一撃のプリンセス〜転生してカンフー少女になったボクが、武闘大会を勝ち抜くお話〜   作:葉振藩

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【武法の主な設定】


武法(ぶほう)

 

 人体の持つ潜在能力をフルに引き出し、常人以上の戦闘力と身体機能を得る究極の体術。

 煌国全土に伝わっており、数え切れないほどの流派が存在する。だがその全ての流派は、元をたどれば【太極炮捶(たいきょくほうすい)】が起源である。

 流派によって伝わる技術も戦闘理念も異なるが、一部の例外を除けば立ち技系がメイン。

 習得が難しく、実戦可能レベルに達するまでは最低でも四、五年はかかる。なので武法の修行は、物覚えの早い幼少期から始める者が多い。

 

 

 

 

 

易骨(えきこつ)

 

 武法を習得する上で最も重要な修行。

 常人の骨格は大なり小なり歪みを持っている。その歪みのせいで体重が体のあちこちへ分散し、それを支えるために余分な力みが生じてしまっている。

 【易骨】では、その骨格を歪みを正して理想的な配置に整えることで、全身に分散していた体重を足裏に集中させる。そうすることによって、自分の体重を一〇〇パーセント使えるようになる。重心移動と同時に打撃を放つことで、まるで数十キロもの鉄球が高速でぶち当たるかのごとき威力を出す事が可能となる。

 【易骨】によって整えられた骨格は、あらゆる衝撃を分散させる機能が備わっている。そのため、普通の人間が死ぬような衝撃を受けても無事でいる事ができる。

 また、体から余分な力みが消えると、全身の【気】のルートである【経絡(けいらく)】が広がり、【気】の流れが円滑化する。それによって初めて【気功術】(後述)の修行と使用が可能となる。

 

 

 

 

 

気功術(きこうじゅつ)

 ヒトを含む生きとし生ける物全てが持つエネルギー【気】を利用し、様々な効果を引き起こす技術。

 武法では必ず学ぶものであり、これがなければ武法ではない。

 【気功術】は、主に四種類存在する。

 

 ①【硬気功(こうきこう)】:臍下丹田(せいかたんでん)に集めた【気】を体の好きな部位へと移動させ、そこの硬度を一時的に鋼鉄並みにする技術。刃物も通さない。

 ②【炸丹(さくたん)】:臍下丹田に集めた【気】を爆発させ、打撃力を倍加させる技術。【硬気功】による防御を破る事ができる。ただし【気】の消費が激しい。

 ③【聴気法(ちょうきほう)】:周囲に存在する【気】を感知する技術。

 ④【送気法(そうきほう)】:【気】を放出する技術。物理的効果はない。

 

 戦闘では便利だが、使いすぎると全身の【気】が薄くなってバテてしまう。

 また、【気】とは電気的性質を持ったエネルギーであり、可燃物に引火する。そのため、可燃性の粉塵が煙のように舞う場所で【気功術】を使うと、粉塵爆発を起こす危険性がある。

 

 

 

 

 

勁擊(けいげき)

 力学的に効率の良い身体操作によって放たれる、武法の強力な打撃技。

 その基本は『三節合一(さんせつごういつ)』。『三節』とは、腕、胴体、下半身、これら三つのパーツの総称。この『三節』全てを終始同じタイミングで動作させることで、全身で生み出した運動エネルギーが一つになり、強大な威力を発揮する。

 力を生み出す身体操作の方法は、流派によって様々。

 【易骨】で整えられた骨格でなければ、一〇〇パーセントの威力は出ない。

 

 

 

 

 

架式(かしき)

 武法の修行法の一つ。

 その流派において重要な姿勢を作り、そのまま動かず長時間保つ事によって、姿勢を体に染み込ませる。

 非常に苦しい修行だが、武法の中では欠くことのできない大切なもの。

 

 

 

 

 

拳套(けんとう)

 その流派で用いられる何十もの技や動きをつなぎ合わせ、一つのセットにしたもの。空手でいう「型」。

 これを何度も反復練習することで、その流派における【勁擊】、足さばき、体さばきなどといった体の使い方を覚える。

 ただし【拳套】はあくまで、その流派の文法のようなもの。これを実戦で使うための訓練は他にある。「型をやれば強くなれる」のではなく「型をやらないと強くなれない」のである。

 

 

 

 

 

(きん)

 武法士が体内に持つ、特殊な運動器官。

 【筋】という名前でこそあるが、普通の筋肉よりも性能が上。いわば「高性能の筋肉」。

 その主な特徴は、以下の通り。 

 

  ①筋肉は膨張して力を出すが、【筋】は伸びて突っ張ることで力を出す。

  ②筋肉は衰えやすいが、【筋】は非常に衰えにくい。

  ③【筋】は筋肉よりも成長が遅いが、その成長限界は無いに等しい。

  ④筋肉の性能には男女差があるが、【筋】には男女ともに性能が同じ。

 

 【筋】は、【易骨】によって整えられた肉体にのみ現れる。実際に【筋】という器官が存在するわけではないが、"感覚的には"確かにある。

 【勁擊】の時、全身を動かしているのは【筋】。そのため【筋】が強くなれば、【勁擊】も必然的に強くなる。

 

 

 

 

 

易筋功(えききんこう)

 【筋】を鍛えるための修行法。

 鍛えたい部位の【筋】へ、常に一定の負荷をかけ続けて鍛える(筋トレのように、断続的に負荷をかけるのではない)。

 【架式】も広義的に考れば、【易筋功】に分類できる。

 

 

 

 

 

意念法(いねんほう)

 強いイメージ力を用いて、身体能力を強化したり、技に特殊な効果を付与したりする技術。

 プラシーボ効果とほぼ同じ原理。

 流派によって様々な方法が存在する。

 

 


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