保存日時:2017年05月26日(金) 17:23
ブツンッ
ブレーカーが落ちてテレビなどがすべて切れるような音、表現するならそんな音だった。
しかしそれはそんな規模ではなくこの世の全ての電源が切られたかのような轟音で鳴り響いた。
同時に電気供給されてたであろう提灯の明かりや屋台の明かり、街頭など全てが消えて真っ暗になっている。
先程までカウントダウンを刻んでいた携帯型のテレビの放つ明かりだけが周囲でポツポツ光を放っている。
しかしその画面は先程までの放送はされておらず砂嵐、同じように同じ先程まで流れていたラジオ音声も無く、ザーという音が響いている。
一瞬の轟音に静まり返っていた周囲の人々も次第にざわざわと騒ぎ始めた。
「え…っと…なにこれ…?」
「停電、なのかな…潤さん携帯とか持ってないですか?」
「有るけどダメ。圏外」
周囲でも携帯電話を取り出した明かりが増えてきたがどれも圏外のようだ。
「ねぇ、もしかしてこれって…2000年問題って言ってたヤツ…?」
私の一言に周囲が更にざわついた。
「いや、でも実際起きないみたいなことテレビで言ってたじゃん?あ、潤さん。携帯の日付けとかどうなってるんです?」
「…」
潤にーの眉間に皺が寄っている。
「潤にー?」
「…1999年、12月31日、23時59分180秒…」
「え、ちょっと何それ…冗談…?」
潤にーは首を横に振って画面を見せてくれた。画面の中では時、分は変わることなく秒だけがひたすらに増え続けている。
「なんスかこれ…」
大毅の表情も険しい。
その時、
『ザッザザッ…』
「なんか画面…」
『ザザーッ…』
周囲のラジオ、テレビ、携帯電話の画面が乱れ、スピーカーから同じように同じように途切れた音が聞こえ始めた。
騒がしくなりつつあった人々は静かになり、それに意識を集中し始めた。
『ザー…………………』
『ツグ…』
声がした。
『告ぐ。
我々は魔王の意思の元に集いしデジタルワールドの住民である。
人間達よ、我々はこれより貴様達の世界を支配する。
これは、不条理な侵略などでは無い。
貴様達はネットワークを使い、他者を貶め、偽り、騙し、嘲笑い、貶し、裏切り、傷つけ続けた。
そしてその穢れたデータは我々の世界を蝕む癌となり、デジタルワールドに蔓延っている。
とめどなく降り注ぐ悪意により、多くの我々の仲間が犠牲となった。
今後ネットワークが更なる発展をして行っても貴様たちは変わらない、いや、より酷いものとなっていくだろう。
そうなる前に我々は人間を全てのネットワークから切り離し、支配する事にした。
既に貴様らの脆弱なネットワークは我々が全て掌握した。
もうそれらを自由に使用することは許さない。』
低い声は淡々とそう告げると1度話が止まった。
その声は深い憎しみがこもっているようで、こんな突拍子もないことなのに誰もが冗談で言ってるんでは無いと悟っていた。
「ふ…ふざけんな!警察は!自衛隊は!なんとかしろよ!」
少し離れた所から男性の怒鳴り声が聞こえた。
『人間よ。
抗うことを考えるな。
既に世界中全ての軍事施設は爆破させた。
既に貴様らに抗う術は残されていない。』
間を測ったかのように声はそう告げた。
辺りの空気は凍りついている。
『先ず我々は日本の首都、東京を陥落させる。
下準備としてこれより間抜けな人間達が集っている場所にゲートを開かせてもらう。』
突然聞き知った地名を口にされ辺りがザワつく。
直後ー
周囲の人々が持つ携帯電話やテレビ、ラジオからドス黒い光が広がり始める。
いや、闇と言うべきか。
『日本の人間達よ。
我が名はカオスデュークモン。
貴様たちを絶望に染める者だ。』
その名乗りを全て聞く頃には、私達は闇に呑まれ、世界から切り離されていた。
キャラクター
カオスデュークモン
魔王の意思の元人間の世界を支配することを宣言したデジタルワールドの住民。
日本を東京から支配する事を宣言した。
その声には深い憎しみがこもっていた…