最近の小学生が大学生時代の俺よりもしっかりしている件について 作:全裸羊ローブ
俺には前世の記憶があるらしい。
何故らしいのかと言えばそんな感じの記憶があるからだ。
経験したことのない筈の記憶を鮮明に覚えているというのは何とも奇妙なことであり夢ではないか?と思うが、何故か自分自身が夢ではないと確信している。
しかし、俺の前世って普通のサラリーマンかと思えば超絶ブラック企業で過労死したんだっけ……
思い出したくもない、ようやく就職した職場が人間関係が壊滅的で新入社員1年目の時点で残業360時間超えるとか…
しかも残業代とかつかないし……
そして30歳を待たずして俺は脳内出血で死亡した。
労働基準法まるで無視だったからな俺の死んだせいでたぶん告発とかされてるだろう。
むしろされてろ。
そんなまるで思い出したくもない前世の記憶を鮮明に思い出す切っ掛けになったのは、幼稚園の時にブランコで立ち漕ぎしながら飛び降りて体勢を崩して地面にそのまま頭をぶつけて救急車に運ばれたからだ。
目が覚めたら親が心配してて泣いていたけど、その後にすげー怒られた。
「バカだバカだとは思ってたけど、本当に気を付けなさいよ!?私達が守ってあげられる事にも限界があるんだからね!」
という言葉には正直な話グサッと心に突きつけられた気持ちだった。
昨日まで「犬のうんこだー!うんこだ、うんこ!」って、はしゃいでいた自分が途轍もなく恥ずかしい。
いやまぁ、幼稚園児の頭がちょっとおかしい子供ってそんなんだったし、前世の時のそん時の俺なんてカメラ向けられてたら自分の恥部を全力で見せに行ってたから……まぁうん、普通だわ普通。
というかそう思わないとやってられないからね!
それにしても我ながら無茶したと思う。
中学生の子達がそういう遊びしててマネしたくなってやったんだけど、足がもつれてそのまま地面にシュウゥゥゥウト!!
どっかのツクダさんオリジナルの勢いでゴールした。
母親は主婦友達とお喋りに夢中で気づかなかったらしい。
子供から目を離すのは止めようね、俺みたいなのがいるから……いや本当にすんません。以後このような事がないように気を付けたいと思いますので、お尻をペンペンするのは本当に勘弁して下さい。
いや、腫れてるから!猿の尻位に真っ赤に腫れてるからぁぁぁ!これ以上はらめぇぇぇぇぇぇ……
しかし、何で幼稚園児なのにこんなにはっきりした思考回路できるんだろう?これも前世の記憶のおかげなのか?
尻を保冷材で冷やしながら思い出している限りでは、幼稚園児の時は積み木とか粘土で遊びたい、先生のオッパイ揉みたい、友達の兄貴のゲームしてる姿を見てスゲー、幼稚園でうんこしたらウンコマンになるから家に帰ってからじゃないと出来ないetc……
そんな感じで手先が器用じゃなく大まかな事しかできなくてピンクの悪魔ぐらいしか粘土で作れないし、粘土を口に咥えてオェって吐きそうになるし、考える事は殆どエッチィことと遊ぶことだったのに……
うん。
やっぱり、小さい頃の俺って頭の悪いガキ代表じゃね?
……まぁ良いか!
そんな尻を痛めた日の晩、検査して何事もなかったからそのまま退院した。
状況を整理してみると、前世の記憶に引っ張られたのか思考が大人よりになってしまったみたいだ。
まぁでも身体は子供なんでピーマンすげー苦手なんだけどね。
舌の味覚も子供に戻ったみたいだし、ビールとか今飲んでも不味くて仕方ない、親父に飲んでみても良いかと聞いてみるとこっそり舐めさせてもらったけどゲロ苦い。
苦くて堪らん。
そして母親にそれがバレてビールを取られて親父が涙目になってる……正直すまんかった。
いや、ビールとか興味本位でも飲んじゃダメなの分かってるよ?でも舐める位でそんなに指をポキポキ鳴らさなくてもよろしいのではないでしょうか?そんなに手首もコキコキさせなくても良いのではないでしょうか?
……手首コキコキって卑らしいな……
え?何で僕の赤くヒリヒリしている可愛いらしいオケツを丸出しにしているのですかお母さま?
いやいやもう流石にオケツが2つに割れてしまう位に痛めてしまってますけど?
あれ何でそんなに怒ってるの?いや今日の事をまるっきり反省してないなら身体で思い知らせるのが親の務めだって?
……ら、らめぇぇぇぇぇぇ!!!
氷枕に尻を乗せ、体育座りで嘔吐きながら今後の事を考えたが、結局のところ前世の知識はあるけど、それを使って良い事があるかなんて分からないし、小さい頃から勉強出来て神童とか呼ばれたりでもしたら高校生ぐらいになったら勉強について行けなくなって社会的に挫折を喰らってそうな感じがしてならないんだわ。
なら俺はゆっくり普通の子供として成長する事に決めた。今度はコミュニケーション能力を上げまくってなんとかホワイト企業に就職する事が目標である。
実際にコミュニケーション能力って社会に出てから思うがめちゃくちゃ大事なんだよなぁ……
はぁ……頑張って育てようと思う次第です、いやマジで。
それと母親に怒られない様にしよう。
もう流石にこんな真っ赤なお鼻のトナカイさんみたいな尻になるのは嫌だわ。
そんなこんなで前までやってた行動を出来るだけ無理のない範囲でしながら勉強もチラホラしつつ私立の小学校にお受験して主席の8つ下ぐらいの成績で合格した。
そしてその頃にはブランコは撤去されてしまったらしい……
いやはや何と言っていいのか分からんが本当にすまんかったと思ってる。
ブランコとかシーソーとか何か回転するジャングルジムみたいな奴とかは危険だから撤去されまくってて悲しくなるなぁ……
○
さて、そんなこんなで小学3年生になった俺の思ったことでも少し語ろうか。
いやそんなに皆が聞きたいような話でもないしむしろ俺がこのクラスになってから思っているだけなんだけど。
「アンタ達将来のことについて考えてる?」
と放課後の帰り道で金髪の女の子が友達にそう言うのである。
授業で将来の夢というテーマが道徳であったのでまぁ会話の流れとしては極々普通。
この歳の女の子ならばケーキ屋さんとか花屋さんとかそういう感じの話題が出てくるのが俺の前世の頃は普通だった。
「そうだね、私は家業を継がなくちゃいけないのもあるし、理系の大学に進学しようと思ってるよ」
「そうなの?私はとりあえず海外の大学で単位を取らなくちゃいけないのよねぇ……日本の大学よりも欧米諸国の方が良いって父から言われてるし、確かにうちの会社って海外企業とも繋がりがある関係上必要な事でしょうからね……」
うん……
この話を聞いていたら最低でも高校生辺りの会話だと思うじゃん?
でもこの子たち小学3年生なんだよね。
そういう成人した大人みたいな会話を当たり前の様に行うのだこの二人。
いやいや、いくら前世の記憶的なものがある俺だとしてもこの会話は異常と思う訳よ。
俺が小学生の時の会話で将来の話とか思い出した時に「大金持ちになりたい」とか「スポーツ選手になりたい」とか漠然とした答えしかなかったし、そんな将来的なモノを考えて大学の何学部に行きたいとか言う言葉なんて出てこねえよ。
てかその当時は大学って中学の次に進むと思ってたし、そもそも学部の意味を知らなかったわ!
家を継がなきゃいけないとかもそんな事考えてた奴なんて小学3、4年生の時はいなかった。
例えいたとしても、家業を継ぐために何していいのか分からなくて困るのが普通じゃねぇの?
家の手伝いしたり、両親や先生に聞いてみて「いっぱい勉強することだよ!」とか言われたりするもんじゃねぇの?
何なの?
時代が変わって小学生がワープ進化して、そんなまともな話するようになっちゃったの?
コロモンからオメガモンになる位の超絶ワープ進化じゃね?それ
大体、俺なんか小学3年生の時なんかの夢は「でっかくなる三分間しか活動できない宇宙人」とかだぜ?
まだサンタクロースとかちょっと信じてた時だぜ?
「私はまだ分かんないかなぁ……」
そう!それだよ!お前が正しいよ高町!!コイツ等の頭が発達し過ぎててるだけだよ!
「なのは……あんたね、未来なんてすぐ来るのよ?小学生の時ぐらいになりたいもの決めておかないと後々になりたいものが決まった時に大変よ?」
「そうだね、将来的な事も考えて中学に入る前には決めておいた方がいいと思うよ?」
え?
お前等マジでそんな事思ってんの?
俺なんか高校の時も成績で漠然と大学行った人間もいるのにそんな事言っちゃうの?
全く興味もないけど学力と学費と通学時間とか考慮して決めた俺の立場なくない?
そりゃ高校卒業する前には将来何になりたいからどこの専門学校行くとか、大学の何学部行くとか言うやつはたくさんいたよ?でもお前等まだ小学生じゃん!
というか一回社会人経験した俺ですらまだ具体的には考えてないのに……
いやそれは俺が悪いんだけどさ、夏休みの宿題とかって提出期限を一回過ぎてから出す派だったんだよね。
「先生、宿題持ってくるの忘れたので明日出します」
って何回誤魔化したか、いや多分誤魔化せてないと思うけどね。
まぁそれは置いといて小学生ってカレー味のうんこかうんこ味のカレーどっちを食べる?とかで真剣に話するくらいの年頃じゃん!
雪とか降ったら授業中でも窓際に走りだして「すげーすげー、雪合戦しようぜ!」とか言う年頃じゃねーの?
「バリア張ったから無効です」「バリア貫通するビームだからお前が鬼ですー」とか屁理屈言ったり言われたりして泣いたり怒ったりする年頃じゃねーの?
何なの俺の小学生時代の偏差値が低過ぎたの?
何なの?俺がおかしいの?もしかして俺ってファンタジーな世界に来ちゃったの?
こんな子供がしっかりしてる世界なんてあり得ないって。
いや本当に俺みたいならまだ分かるけどさ、そうじゃないならコイツら相当天才だぞ?
「私の家、喫茶店してるからそこのお手伝いしてるくらいだからなぁ、お母さんが喜んでくれると嬉しいし……でもアリサちゃんもすずかちゃんも凄いなぁ。将来の事なんかまだ全然分からないや」
ぅぅ、高町…お前すげーよ、家の手伝いしてるだけでも偉いよ!
俺なんかお駄賃目当てで風呂洗ったり食器洗いしてるぐらいなのに……
「もう……私たちが色々教えてあげるから頑張りましょうね?」
「うん、ありがとう!」
いや限界だわ!喋りたくて突っ込みたくて限界だわ!
いいや話させて貰うぞぉ!
「だぁああああ!お前等何なの?さっきから難しい事並べやがって本当に小学生か!?」
「あんた急に出て来て何よ!?」
その辺についてはすまんと思ってるが話させて貰うぞ!
「お前等の考え方に間違いはねぇ!だけどお前等は小学生だろうが、小学生の中学年なんて将来の事なんか普通考えないの!考えたとしてももっと漠然としたものでそれをどうやってなれるかを真剣に考えて図書館で調べたり親や先生に聞くもんなんだよ!」
「え、え?何?高松君だよね?急に何?」
紫色の髪の毛してるお嬢ちゃんも俺の話を聞いてもらうぞ!
「だから高町にそれを押し付けるなっての!大体将来の事なんざ大人になっても分からないし、夢なんてコロコロ変わるのが普通なんだよ俺らの年齢は!
だから一個の事だけで決めつけるとあとあとになって他になりたいものがあっても選択肢が狭まるんだよ!
成りたいものがこの年齢の内に決まるのは良い事に違いないが、選択肢を狭めて良い事なんか一つもない!
いいか?小学生は無限の可能性を秘めてる。それは何にでも興味を持つし興味を持ったらその事でフルパワーで突っ込むからだ。
お前等の考え方を押し付けるような事は辞めておけ、友達だから心配とかは分からんでもないが……
いや俺にはあんまり分からんけど、それでも悩むのは成長してるから悩むんだ手助けは良いけど強要は絶対にダメ!分かったかこの偽物小学生共!!」
何かとりあえず言いたい事を言ってスッキリしてきてしまった。
「高松くん?」
「そもそも何でアンタにそんな事を言われなくちゃ行けない訳!?」
金髪さんが怒ってらっしゃる……
いやだってね限界だったもん。昔の俺が全否定されてるみたいで……
「お前等が年齢の割に枯れている会話をしていたから気になっただけだよーだ。べぇー」
「いやアンタの方が大人っぽい……というかジジくさいわよ?でもガキ臭いわねそれは……!!イライラする」
と金髪の少女は怒っている。それで良いんだよ。気にくわない事は感情を表に出してそれを相手によって使い分けて行く事が成長に繋がる訳だからな!
うんうん。
「イライラするって言われて凄い頷いてるんだけど何コイツ……」
いやぁまぁ正直あんまり知らない奴にこんな事を言われたら怒るのは当然だよなぁ。
まぁ心の片隅にでも残ってくれたらそれで良いんだよね。
とりあえず言い過ぎたのもあるし素直に謝っておくか。
「いや俺の考え方を押し付けるようなマネしてすまんかったな。爆発しちまったわ。あんまりにも小学生らしくないこと言うもんだから……」
じゃあ帰るか晩飯何かなぁ……
と思っていると金髪に肩を掴まれた。何でじゃ?
「高松だっけ?そういえば普段ふざけてばっかなのに学年6位なんですってね。先生から聞いたわ」
まぁそこそこ勉強できた方が良いって分かってるし、こんなん言ってみたらチートだから別に自慢にもならん。というか自慢したら自分が惨めになるだけだしね。
「へぇー学年6位なんて凄いんだね高松君」
「え、6位の子ってアリサちゃんの言ってたあの子の事?」
うん?何やら雲行きが怪しくなってきたような……
「そう一番簡単な物だけわざと間違えるって先生がいつも嘆いていたあの6位の子よすずか」
確かにケアレスミスしておっちょこちょいのイメージをつけたかったから仕方ない。
「確か間違えて球の体積求める問題出したのを正解した子がいるって……」
あっ、そういや何かおかしいなぁ……でもコレ習ったよなぁ小学生の時ってこんなの習ってたっけ?
って感じで解いた奴だわ。
公式とかわざわざ使って求めたわ。でもπとか小学生の段階で使ってないから3,14で計算してややこしかった奴だわ。
「そうよ球の体積なんて中学生じゃないとやらない問題を解けるアンタ……一体何者な訳?」
「そういえば意外と成績いいもんね高松君」
高町がそう感心した様子で言ってくれるが割りとどうでも良い。
そもそもの話、前世の記憶なんて持っているせいかは分からんが感覚的には孫みたいな彼女等の会話とか間違ってると思わん限り特に何も言う気もないわ。
「父さんがたまに教えてくれるんだ。球が出て来たから中学生になったらこんな勉強するんだぞーって感じでね」
ふ、小娘を欺く事など造作もないわ!
「ふーん、熱心なお父上みたいね」
「お父上って……言葉のチョイスがお嬢様過ぎだわ。別にフォーマルな場面じゃないんだからお父さんで良いと思うぞ?使い分けも大切だからな」
「……あんた本当にあの高松?」
何故信じていない……
いや確かに普段から「うんこ、うんこ!」とか言って大便行ったりするけどさ。レッテル「うんこまん」になってるけどさ何が悪い生理現象だから仕方ないじゃろ!
「別に何でも良くね?俺は小学生だし、お前らも無限の可能性を秘めた小学生。無限の可能性を一つに絞るから成功する訳でもないし、その一つに絞った可能性が壁にぶつかった時の反動も大きい訳だし、別に壁を登らなくても回って迂回できると思わね?
その時に迂回できるには他の可能性が必要な訳よ。
夢に向かって一直線でも良いけどさ、夢に向かうまでの回り道も夢に繋がってるんだから気長に一緒に見つけてあげてねって話がしたかったんだわ」
夢があれば偉いのか?
そうじゃないだろ。
夢があればそれは良いことだ。
でも夢を諦めるというリスクも転がってるんだ。
野球選手を目指した男の子が絶対になれないんだと悟る時の絶望感のように…
夢を叶えるには早く準備した方がいいがそれだけではダメだ。
夢は必ず叶うなんて事はあり得ない。
何が起こるか分からないのが人生だ。俺もまさか前世の記憶があるなんて思ってもなかったしなぁ……
「んじゃ高町、バニングス、月村
また明日学校でな!バイビー」
うんうん、良いこと言ったと自分でも思っ……ぐふ!誰かに首ねっこ掴まれてるんだけど!
「ふん、アンタは意外と面白い事言うじゃない。確かに筋は通ってるわね」
「気持ちが篭ってたね」
「先生とかのお話みたいだったよ!」
なんだよ!
俺の用件終わったから家に帰って「おっかさんと一緒」とか「ひとりでもできるや!」見たいんだけど……
「そんなに言うならアンタの夢を教えなさいよ!私達ばかりでズルいと思わないの?」
うんうんと頷く小学生3人組、なんだお前らズッコケしそうな感じがするな。小学生の時に読んでるから余計にそのネタ思い付くわ。
でも確かにズルいっちゃズルいかな?
まぁ現状の俺の叶う訳がない夢でも言ってやるか。
「魔法使いから卒業したい」
うん、合計40年近く童貞とかマジで嫌なんだわ。
俺のこの発言が全ての始まりである事を俺はまだ知らない。
最近のアニメとか漫画みて多々思う事を書いてみた。
まだ「お前んちお化け屋敷!」とか言う高学年なら分かるんだけどね……
まぁ今の小学生と昔の小学生を比べてみたらネットで情報が何でも入る時代だから確かに大人になるスピードも速くなるんだろうけどさ、それでも書いて見たかったので書かせて頂きました。
多分続編はない
※2026年2月11日2000頃に誤字を修正及び、個人的に分かりにくい表現の部分を編集しました。
ここ好きをして頂いた方には申し訳ございません。