ファイアーエムブレム Echoes ~たった一人の竜騎士~   作:ユキユキさん

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フォーグルさん、クリストミスさん、架空摂理さん、感想ありがとうございます!


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第4話 ~さらば、お子達よ

ーアルムー

 

僕は見惚れてしまった、じいちゃんの戦いぶりを、ユキの戦いぶりを。・・・じいちゃんが強いのは分かっていた、僕の師匠でもあるから当然だ。ユキが強いのも分かっている、たまに稽古をつけてくれるから。あからさまに手抜きで、テキトーに教えてくるけど・・・強いってことは分かっていたんだ。

 

・・・でも、墓地で戦っている姿は稽古の時とは違う。獰猛な笑みを浮かべているユキが、普段のやる気がないユキとは似ても似つかないのだから。そして何より、ユキと共に戦う竜。伝説上の生物である竜と共にあるユキ、・・・一体ユキは何者なのだろうか?僕は勿論のこと、たぶんセリカも、エフィ達も知らない。ユキは、その竜は、どういう存在なのか?・・・じいちゃんは知っているのかな?

 

それと戦う前に叫んだユキの言葉、・・・目に焼き付けろ。・・・言われなくてもそのつもりだった、・・・僕はまだまだ弱い。命の危機に面した時、恐怖で身体が動かなかった。そしてユキに助けられた、・・・僕は自惚れていたのだ。それが分かったんだ、・・・僕は弱い。ユキの言う守る為の戦いをするにも強さが必要。そして何より、心を強くしていなければならない、それが何となく分かった。

 

・・・竜のことが凄く気になるけど、今は二人の戦いぶりを見なくちゃ。今の僕にはそれが必要なんだ、言葉では教えられない何かを感じること。この戦いで少しでもいいから学ぶんだ、そうしなくちゃ強くなれない。エフィを、セリカを、グレイ達を、村のみんなを守れない。守る為の力を僕は手に入れる、・・・今日この日から、この目の前の戦いを前に誓う!僕は・・・、強くなる!!

 

 

 

 

 

一方的な戦いの中、アイツらは逃げていった。ユキとじいちゃんが勝ったんだ、数をモノともしないで!

 

「やったぁ!ユキ兄とマイセンさんの勝ちだ!!」

 

グレイとロビンが飛び出してきて喜んでいる、ユキとじいちゃんも僕達の下へと戻ってくる。

 

「ユキ、じいちゃん。アイツら逃げていくよ!・・・やったね、ユキ、じいちゃん、セリカ!」

 

「「「・・・・・・・・・。」」」

 

僕はそう言って三人の反応を見たんだけど、・・・黙ったままだ。どうしたんだろう?嬉しくないのかな?グレイにロビン、クリフははしゃいでいるし、エフィも安堵の表情を浮かべて僕の隣にいる。セリカも無事だし、ユキとじいちゃんも無傷。とても喜ばしいことだと思うんだけど、どうかしたのかな?

 

「どうしたの?元気ないね。ユキとじいちゃんは、アイツらから僕達と村を守ったんだよ!・・・嬉しくないの?」

 

守る為の戦い、それに勝って守ることが出来たんだよ?どうしてそんな顔をしているの?

 

僕が怪訝な顔をしていると、

 

「違うの、アルム。そうじゃないの・・・。」

 

セリカが悲しそうな顔をして小さく呟く。セリカ・・・、どうしてそんな顔をするの?そう思っていると、

 

「アイツらに、ここに居ることを知られてしまったからには万が一を考えて、セリカはこの村を出てゆかねばならん。」

 

今まで黙っていたじいちゃんが、そんなことを言ってきた。

 

「・・・・・・えっ?ど、どうして?何でそうなるんだよ。・・・嘘だよね?セリカ。」

 

じいちゃんの言葉に動揺してしまう。聞こえていたんだろう、グレイ達も動きが止まり、エフィも僕の袖を掴んでくる。きっと浮かれている僕に、僕達を諌める為の嘘だよね?そんな望みを込めて、セリカに聞くも・・・、

 

「・・・・・・ごめんね、アルム。約束、守れなくてごめんなさい・・・。」

 

聞きたくない答えが返ってきた。

 

僕はセリカの答えを聞き、

 

「そんな・・・謝らないでよ、セリカ。まるで、本当に出ていくみたいじゃないか。」

 

僕は狼狽える、信じられないと。しかし・・・、

 

「さぁ、ぐずぐずしている暇はない。村へ戻り、支度を整えるのだ。セリカ。」

 

「はい、おじい様・・・。」

 

じいちゃんとセリカはそう言って、村へと戻ろうとする。そんなこと・・・!

 

「待ってよ!待ってったら!!ねぇ、じいちゃん。ちゃんと教えてよ!!何でセリカが村を出ていかなきゃいけないの!?・・・ユキ、ユキからも何か言ってよ!セリカが・・・、セリカが・・・!!」

 

さっきから何も言わないユキ、ユキなら・・・きっと!

 

でも・・・、

 

「そうか、セリカはこの村を出ていくのか。なら、丁度いいのかも知れない。」

 

そんなことを言う、・・・何を言っているのさユキ!セリカが出ていこうとしているんだよ?何でそう冷静に・・・、

 

「・・・俺もこの村から出ていこうと思う、今すぐに。」

 

ユキの発言に僕は固まる、グレイ達も目を見開く。セリカも振り返る、泣きそうな顔で・・・、

 

「えっ・・・?今、何て・・・?」

 

何が起きているの?セリカだけではなくユキも?何で・・・?

 

───────────

 

ーセリカー

 

とても悲しいけど、おじい様の言うように・・・私は村を出なくてはいけない。これ以上みんなを、村を危険な目には遭わせられないから。みんなとは会えなくなる、アルムと、・・・何よりユキさんと。それはとても悲しいこと、でも・・・このことはおじい様と決めていたことだから。もし見付かったら出ていくと、・・・決めていたから。

 

約束をしたけれど仕方がないことなんだ、・・・みんなと離れ離れになるのは。でも、私が村から出ていっても、みんなはここに居る。そう考えれば、我慢は出来る。遠く離れてしまっても、ラムの村を思い浮かべれば、そこにアルム達が、ユキさんが居ると思えば・・・。短い間だったけど、素敵な出会いがあった、大切な友達が出来た、大切な・・・想いを私に与えてくれた人がいた。その繋がりは消えないよね?・・・繋がり続けるよね?私達はこのラムの村を通して繋がっているよね?村を想えば、大切な人達が居る、私にとって・・・とても大切な場所。

 

おじい様に促されて、みんなに背を向ける。出ていく準備をしなくちゃ、そう思いおじい様に続こうとしたんだけど、

 

「・・・俺もこの村から出ていこうと思う、今すぐに。」

 

背中越しに聞こえた言葉に、私の心が凍りつく。・・・この村の思い出が、この村を思ってこそ・・・そこに居るであろう人の姿が、すがりたい姿・・・心に刻んだ情景からその人の姿が、消えてしまう。・・・ユキさんが、・・・消えてしまう。

 

何故かそう思い、何とも言えない感情の渦が心を乱す。何が何やら分からない、分からなくなっちゃうよ。・・・分からないまま、泣きそうな心のまま、私は振り返る。そして・・・、

 

「やらなくてはならないことが出来た、・・・この村を守る為に。まぁ、面倒ではあるんだがな。それに、お前達の目に映ることが全てだ。俺という存在を知られたからにはな、・・・留まることなど出来る筈がない。」

 

ユキさんはそう言った。

 

村を守る為に、目に映ること、ユキさんの存在・・・。ユキさんと共に、竜の姿が目に映る。そして先程、ユキさんは騎士達を退けた。・・・ユキさんは私と同じ?私が見付かったから?守る為に戦ったから?ユキさんの、竜の存在を知られたから?

 

・・・私、・・・私のせいだ。私のせいでユキさんが、・・・村から出ていかなくちゃいけなくなったんだ。私の目から涙が零れ、気付いた時にはユキさんの胸に飛び込んで泣いていた。泣きながら見上げてみれば、ユキさんはとても困った顔をしていた。

 

────────────

 

ーユキー

 

村を出ていく、俺はそう言った。あの騎士達を追い払ったはいいが、報復・・・それとセリカの命を狙って軍を差し向けるかもしれない。あのリーダー格、やりそうな気がするんだよね。今から追撃して、何かしらの手・・・釘を刺さねばならない。最後まできっちりやらんと、面倒だが守る為だ。

 

それと、俺の存在が知られたからには・・・、このことについても口止めというか釘を刺さないと。竜を操る騎士なんざ、アカネイアには居るけど、この大陸にはいないからな。まぁアカネイアの竜騎士とも違うがな、特に竜が。

 

・・・アルム達にも知られたな、そういえば。アルム達にも口止めしないとな、普通に口止めしても効果は無いと思うが。・・・普通に口止めをして村に留まっても、俺が近くに居る安心感からポロリ・・・っていう展開になりそう。そうなるとやっぱり、村を出るのが一番だよな。詳しい理由を言わずに出ていけば、自分達の行動のせいでは?と思い至って、罪悪感やら後悔やらで話すことは無いだろうと俺は読む。・・・まぁある意味、無言の圧力か脅迫か、褒められる行為ではないっていうのは確実だが、・・・しゃーなしと思うしかないよな。

 

そう考えての発言で、セリカが村を出るって状況に便乗するか、・・・っていう軽い気持ちで言ったんだけどね。何ていうか、アルムの呆然とした顔、グレイ達の悲しそうな顔、そして・・・俺の胸で泣くセリカに、俺の方が先に罪悪感を覚えましたよ、・・・俺はタイミングを盛大に間違えたらしい。・・・セリカのことだから、絶対に自分のせいだって思っているよね?この状況。

 

・・・さて、どうするか。そう考えたところで特に何も思いつかず、予定通り・・・詳しいことを言わずに強硬しましょう、許せ・・・お子達よ。

 

 

 

 

 

・・・実際、騎士達を追い払ってからそこそこ経つ。追撃せにゃならん俺には時間がない、だから俺は、

 

「このまま慰めてやりたいんだが、・・・セリカ。」

 

そう言ってセリカの肩を優しく押して、俺の胸から離す。そして・・・、

 

「仕方がないにしても俺達は、今日この日から違う道を歩む。だがなセリカ、別々の道を歩んだとしても、俺達の道は繋がっているんだぞ?お前が自分の足で、自分の意志で、しっかりと歩んでいけば、きっとその道は俺達に繋がる。」

 

そう言って頭を撫でるも、不安の色を消せずにいる、涙も止まらない。・・・どうすれば?と内心焦り、思い付く。お気に入りだけど仕方がない、物でどうにかしようとする俺マジでダメ男!とか思いつつも、常に装備をしていたこの首飾り、外してセリカに着けてあげる。

 

「・・・ほら、これをやるから泣き止め、・・・な?・・・俺の相棒であるイドゥンの鱗で作った首飾り、所謂御守りってヤツだ。そうだな・・・、約束の証って思えばいいんじゃないか?・・・再会の証。・・・ったく、泣き虫セリカにだけ特別だからな?」

 

これで泣き止んでくれよ?・・・ダメなら知らん、お手上げである。

 

・・・マジで時間がない故に、セリカからアルム達に向き直る。

 

「アルムにグレイ達、世話になったな!なかなかに楽しい生活だった、メンド~なことが多かったけどな!・・・セリカにも言ったが、お前達も自分の足でしっかりと歩めよ?そうすれば、また会うことも出来るだろう。」

 

アルム達にそう言いながらも、逃げるようにイドゥンへと騎乗する。アルム達にまで引っ付かれたら、・・・追撃が出来なくなるからな。

 

「本当ならこのまま別れて、これから先・・・再会することがないっていうのが一番なんだが。これは・・・神のみぞ知るってところになるだろうか?」

 

そう言って、イドゥンと共に空へと舞い上がり、

 

「俺の借り受けていた家にある物は、お前達が好きにしてくれればいい。セリカ、アルム、・・・まぁ頑張れよ?グレイ、ロビン、クリフ、エフィ、・・・壮健でな?・・・さらば、お子達よ!!」

 

とか言って、この場を名残惜しむことなく後にする俺でした。

 

 

 

 

 

セリカとアルム達には悪いと思っている、けれど時間がないってことも事実なわけで。特に泣いていたセリカには・・・な、気の利いた言葉の一つも言ってやれてないし。最終的には物で何かしようとかって、ダメダメっすね?俺。・・・気の利いた別れすらも、俺にはハードルが高いぜよ。お子達よ、自分達で何とか纏めてくれ。




因みにユキさんの容姿は、

幻想水滸伝2のルカ・ブライトにフリックみたいにバンダナ巻いて、頬に大きな傷が付いている姿を思い浮かべてください。


・・・かなりの悪党顔ですねw
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