ラファール・リヴァイヴに憑依したんだけど、神に苦情言っていい?   作:ラファール

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変態ガキタァァァァァ!!

IS学園整備棟地下の空き部屋、意外と快適なそこに俺は放り込まれていた。

あの女性は稲田先生と言って、整備棟の管理担当らしい。 俺には丁度空いてたここの部屋が割り当てられた。

 

『…ひまやな。』

 

暇だ、エセ関西弁になるレベルには。

娯楽が何にもないし、部屋の外には出ないように頼まれているので何も出来ない。

 

さて、どうしたものか…

 

と、暇をつぶす方法を考えていると、目の前の扉が音を立てて開いた。

 

「ラファール、お前に客人だ。」

 

扉の先にいたのは黒のレデイーススーツを着た美人、織斑千冬先生その人であった。

 

『客、と言いますと?』

 

「昨夜政府に連絡を入れたところ、今日すぐに政府の研究者が来るということになってな。 そしてこの人が…」

 

「美月・ブライトさ!」

 

紹介をしようとする織斑先生を遮って、小柄の女性が部屋に飛び込んでくる。

え? この人が政府の研究者?

 

「すぐにでも、そう、すぐにでもここの設備を使って君を調べさせてもらうよ! いやぁ、楽しみだなぁ…」

 

『え、あ、はい。 よろしくお願いします?』

 

ついでにこの人めちゃくちゃ押しが強いな。

ってか本当に研究者? 中学生、下手すりゃ小学生に見えんだけど…

 

「ふふふ、このブライト博士を舐めているね? いいだろう、私の頭脳を見せてやる!」

 

まじまじとブライトさんを眺めていると、不意に手を取られて、ブライトさんが走り出した。

…いや、全然引っ張られる程じゃないんだけども…

 

『あの…』

 

「行こうラファールくん! 世の不思議が待っている!」

 

えぇ…

 

♢♦︎♢

 

「ふむふむ…」

 

現在、俺は何やらごちゃごちゃとした部屋で大量のコードに繋がれている。 目の前ではブライト博士(そう呼べと言われた。)がおぞましいスピードでおぞましい量の画面を弄っている。

博士の周りには何人かの部下(暴走した博士を止めるための)さんがたが待機している。

ちなみにこの人、日本政府の研究者の中で一番偉いらしい。 何者だよ。

 

「うん、大体はわかったよ! 君自体は通常のISと大差ないかな、コア自体の変化は見受けられないなぁ。」

 

ISのコアというのは、ほとんど解析が進んでおらず、ブライト博士がその研究の最先端をいっているそうだが、それでも10%程らしい。

 

「でもでも、君自体に意思があるのは間違いないね。 君の搭乗者はいないってことになってるから、やっぱり君自身が動かしてるみたい!」

 

と、満面の笑みでサムズアップをするブライト博士。 あれ、なんか嫌な予感が…

 

「ってことで解剖してもいいかな!? いいよね?」

 

『アカーーン!!』

 

「博士、ISを許可なしに解剖することはブライト博士の禁止リストの96条によって禁止されています。 分解、物理的解析、一回バラすだけ、装甲という名の服を脱がせる、と言われる行為も同じく禁止です。」

 

「わかってるってー、ジョークよジョーク。」

 

禁止リストが少なくとも96条まだあるって一体どんだけやらかしてんだ? ってか部下の方慣れすぎだろ。

 

「まあさ、ラファールくん。 君ってもしかしたらここの学園に生徒として入学することもあるらしいから、そん時は私が人サイズのIS作ったげるねー?」

 

あ、なるほど。 確かにそうなったら普通の人のサイズじゃないと苦労する… っては!?

 

『え? 入学!? 俺が!?』

 

「あ、この考えを出したの私じゃないからね? さて、早速設計に取り掛かりますか!」

 

『そ、それ決定なんですか?』

 

「いやー? まだ結論は出てないらしいね! でもでも、君は特別なんだから、専用機があってもいいでしょ!」

 

そう言うものなのか…?

 

「ふふ、じゃあ私はもう帰るねー? よぅし、久し振りに楽しいお仕事だー! 書類には飽き飽きだー!」

 

「博士、設計は書類仕事を終わらせてからです。 正式に依頼が出た場合は設計を優先とさせていただきますが。」

 

「うぇー、まあそれでいいさ! みんな、かっえろー!」

 

と、部下の方々を引き連れて引き上げていくブライト博士。

 

…なんていうか、自由な人だ。

 

♤♠︎♤

 

私、織斑千冬は現在大変に疲れていた。

例のラファール・リヴァイヴの解析に来た美月・ブライト博士の自由さと、そしてもう一つ…

 

「もしや… あの天災のせいか…」

 

私の弟が、受験会場でISを動かしたという話だ。

全く、昔からトラブルに巻き込まれるタイプであったが…

 

「まさか… ISを動かすとは…」

 

ISとは本来、女性にしか動かすことができない。

しかしあいつは、志望校の受験会場で同時に行われていたIS学園の受験会場に迷い込んでしまい、あろうことかそこに置いてあったISを起動させてしまった。

この先、処理しなければならない仕事の量を思うと、感動すら覚える。 その上ラファール・リヴァイヴについても、だ。

冗談ではない。

 

ちなみに私は今、整備棟の地下に向かっている。

ブライト博士による解析が終わった後、ラファール・リヴァイヴはすぐに整備棟の空き部屋に返された。

私は現在、そのラファール・リヴァイヴにあることを伝えに行っている。 そう、会議で暫定で決まったとある内容を。

 

「失礼するぞ。」

 

『…ん、ああ、織斑先生ですか。 なんのご用で?』

 

散々ブライト博士に振り回されたであろうラファール・リヴァイヴは、疲れたような機械音声で答えた。

そのラファール・リヴァイヴに、今日の会議の内容を伝える。

 

『…あはは、冗談ですよね?』

 

「残念ながら… 真実だ…」

 

その否定を受けて、ラファールが体育座り? をして俯く。

ラファールに頭があるわけではないが、背中が丸まったので俯いたように見える。

なんというか… 随分と感情豊かなISだな。

 

『ていうか、織斑先生も随分とお疲れみたいですね。 あなたもブライト博士に?』

 

「いや、私は別の方向に…」

 

『と、言いますと?』

 

さて、言っていいものか?

いや、もう世界中で報道されているし問題ないだろう。

 

「私には弟がいて、その弟が今日受験の日なんだ。」

 

『へぇ… で、その弟さんが?』

 

「受験会場でISを動かした。」

 

『…織斑先生。』

 

「なんだ?」

 

『頑張ってください…! 俺に仕事はできないので!』

 

グッ、とサムズアップをするラファール・リヴァイヴ。

殴りたい、猛烈に。

 

♧♣︎♧

 

サムズアップをした手を下げると、織斑先生が何かを思い出したように、こちらに目を向ける。

 

「ああ、そうだ。 お前には名前がないだろう? コアの番号では386だが、その番号では呼びづらい。 だから何か読んでほしい名はないか?」

 

名前、か… 前世の名でもいいが、それでは由来を聞かれた時になぁ…

あ、そうだ。

 

『疾風、疾風(はやて)でお願いします。』

 

疾風(はやて)… なるほど、ラファール(疾風)か。」

 

ラファール・リヴァイヴはフランス語で『疾風の再誕』だから、俺は疾風だ。

画して、今日から疾風としての日々が始まった。

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