ソードアートオンライン 〜鋼鉄の記憶〜   作:誠家

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さあさあさあさあ!

前回の話からどれくらい経ったかな!?
正解は〜…




本編で!

  (′ω’  )バキュン!

アギャー!!



第20話 こいつじゃねえか

 

あれから、2ヶ月の時が過ぎた。

 

 

攻略組の破竹の活躍もあり、アインクラッドの攻略は、第85層という所まで完了している。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ぅあ〜……この時期に、この気象設定は反則だぜ〜…」

 

「だなー…」

 

 

第22層、とある湖の畔。

緑生い茂る傾斜に、3人のプレイヤーが横たわる。

 

その中の1人…キリトは、いつもの長袖に袖を通し、降り注ぐ柔らかい陽光を一身に受ける。

その横のカズマは、半袖の服のまま大の字に寝転んでいた。

 

「…カズマ、寒くないのか?」

「おいおい、もう3月だぜ?兄貴。半袖の季節は3月からだろ。」

「いや、普通はもう少し後だと思うんだが…」

 

「なら、これが俺の普通だよー。《皆違って皆良い》って、よく言うだろ?」

「そこまで深い言葉を使うことでもなくないか?」

「細かいなぁ。例えだよ例え。」

 

カズマは笑う。

そして、チラリと反対側に目線を向けて、もう一度笑った。

 

 

「…にしても、よく寝てんなぁ。」

 

 

カズマの横に寝転ぶ、もう1人の青年…シュンヤは、猫のように丸まり、安らかな寝息を立てていた。

こうしてみると、子供のようなあどけなさが垣間見える。

 

「…ま、ギルドで参謀もしながら、攻略責任者もしてるからな。ボス戦したばかりだし、疲れも溜まってるだろ。精神的にさ。」

「この世界肉体的疲労はないからありがたいよな。」

「同感だ。」

 

言い合って、もう一度彼らは笑い合う。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

数日前。

3人の率いる少数精鋭ギルドは、攻略組の面々とともに、第85層のフロアボス攻略に乗り出した。

 

結果的には、3人の活躍もあり、ボス攻略は成功。現在攻略組は、第86層の攻略に躍起になっている。

 

ただ、それでも。

被害が全く無く終わったわけでは決してなかった。

第85層ボス《ムサシ・ザ・サムライキング》の攻撃の前にタンク隊からは4人、ダメージディーラー隊からは3人の犠牲を出してしまった。

 

ここで、身内贔屓という訳では無いが、決してシュンヤの作戦が的外れだったからでは無い。

ならば、何故そこまでの犠牲者が出たか。

それはやはり、《アンチ・ビーター》の存在が大きい。

今も尚シュンヤが攻略責任者であることに不満を持ち、命令に反抗的な者が一定数存在するからだ。

 

特に、聖竜連合。

 

あのギルドは、ギルドリーダーである《ギレス》というプレイヤーが、まさしくアンチ・ビーターと言われる存在であったため、その割合は比較的に大きかった。

 

だが…

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「しかしまあ、まさかギレスの野郎がゲームオーバーになるとはねぇ。」

 

 

カズマは上体を起こして伸びをしながらそう呟く。

そう、聖竜連合のギルドリーダーであったギレスは、先のボス攻略戦において命を落とした。

ボス攻略の後、ギルドメンバーが黒鉄宮にまで確認しに行ったらしいので、確実だそうだ。

 

 

「…一応奴がポリゴンになるところは誰も見てないらしいけど、《剣士の碑》に横線が加えられているなら確実だろうな。」

 

「そんで、次の聖竜連合のギルドリーダーはシュミットになるんだっけか。あいつなら、順当っちゃ順当か。」

 

「そういえば、カズマはギレスのおっさんには反発したりしたこと無かったよな。お前ならズバッと言いそうなもんだが…」

 

「高い権限に溺れた自己中ほどめんどくさいものはねえからな。それに、あいつの一派がシュンヤに反発しても、影響があるのはあいつらだけだった。それなら、わざわざ言う必要もねえだろ。」

 

「けど、あの人達を説得出来たら今回の犠牲者ももっと少なかったんじゃ…」

 

「だとしても、なんで俺らがあいつらの面倒まで見なきゃなんねえんだよ。言うこと聞いてくれんなら別だけど、そもそも俺らの言うこと聞かねえからああなったんだ。自業自得。」

 

 

カズマは「そんなのは助け合いじゃねえ」と、そう吐き捨てると、視線を目の前に広がる水の塊に移した。

遊泳する水鳥が一声鳴いて、羽を広げて宙を舞った。

尾から振り落とされる水が、陽光に照らされて光り輝きながら落ちていった。

 

そして、シュンヤが目を覚ます。

少しだけ身を捩ってから、薄らと目を開けた。

カズマと同じようにゆっくりと上体を起こして伸びをしながら、欠伸をする。

 

「おっ、ようやくお目覚めか。」

「おおー…はよっす。」

「おはようシュンヤ。随分寝てたけど、ちゃんと寝れてるか?」

「え、キリトさん本当ですか?何時間くらい…」

「まあ、小一時間ってとこか。確かこの後用あるんだったよな?」

「はい。攻略組に入りたいっていう人が増えてきたんで、それの面接が。」

「なるほどね。それでアスナも昼から用があるって言ってたのか。」

 

キリトは納得したように頷いた。

 

「なあ、シュンヤ。それ、俺も行っていいか?」

 

カズマの突然の問に、シュンヤは少しだけ固まった。

 

「え?…別に構わないけど。…どうしたんだ?」

「やー、ちょっと気になって。果たして入ろうとして奴らがどんな奴らなのか…とか。」

 

「…まあ、気持ちはわかるけど。けど、その人達の腕前によっては誰も採用しないかもしれないぞ?それでも良いのか?」

「いーよ。もしかしたらギルドの人事係である俺のお眼鏡にかなう奴がいるかもしれんし。」

「いつからお前が人事係になったの?」

「今から。」

 

カズマはそう言って笑う。

そんな様子にシュンヤは少しだけため息をつきながらも、少し笑って応えた。

 

「キリトさんもどうですか?」

「ん?ああ、そうだな…うん、それじゃあ同行させてもらおうかな。」

 

「分かりました。それじゃあキリトさんの家で待ち合わせなので行きましょう。」

「だな。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

その後、3人はアスナと合流。

転移門まで続く道をゆっくりと歩く。

 

「うん、この時間なら予定時刻まで十分間に合いそうだね。流石シュンヤ君。」

「いえいえアスナさん。寝ていたシュンヤを俺が起こしたので、どうか俺を褒めて…」

「サラッと捏造すんな。俺は自分で起きたんだよ。」

「ちえっ。良いじゃんかよー少しくらい。」

「良くねえよ。」

 

「あはは…カズマはアスナに褒められるの好きだよなぁ。」

「いやだって、しっかり者のアスナさんに褒められたらすげえ嬉しいじゃん?なんか自信も付くし。」

「そ、そうなの…?」

 

「いやー、産まれてこの方、年上の女性に褒められることがなかったもので。なんというか、新しい扉が開いたというか…」

「母さんがいただろ。」

「あれはまた別物だろ。」

 

キリトとカズマの掛け合いに、アスナはクスクスと笑う。

 

「2人って、本当に仲良いよな。」

「そうか?普通だろ。」

「いえいえキリトさん。兄弟とは言ってもあまり口を聞かない兄弟もいますからね。」

「でも、お前とコウヤさんは仲良いよな。」

「…まあ、仲は良い方だな。歳はそこそこ離れてるけど。」

 

「そういえば、アスナさんは…」

「えっ?」

「あ、いえ…確か、アスナさんにもご兄弟、いましたよね。」

「あー…うん、よく覚えてたね。兄さんが1人いるよ。…けど、キリト君達やシュンヤ君達みたいな感じではなかったけどね。」

 

「…えと、これ聞いていいんすか?」

「なによ、振ったのカズマ君じゃない。」

 

プクッと、少しだけ頬を膨らませるアスナ。

彼女の言葉に「ウグッ」と、痛いとこを突かれたと言わんばかりのリアクションを、カズマはとる。

その様子に、アスナはもう一度笑った。

 

「いいのよ。3人とは長い付き合いなんだし。それに、2人とは《向こう》でも家族なんだから。」

 

キリトとカズマに向けられたその言葉に、2人は少しだけ照れながら頷いた。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「アスナさん。も1つ良いですかね。」

「ん?どうしたの、カズマ君。」

「や、またリアルのこと思い出しちゃうかもなんですけど…」

 

「…須郷伸之について、アスナさんの主観でいいので教えてくれませんか?」

 

「…それは、どうして?」

「カズマ、お前まさか…」

 

カズマの問に、アスナは問で返し、キリトはそれに少しだけ眉をひそめた。

 

「…これはあくまで、俺の勘なんですが…」

 

 

 

「須郷は、近い将来俺達に接近してくると思うんです。」

 

 

その言葉に、しかし3人は驚きの様子はない。

アスナは少し思考するように手を顎に当てて、そのままカズマに問う。

 

「…それは、団長のことを考慮して?」

「端的に言えば、そうです。」

「他にも何か理由があるのか?」

「理由というか、根拠というか…。いや、確証はもちろん無い。」

 

カズマは首を横に振りながらも、「けど」と話を続ける。

 

「この数ヶ月間少し考えてみた。須郷はなんで、この世界を乗っ取ったか。あいつにとってのメリットは何なのか。…けど、()()()()()()()()()()。」

「なかった…?」

 

 

 

「いや、正確にはあるんだろうけど、《俺が考えられる中では》無かった。《世間体》、《金銭》のどちらにおいても《ハイリスク・ノーリターン》にしか見えない。」

 

「…ただ、()()()()()()()が合致するなら、この乗っ取りにも納得がいく。」

「条件…?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「コウヤさんの話では、須郷は茅場と同じ大学の後輩。しかも同じ研究室にいた間柄。少しでも交流はあったと考えていい。」

 

「ただ、茅場晶彦は天才だ。正直、あいつ以上の天才の数なんて、片手の指だけで事足りる。そんな奴が同じ研究室で、しかもどんどん出世していくの傍から見ててどう思う?…普通は、劣等感を抱く。」

 

「劣等感…」

 

「広くいえば《コンプレックス》ってやつだ。その学生時代のコンプレックスが爆発して、先輩でありコンプレックスの元凶でもあった茅場晶彦の真似をしている…そう考えたら、一応の説明はつく。」

 

「勿論、こんなものはあくまで推論。ただの仮説です。根本的なものが間違っている可能性も、否定は出来ない。…ただ、万が一に備えて知っておきたいな、と。」

 

 

 

カズマの少し長めの説明の後。

アスナは考えるように停止する。

少し悩むように顎に手を当てて、思考する。

…だが、結論は意外と早く出る。

 

「…そうだね。絶対ある、とも言えないけど、絶対無い、とも言いきれないもんね。うん、分かった。私の主観でいいなら、教えるよ。」

「…ありがとうございます。」

 

「お礼は大丈夫だよ。それに、少し時間が経った情報だから、鵜呑みにはしないでね?まず体格に関してだけど…」

 

 

「身長は結構高くて、170後半はあったかな。キリト君より、頭半個分は上かな。中肉中背で、声は高くもなく低くもないって感じ。髪の色は黒色で目は少し切れ長。」

 

「性格はどんな感じですか?」

 

「性格?性格は…そうだね…目上の人には猫かぶるけど、少し立場が下の人には高圧的…になるかな。」

 

「うっわ。俺が1番嫌いなタイプ。」

 

「私もあまり得意じゃなかった。あと、プライドが高くて、少し短気だね。物事が上手くいかないとすぐ怒りそうな。…どう?こんな感じでOKかな。」

 

 

アスナが言った言葉を、メモに箇条書きで並べて書いたものを、カズマは一通り確認してから頷く。

 

「うん、こんだけあれば十分だと思います。アスナさん、ありがとうございます。」

「ううん。大丈夫。」

「カズマ、それどうするんだ?」

「んー、とりあえず次の攻略会議でシュミットとかシバちゃんに渡すか。極秘情報扱いで。漏れて警戒されても困るし。」

 

「うん、それがいいと思う。…それじゃ、早く行きましょう?面接に遅れちゃう。」

「はい。」

「ですね。」

「そうだな。」

 

3人はアスナの言葉に、各々の返しをして、4人は同じ速度で歩き始めた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ー第55層・転移門ー

 

 

 

「おお、麗しき紅き剣姫・アスナ様…。この私が必ずや、この世界を解放に導きましょう。」

 

 

 

転移門前につき、集まっていたプレイヤー達の前に立ったアスナに、いきなり膝をつき頭を垂れるプレイヤーが1人。

そいつはまさしく紳士と言わんばかりの態度を保ってはいたが…

 

 

「…なんだよアイツ…」

「頭どうかしてんじゃねえのか…?」

 

「黙れこの三下共がァ!!」

 

 

陰口が聞こえた瞬間に大声を張り上げた。

そして、アスナの元に振り返る時には既に、先程までのスマイルを浮かべていた。

 

「さあ、どうかこの私の手を取ってください!!」

 

さらに続く寒い演説。

周りはその様子に呆気に取られ、そして…

 

 

 

 

「こいつじゃねぇか。」

 

 

 

怪訝そうな顔で、カズマはそう呟いたのだったーー。





Repeat after me?Come on。

「こいつじゃねえか。」

Thank you!

  (′ω’  )バキュン!

( ゚д゚)オ…マイガー…
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