Not A Hero 作:聖奈
「…宗教の勧誘?」
いつも通り、皆で遊んでいたある日…鈴が口にした話題に千雪は首を傾げていた。
「そうなのよ…最近、ウチの店に来てさ…私やお父さん、お母さんは断ったんだけど次はお客さんに勧誘し始めたのよ。客足が減ったらどうしよう…」
鈴がため息をついた。鈴の実家は両親が中華料理店を営んでおり、その事でそうとう困ってるようだ。
「ああいう人達なら、うちにも一時期来てましたよ」
「そうなの?それにしては来てないっぽいけど…」
彼女の名は五反田蘭…五反田家の次女で弾の妹だ。もちろん千雪とも仲良しである。そして、五反田食堂の客にもしつこく勧誘をしてきた集団は居たようだった。
「うちは…お客さんも含めて皆スルーしてくれたので」
「ダメね…こっちはお客さんから苦情来てるから同じことは出来ないわ」
「はぁん。飲食店ってのは大変だねぇ」
正直、千雪は困ってるので助けてあげたかったが自分が出来ることはないと感じて他人事のように振る舞った。
「あっ…。そうだ!お願い…追っ払ってくれない?」
「は?」
「うち、お父さんが店主だから…訴えても今の時代、勝てないかもしれないし…この中じゃ、あんたが一番腕っぷし強いし…お願い!」
「分かったよ…そんなに言うなら」
言われてみれば今は女尊男卑の世の中で女性優遇法などという制度もあり敗訴する可能性は充分ある。その為協力する気になった。
「で、いつ助ければいい?」
「明日のお昼頃」
「OK」
そして、今日はお開きとなり千雪と鈴は帰った。
ーーーー
ーー
ー
翌日の正午にて千雪と鈴は店の席に座り、勧誘に来る女を待っていた。
「いらっしゃいませー!また、あなたですか…」
「そこの方、楽園に興味はありませんか?」
「いえ、私は…」
早速、シスターの格好をした女が店に来ると店員さんが迷惑そうにしながらも注意出来ない状態になっていて、それを無視して女性客にシスターの格好をした女が勧誘をしていた。
「待ちな。その話興味がある、向こうで話そう」
「まぁ!こんな子供でも楽園に興味があるだなんて!素晴らしいですっ!是非っ」
千雪が席を立ち上がり女性客に絡むシスターの女に声を掛けると女は喜んだ。そのまま、店から出てシスターの女を少し離れた空き地に連れていく。
「あの…どこまで?」
さすがに不思議に思ったのかシスターの女が言う。
(ここまでくればいいか…)
「嘘だよ、あの話」
「え?」
「消えな…あの店はあんたをお呼びじゃあないぜ」
話を切り出すと女が固まり唖然として、震え出した。
「騙しましたね…。この背教者があぁぁぁッ!!」
(うわっ…ババアがキレた!)
シスターの女は豹変し瞳孔が開き声を荒げて千雪に左の拳を振るい殴りかかった。ちなみに、シスターの女はまだ二十代であり外見も若い。
「ふっ、オラァッ!」
「あがっ…!?ぐぅっ…!」
右に身体を逸らしてかわすと、左腕の肘関節を指で強く摘み引く。すると、シスターの女は痛みにより顔をしかめてこちらによろけてくる…その勢いを利用して強く踏み込み右の肘鉄を鼻にお見舞いした。小三にしては力が強いのでシスターの女から鈍い音がして鼻から血が辺りに飛び散った。
「クソガキイィッ!」
「ふっ、ふっ、ドラァッ!」
「ぐふッ…!がはっ…!」
シスターの女は叫びながら右脚の回し蹴りを放つと、千雪は二連続の前後一回ずつにスウェイでかわしてから詰めその次に左の裏拳が来ると体勢を低くしてかわしボディーに左手と右手で一回ずつ縦拳を叩き込んだ。
「死ねえぇッ!」
「無駄ァッ!」
「あがあぁっ…!!ぐ…うぅぅ…!」
シスターの女は左で蹴り上げでの攻撃を仕掛けると千雪はジャンプして左脚を足場にして鼻にドロップキックをお見舞いした。シスターの女はすでに負傷してた鼻を抑えて仰向けに倒れて悶絶してしばらく立てなくなってしまった。
シスターの女 再起不能
「やれやれ…」
しばらくして、鈴の実家の中華料理店に戻った。
「千雪、あの女は?」
「もう来ないだろうな」
「そう。今日はありがとう、助かったわ」
「これっきりだぞ?」
千雪は鈴からお礼を言われ頭を撫でられ気持ちよさそうに目を細めた。
(やっぱり飯は、落ち着いて食べれる環境じゃあねえとな。多少、やかましいのはいいが…食った後のいい気分を台無しにされるってのはあっちゃあいけない。食って帰る時は幸せな気分なのが一番だ…)
今回、簡単だった頃一人称視点のありがたみが分かりました。
最近、作者はRWBYにハマッてまして…ヤン姉の使ってる武器を装備に出したくなりました(出すかは未定)