やはり俺はSAOでも間違える 作:真の新
「ふぅ、疲れた。」
ふと、そんなことを呟いた。仮想世界だから、肉体的にはなんの負担もかかってないとは思うが、しかし、この感覚を疲労と言わずなんと言うのだろう、と思った。
今、俺は迷宮区に来ている。しかし、その理由は“早くゲーム攻略をして100層クリアするため!”とか、“みんなの役に立ちたくて少しでもレベルをあげるため!”とか、そういうのんじゃない。
まあ、じゃあなんでこんなことしてるのかと言うと、茅場明彦があの宣言をしたその日の夜に遡る…
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茅場明彦の宣言を聞いたあと、俺は街から少し離れたところにある宿屋に入った。そして、そこから所持金がつきるまで宿に寝込んでいた。具体的に言うと、2日弱くらい。そのとき俺は色々なことを考えた。家族のことや高校のこと、奉仕部のこと、雪ノ下や由比ヶ浜のこと…
そして、βテスターたちは第8層までの攻略で2ヶ月くらいかかっていて、100層攻略は何年も先のこと、とかだ。
俺が現実世界に帰還しても、もうあの場所は残っていない…その事を考えたら、泣いた。大泣きした。もう、涙が止まらなかった。あの2日くらいはスゲー自暴自棄になっていた。もう、本当にすべてを呪った。
唯一よかったと思ったのはこれが小町じゃなくて良かった。本当によかった。それが唯一の救いだった。そういう意味では、俺はこれでよかったのかもしれない。
しかし、所持金はなくなるし腹も減る。そこで俺はある決断をした。何かと言うと、俺は生きようと思った。
生きて現実世界に帰ろうと思った。そのときにはもう、あの場所はないだろう。もしかしたら、雪ノ下や由比ヶ浜はもう、俺なんて忘れてるかもしれないだろう。でも、俺は、生きてあいつらに会いたい。あって、修学旅行の件のこともちゃんと謝りたい。だから、俺は一歩踏み出そうと決意した。
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しかし、そうは言っても攻略のこととかは最前線の人に任そうと思っている。だって怖いし。死ぬのとか嫌だし。
じゃあなんで迷宮区なんかに来ているのか。それなら、もっと簡単なフィールドやクエストがあるだろうと思うかもしれないが、それらはどこも独占されていて、俺は完全に乗り遅れていたんだよなぁ…
結果、宿から近くて安定した経験値と金が得られる場所といったら消去法で迷宮区になってしまったわけだ。
まあでも、安全マージンはちゃんとしてあるんだけども。迷宮区って言っても比較的下層の方だし、モンスターとは基本的に一対一で戦っている。もし囲まれるようなことがあれば、上げに上げている敏捷のステータスに頼って切り抜けているしな。おいそこ、チキンとか言わない。
俺、比企谷八幡のステータスは筋力に3、敏捷に7くらいの割合で振っている。まあ、短剣だし。筋力そこまで要らないし。
スキルに関しては、今はレベルが8だから、スキルスロットは3つで短剣、隠蔽、索敵である。
短剣は熟練度がもう少しで100で、索敵が50くらい、隠蔽は160…160ッッ!!えぇー嘘だろ?どれだけ上がってるんだよ…
まあ、こんな感じだ。あともうちょいでレベル9だし、もう少し頑張るか…
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レベル9になったのできりがいいし帰路に着くことにした。
ふぃぃ疲れたよぉー…もうおうちかえったら寝よ。飯は…なんか眠いしいいや。さっさとかえって風呂入って寝よ。
宿につくと、プレイヤーとばったり顔を合わせてしまった。まずい、このままでは挨拶しなければいけなくなる…適当に会釈して逃げよう。
「…うす。」
「あ、あぁ。うん。」
よし。これでオーケーだ。さっさと宿に帰るぞ。しかし、さっきのやつ無駄にイケメンだったな…年は中学生くらいか?なんか可愛い系イケメンだった。畜生、なんかイケメン見たら腹立つ。
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風呂から上がり、適当にウィンドウを弄っていると誰かからメールが来た。俺宛に来るメールなんてものは大方一人しかいない。
『オーイ、ハチ元気にしてるカ?アルゴだヨ!さテ、今回はすごくいい情報だヨ!ボス部屋がようやく発見されたんだっテ!だから、明日攻略会議があるらしいヨ!場所と日時が知りたかったら1000コルだヨ!』
そう、巷で有名な情報屋の“鼠のアルゴ”だ。何で出会ったかと言うと…まあ、その、成り行きだった。
しかし、あいつとは会話しているとことあるごとに金をとられるので極力話さないようにしている。まあでも、それなりに有能な情報屋だ。
しかしまあ、ボス攻略会議ねぇ…正直言って気が進まない。だってボスだぜ?死ぬかもしれないじゃん。そんなの行きたくねえよ。俺は生きて現実世界に帰るんだよ。それに、いったところで今の俺の実力じゃ足手まといだろうし。
そんなわけで断ることにした。
「『俺は行かねえよ』っと。よし、送信ポチットナ」
よし、これでオーケーだ。俺はもう寝よう。そうして俺は、深い眠りにつくのだった…
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翌朝、9時。俺は目覚めた。
今日は、武器のメンテナンスとか防具のメンテナンスとかそろそろしとかなきゃヤバイ頃だったので、街に出る予定なのだ。
「武器よーし、防具よーし、朝飯よーし、今日の俺の顔は?いつも通りイケイケだぜ!」
最近、一人でいることが多いせいかこんなテンションのときがよくある。あー、やっぱり人と人とのふれあいって大事なんだなぁ…現実世界ではもっとこう…うん、現実世界でもこんな感じだったかもしれない。思い出すのはちょっとよくないな…
街に出てNPC のやっている鍛冶屋にメンテナンスをしてもらった。数分ほどで終わると、今度は消耗品の買い出しだ。
ポーションとかは特に必需品だからな。高いけど。それから解毒剤?みたいなやつもだな。それからあとは…ないな、うん。
今日のやることを終えると、まあ、それからは迷宮区に行くくらいしかやることないんだが、今日は少しゆっくりしよう。ここ数日、ずっと迷宮区にいたし。まあ、浅いところだけど。
さあて、今日はのんびりぶーらぶらしますかねぇ、などと思っていると偶然なのか、はたまたつけてきたのかはわからないが、俺がこの世界で唯一フレンド登録してるやつとであってしまった。
「よう、ハチ。今日は朝から散々メッセ飛ばしたのによくもまあ全部無視してくれたなア」
「えぇーっと、あれ?何でここにいんの?つーか無視してたんじゃねえんだよ。本当に気づかなかっただけで…」
「ふーん、そうなのかあー?」
「だから違うって…てか、素にもどんのやめてくんない?口調変わってるから。」
いやもうほんと怖い。何が怖いって、チョー怖い。(怖い)
「はぁ…まあ、それはもういいヤ。そんなことより、もうすぐ攻略会議始まるヨ?場所はもうタダで教えてあげるからサ」
「はあ。気が進まないんだけど。そもそも俺は生きるためにこんなことしてるんであって、攻略とか、そんなんは本当に興味ねえから。」
「頼むよォ、少し人数が少なくて不安なんだヨ。頼ム!今回だけでいいかラ!」
「だから、何度いったら…」
「参加してくれたラ、儲け話の1つや2つ、くれてやるからサ!」
「…よしわかった。だが、今回だけだぞ。それと、その儲け話は後でちゃんと説明するんだぞ。」
「分かってル分かってル!(ムフフ、ちょろいナ)」
「で、アルゴ、その場所はどこなんだ?」
「えーっとねえ、それは…」
こうして俺は、アルゴに乗せられ、攻略会議に参加するはめになってしまったのだった。アルゴのやつめ、今度絶対なんか仕返ししてやろう…
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