Not A Hero   作:聖奈

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遅れてすみません。今回は、いろんな意味で大丈夫だろうか…。


六話 誘拐

第二回モンドグロッソ。ISの世界大会であり、織斑千冬は前回の優勝者だ。千雪は千冬に連れられ(※自分から観戦に行きたいとねだった)会場に来ていた。

 

「…やっぱりすごいなぁ」

 

千雪は千冬の試合を見てそんな感想を漏らした。実はISの試合観戦が趣味の一つであり見てて楽しいけれど、生で見に行った事は無かったので連れて行ってもらえると分かった時、とても喜んだ。

 

「はぁっ!」

 

「ぐぁっ…!?」

 

SE:0 勝者:織斑千冬

 

千冬が出した、剣術の基本である『唐竹』、『袈裟切り』、『右薙』、『右切上』、『逆風』、『左斬上』、『左薙』、『逆袈裟』、『刺突』これらの九つの斬撃を突進しながら同時に放つ技にやられ相手はシールドエネルギーが0になってしまい敗北した。

 

「ふぅ…」

 

(今のは、唐竹と袈裟斬りを同時に…?あ、手振ってくれた!)

 

千雪には二つしか見えなかった。考えていると千冬が手を振ってくれた為、振り返す。

 

今のは準決勝だった。先程の技を出すまで千冬はそこそこ苦戦していた…準決勝となると相手も手強い為当然とも言えるだろう。

 

決勝戦は三十分後に行われる。選手の休憩時間であり万全のコンディションで試合を行うため少し長い。

 

(さて、まだ時間はあるけど…どうしよ。ぬぁ!?)

 

三十分待とうとした時…!強烈な尿意が千雪に押し寄せる…!

 

「う~~トイレトイレ…」

 

席を立ち、トイレへと向かった。

 

「そこのあなた…やらないかしら」

 

しばらく、歩くと…トイレへ向かう道中で露出の多いドレスを着たスタイルがいい金髪の外国人の女が、ドレスをはだけてそう言った。

 

「……」

 

千雪は一瞬だけ女の方を向いてすぐに視線を背けるとそのまま素通りした。なお、後に女は語った。「あの時のあの子の目はまるで道端に落ちてたクソが近くにあった時みたいな目だった」と。

 

そして、トイレに到着してしばらく用を足し、スッキリするとトイレから出てきた。

 

「ふぅぅぅ…。観客席に戻るか…」

 

来た道を戻る。それは時間が掛からずすぐに終わるハズだった。ある人間達に絡まれなければ。

 

「織斑千雪だな…?」

 

「あ?」

 

「来てもらうぞ…」

 

近くに黒のハイエースが泊まるて大柄な黒人の男が降りてきて声を掛けて近付き掴もうとした。

 

「……」

 

しかし…男の手は空振った。右へと身体を逸らし右手を左へ捌いたのだ。

 

「このガキッ…!」

 

(白騎士事件起きる前までは、よく高杉さん怒らせてやってたんだよな…これ。掴まれたら一発OUTの鬼ごっこ。捕まえる時の動きの速さも掴む強さも身のこなしも…高杉さんの方がこいつより上だし)

 

次々と掴もうとしてくる動きを小さい動きで避けるか捌くかして逃れていく。

 

「クソガキがぁ…!!大人しくしろッ…!!ぐぉっ…」

 

「オラァッ!」

 

男は痺れを切らして正面から突っ込んできて両手で捕らえようとするも横にかわされ足を払われ転倒した。そして、男のωへと千雪の容赦ない蹴りがお見舞いされた。

 

「ぬぐっ…!?ぐおおおぉぉぉ…」

 

悪魔的…苦痛。それは男のωへの痛みが全身へ掛け巡りうずくまらせた。

 

「…逃げるかっ」

 

そして、男が悶絶している間に千雪は背中を向けて逃げ出した。向かう先は会場だった。

 

しかし…

 

「まったく…だらしがありませんねぇ。こんなガキにいつまで戸惑ってるんです?」

 

突如、女の声が聞こえ千雪の目の前に瞬間移動の様な速度で金色の髪のサングラスをかけた黒コートの女が現れ構えを取り掌打を放った。その速度は千雪が動くのが間に合わないほどだった。その一撃が迫る。

 

「がッ…!?ぐ、あぁっ…!!」

 

掌打を鳩尾にもろに食らい後方へと数m吹き飛んだ。威力はすさまじく激痛と息が詰まりうずくまって動けないほどだった。

 

「連れて行きなさい」

 

「は、はい…」

 

女の指示に先程ωを蹴られた黒服の男はふらつきながら駆けつけ千雪を抱えてハイエースの中へと連れていった。

 

そして、数分後ーーー

 

ハイエースの中には黒い服の男数人と運転手と、金髪の女、鎖で拘束された千雪が居て何処かに向かっていた。

 

「何もしないんですか?」

 

「え?」

 

何気なく放たれた女の言葉に若干戸惑いがちに1人の黒い服の男は反応した。

 

「ですから、その子には何もしないんですか?」

 

「何をするも何も…」

 

「いいんですよ?何をしても…許されます。例え、どんな事でも…」

 

黒服の男が戸惑っていると女は耳元で囁く。

 

「じゃ、じゃあ…」

 

「は…!?何すんだよ…やめろ…!」

女の言葉に乗り、黒服の男は千雪の服に手をかけ無理矢理引っ張りボタンを外し脱がした。

 

「あらあら…貴方、そっちの気があったんですね?三好さん」

 

女は楽しそうにその様子を眺めていて三好と呼ばれた男と千雪の座る席を倒していた。女の表情は面白いものを見るかのように笑っていた。

 

「触んなっ…!!」

 

「うるせぇッ!」

 

「ッつ…!」

 

千雪は鎖に縛られながらも身をよじるが、三好は拳を顔に降り下ろし鼻に命中し鈍い音が響き鼻から血が出始める。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「っく…ぁ…」

 

三好は息を荒げて衣服を全て脱がし終わるとベルトを外しチャックを下ろし下着を脱ぐと千雪の身体を引き寄せてナニかをしようとしていた。そして、千雪は顔に走る鈍い痛みに涙を流す事しか出来なかった。

 

「…やめ…て…」

 

「…っ…く」

 

千雪の力のこもっていない懇願など意に介さず三好は一気に身を引き寄せた。

 

「い゛…ッ…!?い゛だい…ッ!!い゛だいッ!!あ゛ああ゛あああ゛あぁぁッ!!!」

 

それは本来、千雪位の歳の子供が味わう痛みではなかった。引き裂かれるような痛みにより思考は一瞬で痛み一色で染まった。

 

「……」

 

女はその様子を見てほくそ笑んでいた。彼女のその時感じたモノは愉悦だった。

 

そして、その地獄は…千雪が痛いと喚いてももがいても、運転手である前田が引いていても止まることはなく続いた。

ーーーー

ーーー

ーー

 

誘拐犯達が建物に着くと車の中は生臭い匂いと血の匂いが充満しており、運転手の前田は鼻を抑えていて女と三好は満足そうに車を降り、千雪はあちこち傷だらけで目元は涙の跡で腫れていて生気を失ったを瞳をしていて女に運ばれている。

 

「それでは、始めましょうか。織斑の血が流れてるのであれば適合するはずです」

 

車からアタッシュケースを取り出すとそれを開いて女は注射器を出し、千雪の腕に宛がい刺す。

 

「…っ…」

 

それと同時に白衣を着た研究者達が紙を手に取り何かを書いている。そして、女が注射器を押しての中のナニカを注入した。

 

「…っあ゛あ゛あ゛ぁッ!!!」

 

注入されたナニカが体内で這い回り、激痛と恐怖を与えまともな思考も出来なくなっていく。

 

「はぁ…はぁ…」

 

ナニカが這い回る感覚がしばらく続いた後、収まり髪は灰色に変色し、赤い瞳は爬虫類のようになっていた。

 

「素晴らしい…!成功しました。血液を採取しなさい」

 

女は喜び、研究者達に指示を出すと研究者達は注射を刺し血液を吸引したり色々、検査を行った。

 

そして、数分後……

 

「それで…このガキはどうしましょうか?」

 

全員がその場から去る準備をしていると気になったのか前田が尋ねる。

 

「冥府にでも捨ててきなさい。織斑千冬が来る前に撤退します」

 

「分かりました」

 

女の指示に前田は頷き、千雪を車に乗せて車を出した。

 

 

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

そして、『冥府』という場所では…

 

「ふぅ…今日の外からの流れ物は何かと思ったがガキか。これでしばらくは…」

 

『冥府』の入り口に捨てられた千雪は小汚い格好をした浮浪者の男に運ばれていた。

 

『冥府』…それは、ある国に建てられた社会的地位を失った者達が流れ着く廃墟の様な場所だ。ここには、法も秩序もないこの世の地獄でもありこの国の負債とも呼ばれていた。

 

「ガッ…!?ぁ…」

 

千雪を運ぶ浮浪者の男は背後から何者かに刀で刺され、倒れた。刺したのは黒いロングコートを着てフードで顔を隠した女だった。その女は刀を抜き振るい血を払うと納刀し、

 

「……」

 

地面に落ちた千雪を抱えて何処かへ向かった。

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