BanG Dream!~あの時の約束~完結 作:レイハントン
バンドリのガチャ10連を3回引いて星4、2体当たるという今日バチが当たってもおかしくない状況の時に投稿しました!
もうすぐこの小説も最終回が近いです!
今回は有咲と話すかも。
それではどうぞ!
冤罪をかけられそうになった日から数日。今日も沙綾の家で試食会という名の女子会的なものがあるらしい。女子会に男の俺が居て良いものなのかはわからないけど、香澄が来てほしいだと。まぁ、パンが食べられるし俺は構わないんだけどな。
それで今俺の目の前にはエプロン姿の5人。みんな普通に似合ってて驚いてるのはここだけの話。
「これで……OK」と香澄のエプロンにバッジを付けて言った。
「やったー!」
なぜそれだけで喜べるのか謎。香澄のことは未だによくわからないところが多々ある。
「みんなもOK?」
振り返って3人に訪ねた。
「うん!」
「はあ~♪」
「なんで私まで……」
だよな……。クラス別で関係ないのになぜか有咲までエプロン姿。でもなんだろうな。普通に似合ってる……なんて言ったらまた喧嘩になるんだろうな。
沙綾のお母さんが人数分の飲み物が乗ったトレイを持って来てくれた。
「可愛いじゃない。みんなうちで働く? お客さんたーくさん増えそう♪」
確かに増えそうですけど……。毎日誰か居るとなるとなんか行きづらくなるような気がする。とくに香澄とおたえが居る日なんて、考えただけでゾッとする。おたえの行動パターンは読めないし、香澄はなんかやらかしそう………。
なんて考えてるとお母さんの陰に隠れていた沙南ちゃんに香澄が話かけた。
「さーなんも着る?」
「さ…ーなん?」
「さーなん? なに? 漢字も読めなくなったか戸山香澄」
「違うよー! 沙南ちゃんだからさーなん」
また変な名前を付けて………。
「また変な……」
ここは有咲と同意見らしい。
「えー可愛いよー。いい?」
「うん」
しかし嫌がることなく沙南ちゃんは頷いた。
「可愛いぃぃー!!」
うるさい。普通にうるさい。
ここで1つ戸山香澄の生態がわかった。名前を呼ぶとき、伸ばし棒を多様する。例えば沙綾のことはさーやと呼んでるし、俺のことはけーちゃんと呼んでいる。後はあだ名で呼ぶくらいか。
するとリビングのドアが開いて、純君が入ってきた。
「あっ、また来てる」
「じゅんじゅんだ!」
じゅ、じゅんじゅん? 純君にまで変なあだ名を付けたのか香澄よ。容赦なく付けるところはもはや才能だと思う。にしても……適当感が凄いな……。
「じゅんじゅん~」
「じゅんじゅん」
無反応だったからか、香澄とおたえが続けて名前を呼ぶ。すると純君の顔が赤くなっていく。
「う◯こ! う◯こ! う◯こ! う◯こー!」
卑猥な言葉を連呼して2階に上がっていってしまった。まぁ、こんな可愛い人に名前呼ばれたら恥ずかしいわな。
「えぇ~」
「お前らな………」
「純! こらー!」
注意する沙綾だったが、時すでに遅い。にしても、早かったな純君。
「ごめんね~。お姉ちゃんの友達が来て照れてるだけだから」
右手を頬に当てながら言う沙綾のお母さん。なんかよく見ると、沙綾のお母さん美人だよな。
「うっふふふ。うん───」
「有咲ちゃんダメ!」
ナイスだりみ! つうかなんで汚い言葉でそんな笑えるの?! ある意味天才だよ。そんな才能いらねぇけどな。
「お前は子供か。いい歳して汚い言葉で笑うなよな」
「うっせぇー! お前排泄物より汚ねぇから。ちゃんと自覚してる?」
カッチーン。喧嘩を売ったのはお前だからな。
「おいおい、言ってくれるねー口が悪いお嬢さんよー。俺がいつから汚くなりましたかー?」
「生まれた時から」
「真顔で言うことか! これだから金髪ツインテールは」
「はぁ?! 金髪ツインテールは関係ないし! お前こそ、その普通過ぎる髪型と色どうにかしたら?」
コイツ。ついに髪型と色を否定してくるとは。俺は別に髪型を否定してるわけじゃない。文句の1つとして使っているだけだから。
「(別に私は髪型を否定してるわけじゃない。文句の1つとして使ってるだけだから)」
「まあまあ。恵君も有咲ちゃんもそんなに喧嘩しないの。本当に仲が良いのね」
「「良くないです」」
ハモって速攻お互いに睨みあうと顔をソッポに向けた。
最近こんなんばっかりだ。ムカつく時はムカつくけど、その場だけ。あとは話さないただの知り合いみたいな関係に戻る。それの繰り返し。もしかたら、ずっとこのままなのかもな。俺と有咲は。
不安な気持ちを振り切るように首を振った。
少し時間は経って一旦休憩する事になった。意外とパンを考えるのは難しい。大き過ぎると食べづらいし持ち帰れたりしないんじゃないかって話しが出てる。
俺を覗いたみんなが話していると沙綾が1人しれーっと俺の隣に来た。
「最近市ヶ谷さんとはどうなの?」
「どうって……。ご覧の通りですけど」
「ホント仲良いよね」
「仲は良くないんだよ」
ただ口喧嘩をしているだけ。前よりも酷いんじゃないかって思うよ。………俺は本当に仲を戻したいんだろうか。
「あの事は話さなくていいの?」
「ああ。たぶん俺が悪いんだろうから」
「そう……。けいちゃんはいつまで逃げるの?」
逃げる? 俺が逃げてる? いや違う。逃げてるわけじゃない。今、俺を恨んでいる有咲に話したって信じてもらえるはずがない。だから言わないだけなんだ。
「別に逃げるわけじゃ──」
「逃げるてるよ。ちゃんと自分の気持ち伝えないと」
「わかってるよ………」
伝えなきゃいけないのは自分が一番わかってる。だけど……今はその時なのかはわからない。
「お邪魔しました」
あれから有咲と喋ることはなく、俺達は帰ることにした。香澄を置いて。
「曲出来たら送るねー。歌詞頑張って」
「頑張る……」
「てか、山吹さんが付き合うことなくね?」
それは俺も同意見だ。なぜ関係ない沙綾が香澄の面倒を見るんだ? 沙綾の面倒見がいいのは確かなんだけど。
「だって……1人だと寝ちゃう~」
「寝ないように気合い入れろよ。バカちんが」
「ふふっ。明日お店休みだし、うちは構わないから」
「ありがと~♪」と沙綾に抱きつく香澄。
だからそういうのはやめなさいって。俺の目の保養にしかならないから。………おい有咲、死んだような目で俺のことを見るでない。俺が悪かったから。
そんなことを考えてると香澄を「はいはい」と軽く流していた。
「寝てたら叩き起こして」
「それは名案だな」
「2人共酷い~」
「「一緒にするな(しないで)」」
再びハモってお互いの顔を見てソッポを見る。そんな俺達を見てふふっと沙綾が笑うと有咲に視線を向けて言った。
「心配だったら泊まればいいのに」
「うっ……泊まりとか…急に」
なぜか急に恥ずかしがる緊張? し始める有咲。あらら? もしかして泊まりとかやったことないのか?
「なに緊張してるの?」
「うっせぇー! 私はそんな軽い女じゃねぇんだよ! じゃあな!」
「なんかその言葉の使い方間違ってるような気が───」
「うっせぇー!」
なぜか罵倒された。おかしいじゃんか。ただそれは違うんじゃないか? って注意しただけなのに。
一瞬追いかけるか迷ったが、良い機会だと思い1人歩いていく有咲を追いかけた。
「待てよ有咲」
「うるさい。付いてくるな」
「待ってくれって」
全く歩くスピードを落とさない有咲の右手を掴んだ。
「触らないで」
俺のことを睨みながら冷たい言葉を浴びせてくる有咲。一旦立ち止まってくれた。
「話がある」
「私はない。最近喋るからっていい気にならないでよ。裏切り者のくせに」
「それはわかってる。………それでももう逃げるわけにはいかないんだ」
もう……逃げるわけには。
「逃げる? 勝手に逃げ出したのはお前じゃん!! 私を1人にして、勝手に彼女作って居なくなったそっちだろ!?」
「違う! これには事───」
「違わない。お前は裏切り者で私との約束を破った」
無理やり手を振りほどくと有咲は再び歩きだした。俺はただその背中を見つめるしか出来なかった。有咲の言ってることは正しい。1人にして、彼女作って居なくなったのは俺だ。だけど、有咲の言う約束ってなんなんだ? たくさん約束し過ぎて検討がつかない。
やるせない気持ちのまま俺は有咲とは反対側を向いて歩き始めた。有咲に忍び寄る人に気づかないまま。
あれからというものどうも有咲の様子がおかしい。変に突っかかってこなくなったと言うか、元気がないというか、なんというか………。予想だけだからなんとも言えんが。前との有咲とはどこか違ったような気がする。
「にしても……だいぶ出来てきたな」
花女の校門前で香澄達が来るのをスマホをいじりながら待っている中、校門に設置された吹祭と書かれた看板が目立つ。最近妙に頭が痛くなることが多々ある。倒れてからというもの体調が安定しない。今日も何回か頭が痛くなる時があったし。
「あれ? けいちゃん」
スマホの画面から顔を上げると、目の前には沙綾の姿があった。
「沙綾か。今帰りか?」
「うん。最近寝込んでたみたいだけど大丈夫?」
「大丈夫だ。たまに頭痛くなるくらいだし」
ここ最近気温が高かったから偏頭痛かなにかだろうし。病院に行くほどでもない。それに……親にそんなこと言いたくないし。
「そう? 頭痛いのが続くようなら病院にちゃんと行きなよ?」
「わかってる。ほら、純君と沙南ちゃん達が待ってるぞ」
「うん。じゃあね」
「じゃあな」
手を振ってくる沙綾に手を振り返して再びスマホに目を落とす。頭痛 病気と検索して一応調べた。頭痛に関しての検索結果がたくさん出てくる中、1つずつ確認してみた。
頭痛にもいろいろ種類があるんだな。危ない頭痛と危なくない頭痛ねー。やっぱり病気行った方がいいかな。変な心配を香澄達にかけたくないし。機会があれば行ってみるか。
一旦スマホの画面から目を離して校門の方に視線を向けると、ニコニコしながらこちらを見つめてくる優衣の姿があった。結構気味悪いなおい。
「どお? 答えは出たかな?」
近づいてくるなり、ゲームの答えを聞いてきたのに対して、俺は呆れた感じで答えを返した。
「まだだよ。楽しいか? こんなゲームして」
「もちろん。恵は楽しくないの?」
「当たり前だろ。どうして有咲と沙綾を天秤にかけないといけないんだよ」
どっち今の俺にとっては大切な人だ。迷っていた俺にヒントをくれただけじゃなくて、慰めてくれたのは沙綾。嫌いだ、許せないだの言ってくるくせに結局俺のことを心配してくれる有咲。どっちかを選べなんて俺には無理だ。
「だってさ~。あまりにもリアルが充実してる恵をイジメたくなったんだもん。本当のリアルを知らない恵に………ね?」
あの時と同じだ。その不気味な笑顔。面白くて笑っているのか、全てがどうでも良くなって笑っているのか。今の場合だと前者だと思う。優衣は……この状況を楽しんでる。
「まっ、精々頑張ってね~」
そう言うと優衣は歩き始めた。見つめていると、なにかを思い出したように「あっ!」と言って振り返った。
「言い忘れてたけど~。知らないようで知ってるよ? 彼女は。それに~深く考えない方がいいよぉ~」
ニコッと笑うと今度こそ優衣は行ってしまった。もう全てが謎過ぎる。優衣の目的は……俺と有咲の関係をどうしたいんだ? いったいなにが………。
「けーちゃん! お待たせ!」
優衣が歩いて行った方をじっと見つめていると、聞き慣れた声が現実へと俺を引き戻した。
「おう。そんな待ってないから大丈夫だ」
「そう? じゃあ揃ったし行こう!」
「ああ」
軽く返して有咲に視線をチラッと向けると、気づいたのか視線をそらされた。いつもなら、「なにみてるんだよ」って冷たい言葉を浴びせてくるのに、それすらもない。とい事は本当に見捨てられてしまったのだろうか。
有咲本人しかわからないことを考えながら、香澄達に付いて行くとなぜかコンビニへと足を運んでいた。
「ちょいちょい。なんでコンビニ?」
4人に声をかけて立ち止まり後ろに振り返ってくると、みんな、なに今更聞いてるの? みたいな表情をしていた。
「え? アイス食べたいからだけど」
「あ、なるほど。だったら言えよな」
「言ったよー! 聞いてなかっただけ」
「そ、そうか。すまん」
考え事してて何にも聞いてなかったよ……。アイスか……久しぶりに食おうかな。
香澄達の後に付いてコンビニの中へと入っていった。
コンビニ袋をぶら下げて外に出るとすでにアイスを食べている香澄とおたえがなにやら話しているのが目に入った。
「へぇ~弦にもいろいろあるんだー!」
「うん。材質によって音が違うの。好きな音、探すの楽しいよ」
「へぇ~」
弦か。確かにおたえの言うとおり、材質によって音が違う。俺は好きな音を探すのに結構苦労した。何回も繰り返し聞いてしっくりくるやつを選んだからな。今考えると良い思い出だ。
俺が出てきてすぐにりみと有咲も出てきた。
「お待たせー」
「アイス決まった?」
「ううん。決まらなかったけど、有咲ちゃんが半分こにしてくれるって」
「私はこれが良かったの」
言いながら有咲はコンビニの袋からコーヒー味の2つに分けられるタイプのアイスを取り出し、その半分をりみに「ほい」と言いながら渡した。
「ありがとー♪」
すると何を思ったのか、香澄とおたえがおかしなことを言い始めた。
「有咲! 半分ちょうだい!」
「私も!」
「なくなるだろうが!!」
2つに分けるタイプのアイスを半分の半分、つまり全部持ってかれるわけだ。棒に付いてるアイスなら一口頂戴はわかるけど、2つに分けるタイプはちょっと………。ホント頭飛んでるな。
「恵ちゃんはなんのアイス買ったの?」
「俺は……」
袋から勝ったアイスを見せた。
俺が買ったのは有咲と同じやつだけど、味がコーヒーではなく、ホワイトサワー。有咲と同じ物買うと文句言われると思ったからやめたんだけど………ここまで一度も喧嘩してないとなるとどうなるかわからん。
「じゃあ、江戸川楽器店まで競争ね!」
「いいよ! 恵ちゃんもね!」
「あ? お、おう」
ん? 競争? なんの競争だ?
なんの競争だかわからないまま4人は走っていってしまった。なぜかその時だけ、有咲の背中が酷く遠くに見えた。
見事に玉砕する主人公。そして忍び寄る影とは…………。文化祭辺ということで、沙綾加入編です。果たしてどうなるのか?!
イベント始まったので頑張りますぞ!
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それではまた次回。