どうも新年早々お酒で潰れていた鈴猫です(笑)
本当は1日にあげたかったのですが、
はい...お酒で潰れてました(;^ω^) ユルシテクレタマエ (ボソッ
「新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
1月1日。新しい年の始まりですが相変わらず両親が帰宅する事は無く、僕は妹のくるみと新年の挨拶を交わしていた。普段と何も変わらない朝だが、新年というだけで何だか特別な気がする。
それがくるみにも該当するのかは分からないが、新年の朝のくるみはにぃに呼びの甘えモードではなく、学校で猫を被っている時の兄さん呼びの真面目モードだ。
「兄さんごめんね、おせちを作ってあげられなくて」
くるみはキッチンへ移動し、お雑煮を温めながらこちらに顔を向ける。両親がまだこの家に居た頃は、毎年くるみがおせちを作って家族みんなで食べていた。でも両親が家を出て行ってからは、経済的な問題もあっておせちを作ることは無くなった。それでもくるみは何時かまたみんなで、おせちを囲める様にお重箱を保管している。
「気にする事ないよ、くるみ」
ありがとう兄さん、と返すとくるみはお雑煮を食卓まで運んできた。
「いただきます」
「いただきます...ふふ」
突然のくるみの含み笑いに新年早々、嫌な予感を感じながらお雑煮を口に運ぶ。
「ねぇ兄さん」
「なんだくるみ?」
「初詣に行きたい!!」
「......えっ?」
ピタッと僕の箸が止まる。いつも新年早々にぃにと言いながら抱き着いてきて、冬休みを全て自宅で過ごしてきたくるみからは想像できない言葉が。俺はくるみの顔をまじまじと見つめる。
「ふふふ...あれ?どうしたの兄さん?」
あーこれは絶対なんか企んでますわー。詰みですわー。頭の中で声が木霊する。僕はくるみが新年早々真面目モードな理由を、もっと真剣に考えるべきだったと後悔していた。
*
「お待たせ、兄さん」
朝食後、初詣に同行する事を半ば強制的に決められ僕は新年早々疲れていた。でもそんな疲れもくるみの振袖姿を見て吹き飛んだ。朱色を基調とした振袖に、白い椿の花が描かれており、いつもポニーテールにまとめている髪を、解きストレートにしている。そのせいか何処か大人びた雰囲気が漂っており、同行する自分が酷く不釣り合いに見えてしまう。
「く、くるみ... お前」
ふふん、と自信気なくるみ。俺はその振袖が幾らしたのか、経済的に大丈夫なのか聞きたかったが答えを聞くのが怖くて聞けなかった。
「ふんふんふ~ん♪」
家を出てからずっと上機嫌なくるみの歩幅に合わせながら、神社に続く道を進んでいくとよく見知った顔と出会った。
「よぉ葵!あけおめ、あとくるみちゃんもあけおめ!へへっ」
「あっあけましておめでとうごさいます...です」
親友の恭介とその妹の亜衣ちゃんだった。僕は同じように新年の挨拶を返すとくるみと同じく新年早々上機嫌な親友の心中を、探ろうと格闘していた。
「なぁ恭介、なんでお前そんなにニヤついているんだ?まるで誘拐犯だぞ?」
と言いながら僕は亜衣ちゃんを見やる。恭介の半分程しかない身長のせいでかなり幼く見えるが、実際は僕らと同じ高校生だ。僕と恭介とは1歳しか歳が変わらない筈なんだけど、少なくともその身長差のせいで恭介と亜衣ちゃんが兄妹だと初対面で見抜く人はまずいないだろう。
「お前な誘拐犯って...親友に対してそれはないだろ」
新年早々僕の冷たい一言を受けダメージを受けている恭介の頭を撫でながら、亜衣ちゃんが変わりに説明してくれた。
「恭にぃは神社に居た巫女服姿の秦野先輩を見て、鼻の下を伸ばしていたのです。あと恭にぃをいじめないで...です」
ごめんごめんと謝りながら僕とくるみはその場を後にした。それから神社に向かうまで僕は若干早歩きになっていた。何故ならくるみが秦野さんの話を聞いてから、巫女服とかあざといとか、だから振袖貸してくれたのかとか、あの悪女めとか、何かわらないけど恐ろしい事を口走っていたからだ。
このあと神社に着いた僕たちは偶然にもカメラを持った男性たちに囲まれている秦野さんと出会い、救助することとなった。秦野さんは今日限りの巫女さんのバイトをしていたため、巫女服を着用していたが豊満な胸を支える布が少ない巫女服は余計に秦野さんの色気を増している気がした。
それに気づいたくるみが秦野さんと自分、どっちが一番可愛いかとしつこく問い詰めて来たけど、それはまた別のお話。