私の行く道は?   作:まもる

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 艦これはあまり知りませんが暖かい目で見てくれると助かります。


プロローグ

 

 1945年6月20日 1900時 ウルシー泊地

 

 私のいるウルシー泊地に何かが侵入して来るのがレーダーでわかった。

 

 「お姉ちゃん、何か来たね・・・・・」

 

 妹の白根が疑問を抱く。

 

 「嫌な予感しかしない・・・・・」

 

 だけど、他の艦では先日起きた第二次珊瑚海戦の勝利に浮かれている。結局、敵機はB-29の偵察機型だったが対空戦闘配備に時間が掛かった事に一抹の不安を感じたのだ。

 

 無理もないだろう。

 

 

 

 

 

 1945年4月上旬に起きた第二次珊瑚海戦では私が元居たアメリカ海軍が壊滅したのだ。

 

 空母対空母の大激戦だったが、日本海軍は陸上基地からの総勢2800機以上の戦爆連合と空母26隻からなる第一次攻撃隊から第四次攻撃隊の合計2600機の合わせて5000機以上の航空戦力でアメリカ海軍を壊滅させたのだ。

 

 ウルシー泊地内には連合艦隊の旗艦である大淀を中心に戦艦高千穂や姉妹艦である穂高率いる第一機動艦隊や金剛率いる第二機動艦隊、伊勢と日向が率いる第三機動艦隊など機動艦隊だけで第一から第三までが勢揃いしていた。

 

 

 話を少しだけだが遡ろう。

 

 

 私達、姉妹艦が就航すると大西洋艦隊に配備され日本との気運が悪くなると対空火器を強化した後、アメリカ海軍のアジア方面艦隊に所属している。そして、開戦と同時に鹵穫され改装後は富士と白根に改名して第三機動艦隊へと配属となった。

 

 まぁ、この艦隊のほとんどの空母は元は戦艦だ。

 

 第三機動艦隊の空母は防空空母を入れれば九隻の編成で旗艦の白鳳と同級の魁鳳、元フッドの浅間、雲龍型の天城、笠置、葛城に防空空母の瑞穂、神鷹、海鷹の編成だ。

 

 その中でも白鳳は元戦艦扶桑を空母化した準大鳳型空母であり、妹も準大鳳型空母の魁鳳で元戦艦の山城であり、二艦は軍縮会議により1940年に退役して解体される予定だったが、秘密裏に大湊海軍工廠と横須賀海軍工廠に入れて解体中である公表したが、裏腹に航空母艦として大改装したのだ。

 

 そして、私こと富士と妹の白根は開戦当時の元アメリカ海軍の最新鋭戦艦のノースカロライナ級戦艦だ。

 

 私も妹も初戦で鹵穫される不幸がなければアメリカ海軍の下で暴れ回る事が出来ただろう。

 

 しかし、私ことノースカロライナと妹のワシントンは大西洋の空海戦で対空火器の不足から対空火器を強化し、対日本への開戦を控えた1942年にイギリス東洋艦隊と合流するため、重巡インディナアポリスとシカゴや軽巡一隻、駆逐艦六隻を連れてシンガポールへ入港したのだ。

 

 しかし、1942年12月の開戦と同時に湾内にいた私達姉妹とイギリス東洋艦隊の旗艦でキングジョージⅤ世級のプリンスオブウェールズと巡洋戦艦フッド(レパルスの予定だったがフッドの代わりにレパルスがビスマルク追撃戦で轟沈した為に代わり地中海艦隊から派遣されていた)と重巡インディナアポリス、シカゴ、エクゼターの七隻は日本海軍の爆撃機により湾内に機雷を蒔かれて出港不能になる。

 

 まだ、私達の不幸は止まらない。

 

 機雷を掃海するにも初日からの連日の爆撃機騒ぎで湾外で警戒中の軽巡洋艦以下の船舶がブルネイに逃亡し掃海出来ない状況となった。更に悪い事が続き私達七隻に対して日本軍は鹵穫する為に三万九千を導入した空挺降下作戦を敢行して1時間もしない内に降伏し、私達は日本軍の手によって鹵穫されたのだ。

 

 そして、その後は日本に回航され私と妹は大和型戦艦に似たような外見だった為に徹底的に大和型に見える様に高千穂型戦艦の三番艦と四番艦の資材を組み込まれて魔改造された翌年の1944年の春には改装が終わり、そのまま第三機動艦隊へ編入となった。

 

 配属されてからの第三機動艦隊の初任務は『鵯越作戦』だった。

 

 同じく、鹵穫された巡洋戦艦フッドも空母に改装され、私達姉妹に護衛される形で同じ艦隊だった。艦隊の空母は旗艦である白鳳、魁鳳、元フッドの浅間、雲龍型の天城、笠置、葛城の六隻に戦艦は伊勢、日向(1936年の逆転和平の折りの軍縮会議で廃艦予定だったが、近代化改修で大和型に似た改装を施され主砲は41cm三連装三基へと変更や機関変更などで準高速戦艦に生まれ代わっている)、富士、白根だった。

 

 作戦は伊号四百潛型と準同型潜水艦によるハワイ、真珠湾の燃料タンクを焼き討ちにする作戦だった。第三機動艦隊はアメリカ軍の目をこちらに向ける為に第九次ミッドウェー爆撃をしたり、アラスカ基地やアリューシャン基地への奇襲したりもして陽動作戦は成功し鵯越作戦は成功する。しかし、鵯越作戦に参加した伊号の艦載機の晴嵐20機は全て未帰還となったがパール・ハーバーの燃料タンクは全て炎上したのだ。

 

 間髪入れずに、次の参加にも参加している。

 

 豪州オーストラリアを封鎖する南太平洋海戦、南太平洋空海戦にも第ニ機動艦隊と第五機動艦隊と連合艦隊を組んで参加。

 

 第三機動艦隊の旗艦である白鳳が潜水艦による雷撃で撃沈され、指揮官である大西中将は白鳳と共に運命を共にし、旗艦を魁鳳に移して源田実准将が引き継ぎ継続する。

 

 この時の連合艦隊の総指揮官は山口多聞中将がとり、この海戦と空海戦ではエセックス級空母四隻を空海戦で撃沈し、私の準姉妹艦であるサウス・ダコタ級のサウス・ダコタ、インディナアやアイオワ級のミズーリやニュージャージーを第ニ機動艦隊から派遣された四隻の戦艦(長門、陸奥、比叡、霧島)と第一機動艦隊から借りた大和と武蔵ともに夜戦に参加して撃沈。

 

 しかし、こちらも戦艦霧島、比叡が沈没し、長門と陸奥が大破した。

 

 比叡に座乗して夜戦での指揮官の山口多聞中将が瀕死の重傷を負ってしまった。

 

 しかし、向こうも空海戦でハルゼー中将が戦死、リー准将が夜戦で相次いで戦死し、双方の指揮官が戦死が目立つ海戦だった。

 

 海戦には勝利したが戦略的敗北で豪州封鎖にはならなかった。(オーストラリアはこの海戦を後に中立を宣言している)

 

 小さな小競り合いは在ったが、来たる1945年2月に発令された『あ号作戦』により全機動艦隊が珊瑚海に向けて出港し、同年の4月に日米の大規模な大海戦となった第ニ次珊瑚海戦でアメリカ海軍を撃滅したのだ。

 

 そんな事がアメリカ大統領が狂気の爆弾を使う理由になるとは誰も知らないままだったの・・・・・・・

 

 

 現在はウルシー泊地には山本五十六元帥が視察に来ていた。泊地には第一機動艦隊、第ニ機動艦隊、第三機動艦隊が集結し、連合艦隊旗艦である大淀に座乗して連合艦隊長官の小沢治三郎大将も次の作戦の話し合いをしていたのだ。

 

 そして、大淀には第一機動艦隊の司令である角田中将や第ニ機動艦隊の司令であり復帰した山口多聞中将、第三機動艦隊には新たに司令になった松田千秋中将らが集まっていた。

 

 私は何時もの様に艦長室にいる。

 

 「信衛疲れたの?」

 

 「何だ、ノースカロライナか。妹のワシントンとは遊ばないのか?」

 

 唯一、私を富士とは呼ばずにノースカロライナと呼んでくれる艦長だった。名前は森下信衛で階級は大佐で高雄や大和の艦長を経て富士の艦長をしている。そのおかげで今までの作戦では被弾をしていない。

 

 そして、妹のワシントンの艦長は第三機動艦隊司令の松田千秋中将の愛弟子の中瀬艦長だった。

 信衛と同様に私達姉妹が見えて触れられる存在だった。

 

 だから、ワシントンが中瀬艦長に夢中な様に私も信衛が大好きだったのだ。

 

 「ワシントンは中瀬艦長の所だよ。何だかワシントンは、今日こそはベッドに忍び込んで既成事実を作ってやるって息巻いてたよ。多分、また失敗すると思うけど・・・・・」

 

 「そうか・・・中瀬は妻にゾッコンだからな・・・・」

 

 私は腹いせに信衛の背中を抱きしめてみる

 

 「おいおい、俺はまだ仕事中だぜ?しかも、当たってる・・・・」

 

 「わざと当ててるのよ」

 

 「じゃあ、今夜は抱いて欲しいのか?」

 

 「信衛のエッチ・・・・私の口から言わせるの?」

 

 「ゴメン、ゴメン。不機嫌になるなよ。これで機関不調にでもなったら親父(機関長)に小言を言われる」

 

 「じゃあ、何かな?」

 

 「今夜は艦長室に泊まれ」

 

 「うん!」

 

 満面の笑みで信衛にニッコリ笑う。

 

 私の笑顔に信衛は頭を掻きながら照れ臭そうにしている。

 

 これが信衛の可愛いところでもある。

 

 二人のムードが良いときに限ってそうだろう。

 

 私のレーダーに一機の機影か移る。

 

 「あぁ、やっぱりこうなるのね・・・・・」

 

 『空襲警報発令!』

 

 「ノースカロライナ、先に対空指揮所にいけ!」

 

 「うん、分かった」

 

 私が対空指揮所に転移して行くとワシントンが私の艦に来ていた。

 

 「お姉ちゃん!」

 

 急に抱き着かれ、バランスを崩すが妹を優しく抱き留める。

 

 「白根、自分の艦に戻りなさい!対空戦闘配備中よ!」

 

 「お姉ちゃん、違うの!何か、怖いのが来るの!なんて言うのか分からないけど・・・・でも、直ぐに落とさないと!」

 

 「それは大丈夫よ。赤城と加賀に信濃から迎撃戦闘機の紫電改Ⅱが上がるわ」

 

 「分かった。お姉ちゃん、戻るね・・・・」

 

 妹の白根は自分の艦へ戻る。そして、妹と交わした最後の言葉だった。

 

 上空には三空母から出撃した、紫電改Ⅱの編隊がラムジェットを燃焼させてレーダーに反応が在った方に向かっていく。伝声菅から敵機の報告が上がる。

 

 『機体はB-29!数は一機』

 

 B-29戦略爆撃機・・・・・・

 

 紫電改Ⅱでも大丈夫な筈だ。

 

 しかし、妙だった。

 

 偵察だろうか?

 

 「ノースカロライナ・・・・・ノースカロライナ!」

 

 「あっ、信衛?」

 

 振り向くと信衛が対空指揮所に着いて私に話かけたのだ。

 

 「ノースカロライナがB-29が一機だけで変だと思っていただろう?」

 

 「うん、何か変だよ。妹が怖がってた・・・・・」

 

 「ワシントンは直感が冴えるからなぁ・・・・・」

 

 これが、私が最後に聴いた信衛の声だった。

 

 そんな時だった。

 

 B-29が何かを落としたのだ。しばらくして、パラシュートが開きゆっくりと第一機動艦隊の方へ落下していく。そして、少し風に流され湾の中心でそれは光った。

 

 ビッカァァァァァァァァァァァァァァァァ

 

 「まっ、眩しい・・・・・・・」

 

 そして、光の次に襲って来たのは凄まじい熱線だった。

 

 私もあまりの熱さに悲鳴を上げる。

 

 熱線により燃え盛る私の本体である富士。

 

 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!?熱い!全身が焼ける様に熱い!」

 

 後ろからも、悲鳴が上がっていたのだ。

 

 振り向けば、全身が火だるまになった信衛だった。

 

 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 「信衛!?」

 

 私も本体である富士が火だるまになる中、愛する信衛だけは抱きしめたかった。

 

 しかし、信衛を抱きしめようとした瞬間に爆風に襲われ、信衛を抱きしめる事が出来ず信衛は私の艦の装甲に焼き付く様に影を残して燃え尽きのだ。

 

 「あっ、信衛?あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?いっ、いゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 そして、襲い掛かる爆風は凄まじく妹の白根は構造物の全てが熱で溶けた様に破壊され、船体を二つに別れて轟沈し、爆心地だった第一、第ニ機動艦隊は全てが爆沈して蒸発したのだ。第三機動艦隊の面々も大破炎上しており、ウルシー泊地は火の海だった。

 

 妹の艦の影に船体が在ったため、私はかろうじて浮いていた。

 

 「うっぐぅ・・・・・ワシントン・・・・・・」

 

 「富士、貴様は無事だったか・・・・」

 

 私の後ろに居たのは大淀を護衛して第三機動艦隊に合流を果たした長門だった。しかし、長門も構造物がほとんどが破壊され、私も構造物のほとんどが破壊され尽くし、唯一無事な艦橋は夜戦指揮所から上は吹き飛んでいた。信衛の影が残る装甲板だけはむしり取り、私が抱きしめている。

 

 「長門は無事なのね・・・・・」

 

 「ワシントンは?」

 

 「妹は船体が真っ二つになって轟沈したよ・・・・・長門、陸奥は?」

 

 「似たような物だな。陸奥は大淀の護衛で隣に停泊していたから、蒸発したのだろうな・・・・」

 

 「船員は大丈夫なの?」

 

 「機関室に居たものは無事だが、他は壊滅的だ」

 

 結局、ウルシー泊地で残ったのは私と長門のニ艦だけだった。

 

 

 艦の船員も原子爆弾の放射能により全員が死に絶え、二週間が過ぎた。

 

 泊地内で漂流する私達もとうとう沈む日がやって来た。

 

 

 

 湾外に見えるのは戦艦アイオワ率いるアメリカ艦隊だった。

 

 主砲はすでに私と長門に向いており、艦橋の上から見下ろす彼女(アイオワ)を忘れない。

 

 絶対に妹の敵を取ってやる。

 

 いや、絶対にぶん殴ってやる・・・・・・・

 

 と睨み思いながら私は静かに目を閉じたのだ。

 

 そして、アメリカ艦隊の戦艦群は主砲を放ち、降り注いだ砲弾は全て命中して私と長門を撃沈したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は死んだはずだった。

 

 

 

 おかしい?

 

 

 

 何故かって?

 

 

 私は女性の姿で浜辺に倒れていたからだ。

 

 いや、違う。

 

 かつて、艦魂だった私が肉体を持っていたのだ。

 

 浜辺には私の物であろう、浜辺に突き刺さる様にマストを象った傘や三連装の主砲などの擬装らしき物が散乱していた。

 

 「私、生きてる・・・・・・・どうして?」

 

 と私は疑問に思いながら、生きていることに自分を呪いながら意識を手放したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 戦艦富士

 

 基準排水量 48000トン

 

 満水時 52000トン

 

 水線長236m

 

 機関180000馬力

 

 最大速力29ノット

 

 武装

 

 主砲 45口径41cm三連装      三基

 

 副砲 65口径10cm対空対艦両用砲 十ニ基

 

 機銃 40ミリ連装機関砲      八基

 

    25ミリ三連装機銃     三十基 

 

    25ミリ単装機関砲     二十基

 

    カタパルト         一基

 

    水上偵察機         三機

 

 

 

 

 元はアメリカ海軍が建造したノースカロライナ級戦艦である。就航と同じくして姉妹艦のワシントンと大西洋艦隊での訓練と対空火器の強化を経て1942年にシンガポールのアジア方面艦隊へ配属されるが、開戦と同時に空挺師団により占領され鹵穫される。日本に運ばれた後に大和型と同じに見える為、大和型の様に改装されて富士と改名し第三機動艦隊に配属される。

 

 数々の作戦をこなして来たが、1945年6月にウルシー泊地に原子爆弾を落とされて主力の機動艦隊が全滅して妹の白根が爆心地に近かった為に瞬時に轟沈。沈没はかろうじて逃れたが船員は機関部を残して全員死亡する。

 

 二週間近く、ウルシー泊地内で大破し漂流状態だったが反撃に出たアメリカ艦隊の砲撃の的にされて沈没している。

 

 艦娘になってからはアイオワとアメリカ艦娘を完全に目の敵にしている。

 

 

 富士の見た目は金髪でポニーテールで纏めている。目は淡いブルーである。ただ、服装と擬装は大和型を意識して改装された為に大和と全く同じであり、見分けるなら身長が低くく服装の色で緑である。また、首にはネックレスをしており大好きだった信衛が焼きついた装甲板を模ったタグが付いている。

 

 ただし、本体を召喚した時は自室に立てかけて大事にしている。

 

 

 富士型が早く就航出来た理由については、準大和型である高千穂型高速戦艦の三番艦と四番艦の擬装を流用して改装しブロック工法を用いたため一年の改装で就航出来たと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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