「もしもし。織斑君聞こえてますか??!凰さん!?ーーーダメです。二人とも応答ありません」
「剣斗の言葉で凰の気持ちに闘志がついたか」
「いやーー。まさか鈴があんな事を言うとは」
「嘘つけ。凰が言ったとたん顔が笑ってたぞ」
正直言って今も笑っているはず。いや、確実に笑っているだろう。なんせ弟子がここまで自信を持ってくれたのだから師匠としては嬉しいもんだ。
「御二人はどうしてそんなに冷静なのですか??!」
どうしてって、それは俺が行くと言ったからに決まっているだろう。---千冬さん。それは砂糖ではなくて塩ですよ。なんでここに塩がある??
「コーヒーでも飲んで落ち着いたらどうだ、山田先生」
「織斑先生それは“砂糖”ではなくて“塩”ですよ」
山田先生の指摘を聞いて千冬は今さっき入れた粉末の器を手に取った。それには大きく“塩”と書かれている。
「剣斗。お前気づいていただろう」
「なぜ犯人は俺みたいに聞く。確かに気づいていたがどうして塩がここに必要か考えていて言うのを忘れていた」
「キサマァー!!」
千冬がどこから出したかわからないけど出席簿を俺に当てようと降り下ろしてくる。それを俺が避けると千冬はさらにスピードを上げて襲ってくる。
「自分の失敗を人に押し付けるのはよくないぞ」
俺の忠告に千冬もようやく冷えてきたのか攻撃を止め大きく深呼吸した。
「やっぱり。織斑先生も織斑君の事が心配だったのですね。だかたそんなミスを・・・」
山田先生。いま言ってはいけない事を言ったな。お悔やみを申し上げます。俺は山田先生に向かって手を合わせた。
「な、なんなんですか!!?黒羽先生はなんで手を合わせているのですか!!?」
俺の行動に理解できず焦りだす山田先生。そんな山田先生を黒い笑みを浮かべた千冬が捕まえようとしていた。
「山田先生」
「(ビクッ!?)」
千冬に呼ばれて山田先生は恐る恐る振り向いた。そして千冬の顔を見るなり顔が青くなって行くのがわかった。
「山田先生。コーヒーをどうぞ」
「ーーー織斑先生。それは塩が入った・・・・」
「どうぞ」
「・・・・・はい」
千冬の気迫に負けた山田先生はそのまま塩入コーヒーを受け取った。
「熱いので一気に飲むといい」
鬼だ!!いや、ここはIS学園だ。あの白い悪魔の再来だ!!
※悪魔じゃないもん!!次言ったらO☆HA☆NA☆SHIしよっか。
「先生!!?」
突然オルコットが叫びだした。
「どうした??オルコット??」
「わたくしにISの使用許可を!!すぐに出撃できますは!!」
「却下だ。いまさっき言っただろう。俺が出る」
「しかし!!」
「お前が喰ってかかっている間に鈴達の救出がどんどん遅れるぞ。これを見てみろ」
俺の返答に不満があるオルコットにある情報を見せた。
「第二アリーナの遮断シールドレベル4に設定。ーーーしかも、全ての扉がロックされて・・・あのISの仕業ですの!?」
「おそらくな。生徒の避難の避難も鈴達救出もこのロックを解除しないといけないだろう」
「いけるか??」
「当然!!」
不安な顔をして聞いてくる千冬に俺が笑顔で答えてやった。もちろん解除の作業をしながら。
「いまは待つしかないのですね」
「神にでも祈っとけ」
俺は光速の速さで端末を叩いていった。そういえば篠ノ之の姿が見えないがどこにいった??
SIDE 篠ノ乃箒
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
私はただ只管に走っていた。
一夏と凰が試合をしている最中に出てきた謎のISを見て私はいても立ってもいられずある場所へ向って行った。
「ちょっと!!何所に行くつもり??」
「危ない!!」
客席から逃げてくる生徒にぶつかりそうになるが私はなんとか目的地の中継室につく。ドアの前に立つトアが勝手に開き中に入った。中には審判の先生とナレーターの生徒がいた。
「なっ!!あなたどうやって中に!!」
「ここは危ないから。早く逃げましょう!!」
「うるさい!!」
バシ!!バシ!!
二人を一撃で伸して私はマイクを掴んで叫んだ。
「一夏!!」
SIDE:織斑一夏
「・・・・・くっ」
一撃必殺の間合い。けれど、俺の斬撃はするりとかわされる。これで四度目だ。
「なにやってんのよ一夏!!一体何回同じことをしてるのよ!!ちゃんと狙っているの?!!」
「狙ってるつーの!!」
普通ならかわせられない角度から攻撃しているはずなのに、相手はそれを意図も簡単にかわしていく。
「一夏!!離脱!!」
「お、おう」
敵の攻撃を回避する。相手のISは長い腕をコマの様には回転しながら攻撃してくるし、レーザー砲撃もしてくる。
しかも四度の攻撃の失敗でシールドエネルギーの残量が60を切っている。バリア無力化攻撃を出せるのも後一回が限度か。
「鈴。あとエネルギーどれくらい残っている??」
「180ってところね。そろそろ先生も来ていい時間のはずよ。それまでなんとか持ちこたえるわよ」
「さっき『倒してもいいですか??』って言ったのは何所の誰だよ」
「あれは倒すことが出来たらって話しよ。それに、まさかあんたがあんなに攻撃をはずすなんて思ってもいなかったわ」
「うっ・・」
それを言われると何も言い返せない俺である。そういえば、さっきからあのISは攻撃をしてこないな。
「なあ、鈴」
「なに??」
「あのISってもしかして無人機じゃないのか」
「はぁ?!あんた何言ってるのよ。ISは人が乗って動くものよ。もし無人機を作れたのなら各国が知らないはずが無いでしょう」
「それもそうだが。さっきから俺等が話している時は全く攻撃して来ないじゃないか。俺等がしている時だって反撃だけでしかも攻撃の仕方は同じ」
「仮に、仮にあのISが無人機なら勝てるって言うの??」
「ああ。人が乗っていないのであれば容赦なく全力で攻撃しても大丈夫だしな」
零落白夜の能力があればISの絶対防御も断ち切れる。訓練や学内対戦で全力を使うわけにはいかないが、無人機なら最悪な事態になっても大丈夫だ。
「次の攻撃絶対に当てる自身はあるよね??」
「ああ。次は絶対に当てる」
一つ策もあるしな。
『一夏!!』
突然アリーナのスピーカーから聞き覚えのある声が鳴り響く。俺はすぐさま中継室の方に顔を向けた。するとそこには箒の姿があった。
「なにやってるんだ!!箒!!」
『男なら・・・男ならそれくらいの敵に勝てなくてなんとする』
館内放送で箒の声が響き渡る。その声に敵のISも反応して箒のいる中継室の方を向いている。
「まずい!!逃げろ箒!!」
俺の声と共にISは箒の方へ向って行った。
「逃げろぉっ!!」