【とある魔術の禁書目録】朝起きたら人生勝ち組エリートコースだった俺が通りますよ 作:白滝
頭のネジを外して、ボケーっとお読み下さい。
ちょっとエロ要素が少なかったかも。
「……知り合いの方ですか?」
ギロッっと混晶さん(仕事モード)が俺を睨んだ。
そんなキツイ形相で睨まないで欲しい。俺が悪い要素なんて一つもないじゃないか。
そんな理不尽な理由で罵られたら、否応なしに興奮してしまう。
………あ、いや、俺はドMなのではなく、Mな俺を見てドン引きする女性の表情を眺めたいだけなのだが。
「知り合いっつーか、幼馴染ですよ!!私が和清君を起こしに行ってみれば、車に連れ込むあなた達がいたじゃあないですかァ!!許さん!!私の未来の夫に何するんじゃァ!!」
あーもうめんどくさ。
素顔は可愛いのになー。胸も大きいのになー。腰もエロいのになー。こんな変態みたいな恰好してるから台無しだぜ……。
とりあえず、車をぶった斬るなんて荒業をやってのけたコイツを落ち着けにゃあならん。
「それに和清君に拘束プレイしてるじゃないですかァ!!私ですらやった事ないのに!!羨まけしからん!!」
と、途端に混晶さん(パンチラなう)の顔が沸騰するように突然真っ赤になった。
足をくの字に寄せて、モジモジし始めた。
かわいい。
「わ、私達は拘束プレイなんてエッチな事などしていない!!池村様には合意の上で同行して頂いているだけだ!!」
『エッチ』って単語を使っちゃう混晶さん(意外と乙女)かわいいなー、と他人事みたいに思った。
「誰がお前みたいな泥棒猫の言う事なんて聞くかァー!!このムッツリ淫乱女!!拘束プレイの感想を後で聞かせろよコラァ!!和清君の敏感なトコとか含めて全部だぞッッ!!」
マジでキモいなー。
でもコイツやっぱ俺と感性近いわー。発想が童貞かよ。あ、いや、女だけどさ。
……とか考えてる場合じゃなくて、俺も引き止めねば。
「落ち着け、このエロいお姉さんの言う通り、俺は拉致られた訳じゃねえよ」
「お前の言う事も聞かねーよ!!」
「いやなんでだよ!!俺の言う事は信じろよッッ!!幼馴染だろーが!!」
「あ、そうだった」
思わずツッコんじまったよ!!
馬鹿かコイツ!!……ああ、そういや馬鹿だったわコイツ。
「どうやら勘違いのようですね………暗部ではなくてよかった………あぁ、我々は池村様に統括理事会の臨時役員になってもらうよう、手続きのお願いをしていたところなのだ」
「は?統括理事会?和清君が?………和清君って未だにキャベツとレタスの見分けがつかないくらいお子様だよ?大丈夫なの?」
「ってそこかよ!!」
いや、そのぐらい分かるわ!!舐めんじゃねーよ!!
………ただ、遠目じゃちょっと分かんないだけだし。全然普通だし。みんな実は同じ事を経験した事あるはずだし。俺だけじゃないよォ!!
「問題ありません。前任の
あー、なんかそんな爺さんが親戚の親戚の親戚にいたなー。
あ、じゃあ、その顔も覚えてない爺さんが死んだらしいから、俺に役員になれって事だったのか。
へー。
ふーん。
ほーぅ。
…………………………………
「あコレ完全に親の七光りだわダッセぇッッ!!でも何かもう就職決まったしもう受験勉強もどーでもいいやッッ!!七光りでいいや!!ビバ☆人生イージーモード!!」
なんかもう考えるのどうでもいいや!!
あ、俺って一応は高三で受験生なんだけど、わざわざ宝くじよりスゲぇ人生勝ち組エリートコースの切符を手に入れたんだし、もう勉強する意味ねーよな?
うはー、今までは周りの人間に嫉妬するだけの地味~~な人生だったけど、とうとう俺も嫉妬される側になっちまったかー!!
いやー、生きるって素晴らしいねえ!!
あはははははははははははははははははははははははは!!
「え、あ、じゃあ、和清君は、どうするんですか?……ってか、そんな偉い人達に、私ってマズイ事をしましたよね……?あは、あははは………」
自分が勘違いで車をぶった斬った事に今頃気が付いて、コイツ、途端に汗をかき始めたぞ。あ、バニースーツが透けて、乳輪が見えた。成長が見られますな、ふむふむ。
「そうですね。本来ならば
「「はァ!?」」
ハモった。そりゃ驚くわ!!
コイツが俺のボディーガードって事かよ!?
「混晶さん、それ本気ですか?」
「本気です。それに――――――」
言って、混晶さん(まだ顔が赤い。かわいい)が車の残骸を指差して、
「この車の賠償金くらいは働いてもらわないと。文句ありますか?まぁ、文句があるなら裁判ですが」
ってな訳で、タクシーを拾って、統括理事会の個室にやってきた。
車の事故の件は、統括理事会の権力で揉み消してくれるらしい。やったね!!
そんな感じで、俺(統括理事会役員)と混晶さん(秘書兼ムッツリお姉さん)と変態バニースーツ(SP兼幼馴染)の三人が護衛の黒服達と別れて、俺の新たなる家に到着した訳だ。別室には、混晶さんの部屋もあるらしい。
一つ屋根の下で生活だよ!!これはイケナイ妄想が爆発するぜぇー!熱帯夜で汗に蒸れた一夏のアバンチュールッッ!!濡れるッッ!!
……っつか、第一学区の高級ビルだよ!!一八階だぜ!!すっげぇ!!超広い!!
「「「お帰りなさいませ、池村様」」」
と、三人のメイドさんが出迎えてくれた。
「え?そんなサービスまであるの、統括理事会って!?」
「いえ、池村様が年頃の男性ですので、配慮しまして私が個人的に雇わせて頂きました。ご不満でしょうか?」
「いや、最高ォ!!ありがとう混晶さん!!」
なんだこれ!?夢の国か!?
ってか、年頃の男の子の性欲を把握できてるとか、やっぱ混晶さん(もう俺惚れちゃいそう)ってムッツリな淫乱なお姉さんなんだな。おいしいです。
「この後の池村様のスケジュールですが、今日は学校を欠席して頂いて、役員認定手続き業務をこなしていただきます」
「うへー……やっぱ仕事もたくさんあるかー……」
まぁ、そりゃそうだよな。勝ち組っつったって、やるべき事は―――――
「いえ、今日だけですよ。明日の以降の通常業務は、代わりに私が代行致します」
「はァッッ!?」
なんだそれ!!
嬉しいけど!!嬉しいけども!!
それ完全に俺がニートやんッッ!!
「……ホントにやらなくていいの?」
「問題ありませんよ。未成年が役員の場合、補佐が業務の代行をする事が条例で認められています。それに、池村様は行政の事情など分からないと思いますが?」
うっ。
まぁ、そうなんだけどさ。
「じゃあ、マジでいいんすか?」
「……?構いませんが」
混晶さん(白衣を脱ぐと胸の大きさが際立つ)が、当然ですよ、といった風に小首を傾げた。この仕草がギャップ萌えで可愛い。もっかいやって欲しい。
と、
「ねー、私はどうすればいいんですかー」
仏頂面で頬をぷくーっと膨らませるバニーガールが、体育座りで部屋の隅でむくれていた。
部屋に入る際、素顔を見せろと黒服達に言い寄られ、しぶしぶ紙袋を脱いでいた。
そんな変態みたいな恰好しているから誤解されるけど、コイツは結構顔が可愛い。特に、怒っている時の顔を見ると、頭をなでなでしてあげたくなる。
「あなたにも、池村様の護衛任務について後ほど説明させてもらいます。池村様の休憩が一息つくまで、部屋で待機していて下さい」
「へっ?休憩?」
いいの?疲れてないよ、俺?
………あ、いや、それは肉体面の話であって、精神的には疲弊してるけど。朝起きてからまだ四時間ぐらいだってのにさ、もう一生分の急展開を味わったよ、ホント。
「疲れていないのなら構いませんが、ひとまず入浴でもなさったらどうでしょう?服が汚れていらっしゃいますよ?」
「あ、ホントだ」
さっきの大事故で身体が汚れちまっていた。パジャマや脚に黒い煤がついている。
「じゃあ、お言葉に甘えて。風呂って使っていいですか?」
「使うも何も、今日からここは池村様の部屋ですので、ご自由に。風呂は、メイドに予め命令しておきましたので、もうちょうどいい湯加減に湧いていると思います」
「おお、ありがとうございます!!」
混晶さん(良妻)は昼飯を用意しに行くと言って、部屋から出て行った。
俺はメイドさんからバスタオルとタオルを受け取り、バスルームに入る。
「広っ………」
ビビるな、これは。
あまりに馴染みがなさ過ぎて、庶民根性が染みついた俺には、もう名前が分からん。
泡が常にボコボコしてたり、なんか色々な水流をリモコンで操作できたり、ユニットバスはめちゃめちゃ広いし、おまけにマッサージ機能までついてるよ。
贅沢すぎて、現実感がねーや。
ここまで来ると、逆にこの世の全ての人に、人生勝ち組すぎてごめんなさいって謝らなくちゃいけない気がするな………
でも。
まぁ。
漫画の主人公じゃあるまいし、そんな偽善心なんてすぐに頭の隅に追いやって、目の前の快楽に溺れるのが一般人ってもんよ。
俺の時代が始まってるぜー!!うはははー!!
楽しいぜー!!
混晶さん(もう妻にしよう)曰はく、学校は公欠扱いになるらしい。これからも統括理事会の業務があるって先生に連絡すれば、いつでも自由に学校をサボれるらしい。
最高だね。
仕事は何もしないのに、給料は混晶さん(いつか結婚しよう)の数十倍もあるんだとか。
もう、ごめなさい(笑)すいませんっすわー(笑)
ニヤニヤが止まらねー。
調子に乗って身体も洗わず、プールに飛び込むみたいにバッシャーン!!とユニットバスに飛び込んだ。
ああ、何だこれ。
楽しいな。
―――――なんて、下らない幸せに身を浸していた。
今思い返せば、本当に下らない。吐き気がする。
自分自身がウザ過ぎて、無知過ぎて、愚か過ぎて……
でも、この時の俺は、ただただ目の前の事情しか呑み込めていなかった。
考えを放棄していた。現実逃避していた。
今、この学園都市で、何が起きて、何が蠢き、何が暗躍し、何が死にゆくのか、俺は全く考えを巡らしていなかった。
愚かだった。ちゃんと自分の頭でよく考えてから行動すればよかった。
そうすれば、その後に訪れたあの事件で、これほど皆の命を落とさせずに済んだというのに………
そして、今まさに、俺が殺される運命も回避できたかもしれなかったのに。
――――まぁ、そんな血涙を流すような懺悔は未来の時系列の話であって、今の俺は風呂でシンクロナイズドスイミングの真似に全青春を費やすのに忙しかったのだ。
ぶっちゃけ、命の危機とか知らん。
俺ってそういうの無縁だし。
喧嘩なんていけません!!暴力反対!!俺は根っからの平和主義なのだ。
朝起きてメイドさんにご奉仕してもらいながら朝の情事を終え、超高級車で学校に通い、お金で女の子を釣って放課後を満喫し、家に帰って後は混晶さん(俺の脳内では既に妻)と自宅デートをしよう。
なんて、童貞妄想ライフを絵に描いたような生活を夢見ていた。
が、そんなバスルームに、
「かーずきーよくーーん!!洗いっこしよー!!」
と、幼馴染(バニー非装備。つまり全裸)がバスルームのドアを蹴飛ばして侵入してきた。
「ぶふッッ、ぐゴがゴぼぼ……」
ちょうどユニットバスで逆立ちしてシンクロの真似事をしていた俺は、お湯の中で息を噴き出して呼吸がおかしくなる。
ちょ、おま!!
俺って今逆立ちしてんの!!
股間のヒーローが露わになってんのォ!!
「って、きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!逆レイプで既成事実ゥ!!泥棒猫には渡さーんッッ!!」
コイツが俺の股間のヒーローを見て、悲鳴(歓声)を上げた。
マジで変態だな。脳内がエロで埋め尽くされてやがる。この俺の健全な紳士っぷりを見習って欲しいものだ。これだから最近の若い奴はけしからん。
コイツはむしろ勢いを早め、床からジャンプして俺の股間のヒーローにしゃぶりつこうとタックルしてくる。
「ぶぐぐゥ!!」
口から漏れる泡で水面の先がくぐもってよく分からんが、とりあえず本能的に足を引っ込めて頭を湯から上げようとした。
しかし、
「もみゅー!!」
と、あざとい声とともに、コイツの口が股間のヒーローに喰らいつく―――――
――――寸前。
俺は足を引っ込めてしまったので、コイツの狙いが逸れた。
つまり。
コイツは俺の股間の
ぐにっと思い切り押し潰される。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
地獄のような痛みが脳天を貫いた。
ビクビクと痙攣し、俺の身体がユニットバスにブクブクと沈んでいった。
絶叫と共に肺の中の空気を全部吐き出してしまい、水をガボガボと大量に飲んでしまう。
「……きよ、……じょうぶ?……ず……」
水面の上でコイツが叫んでいるが、もはや聞こえなかった。
意識が明滅している俺は、そのまま気を失ったのだった。
という訳で、1章が意外にも好評価を頂けたので、急遽、2章も書きました。
(まぁ、別作品の書き溜め中の気分転換なのですが)
1,2章を通して本編は全然進んでません。
次章こそ進むといいなぁ……
一応は話の構想の骨組は妄想してたので、未来の出来事も既に色々と考えてあります。
次章は数ヶ月空くかもです。
期待せずにお待ち下さい。