やはり俺はSAOでも間違える 作:真の新
「じゃあハチとそれから剣豪将軍、よろしくな!」
俺は材木座と運命的な再会(嬉しくない)をした後に他の余っている二人組のパーティーと一緒に4人パーティーを作ることになった。
しかも、その二人組パーティーは男女のペアで男の方は年は中学生くらいだが中々のイケメンだ。間違いなく俺らとは合わないタイプだろうと思った。材木座もそれが直感的にわかったのか早く帰りたいようだった。
「パーティーは決まったみたいだな。では、これから配置を決めたいと思う!」
ディアベルがそういい、さっき決めたパーティーの構成を見てディアベルを軸に配置が決まっていった。
ちなみに、俺らは取り巻きの排除という役割らしい。まあね、そりゃあぶれもののパーティーだしね。仕方ないけどね。べ、別にボス戦で活躍したいとか、そんなんじゃないんだからねっ!
ーーー
会議が終わり、ボス戦の日時の確認をすると、俺は真っ直ぐに自分の宿に帰ろうとした。しかし、
「にして八幡、貴様はレベルはいくつだ?」
こいつに呼び止められた。てか、実名で呼ぶな。ぶっ殺すぞ。
「お前、次実名で呼んだらぶっ殺すぞ」
「我を殺せるなら殺してみるがいい!はちまnーぶふぉ!」
実名を言いかけたので思いっきり腹を殴ってやった。まあ、圏内だし大丈夫だろ。
「ぷほぉぉ…貴様、本当に我を殺す気か…」
「いや、本当もなにもそう言っただろ。てかなに?なんで俺についてくんの?ストーカーなの?」
「貴様のストーカーなどせねわ!ただ、今まで庶民とは全く関わらなかったのでな、たまには庶民の戯言に付き合ってやるのもいいかと思ったのだ!」
「要するに誰もお前と仲良くしてくれなかったんだな。ほんと、哀れなやつだな。」
全く、本当に哀れだな…あいつはもっと俺を見習うべきだ。例えば、一人でもまったく動じないところとか。
「貴様も一人であろうに…。まあ、よい。して八幡。貴様、レベルはいくつだ?」
「だから、実名言うなって…。まあいい。でも、あんまり人の多いところで言うんじゃねえぞ。」
「…はっ!なんだ貴様!そ、そんな秘密の共有したって、う、嬉しくなんてないんだからねっ!」
「それ、お前がやっても気持ち悪いだけだからやめてくんない?キモい。あとキモい。」
「ずびしぐはぁ!」
なんだその雑魚の断末魔みたいな声は…どっから出してるんだよ
「にして、は、は…ハチ…まん。レベルはいくつなのだ?」
「その無駄に恥ずかしがって頬染めんのやめてくんない?キモいから。あと、今のレベルは9だ。」
よし、これでさっさと帰ろ。用は済んだだろうし。
「は、はーはっはっはは八幡!我のレベルは12だぞ?一歩、いや、三歩も遅れているな!」
「いや、別にレベルとかどうでもいいし…」
「いやー、それにしてもあの自己保身に長けていて無駄に高スペックなあの八幡がレベル9!?やはり、ゲーム内では我の方が一枚、いや三枚ほど上手ということだな!」
うん、俺は別にレベルとかは気にしないしなんならゲーム攻略のためにレベルをあげるなんてことはしないタイプだ。正直いって俺がいてもいなくてもそんな変わらないだろうし…だが。
材木座に調子に乗られるのは、少し腹が立つ。少しって言うか結構腹が立つ。
「しかしレベル9だと、ボス戦において少々苦労するかもしれんぞ。安全マージンをとるためにも最低でもあとひとつレベルを上げといた方がいいと思うのだが…」
へー、そうなのか。それは知らなかった。
「そうか…まだボス戦までは時間あるし、少しレベリングにいくわ。サンキューな。」
あいつ、レベル12なのか…ちょっと本気だすか。
「そこで提案なのだが、我と共にレベリングするのはどうだ?多少我の方がレベル高いし、パーティーだとソロよりも安全だと思うのだが」
…それもそうだな。こいつとパーティーとかちょっと恥ずかしいので遠慮したいのだが、まあ、そっちの方が安全だし。
「分かった。頼むぞ、材木座。」
「あいよ!任されたぞハチ!…まん!」
「もうだからいい加減ハチって呼べよ…」
ほんともうこいつなんなの?こんな図体でこんなこといってるとか需要無さすぎだろ。もうね、この人知人じゃなくて恥人だよ…
「にしてハチ。…まん。貴様のメインウェポンはなんなのだ?」
「俺の武器は短剣だ。ステータスもそれに合わせている。」
「そうか、短剣か。ならば、ぴったりのクエストがある。それとハチ。………まん。迷宮区の上層には行ったことがあるか?」
「いい加減ハチって呼べ。誰も気にしないから。それと、迷宮区は下層しかいったことない。危険だからな。」
「ふむ、そうか。ならば、迷宮区にも少し行っておいた方がいいだろう。何せ、ボスの取り巻きは迷宮区のモンスターに近い行動パターンをとると聞く。少しなれていた方がよかろう。」
おぉ…あの材木座がこんなに頼もしく見えるなんて、現実世界ではあり得ないようなことだな。
「まあ、そのなんだ…今日はよろしくな。」
「む?そんなに畏まる必要などないだろう。我と八幡のなかだろう?」
「だから、実名を言うな殺すぞ。」
こうして俺は、今日だけ材木座と共に行動することになった。
ーーー
向かった先は街から北に少し離れた場所だ。街の名前は知らないが。それにしてもよくこんなところ知ってるな。プレイヤーほとんど見かけねえぞ。
「ここはあんまりプレイヤーには知られていない場所でな。まあ何故かと言うとレベルが上がりにくいのだ。」
「へえー、何でなんだ?」
そう聞くと材木座はすごく得意気に話し出した。ボッチあるあるだな。自分の得意な事となると途端に饒舌になるのは。
「ここのモンスターはレベルが無駄に高い上に経験値が少ない。しかもリポップもあまり多くない。だから、フィールドに出ているプレイヤーは全くここに来ないし情報屋にもここの情報は出ていないのだ!」
「へぇーそうなのか。じゃあなんでお前ここにつれてきたんだ?話を聞く限りではここはスゲー非効率なんだろ?」
「まあ、モンスターの経験値はあまり当てにならないのだが、ここには幾つかのクエストがあるのだ。そのクエストは中々旨いものでな。短剣はたしか、ここの層で1、2を争うスペックのものが手に入るはずなのだ!」
ふーん、そうなのか…こいつ、色々と頑張ってるんだな。
「じゃあさっさとそのクエストやらを受けにいこうぜ。日が暮れちまうし。」
「おうよ、さあ我に続け八幡よ!」
「だから実名言うな殺すぞ」
ーーー
そして辿り着いたのはなんか、竪穴住居みたいな家だ。しかもそこはやたら大きい。横の材木座に視線をやると自信満々に俺の方を向いた。なるほど、ここでクエストを受けるらしい。
「で、これからどうすんの?」
「うむ。まずは中にいる村長とやらに話しかけてクエストを受注するのだ。ほれ、ハチ。…まん。」
「そうか、分かった。家に入ればいいのか?」
「左様。クエストを受注するプレイヤーが中に入らなければ受注できないのでな。」
「まあそうだな。うし、はいってみるか。」
気合いをいれた俺はそうしてその竪穴住居みたいなところに入った。中を見回していると、突然奥のご老人の頭にビックリマークが出現した。あれは俗に言うクエストフラグってやつだろう。どうすれば良いか分からずキョロキョロしていると、後から材木座が入ってきた。
「おい、次どうすればいいんだよ。なんか、フラグっぽいのが立ってるぞ。」
「うむ。そのフラグのたっている老人に話しかけるとよい。さあ、早く!」
「お、おう。わかった…」
そして奥にいる老人に話しかけると、その老人は話始めた。
「ちみは冒険者の人なのかね?わしの名前はー」
ーーー
俺たちはその後、老人の長ったらしい話を聞き終え目的となる場所へ向かうことになった。
どうやら、村の外でゴブリンたちが暴れているようで、そのゴブリンたちを倒せば良いらしい。中でもそのゴブリンの親方は非常に強力なようだ。材木座に聞いたところ、まあ、それほどの難易度じゃないらしい。だがしかし、俺にとっては初の大型モンスターだ。慎重にいこう。
「見えたぞ、あそこだ!」
「 いちいち声荒げるなよ。耳がいたいだろ。」
そう言ったのだが、材木座の耳には届いていないようだ。そして材木座はどんどん進んでいった。俺も後に続いた。
「ここだぞ、ついについたぞ八幡よ!」
そうしてたどり着くと、ゴブリンたちがうろうろしていた。これはスローター系のクエストなのだろうか。
「よし、八幡よ。気合いを入れ直せ!ここからはさらに厳しい戦いになるぞ!」
そうして材木座は颯爽とその群れの中に飛び込んでいった。ついでに言うとあいつの武器は両手剣だった。
「うおおおおおおおおおっっ!!!」
「びひゃあうぼべふっ!」
材木座に斬られたゴブリンは雑魚の断末魔みたいな声をあげて消滅した。
「む?どうしたのだ八幡。早くしないと我が全員斬り倒してしまうぞ?」
む、それは流石に困る。今日は俺のレベル上げって言う名目上このクエストを受けているんだし、全部あいつがやってしまっては意味がない。
「分かった。いまいく!」
そういって飛び込もうとしたが、盛大にこけてしまった。
ーーー
「よいしょっと!」
ゴブリンが棍棒を俺に真上から振りかざそうとしたので、すぐさまそれを避ける。次に、俺の左から棍棒を振ってきたのでそれをしゃがんで避ける。そのタイミングでゴブリンは隙ができる。その瞬間に後ろに回り込みソードスキルを打ち込む。
「よっこらせっと!」
何回かソードスキルを打ち込むとそのゴブリンの体力ゲージは半分を切った。そのタイミングで硬直が解けたのかまた動き出したので、それをまた避ける作業に入る…
これを繰り返しているとゴブリンはHP を全損させてガラスが砕けるように散っていった。けっ、きたねえ花火だ。
「どりゃあああっ!」
材木座はというと、俺とは全く戦い方は違っていた。俺はどちらかと言うと保守的な戦い方だが、材木座はゴブリンのすべての攻撃を突っぱねて力でごり押ししていた。まあ、なんて言うか想像通りの戦い方だな。
「ひぎえあぁっっ!?」
辺り一体のゴブリンはすべて討伐し、残るはゴブリンの親玉だけとなっていた。
「キサマラカ、オレノコブンタチヲコロシタノハ?」
やたら芝居がかった口調でそういってきた。
「あぁ、如何にも。我の名は剣豪将軍!貴様を穿ちに来たものだ!」
うっわぁー恥ずかしい!ほんとそういうのやめてくれよ…
「キサマラハ、オマエラノチハ、何色だああああああ!!!!」
「ゴブリンがそんなこと言うかよ!」
俺は思わず突っ込んでしまった。このゲーム考えたやつは絶対バカだ。
「ウオオオオオオオオオオッ!!!!」
そうしてまもなく、その親玉ゴブリンは襲いかかってきた…
ーーー
「ウオオオオオオオオオオッ!!!!」
ばきっ、と地面が割れる音がした。見ると、俺が
間一髪で避けたところには大きな窪みができていた。あっぶねえー…当たってたら即死級だったろうな…見ると、材木座は手際よくダメージを与えている。おれも頑張らないとな…
「それっ!」
ゴブリンの動きが止まっている間に俺も着々とダメージを与えた。残るHP バーはあと一本。気を抜かずにいこう。
それから硬直が解けた親玉はまたもや攻撃し始めた。はあ、早く終わらねえかな…
そんなことを思いながら狩ること数十分、ついに、ついに倒した!ちなみに最後に止めを刺したのは俺だった。ちなみにはレベルも10に上がった。
「ふう、これでクエスト完了だな。あとはさっきの小屋に行けばいいのか?」
「あ、うん。まあそうなんだが…なんでLAは我じゃないのだ…」
「まあ、仕方ないだろ?これは運なんだから。」
「ぐぬぬ…解せぬ!解せぬぞ八幡よ!我の方が頑張ったのに…」
「はいはい、わかった分かった。わかったからいくぞ」
「八幡貴様、何もわかっておらぬでないか!」
まあ、めんどくさいやつは置いといて、さっさといくとしよう。
ーーー
クエストを終えると追加で経験値とそれから短剣が渡された。名前は“ボーンダガー”。その名の通り骨でできている。それにアタックも今の武器よりも断然良い性能をしていた。それから、追加の経験値で俺のレベルは11に上がった。
「今日はサンキューな。助かったよ。」
「なあに、これしきのこといつでも力になってやろう。我はお前に助けられた。今度は我が助ける番だからな!」
「おい、その臭い台詞やめろ。中二病かよ。」
はあ、もうほんと、聞いてるだけで恥ずかしい!
「まあ、何?今日は助かったよ。お陰で明日のボス戦も余裕をもって戦えそうだよ。」
「それはよかった。我も今日のお陰でレベルが1上がったし、有意義だったように思うぞ!では、我はこれで。去らばだ、八幡よ!」
こうして材木座とは別れた。あ、そういえば迷宮区行くんじゃなかったのか?まあいいか。
明日のボス戦に備え、今日は早くねるか。そう思い、宿に足早に向かった。