たくさんの人に読んでもらえていると思うと嬉しいです。
できれば感想とか頂けると嬉しいです。
それでは、最後までお付き合いお願いします!!
「大丈夫?」
「え、あ、はい……」
システィは倒れたまま自分を見上げる少女に、手を貸して立たせてあげる。少女は手を借りながらも、どこか警戒した目でシスティを見ている。どうやら、敵の仲間の格好をしているのが逆に警戒心を強めているようだ。
「あの、貴方は一体何なんですか?」
「何って言われてもねぇ……。とりあえず、場所移そうか。こいつらが起きたら厄介だし」
「……じゃあ、こっちです…」
そう言う少女の後にシスティは続く。少女はまだシスティのことを警戒しているようで、二人の間には少し距離があった。
「……ここです」
到着したのは街の外周近くにある錆びれた宿屋。中に入ると、木が腐ったような独特の匂いが鼻をついた。
少女が借りているであろう部屋に入り、システィはベッド、少女はイスに腰掛ける。
「それで、貴方は何なんですか?」
少し落ち着いた所を見計らって、さっきと同じ質問がシスティに投げかけられた。
さっきも思ったが、漠然としすぎた質問のせいでシスティは回答に困ってしまう。
「何って言われてもねぇ…。
とりあえず、私の名前はシスティ・トワイライト、魔導士よ。ギルドは
……こんな感じでいいかな?」
肩に印されたシンボルマークを見せながら言ったが、少女は首を傾げるだけだ。
「……もしかして、妖精の尻尾って聞いたことない?」
「すいません…。私、世間に疎くて…」
「そっか……。まあ、そういう魔導士ギルドって理解してくれればいいよ。
…じゃあ次はあなたの番だよ。名前、何ていうのかな?」
「私は、エリナ・ルーエルといいます。父は魔法具職人をやっていて、私はその跡継ぎとして修行しています」
「へぇ、魔法具の…」
「……あの、ホントにあの人達と関係ないんですか?」
「ないよ、これっぽっちも」
システィは即答するが、少女―エリナはまだ信用しきれていない感じだ。
システィも、今になって敵の仲間を装って助けたことを後悔していた。
「……それで?追われている理由に心当たりはあるの?」
「………多分、これです…」
エリナは首に掛けられた物を外し、システィに手渡した。それは、何かの牙のようなただの首飾りだった。何か特別な物のような感じは全く見られない。
「へぇ…これは何の牙なの?」
「…父は、ドラゴンの牙だと推測しています」
「…えっ!?ドラゴンの!?」
システィは手の上にあるそれを凝視するが、明らかに牙というよりは爪のような大きさだ。少なくとも、グランディーネの牙はこんなに小さくは無かった。
「…でも、ドラゴンの牙にしてはちょっと小さすぎない?」
「そう推測する理由は形よりもその能力の方です。
それに魔力を流し込んだり接触させると魔力を蓄え、またその魔力を使って魔法を発動することもできます。
その能力が滅竜魔法と似ていることから、ドラゴンの牙改め、“竜の
確かに魔法を喰らう点は滅竜魔法と似通っていると言える。それに、蓄えた魔力を使って魔法を発動出来る能力は稀少で欲しがる輩も多いだろう。
「なるほどね。それで狙われてたって訳か〜」
「はい……」
「そう……で、目的地は?」
「へ……?」
突然のことにエリナは呆けた顔をする。
「だから目的地だよ。こうして会ったのも何かの縁だし、近かったら目的地まで送ってあげる」
「でも……いいんですか?」
エリナもさっきの戦闘でシスティの底の見えない強さを知っている。送ってくれるならそれに越したことはないだろう。
「じゃあ、お言葉に甘えて……。
でも、実は目的地はないんです。どっちかって言うと人探しで…」
「そうなの?…じゃあ誰を探してるの?」
「
「じゃあ目的達成ね。私、滅竜魔導士だし」
「ええっ!?ホントですか!?」
エリナは突然立ち上がり、目をキラキラさせながらシスティの体をペタペタ触る。触診でもしているのか、触りながら「特にヒトと違った所は無いな…」などと独り言を言っている。全く、滅竜魔導士を何だと思っているのだろうか…。
「えっと……」
「あ、すいません……。ちょっと興奮しちゃって……」
エリナは恥ずかしさのあまり顔を赤らめる。それでもまだ触りたいというような顔をするエリナにシスティは呆れてため息をついた。
「まぁ、別にいいけどさ……」
「じゃ、遠慮なく!!!!」
「えっ!?ちょっ、そういう意味で言ったんじゃ…うわっ」
システィはベッドに押し倒され、完全に理性がとんでるエリナに至るところを触られ続ける。同性なのをいいことに、宣言通り遠慮と言うものが一切無い。
「うわぁ…肌スベスベ…。ここはプニプニだ〜」
「ちょっとどこ触ってんの!!」
「フワフワプニプニ〜」
「キャッ!?もう、離れない!!……さもないと…」
「キャッ!?くすぐった〜い!!」
エリナの触診はいつの間にかくすぐり合いに発展し、出会った頃が嘘のように打ち解けていた。そして、二人とも力尽き、抱き合ったまま狭いベッドで眠りに落ちた。
そうして夜が深まっていく。一匹の猫の存在を忘れながら…。
「ごめん、シェリル!!本当にごめん!!」
「システィのバカ!!私がどれだけ心配したと思ってるの!!」
今朝方エリナの宿で目を覚ましたシスティは、シェリルを宿に置いてきたことを思い出し、既に起きていたエリナを連れて宿に戻り、今に至っていた。
「シェリル、ホントにごめん!!」
「……わかった。その代わり一つ貸しだから」
「う………わかった…」
ちなみに二人の間で貸し一つは結構大きかったりする。
貸し一つで何でも一つ言う事を聞くという、言ってしまえば絶対命令権だ。システィの場合、性格上貸しを作ることが多く、しかもシェリルは中々それを使わないので、貸しは貯まる一方だった。
「えっと……今貸し幾つだっけ…」
「今回で貸し十。そろそろ貸し全部使って、フィオーレ一周の列車ツアーに十回連続で行ってもらおうかな〜」
「それだけは勘弁して!!死んじゃう!!ホントに死んじゃうから!!」
結局システィは何とか列車ツアーを回避し、シェリルもまた貸しを保留とした。
話が一段落ついたところでシスティはエリナを紹介する。
「さて、遅くなったけどこの子はエリナちゃん。昨日色々あって西にあるエスティアまで送るになったの」
「色々ねぇ…。私はシェリル。よろしくね、エリナ」
「エリナ・ルーエルです。こちらこそ、よろしくお願いします」
二人の挨拶が済み、ようやくエスティアに向けて出発する。
まだ行ったことのない街に期待を膨らませながら、エリナを加えたシスティとシェリルの旅が今始まる。
最後までお付き合いありがとうございました!!
オリジナルストーリーなだけあって話を考えるのが前より倍はキツイです…。
内容が薄めだったり話のテンポが早いかもしれませんが、最後まで読んでいただけると幸いです。
それでは次回もどうかよろしくお願いします!!