まさかまさかの展開が…!?
あるかもしれない。
知らんけど(なんやこいつ)
あの後。
少しの口頭質問を終えて、面接は解散となった。
本当は実力試験もそのまま行う予定だったのだが、緊急事態ということで次の日まで持ち越しとなったのだ。
そして、面接が終わった後。
キリトの家に、攻略組各ギルドのギルドリーダーとサブリーダーが一堂に会していた。
その中には、コウヤも含まれていた。
「今のGMと会ったって、そりゃ本当なのか?カズマ。」
「落ち着けよシバちゃん。あくまで《それらしき奴がいた》ってだけの話だ。」
急かすような問に、カズマは宥めように声をかけた。
「しかし…まさかまた、GMがプレイヤーとして関与してくるとはな…。そいつの、外見的特徴はどんな感じなんだ?」
「今からまとめた紙を回すので、それで確認してください。シュミットさん。」
「ああ、すまない。ありがとう、シュンヤ。」
シュンヤはその場にいる全員に、そこそこの数の項目が箇条書きされた半用紙を回していく。そこに書かれているのは、須郷伸之
シュンヤは最後の一人であるカズマに紙を渡してから、取りまとめるように立ち上がって話し始めた。
「では、今皆さんにお配りした情報ですが、重要機密ということでよろしくお願いします。」
「重要機密?」
「詳しくは、この情報を認知しているのはこの場にいる各ギルドのリーダーとサブリーダーのみ。幹部や部下にも教えないでください。1度漏れてしまえば、下手をすれば二度と姿を現さなくなってしまうかもしれません。」
「なるほど。それは確かに。」
うんうんと、ユウキが納得したように頷く。
「ちなみにですが、僕もその資料を拝見させて頂きました。概ね、須郷伸之の身体的特徴に関しては当てはまっています。まだ、確証は持てませんが。」
コウヤのその言葉に、全員が頷いた。
そして、彼女の横にいた一人の男性が手を挙げた。
目立つ青い長髪に、少し彫りの入った顔の男性プレイヤー。
シュンヤはその人物を手で指した。
「…リンドさん、どうぞ。」
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リンド。
かつて、攻略組最古参のギルドであり、聖竜連合の前身であったギルド、《ドラゴン・ナイツ・ブリケード》、通称《DKB》を率いていた男。
第25層ボス攻略戦において、甚大な被害を蒙り、その責任を取る形でギルドリーダーを辞任。
そのまま聖竜連合と名を変えた、ギルドのメンバーとして残り、尚も攻略組メンバーとして邁進していた。
「…1つ、いいか?」
「んー、なんか面倒くさそうなこと言いそうだからダメ。」
「…カズマさん、真剣な話なんだ。」
「ならいちいち聞くなよ。議長から許可もらってるんだから、堂々と話してくれ。」
呆れたようなため息と共にカズマが言うと、リンドは少し申し訳なさそうに「…分かった」と呟いた。
「…俺は、なんでここにいる?」
「んなもん、聖竜連合のサブリーダーに選ばれたからだろ。」
さも当然と、カズマは返す。
「違う…!何故俺は、またこの地位についているんだ…!!」
そう言うと、リンドは勢い良く立ち上がった。
「…俺は、退いた筈だ。あの日、あの層で失った彼らの、仲間達の命の、責任を取るために…!なのに、なんでまた、俺は…!!」
リンドは拳を強く握り、身体を震わせる。
その口元も僅かに揺れており、それに凄まじい力が入っていることを知らせていた。
しかし、そんな彼に…
「知るかよバーカ。」
カズマはそう吐き捨てた。
その言葉の瞬間、周りは少しだけピリつき、横にいたアスナやキリトも驚いたような反応を見せた。
「おい、カズマ…」
「死んだ仲間の命の責任を取る?は?自惚れんのも大概にしろ。死んだ奴の命の責任なんざ誰かが取れるわけねえだろ。そいつらの命はそいつらのもんだ。他人にどうこうされるものじゃねえ。」
「……」
「それとも何か。そいつらのこといつまでも引きずって、今の仲間の信頼や信用まで裏切る気か?お前がそこにまた戻れたのは、今の仲間がそれを望んでるからだろ。」
実際、聖竜連合のメンバーの中にはDKBから残っていた者も少なくはなく、リンドの復帰を願う者も多かった。
たとえその1度の失敗がとてつもないものでも、それまで彼が攻略組を引っ張ってきたことは、無くならないのだから。
「別に、何かを引きずんのはそいつの自由だとは思うけど、その為に仲間の信用まで蔑ろにすんのは違ぇんじゃねえの?」
カズマの何処か説得力のある言葉は、部屋中に重く響き、静寂が部屋を包み込む。
やがて、キリトが静寂を破る。
「リンドさん。正直俺は、リンドさんの心境はよく分からない。確かに俺はギルドリーダーという立場にはついたけど、DKBのような大ギルドを率いた経験はないから。」
「…ただ、目の前で零れていく命を、俺も幾つも見てきた。大切な人を亡くしたことも、ある。…俺達は、そんな人達の《死》を、受け止めながらも、乗り越えていかなければならないんだと、俺は思う。…今この時を、生きる者として。」
キリトの言葉の後。
リンドは何かを言いかけたが…
しかし、すぐに口を噤む。
ポンッ
そして、横にいたシュミットに肩を叩かれ、その直後。リンドはゆっくりと、ソファに腰を下ろした。
「それでは、続けましょう。」
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「けどよう、この…《アルベリヒ》っつうのか?こいつの処遇一体どーすんだよ。」
クラインのもっともな質問に、シュンヤも苦笑いを浮かべた。
「そうですね…そこが1番の問題点というか、今回の議題の肝でもあるんですよ。」
「流石にHPゼロには出来ませんからね。」
「おー、優等生のランにしては殺伐とした例え…」
「からかわないでくださいよ、カズマさん。」
「何処かに幽閉したりなんかはできないのか?」
「それも考えましたけど…間違えてたら冗談じゃ済みませんし、何よりGMなら普通に抜け出せるかと。」
「あー…」
「…難しいな。」
「正攻法が通じないと、厄介ですね。」
やんよやんよと、意見が飛び交う。
しかしそんな中、黙り込んでいた1人のプレイヤー。
SAO最大最強のギルド・血盟騎士団の団長、アスナは考え込むように腕を組み、目と口を閉じていた。
「あ、アスナ…?大丈夫か…?」
心配するように覗き込むキリトの声。
それにも、反応はなかった。
…だが。
少し間をあけた次の瞬間。
アスナは、爛と目を開いた。
「うん。…皆、少し良い?」
アスナがそう言うと、すぐに全員が黙り込み、彼女の方へ向いた。
アスナはそれを確認してから、テーブルに両手を置いて、話し始める。
「少し、協力して欲しいことがあるの。…良いかな。」
「なんなりと。」
カズマが応えると、それに全員が呼応した。
「ありがとう。…明日の実力試験なんだけどね…」
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次の日。
転移門広場に集まった20名ほどのプレイヤー達の前に、1人のプレイヤーが立つ。
そのプレイヤーは背中に吊っていた赤い剣を引き抜いて、そのまま地面に突き立てた。
その瞬間、彼の黒いコートの裾がたなびく。
「…あいつ…」
「…すげえ…《死神》だ…」
「確か昨日は、横にいただけだったよな…」
「今日は、あいつが試験官なのか…?」
口々の言葉を放つプレイヤー達。
それを黙らせるように、カズマは声を上げた。
「攻略組参入を希望するプレイヤー諸君。俺はカズマ。一応、攻略組でダメージディーラーをしている者だ。今日は、皆の実力試験の担当官ということでよろしく頼む。」
カズマの言葉に、少しばかり驚きの声が上がった。だがそれに構わず、カズマは続けた。
「俺の行う試験は簡単だ。それぞれのパーティーメンバーで、この圏内において俺と模擬戦を行う。もちろん俺に攻撃してもHPは減らないので、皆遠慮なくかかって来てくれ。その模擬戦を見て、あそこにいる怖〜い採点官の人達が合格不合格を決める!是非全力で励んでくれ!!」
スカァンッ!!
「短剣が飛んできた…!?」
「死神の頭に命中したぞ…!?」
「短剣を拾って…結ばれてた紙を読み始めたぞ…」
「なんだ…?紙を見て頷いてる…」
「まさか、もう不合格者が…!?」
ザワザワザワザワ
「失礼した!あそこにいる採点官だが、決して怖くない!むしろ優しくて麗しい女神のような人ばかりだ!」
……………
……
「以上だ!」
「「「「それだけ!?!?」」」」
…こうして。
少し締まらないまま、実力試験は開始された。
さあさあさあさあ
アインクラッドも残り15層!
ここからはポンポン行きたい!(あくまで希望)
新しいキャラはまだいる…かも?
?「なんでや!」