BanG Dream!~あの時の約束~完結 作:レイハントン
とうとうあの人物の正体がわかるのか?!気付いてる方も居るとは思いますが、読んでみてください!
2回もパンを買いに行った次の日。俺はいつもより早く起きていた。なぜなら、今日は優衣と一緒に学校に行くため。高校に入ってから初めて一緒に学校に行くな。
俺の家と優衣の家は遠い。でも少しだけだから、路面電車を使えば平気だ。
朝ご飯と準備を済ませ家を出た。いつもなら左に曲がる所を今日は右に曲がる。そこから少し離れた場所に駅から路面電車に乗って待ち合わせ場所の近くまで行く。
外を見ると今日も快晴。春はこうじゃねえと。まだ桜も綺麗に咲いてるし、しばらく雨の予報もない。このちょうど良い気温がたまらん。
路面電車を降りて待ち合わせの場所に駆け足で向かう。外の景色と久しぶりに優衣と会えると思うと少し駆け足になっていた。
めんどくさがり屋な俺だけど、こういうのはめんどくさくない。
待ち合わせの場所に着くと先に優衣は来ていた。
「あっ、おはよう」
「おはよう。待ったか?」
「全然。行きましょ」
そう言うと明るい茶色い髪を揺らしながら歩く。俺はその隣に並ぶ為に走った。
いつも可愛いけど、今日は一段と可愛いな。高校生になって化粧とかしてるんだろう。休みの日に会うのとはまた違う感じだ。
「ごめんね。いつも一緒に行ってあげられなくて」
「良いって良いって。そっちにも友達付き合いがあるだろ? だからあんま気にするなよ」
「ふふっ。ありがと」
笑顔でそう言った。久しぶりにみた優衣の笑顔。どこか心引かれるものがあった。あの出来事の後だからだからかもしれないけど、やっぱり優衣は大切な彼女だ。
「? あたしの顔になんか付いてる?」
「いや。優衣と付き合えて良かったなって思っただけだ」
「ふふっ。なにそれ」
微笑みながらそう言う優衣。
俺はあまり思ったことを表に出すことは殆どない。恋愛感情だけにすればな。
いつもとは違う楽しさを感じながら2人で学校に向かった。
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やまぶきベーカリー
「いってきまーす」
「いってらっしゃい」
この日もいつも通りに家を出た。最近仲良くなった友達も1人増えて今のところは楽しいかな。
それと入学式の辺りから花高の男子が友達増やしとか言ってナンパしてるんだよね。しかも独特な方法で。前はジャグリングして見てくれた人に、オレと連絡先交換しない? とか言ってたっけ。
あたしはそう言うの嫌いじゃないけど、少し苦手かな~。でも神山君にいつも襟掴まれて引きずられて行くんだよね結局。今日はいったい何してるのかな。
いつも通りの道を歩いていると、見たことがある人が前を歩いてた。男の方はたぶん……神山君? 隣の人は……まさか! あの顔は間違いない。
なんで神山があいつと一緒に居るの? 付き合ってるとかじゃないよね………神山君。
──────────────
今の時間は昼。午前中の英語はヤバかった。さすが進学クラス………。こりゃあ家でも勉強しないとマズいな。
やっぱ何年経っても英語は苦手だ。容量悪いのは困るわ。
「元気ないな少年」
「朝からマジック披露してるやつには言われたくない」
「なに?」
こいつは朝から花女でマジックを披露してる。なぜそこまでするのかと思って、ずっと前に聞いてみたけど、理由が凄かった。
徹の父親はマジシャン。母親が元サーカス団の人らしい。俺と変わらない芸能一家ってところだ。だから俺の気持ちをわかってくれる。親が凄いと勝手に子供も凄いと思われるからな。
「最近これの方はどうよ」
ギターをイメージさせるように手を動かす徹。
「ぼちぼちってところだ。もう少し練習すれば投稿出来るかも」
「そっか。今はなに練習してんの?」
「お父さんのバンドの曲」
だけど何度練習してもお父さんのようにはいかない。改めてその凄さがわかった瞬間だ。それでも追いつきたい………いや、追い越したい。いつか認めてもらいたいから。
めんどくさがりって言っても好きなことには打ち込めるタイプです。それ以外はめんどいけど。
「ん? こころからだ」
「誰だその人」
「花女の友達~。こないだ連絡先交換した子だって言っただろ?」
「あ~あれか」
確か金髪ハーフの金持ちさんだったっけか? なんにせよあれで連絡先交換出来るのがすげー。つうかもう名前呼びか。
「あいつ金銭感覚おかしいんだよ。金の杖欲しい? とか聞いてきたんだぞ」
「いや知らんよ。こっちが知ってる前提で話すなぼけナス」
全くこいつは……。てか金の杖ってなに? もうじじい扱いされてんの? そうだとしたらお笑いだよ。徹じじいか。
「なに笑ってんの?」
「いやなんでもない。徹じじい」
「なんかあるだろそれ!! なんだ徹じじいって!」
あー聞こえない聞こえない。人から嫌がらせを受けるのは嫌いだけど、人に嫌がらせをするのは大好きです。最低のクソ野郎はここに居ますお巡りさん。
その時俺のスマホにも連絡が来た。誰だ? 思い、送り主を確認する。相手はお母さんから。
『帰りにやまぶきベーカリーでパン買ってきて~お金は返すかわからないけど笑笑』
俺はパシりか!! あと金返せ!! こっちは少ないお小遣いでせっせと頑張ってるんじゃい! それをなにがお金は返すかわからないけど笑笑だ!
「顔が険しいぞ。まるでなに言ってるのこいつ。みたいな顔だ」
「まさしくその通りなんだよ」
パンは買って帰るけど金は絶対に返してもらう。
時間は過ぎて放課後。徹はその仲良くなった子と会うために早めに学校を出て行った。これで俺も勝ち組だ、みたいな顔してたけど。そういう人に限ってただの友達ってパターンそうだな。
俺は例のパンを買いにやまぶきベーカリーへと向かってる。2日続けて来たらどう思われるかな。いや、山吹のことだから少し茶化して終わりだろう。伊達に3年間も通ってない。なんとなくはわかる。
でも高校生になってから毎日見掛けるようになった。前は休みの日とか一週間に数回だったのに。まあ、いろいろあるんだろう。
商店街に入り人が増えて賑わってきた。今は夕方ということもあるのか、買い物目的の人達で溢れている。中には小学生くらいの子や前におつかいを頼まれた俺と同様の人も居るのがわかる。
進むにつれていい匂いが漂ってきた。こういう匂いを嗅ぐと腹が減る。
少し歩いてやまぶきベーカリーに着いた。ドアを開けると例のごとくお店の手伝いをしている山吹の姿が。
「いらっしゃいませー。また来たの?」
彼女は微笑みながらそう言った。俺も好きで来ている訳じゃない。おつかいだおつかい。
「今日はお母さんが買ってきてって言われてよ。毎日毎日忙しそうだな」
「そんなことないかな~。もう慣れたって感じ。それとメロンパンもうすぐ焼けるけど待つ?」
「あー? お客さん待たせるってどういうことだ? 是非待たせてください」
「ふふっ。ありがとね」
焼きたてが食えるなら待つしかないだろ。どこに焼きたてのメロンパンが食えるのに帰る奴がいる。
「それとさ。今日の朝、女の子と一緒に居るのを見たけど、あれって彼女?」
「まあな。それがどうした?」
「………ここでは言えないから、夜話さない?」
急にどうしたんだ? 夜話さない? ってことは連絡先を交換しないか? ってことだよな? ハテナ多すぎて焦っております。
「な、なんでだよ」
「隣に居た子って姫川優衣だよね? あの子、別の学校に彼氏作って二股とか平気でする子だよ」
は? どういうことだ? 優衣が二股してる? それって……。
山吹の事を見るが、その瞳が嘘を吐いているようには見えない。でも最近様子がおかしいのはわかっていた。それが二股とかは一ミリも思ったことはない。バイトを始めるからと言ってたから少しも疑う要素は俺にはなかったからだ。
「それに、前に他の男の人と腕組んで歩いてたよ。それ以外にもあるから、夜でいい?」
「………わかった。とりま俺のtwisterにメール送ってくれ」
「うん」
高校始まってこれか。でもそれが本当なら山吹には感謝しないといけない。別に好きな男が居るのに、はいそうですかなんて言って付き合える訳がないからだ。
その会話が終わると同時に山吹のお父さんがメロンパンを持ってやってきた。焼きたてのパンの香りがお店の中に漂う。
「神山君じゃないか。昨日も来てくれたんだってね。いつもありがとう」
「いえいえ。ここのパン美味しいので」
「そう言ってもらえるとありがたいよ」
メロンパンを置いていくと、山吹のお父さんは厨房へと戻っていった。
するとお客さんが出て行ったのかドアが開いた音がした。そこにはニヤニヤしながら口元を隠している戸山の姿が。
いったい何がおかしいって言うんだ。
「メロンパン焼きたてです」
普通いらっしゃいませーと言うところを親しい友達みたいな感覚で山吹は戸山にそう言った。そう言えば2人共花女だったな。それに戸山から入学式で友達1人出来たとか、俺からすれば有り得ない事を言ってた記憶がある。
「あれ? 神山君?」
「香澄、神山君のこと知ってるの?」
「2人は知り合いなのか?」
いやもう話がまとまらないよな。こんな質問ばっかりじゃ。
結局のところ、戸山と山吹は友達で、俺と山吹が友達なのを戸山は今知ったってことだ。意外や意外、俺の知り合い2人が知り合いなんて。
問題は解決したので買って帰るパンを選ぶ。まずメロンパンは確定な。これだけは譲れん。
「それより部活どうしよう~」
パンを選んでいる後ろでそう言う戸山。めっちゃ部活見学行ってるクセに決まらないのかよ。いろいろやりたいのが有りすぎて決まらないパターンか? いや、よく見たらもう買ってるし。いつの間に………。
「焦らなくてもいいんじゃないの~」
その隣で焼きあがったパンを並べる山吹。あれも旨そうだな………。ヤバいヤバい。腹減ってる時は余計に美味しそうに見えるんだよな。
「うん」
「バイトしてみるとか」
「雇ってくれる?!」
「うちは厳しいよ~。朝は早いし、夜は遅いし、睡眠時間は毎日2時間」
うへぇ~~。そりゃあハードだな~。ここでバイトするのも良いかもとか思った俺がバカだったわ。
「ハード」
「嘘」
そう言った瞬間戸山は山吹の方を叩き始める。そりゃあそうなるわな。俺だってハードとか思ったのに嘘かよ。たまにあるんだよな、山吹のからかい。
そして山吹は微笑んでから戸山に告げた。
「見つかるといいね」
「──うん!」
「いい雰囲気の所悪いんだけど、お会計お願いします」
選んだパンをお会計してもらい。そして俺と戸山はやまぶきベーカリーをあとにした。外はさっきよりも少しオレンジ色に染まっていて、The夕方って感じだ。
「珍しいな。戸山がそんなに思い詰めてるなんて」
「うん。なんかやりたい事が見つからないんだよね~」
「そうか」
やりたい事か……。今の俺のやりたいことはギターぐらいか。勉強はやりたい事じゃなくて、やらないといけないものだから、論外。
少しすると商店街を抜けた。
「部活見学もして、いろいろ探してるのに見つからないのか。それは困るよな」
「神山君は高校生になったからやりたい事とかないの?」
「特にはない。やりたいことなんて焦って見つけるものでもないと思う」
横断歩道を通ろうとするが、信号が青から赤に変わったので、渡るのを諦めた。
「こっちからでいい?」
「ああ」
真っ直ぐ行くところを右の横断歩道を渡り、そして右の方向へと歩いていく。なにも会話がないまま歩き続けた。しばらく歩き、小さな横断歩道のを渡っている途中で戸山が止まった。
「どうした?」
「あれ、なにかな」
戸山の目線の先を追うと、そこには電柱の下に黄色い星のシール? のような物が落ちていたのだ。それを戸山が近づいて拾う。
この星どっかで見たことあるような………気のせいか。
「星?」
「みたいだな」
辺りを見回すと他にも同じような物が貼ってあった。物に付いてるということはシールなのだろう。それを2人で追っていく。
それを見つけるうちに楽しくなってしまったんだろう。どんどん歩くスピードが速くなっていく。それに合わせるように俺もスピードを上げる。
戸山さんや。楽しくなって来てませんかね? つうか何枚貼ってあるんだよ………。そして今日まで気付かなかったわ。
俺にお構いなしに進んでいく戸山。ちょっとこの道は………だんだん有咲の家に近づいてませんか? これは気のせいには出来ないぞ!
その星を見つけては次のを見つける為に歩く。ここで無視して帰ることも出来る。でも、それはなんか嫌だ。
やっぱりどこか有咲に会えるならという思いがある。今度こそは話をしないと。
いざ会った時の覚悟を決め付いていく。
そして────
「流星堂?」
見覚えしかない建物の前に着いた。
「ここは質屋だ」
「知ってるの?」
「まあな」
そして物語は動きだす………
どうでしょうか?
優衣の詳しい話はまた次回で明らかに……。今回がこの話ということは……次回はね?
高評価くださったS_nobleさんありがとうございます!!
アドバイス等ありましたらよろしくお願いします!
では