ソードアートアカデミア 作:GGOキリトは俺の嫁
1万人もの人を囚われの身とした史上最悪のデスゲーム、ソードーアートオンライン。通称SAO。
そのデスゲームは本来100層をクリアしないとクリア出来ない仕様であった。しかし、黒の剣士キリトが、75層ボス撃破後、攻略ギルドのリーダーであるヒースクリフが茅場である事を看破。
今、ゲームクリアを賭けたヒースクリフに言わせると報酬。その戦いが行われる
「キリト! やめろー!」
「キリトー!!」
「キリトさん!!」
キリトが背中の二刀、エリュシデータとダークリパルサーを抜いてヒースクリフの前まで歩くのを、麻痺した身体で動けないまま叫び呼び止めようとする者が数人居た。
一人はキリトの兄貴分にして親友とも呼ぶべき黒人男性、エギル。もう一人は同じく兄貴分にして親友のクライン。そして弟分であるカルボナーラ。一瞬字面がおかしく見えたが、もともとオンラインゲームであるこの世界。キャラクターの名前をその日の昼ご飯にしようとした奴がいてもおかしくない。
「エギル」
「…っ」
「今まで、剣士クラスのサポートありがとな。知ってたぜ、お前が儲けの殆どを中層プレイヤーの育成に注込んでいた事」
もう、エギルからは何も言えなくなってしまった。まるで、最後の挨拶とも言うべきキリトの台詞に、キリトの覚悟が垣間見えて、これ以上、言葉にならなかったのだ。
「クライン」
「…っ」
「あの時お前を…置いて行って悪かった」
「っ! てめぇキリト!! 謝ってんじゃねぇ! 今、謝んじゃねぇよ!! 許さねぇぞ! 向こうでちゃんと飯の一つでも奢らねぇと、ぜってぇ許さねぇからなぁ!!」
「わかった、向こう側でな」
クラインの涙ながらの叫びに、キリトは現実世界での再開を約束した。現実世界で再開し
「カルボナーラ…お互い、それぞれのパートナーと一緒になってない時はお前とパーティーをよく組んでたな。
俺の心が荒ずさまなかったのは多分お前のおかげだ。」
「キリトさん…その言い方は腐った女性の妄想を爆発しかねないですし…ほら、そこのカイとアスナさんがジト目で見てるんですよ。
ちょっとお尻の穴キュッてしちゃうんでやめてください。」
「あはは…」
せめて、最後の戦いへと向かうキリトに向かって気楽に挑んで欲しいと軽口を言ってみたものの、得たのはキリトの失笑であった。
「カイ…」
「カル君とそんな関係だったなんて…(;´д`)」
「まじすんません」
カイという少女。こんなバカな事を言ってるが、女性プレイヤー唯一のOSS(オリジナルソードスキル)所持者というすごい人なのである。
そして、最後にキリトは最愛の少女の方へ目を向け、少しだけ微笑むと直ぐにヒースクリフと対峙した。
「悪いが一つだけ、頼みがある」
「何かな?」
「簡単に負けるつもりは無い。でももし俺が死んだら、少しの間で良い、アスナが自殺できないよう計らってくれ」
「ほう……よかろう」
キリトからヒースクリフへの願いは一つ、もしも自身が破れ、死んだ後は最愛の少女であるアスナが自殺できないようにして欲しいという物だった。
もし、キリトが死ねば、アスナが後を追って自殺するのは確実だ。だから、キリトはアスナに自殺ではなく、ゲームクリアを目指せるよう、自殺という道を奪う事を選んだのだ。
「キリト君ダメだよ! そんなの…そんなの無いよー!!」
アスナの叫びを背に、キリトとヒースクリフの戦いが始まった。
互いにユニークスキル使い、神聖剣と二刀流の激突は最硬と最速のぶつかり合いで、キリトが繰り出す二刀の連撃をヒースクリフは大型の盾で悉くを受け止め、受け流していく。
レベル的には互角の2人で、実力も互角と言って良いのだが、やはり武器の相性、戦い方の相性が悪いのか、それともキリトが未だ二刀流を完全に使いこなしていないのが悪いのか、完全にキリトは押さえ込まれてしまっていた。
「カル君…」
「ああ、キリトさんが不利だ…」
「そんな…うっっ…」
ヒースクリフの剣がキリトの頰を掠った途端、反射的にソードスキルを発動してしまった。
キリトの持つ二刀流スキルの最上級スキル。並みのプレイヤーじゃまず歯がたたない。
しかし、ヒースクリフもまたトッププレイヤー。
そして、このゲームの開発者である。
この剣技を受け切ってしまった。
そして、ソードスキルを発動後の硬直時間が訪れる。
それ即ち、キリトの敗北に繋がる…
「さらばだキリト君」
キリトの命を奪う一撃が、茅場の剣がスキルのライトエフェクトを発しながら振り下ろされた。
しかし、そこで奇跡が起きた。システムにより麻痺して動けなくなっていた筈のアスナがキリトの前に出て、ヒースクリフの一撃をキリトの代わりに受けて、そのHPを散らしてしまったのだ
「「アスナ(さん)!!!」」
周りの絶叫がこだまする。
そして、最愛の人の死を見て戦意を喪失してしまったキリトもまた、ヒースクリフに剣を突かれる。
己の死を感じたキリト。不思議と恐怖はない。
先にアスナが逝ったからであろうか。
だが、剣に貫かれた後も、すぐに消えるという感覚はなく、むしろ…
…まだ動ける…?
「ぬおおおお!!!」
アスナが消えてすぐに拾ったアスナの細剣ランペンドライトをヒースクリフの胸に突き刺す。
「これで…いいかい…?」
二人の男アバターもまた、光となり消えた。
ーーゲームがクリアされました。ーー
そして、そこに響いたのは、歓声ではなく、無機質な機械音声と嗚咽のみであった…
そして、突如、今まで居た空間とは別のところに移動する。
そこには一人の男がいた。
この顔は知らないが、雰囲気が物語る。
ヒースクリフの外見とは違うが…現実世界の茅場だ。
「ここはゲームのクリアに大きく貢献したSAO2大カップルの一角、カルボナーラ君とカイ君のために用意したものだ。
せいぜい最後の言葉を交わすといい。
そして、君たちは現実世界に起きてから君たちの身体にある変化が訪れるとだけ伝えよう。
では、私はもう一つのカップルの方に行くので…さらばだ。」
「ちょっ!!まてっ!」
カルボナーラの声も虚しく、茅場は何処かへ去って行く。
二人しか居なくなった空間。自然と向きあう。
「…カル君…最後に名前を教えてくれるかな?」
「ああ…俺の名前は沢村 英二だ。年は多分16歳。」
「そっか…同い年だね!私の名前は貝塚 姫子。あっちでもよろしくねっ」
二人しか居ない空間、崩壊する浮遊城。アインクラッドを背景に二人は熱い熱い口付けを交わす。
空気の匂いがする。
腕が重い…てか身体中が重い…
「帰ってきたんだな…」
兎に角、地に足をつけて歩きたい。
不思議とその感覚に襲われ、何故かそこに置いてあった物干し竿を杖として立とうとする。
「ん…ソードスキルが使える…?」
カルボナーラ。
ソードアートオンラインというゲームにて、オリジナルソードスキル二重棍を授かる。
初期の頃から棍を使っていた数少ないプレイヤー。
このゲームでは、棍はあまり需要がなくまた何故か高いため、仕方なしに始まりの街周辺では、宿屋からパクった物干し竿を武器としていた。
更に、もう一つ情報を追加する。
ソードアートオンラインから解放されたプレイヤーのうち、俗に言うとトッププレイヤー。その中のほんの一握りの人間に、ログアウト後も"個性"として、ソードスキルを使うことが出来るようになっていたのだ。
物干し竿はネタとして書きたかったから無理やりそうしただけ…
次回、ALO編にはいかず、雄英入学への流れとしたいなと思ってます。