………

最後に恵の紹介。

神山恵 15歳

花咲川高校に通う高校1年生。昔有咲と仲が良かったがあの事で関係が崩れた。性格はめんどくさがり屋で何事にも全力でいかない。ギターも父親には教わろうとしないなどと、最初は自分の力でやる主義。頭が良く、勉強はかなり出来る。好きな事にはとことん打ち込める集中力もある。
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