BanG Dream!~あの時の約束~完結   作:レイハントン

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こんにちは。

最近日間ランキングに載らないですな~。あの作品はほぼ毎日見るのですが。まだまだ精進が足りないと思う今日この頃。

バンドリイベントで浴衣有咲を取れた方はおめでとうございます!! 評価で獲得報告してきた方も居て、びっくりしました(^_^)

さてさて、今回は文化祭編です。それではどうぞ。


21.ゲームの始まり

「なぁ~恵。なんか良いことでもあった?」

 

 4時間の授業を終えた昼休み。購買で買ってきたメロンパンを食べていると同様に俺の前の席で弁当を食べている徹が話しかけてきた。

 

「別に。どうした急に」

 

 ある意味良いことはあったけど、絶対にいじられると思い朝のことは話さなかった。徹がそういうことを聞いてくる時点で顔に出てたのかと不安になるものだ。

 

 だって、良いことがある度に顔に出てたらやってらんないだろ?

 

「なんか隠してるっぽいな~」

 

「隠してないって。………このメロンパン美味しくねぇな」

 

「急に購買のメロンパン罵倒するなよ」

 

 前でツッコミをする徹をよそに俺はメロンパンを見つめてある人を思い出していた。今考えると茶を沸かせそうなくらい熱くなると思う。それはないにしても、同じ歳の女子の家に泊まって泣きついたんだぞ? もう……考えただけで。

 

「なんか顔赤くね?」

 

「はぁ?! こ、この教室暑いな~って思ってさ」

 

「そうか?」

 

「おう」

 

 本当は覚えてた。あの時は沙綾が嘘をついてくれたけど……俺は───俺は。

 

 

 

 沙綾にキスをしてしまった。

 

 

 

 付き合ってるとかいう関係でもないのに本当に申し訳ないことをしてしまった。でもあの時は異様に沙綾のことが愛おしくて──可愛くて。……今度謝っておこう。

 

「つうか良いバイト先知らないか?」

 

「お~とうとうバイトを始めると。そういうことなら、コンビニなんていいぞ」

 

「だよなー。コンビニ探すかー」

 

 コンビニは良いけど近いところでやりたくない。親の目があるからだ。とりあえず今の目標は1ヶ月安定して過ごせるようになること。将来働いたらお小遣いやら、何やら全て親に突き返してやる予定だ。向こうは金が返ってくるんだから良いこと尽くしだろうな。

 

「またぶっ倒れるなよ?」

 

「今度は大丈夫。記憶飛ぶのはもう勘弁だわ」

 

 記憶が飛んだ部分の勉強はクラスの人に教わったり、徹から教わった。おかげで取り返せたから大丈夫だ。これから勉強を頑張っていかないと。自分の夢……見つけたかもしれないから。

 

 

 

 

 

 5時間目と6時間目を終えた放課後。いつも通りギターケースを背負って蔵に来たわけなんだけど……。今日は香澄が居ないのが気になり理由を訪ねたところ、どうやら学校の用事で居ないらしい。

 

 ギターをケースから取り出しながら言った。

 

「なるほどな~。さすが香澄だ。文化祭の実行委員を真っ先に立候補とは」

 

 花女でもうすぐ文化祭があるのは前に香澄達から聞いてはいた。その文化祭の実行委員に香澄と沙綾がなったらしい。香澄はともかく沙綾が副委員とは……大変そうだな。

 

「最初から決めてたみたいだよ」

 

「マジか。中学の頃と変わんねぇな」

 

 自分のギターのチューニングをソファーに座りながらりみと話していると、チューニングが終わったおたえがなにやらギターを弾き始めた。

 

 高い音で一定のリズム。今まで練習してきた曲では聞き覚えがない。いったいなんだ?

 

「そのメロディーは?」

 

 弾き終わったのを確認してすぐに聞いてみた。

 

「朝、お風呂で思いついたの。それでこれを新しい曲に使おうってことになってる」

 

「そういうことか。て、ことは文化祭でライブするで良いんだよな?」

 

「うん。香澄ちゃん、凄いやる気だったよ」

 

 俺みたいにならなければいいけどな。でもそれはないか。俺が止めればいいし、何より他のみんなが気付くと思うから。

 

 そんなことを思っていると、隣でお菓子をボリボリ食べている有咲が言った。

 

「それよりさー。うちのバンドはドラム探さないわけ?」

 

「そうだよね。居ないよりは居た方がいいよね」

 

「そりゃそうだけど。当てはあるのか?」

 

 俺の言葉に返ってきたのは無言。つまり当てがないというわけだ。そこら中にドラム叩けますみたいな人がコロコロ居るわけがない。それはそれで凄いと思うけど。

 

 すると話を聞いているだけだったおたえが急に爆弾発言をした。

 

「じゃあ恵ちゃんがやれば?」

 

「だーかーら。前に言ったけど、目指してるのはガールズバンド。聞いてなかったのか?」

 

「そこは聞いてたよ」

 

 じゃあなんで二度も同じ事言うんですかね。二回目ならOKとかじゃないからな俺は。

 

「じゃあなんだよ」

 

「恵ちゃんが本当に恵ちゃんになればいいんだよ」

 

「は?」

 

 恵ちゃんが本当に恵ちゃんになればいい? ・・・・・いったいどういうことだ? 俺が俺になる。いや恵ちゃんが恵ちゃんになる……恵ちゃんが? ………ちゃん?

 

「工事してこいと? 男を捨てて女になれと言うのかお前は」

 

「まぁ、そうなるね」

 

「そうなるねじゃねぇよ!! なんで香澄の夢のために自分の大事なものを捨てなきゃいけないんだ!!」

 

 今後の人生左右するような工事なんてしたくないわ! もし自分がそっち系なら工事するかもしれないけど、そっち系じゃないからしたくないない。

 

 すると当然のごとく有咲が罵倒してくるわけだ。

 

「ぷぷっ! お前が女になるとかキモすぎて逆に笑えてきたわ」

 

 なんか1人で大爆笑。バカにされるよりうざいなこれ。

 

 だけど、こんなことで俺は引かない。

 

「そもそも、工事したからって容姿も女になるわけじゃねぇから。頭大丈夫ですかー?」

 

「はぁー?! お前に頭大丈夫とか言われる筋合いないんですけどー! 顔面大丈夫ですか?!」

 

「んだとこら! 頭の良さのディスりあいしてたのに、なんで顔の話になるんだ?!」

 

 この終わらない戦いに終止符を打ったのは意外や意外。おたえだった。

 

「喧嘩は良くないよ? 喧嘩は犬も食わないって言うし」

 

「………そうだな。それより練習するか」

 

 こうして一旦喧嘩は収まり練習へと移行した。

 

 なぜこうも喧嘩に走るのだろうか………俺と有咲は。別に喧嘩したいわけじゃないんだ。あっちがいろいろ言ってくるから言うしかない。黙ってたら言われっぱなしになるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 練習は練習でしっかり行い、あっという間にお開きの時間になった。ギターを拭き掃除をして傷がないか確認していると、りみが自分のギターをケースに閉まいながら話かけてきた。

 

「ずっと聞きたかったんだけど、そのギターって結構高いよね?」

 

「ん? ああー、どうだろうな。買ってもらったからよくわからなくて」

 

「オークションかければいいんじゃね?」

 

 バカ野郎。誰が売るかよ、大切なギターなのに。ったく人の気もしらないで。………前から思ってたけど有咲のキーボードも高そうだな。利根川売ったとか言ってし、よっぽど高く売れたのか? 趣味がおっさんみたいだ。

 

「お前今、失礼なこと考えてただろ」

 

「べ、別に考えてねぇよ」

 

「ふーん」

 

 盆栽の時だけ異様に反応しやがって……文句の1つもつけらんねぇだろ。

 

「早く出る準備してよね」

 

「わかってるよ」

 

 ギターケースを背負い、鞄を持って蔵をあとにした。みんなが外に出たあと、有咲が鍵をかけたのを確認して解散がいつもの流れだ。

 

「じゃあ、また明日ね」

 

「うん。ばいばい、有咲ちゃん」

 

「じゃーね、有咲」

 

 おたえとりみが有咲に手を振ると有咲は少し恥ずかしそうに手を振った。時々見せる有咲の恥ずかしがる光景。やっぱり女子と仲良くすることがなかったからかな。前に女子の友達も紹介すれば良かったか。失敗したな。

 

 ここでじゃあなと言っても無視されるか、死ねって言われて終わりだろうな。

 

「そんじゃ、行くぞ」

 

 結局俺はなにも有咲に言わずに背を向けて歩き始めた。

 

 

 

 今の有咲には俺は要らない……か。

 

 

 

 変な考えが頭をよぎる。

 

 今は香澄やりみ、おたえが居てくれるし。今の関係の方がもう傷つかなくて済むんじゃないか? また仲良くなって関係が崩れれば今度は………もう。

 

 結局のところ怖いっていうこと。これ以上繋がりが消えるのはごめんだ。

 

「恵ちゃん、怖いかおしてるけど大丈夫?」

 

 2人の前を歩いていたはずなのにいつの間にか、おたえが右隣に来ていた。すぐに「なんでもない」と普通の表情に戻す。

 

「蔵に来てから聞きたかったんだけど、恵くんってなんで有咲ちゃんとすぐ喧嘩するの?」

 

「なんでって言われてもな。すぐ気に障ることを言うから……かな」

 

「それはお互いさまじゃない?」

 

 おたえさんよ………。それはごもっともだから言わないでおくれ。結局お互いが余計なことを言って口喧嘩が止まらないんだよ。酷い時は昔の話まで持ち出すからな。

 

 有咲との関係をりみとおたえから聞かれたけど、いい感じにそらして話題を変えたりした。今はまだ話したくないからだ。

 

 2人を家の近くまで送って俺もようやく帰路についた。正直遅くなっても構わない。どうせ帰っても冷めたご飯が用意されてるだけで会話なんてないし。ご飯だけ出てくるホテルに泊まってるみたいな感じだ。連絡もなかった息子が帰ってきても、怒りもしないで呆れて終わる。こんなのが普通なわけがない。

 

「子が親を選べないのは不幸だよな」

 

 俺はそう言って道に転がっている小石を軽く蹴った。高めの音を出しながら一定距離まで転がると自然と止まる。すでに俺は石になど視線は向けておらず、変わりにニコニコしながら俺のことを見る女性を見ていた。

 

「なんの用だ? ………優衣」

 

「恵に会いたくなっちゃったから、会いに来たのよ……。ダメだった?」

 

 そんな恋愛小説みたいなことを言われてもキュンともなんともこない。俺の前に居るのはただの元カノ。それ以上でもそれ以下でもない。

 

「ダメだって言えば帰ってくれるのか?」

 

「ん~どうしよっかな~」

 

 手を唇に当てて考える素振りをする優衣。正直可愛くもなんともないな。なんの用事かは知らないけどいい迷惑だよ。

 

「じゃあ、ゲームしない?」

 

「ゲーム?」

 

 オウム返しのように聞き返すと不気味な笑みを浮かべる優衣。背中がすーっと寒気を感じた。ゲームという一言でも、ゲームセンターやゲーム機などでやるゲームとはまた違う響き。

 

「こないだ公園で山吹さんとなにしてたの?」

 

「こないだ……?」

 

 あの状況を見てたってのか? 確かに周りは気にしなかったから見られても仕方ないけど………。あの公園にたまたま居たってのも怪しいな。

 

「今の恵には……どっちが大事なの? 山吹沙綾と市ヶ谷有咲」

 

「どっち……だと? お前…なにしようとしてるんだ?!」

 

 明らかにおかしい。沙綾と有咲、どっちが大事かなんて……今の俺には決められない。俺を助けてくれた沙綾と裏切ってしまった有咲。どっちも………。

 

「文化祭までに決めてね……? 有咲か沙綾か……」

 

「どういう───」

 

 意味を聞こうとしたけど優衣の不気味過ぎる笑顔に思わず一歩下がる。なんなんだコイツは……こんな不気味な奴だったか? 少なくとも俺と付き合ってる頃はそんな素振り見せなかったぞ。

 

「選ばなかった方を……殺っちゃおうかな」

 

「お前……」

 

 どう考えてもその言葉は恐ろしくて、高校生が使う言葉ではない。1人の犯罪者が使うような言葉。殺る………つまり殺すという意味。相手の心臓を止めたり、頭を殴ったり。考えるだけで震えが止まらなくなる。

 

「自分がなに考えてるのかわかってるのか!?」

 

「わかってるよ……あなたよりね。それと2人に話したり、誰かに言ったりしたら……ね?」

 

 それだけ言い残すと優衣は俺の目の前から姿を消した。有咲か沙綾を選ばないといけないのか………。俺にそんなことが出来るわけがない。誰かに相談したらおそらく両方殺れるかもしれない……無理を承知でこのゲームをクリアするしかない。

 

 右手を硬く握りしめて誓った。

 

「絶対に止めてみせる」

 

 

 

 

 

 

───────☆

 

「はぁー………」

 

 今日何度目かわからないため息。今頃恵はどこでなにしてるのかしら………。最近帰りも遅いから会えないし。………最後に話したのは帰って来なかった次の日の夜かしらね。

 

「どうしてお帰りって言えなかったのかな………私」

 

 初めてお腹を痛めて産んだ息子が酷く遠く感じた。

 

 




とうとう動き出した優衣。ここから物語がシリアスの方に変わっていくので、ご了承ください。

それともしかしたら、あと数話で最終話が来てしまうかもです。まぁ、プロット通りなので問題ないですが。

感想、評価等お待ちしております!! いつも感想くれる方は本当にありがとうございます!!

それではまた次回。
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