ソードアートオンライン 〜鋼鉄の記憶〜   作:誠家

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この小説を書いているとなんか気持ちが晴れていくんですよねえ。こんな僕はおかしいでしょうか。いや、おかしくないね!それでは、どうぞ‼︎


第1章 SAO Possibly the world
第1話 少年とAI


「それじゃあお兄ちゃん、和真、部活行ってくるね〜。」

 

妹の可憐な声とガチャッ、バタン。という開閉音が二重になって二階にいる俺の耳に届く。俺は外していたヘッドホンをつけ直す。

俺、桐ヶ谷和人と妹である直葉は正確に言うと従妹だ。

俺にはもう一人、弟もいるがそいつは俺と血は繋がっていても直葉とは血は繋がっていない。

この事実に俺がたどり着いたのは四年前、10歳のときだった。俺はすでに8歳の頃から多少気づいてはいたのだ。俺たちとこの家族が《なにか》違うことに。だがなんせまだ小学二年生だ。親にそんなことが切り出せるはずがない。

だが四年生の秋頃、俺は思いきって母親にこう質問した。

「自分は本当にこの家族の一員なのか」と。

晩酌をしていた母親は口をパクパクさせていたがやがて正気に戻るとすぐに否定した。だが俺にはそれが嘘だということがわかっていた。母親の目が完全に泳いでいたからだ。俺がさらにゴリ押しすると母親は観念したように語り始めた。俺の、いや俺たちの両親は幼い頃に亡くなり貰い手のいなかった俺たちを桐ヶ谷家が引き取ってくれたのだと。

その日からだろう。俺が桐ヶ谷家の人々との関係性に混乱し始めたのは。俺は家族となるべく距離を取り部屋に引きこもり続けた。帰ってきたらネット、帰ってきたらネットという日々がひたすら続いた。今も継続して。

俺は脳を回想から現実に戻すと首を横に振り、手に持っている雑誌に目を落とした。俺が見ているのはある男とゲームの特集記事。この記事に載っているゲームは俺が今夢中になっているゲームの一つだ。そのゲームの名は…

 

『ソードアートオンライン、ですか』

 

ヘッドホンからある音声が俺の耳に流れ込んでくる。

 

『本当にすごいもん作ったわね、人間は。』

 

さらにもう一つの音声。もはや聞き慣れた二つの声。

俺はその声の主たちにため息混じりの声をかける。

 

「なんか用か。ヒカリ、メル。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

この二人はAIである。

名前はヒカリとメル。

作ったきっかけは今年の8月頃に届いた一つの段ボール。

俺宛に届いていた。中に入っていたのはAIを作るためのソフト二つと打ち込む数字1万桁の書き写し二つ。

 

とても怪しかったしソードアートオンラインのベータテスト中ということもあったので、3、4日ほっといたのだが、好奇心には勝てず結局打ち込みを開始してしまった。その日から俺はベータテストが終わると数字を打ち込み、ベータテストが終わると数字を打ち込み…といった生活になっていた。そして10日後、ようやく1万桁の数字を打ち終わった。その時にできたのがヒカリだった。俺はどうしたらいいかわからなかったのでとりあえず教えられることは教えて(しちゃいけないこととか文字の読み方とか)からインターネットに放り込んだ。俺はその直後に二人目の製作を始めた。その頃にはベータテストも終わっていたので製作に専念できた。

 

5日後、慣れた手つきで作業を進めているとパソコンから「もしもし」という声がした時はひっくり返りかけた。

どうやらヒカリの調整はうまくいったようで様々な知識を持っていた。俺は作業を進めている間もヒカリと話し、交友関係を深めていった。そして作り始めて7日後、二人目となるAIメルが完成した。俺はヒカリと同じ順序で育てメルとも交友関係を深めていった。

そして、あの段ボールの差出人は未だわかっていない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『何の用だ、とはご挨拶ですね。ご主人様♡』

「誰がご主人様だ。誰が。」

 

俺はページを1ページめくる。そこには黒い机に腰掛けた白衣姿の男性の写真が載っていた。

 

『和人様、正直どうお思いですか?』

「へ?どうって?何が?」

『もちろん茅場晶彦のことですよ』

「ああ、もちろんすごいと思ってるし感謝もしてるよ。」

 

 

このソードアートオンライン、略称SAOはナーヴギアという本体ゲーム機を使ってプレイされる。《ゲームの中に入る》という俺たちゲーム中毒者からしたら夢のようなことができる最先端のマシンだが、それゆえにソフトはパッとしないものばかりだった(例えばパズル系とか動物育生系とか)。しかしこのソードアートオンラインでは《モンスターを斬って倒す》ということが体験可能となり文字通り世界中のゲーマー達が湧いた。その湧いたゲーマーの中に俺も入っており、そのほとんどのゲーマーが茅場晶彦に感謝した。

 

 

『私は…この人には何か裏があるみたいで怖いんです。』

 

ヒカリがボソボソと呟く。

 

「それは…性格が?」

『いいえ、このゲームのことです。』

「ゲームに…裏がある?」

 

俺は少し考える。ゲームに裏があるとはどういうことか。基本無料と書かれているが本当は有料だったり、とかそういうことだろうか。

 

『いえ、考えすぎですね。忘れてください。』

「あ、ああ。わかった。」

 

俺は再度雑誌に目を落とす。すると茅場の横にはこんな本人のコメントが載せられていた。

 

《これは、ゲームであっても遊びではない》

 

『それより和人。』

「ん?どうかしたのか、メル。」

『そろそろ13時が来るわよ。アラームセット時間。』

「おっといけね。」

 

俺はすぐさまナーヴギアを取り出し頭に装着してからコードを専用のコンセントに差し込む。

 

「じゃあ17時ぐらいに帰ってくるから」

『了解。早く行ってきなさい。』

『御武運を。和人様。』

「ありがとう。」

 

俺はそっと目を閉じる。そして雑誌に載っていたあの言葉を呟く。

 

「これは…ゲームであっても…遊びではない…」

 

俺はベータテスト中にも同じことをテレビや動画で聞いた。だが意味は全くわからない。

 

『ゲームであっても、遊びではない。一体…どういう意味で…』

 

俺の思考を打ち消すかのようにスマホのアラームが鳴り響く。俺は目を開け口をゆっくりと開きあの言葉を口にした。

 

「リンクスタート!」

 




どーも、ありがとうございました。
ではでは次は第2話でお会いしましょう。
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