ソードアートオンライン 〜鋼鉄の記憶〜   作:誠家

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アリブレ久しぶりに始めたけど面白いね。
アリブレデータの破損と共にスマホも壊れたからな。




第2話 ザ・スカル・リーパー

第75層《コリニア》。

主街区内にある転移門広場において、あらゆる装備を身につけたプレイヤー達が集まる。

それぞれの腰や背中にはあらゆる種類の武器が煌めき、独特の緊張感が漂っていた。

 

ちなみに、今回はなぜ50層の時のようにツーレイドでないのか。

理由としては、50層の時、人数が多すぎて統率が取れていなかったからだ。

数が多いから強い。…という訳では無い。

 

今やボス攻略前に必ず見る光景となったその中に、2人の人物が入り込む。

 

「あ、アスナ…俺は端っこでいいって…」

「何言ってるの。キリト君はリーダー格なんだから堂々としてなきゃ。」

 

紅白の騎士服に身を包んだ女性に、全身真っ黒の装備の青年は引っ張られながら人の間を抜けていく。

その2人を…というか、青年…キリトを見る目は、何処か冷たい。

そして、そんな二人を見て、キリトに似たフードコートのプレイヤーが手を挙げた。

 

「おー、アスナさんに兄貴。少し遅かったな。今日もよろしくな。」

 

コツンと、キリトとフードの青年…カズマは拳を合わせて挨拶をした。

 

「おはよう、カズマ。まあ、ちょっと血盟騎士団のギルドに寄って、ボス情報なんかを色々とな。こちとら、急な呼び出しだったし。」

「なーるほど。まあそうでもなきゃ厳格なアスナさんが早めに来ないなんて有り得ないもんな。緩い兄貴はともかく。」

「あっははは。そうだね。キリト君には《厳格》なんて言葉が1番似合わないかな。」

「そ、そこまで言いますか…」

 

和やかに笑いながらも、アスナから放たれた痛烈な一言にキリトは項垂れる。

それにアスナとカズマが笑うと、転移門から続々とさらなる闖入者が姿を現す。

まず最初に、《スリーピング・ナイツ》のメンバーと、和装姿の青年が姿を現した。

先頭を歩いていた紫髪の少女はカズマを見つけるや否や、猛然とダッシュ。

 

「カーズマー!」

 

その勢いのまま、彼にダイブ。

凄まじい速度のそれを、カズマはしゃがむことで避けた。

 

「ふっ、甘いなユウキ。俺だって成長するん…」

「スキあり!!」

「おふぅッ!?」

 

成長に、意味はなかった。

通り抜け、着地した瞬間に体幹と腕を使って進路を変更。そのままもう一度足を踏み抜いたユウキは、同様のスピードでカズマの背中に突っ込んだ。

カズマは倒れそうになりながら、なんとか踏みとどまる。

 

「くっ…お前…いつの間に…」

「ふっふっふ。ボクだって成長するのさ。」

「あっ…ぱれ…」

 

ドヤ顔のユウキと共に、倒れ込むカズマ。

その様子を見ていた和装の青年、シュンヤがため息をついた。

 

「なーにやってんだ、まったく…」

「相変わらず、緊張感も何も無いですね…」

 

彼の横にいたツインテールの少女、シャムも苦笑いと共に呟いた。

「ったく…」

あるプレイヤーが、カズマに手を差し出した。

 

「ほら、大丈夫か?カズマ。」

「あ、ああ…すまんな、ジュン。若干今マジで低スタン状態だから…」

「いいよ別に。…ユウキも、程々にしとけよ?下手したらそろそろカズマの現実に影響及ぼすぞ。」

「それはヤバイな。」

「大丈夫!カズマの体頑丈だから!」

「ああ、過去のお前のおかげでな。」

 

カズマはそう言うと、お返しとばかりにユウキの両頬をつねる。

「いひゃいいひゃい!かじゅまごめんなひゃい!」

泣き笑いのような顔でユウキはそういうが、カズマはやめようとしない。

…そしてそこで、さらなる闖入者。

「よお」

「おう、おめえら元気そうだな!」

 

1人は全身褐色、筋肉質長身スキンヘッドのナイスガイ。攻略組に名を連ねる斧使いでありながら、50層で商店も開く、オールラウンダー(?)。

ちなみに、キリトとカズマには《ぼったくり商店》と言われている。

《兄貴分》・エギル

 

そしてもう1人。

赤い長髪を趣味の悪いバンダナでまとめる姿が特徴的。腰に差す武器は刀で、装備は和装で何処かシュンヤと重なる。(別に真似てる訳では無い)

攻略組に名を連ねるギルド《風林火山》のギルドリーダー。

本人曰く、【絶賛彼女募集中】。

《孤高(w)の刀使い》・クライン

 

「おう、なんか今めちゃくちゃムカつくこと言われた気ぃするだけど。」

「おー、わかるぞその感じ。」

「分からんわ。」

クラインとカズマの奇妙な会話に、シュンヤがすかさずツッコミをいれた。

 

「なんだ、お前らも参加するのか。」

「おいおい、なんだとは挨拶じゃねえかキリトよ。」

 

エギルはずいっとキリトに顔を近づけた。

 

「こちとら商売ごとを投げ出してまで、加勢に来たんだぜ?この無私無欲の精神は、褒められていいもんだと思うが?」

「ああそう。なら、お前は戦利品の分配からは外していいんだな?」

「え、そ、それはだな…」

「ついでに無欲な分、攻略終わった後の武器のメンテのアフターサービスもやってもらおうぜ。やー、無欲な店主は偉大ダナー。」

「お、お前ら…!」

 

拳を握って、悔しそうに震えるナイスガイ。

その様子に、スリーピング・ナイツの面々やアスナ、クライン、シュンヤから笑いが巻き起こった。

 

…それも、次の闖入者の登場により、一瞬で引き締まった。

転移門から現れた人物達は、アスナと同じような紅白の騎士服に、最高クラスの武器。

それは、血盟騎士団の最高幹部の面々。

後ろから戦闘員もついてきてはいるが、どこかオーラが違う。

その中には、キリト達の知り合いでもあるシヴァタの姿もあった。

そして、彼らの中央。

抜きん出た存在感を放つプレイヤー。

赤い鎧に白いマント。

腰には十字剣、右手には巨大な十字盾。

後ろで纏められた白髪が揺れ、その眼光は鋭い光を放つ。

血盟騎士団団長。現アインクラッド内で暫定最強である男。名を《ヒースクリフ》。

彼の顔を見て、キリトが少しだけ複雑な顔をする。

彼はヒースクリフにデュエルで敗北して、血盟騎士団に入団したのだ。心情としては、少し複雑であろう。

しかし、ヒースクリフ自身は特に気にもとめずに彼らの前を通り過ぎると、青く輝く結晶を掲げた。

「コリドー・オープン。」

彼がそう唱えると、結晶は砕け散り、巨大な《門》が生成された。

 

「さあ、行こうか。」

 

低い声でそう言うと、ヒースクリフは躊躇うことなく門をくぐり、ボス部屋へと向かった。

攻略組メンバー達も、それに続いた。

 

 

薄暗い、ボス部屋前の広場。

そこにはモンスターはPOPせず、何処か陰湿な空気のみが漂う。

 

「なんか…やな感じだね…」

「ああ…」

 

アスナの言葉に、キリトも頷いた。

この層は、尚更それが強いように感じた。

周りのプレイヤー達はそれぞれのステータスやスキル、装備などの最終チェックを行っている。

 

「調子は?」

「バッチリ。」

「視界は?」

「クリア。」

「判断力。」

「オールグリーン。…なあカズマ。」

「ん?どしたシュンヤ君。」

「これいるか。」

「ったりめーよ。大事な仲間の健康チェックは必要不可欠だからな。」

「それもうちょい早くにやることだろ。」

 

どこか気の抜けた様な声に、ピリピリとした雰囲気のまま、少しだけ鋭い視線が向けられるが、2人は特に気にもとめずに、カズマは首を回して、シュンヤは足首を回す。

 

「っし、勝つぞ。」

「当たり前だ。」

 

2人はそのまま互いの手を打ち合った。

そう、この2人のこの緊張感のない掛け合いこそ、彼らのルーティーン。

それは、キリト達も同じ。

キリトは隣にいたエギルとクラインを見た。

 

「死ぬなよ。」

「へっ、お前こそ!」

「今日の戦利品で一儲けするまでは死ねねえよ。」

 

「準備は出来たかな?…大まかな作戦としては、我々血盟騎士団がボスの攻撃を防ぐので、皆はなるべく行動パターンや攻撃パターンを把握し、攻撃・殲滅してくれ。厳しい戦いにはなると思う。…だが、皆ならできると信じている。」

 

 

「ーー解放の日の為に!!」

 

 

「オオーーーーッ!!」

 

雄叫びがあがり、空気が揺れる。

それに、キリトも緊張感が増した。

…瞬間。

彼の手を包む、温もり。

見ると、アスナが優しく彼の手を包み込んでいた。

 

「ね、キリト君…勝とうね。」

「…ああ。勝って、3人で帰ろう。」

 

チャリッ…

 

 

扉が、開く。

巨大なそれは緩かな動きで、巨大な音を立てながら動いていく。

…そして、開ききった瞬間。

 

「…戦闘開始ィッ!!」

 

ヒースクリフの凄まじい声と共に攻略組メンバー達がなだれ込んだ。

ある者は雄叫びを上げ。

ある者は剣を振りかざし。

そして、ある者は淡々と。

…だが、そこにあったのは沈黙。

ボス部屋のフィールドには灯どころか、ボスの姿もない。

「…なにも、起きないぞ…?」

ある者はそう呟いた。

…だが。

彼女は…アスナは…

 

……カサカサッ…

 

その《音》を、逃さなかった。

 

「…上よッ!!」

 

鋭く可憐な、しかし誰もが聞こえる彼女特有の声に反応するように、全員が上を向いた。

そこにあったのは、天井に張り付く物体。

暗い空間の中、無数に蠢く細い足。

巨大な鎌に、赤い眼。

そして、それらを包む肉はなく、あるのは凄まじい数の《骨》。

 

「《地獄を見せし(スカル)》…」

「《骨の鎌(リーパー)》…」

 

キリトとカズマが呻く。

その瞬間、スカル・リーパーは凄まじい金切り声を上げて、地上への落下を始めた。

 

「固まるな!距離を取れ!」

 

ヒースクリフの的確な指示。

それに直ぐに反応するあたり、さすがは歴戦の猛者達と言ったところか。

…だが、先程の衝撃と、フォルムへの恐怖により、逃げ遅れたものが数名。

 

「こっちだ!!走れ!!」

 

キリトの必死の声にようやく我に返った彼らは一目散に走り始める。

そして、直後にスカル・リーパーは彼らの元いた場所に着地した。

そして、そのまま射程圏内にいた、逃げるプレイヤーを鎌で一振。

 

「グアアァァァ!?」

 

その瞬間、鎧を着ていたプレイヤー2人は紙細工のように宙を舞って、キリト達の方に落下する。

アスナがうけとめようと、その両手を伸ばす。

 

ーーが。

その行動も虚しく、プレイヤー2人はポリゴンとなり、散った。

 

「一撃…だと…?」

「マジかよ…」

「めちゃくちゃだ…」

 

キリト、クライン、エギルが口々に呻く。

 

「キシャアアアアアァァァァァァ!!」

 

スカル・リーパーは更なる金切り声をあげると、そのまま近くにいたプレイヤーに突進を始めた。

「ひ、ヒイッ…!」

足を止めたプレイヤー向かって凄まじい速度で迫る骨の死神。巨大な鎌を容赦なく振り上げた。

 

「ヌゥンッ…!」

ガキイイィイィィィンッ!!

 

凄まじい交錯音。

迫り来る致死の鎌を巨大な盾が妨げる。

この防御力こそこの男の真骨頂。

初めて、その無数の足の動きが止まる。

…だが。

 

「キシャアアアァァァ!」

「うわああぁぁぁッ!?」

 

鎌の数は、左右2本。

ヒースクリフが片方を止めても、もう片方の鎌でそのプレイヤーは命を刈られる。

すぐにスカル・リーパーは前進を再開。

凄まじい攻撃力が猛威を振るう。

 

「クソッ…まともに近づけない!」

 

スリーピング・ナイツのメンバー、タンクのテッチが呻くように呟く。

…その横から、ある人物が飛び出した。

 

「え…」

「カズマ…?!」

 

黒いコートをたなびかせながら猛然と走る姿は、まるで狼の様。

彼はそのままスカル・リーパーの前まで移動すると、振り上げていた鎌と、自身の紅い剣を撃ち合った。

轟音。

「チィッ…!」

あまりの衝撃に、カズマの腕と剣は後ろへと弾かれた。

だが、それはスカル・リーパーも同じ。

初めて自身の鎌を弾かれて、困惑している。

それに今度は右の鎌を振り下ろすが、そこにいるのは真紅の騎士。

巨大な盾に阻まれる。

カズマに向けて更に左鎌を振り下ろすが、それもギリギリではあるが弾かれた。

 

「鎌は私とカズマ君が引き受ける!皆は側面から攻撃してくれ!!」

 

ヒースクリフが叫ぶと、鎌を恐れていたプレイヤーが息巻くように雄叫びをあげた。

 

「カズマ、いけるか?」

「兄貴、人の心配してる余裕あんのか?こいつの攻撃力と防御力多分キチガイ設定だぞ。俺のソードスキル食らってもワンドット減ってるか微妙だ。」

「分かってる。…頼んだぞ。」

「…俺のパワーの使い道なんざ、ここぐらいだろ。」

 

キリトはそれに肩を叩いて答えると、そのままスカル・リーパーの胴体部分に移動していった。

 

「カズマ君、行けるか?」

「ハッ、そっちこそ。自慢の盾ぶっ壊されて戦闘不能なんてことにはならないようにしてくれよ。」

フッ

「替えは用意してある。問題ない。」

「そういう問題じゃ…いや、そういう問題か。」

 

「キシャアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

「おおー、怒ってる怒ってる。」

「…さあ、行くぞカズマ君。」

「…ああ。」

 

 

「カマキリムカデ、根性比べだ。」

 

 

 

死闘が、始まったーー。




今思ったけどヒースクリフ強すぎひん?‪( ˙-˙ )✧‬
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