ファイアーエムブレム Echoes ~たった一人の竜騎士~ 作:ユキユキさん
ボチボチ。
ーユキー
ニーナ王女の決意を聞き、俺は打倒ドルーアに協力することにした。スレイダーも多少の葛藤があったようだが、最終的には協力することにしたみたいだ。まぁ協力しなければ、見知らぬ大陸にて一人ぼっちになるからな。・・・選択肢が無かったというのが正しいか、共に行くというのなら・・・見捨てはしないから安心するといい。・・・俺とスレイダーは、こそこそとそんな感じで今後の方針を決めた。
・・・で、ニーナ王女は俺達にきちんと名乗ったのに俺達ときたら、・・・名乗っていなかったことに気付いた。俺達二人は、ニーナ王女の前にて片膝をつき、
「私の名はユキ、他大陸より来ました竜騎士です。王女を救い出会ったことは一つの縁、そして貴女の決意を聞きその心に感銘を受けました。我が武を貴女の為に振るいたい、そう思った次第にて・・・。ニーナ王女、我が剣を受け取ってもらいたい。」
「私の名はスレイダー、同じく他大陸より来訪した騎士であります。貴女の高潔さに心打たれました、以前の私を殺す為に貴女の下で働きたい。我が剣を貴女の為に。」
それぞれニーナ王女に礼を尽くす。頭を垂れている為その表情は分からないが、雰囲気からして驚いているっぽい。まぁ他大陸の悪党顔が、『配下にしてください!』と言っているのだから当たり前だろう。・・・さて王女様、この返答は如何に?
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ーニーナー
私が大陸の情勢を分かりやすく教え、その後改めて救出の礼を言った。私を救ってくれた方は口元を緩めて微笑を返してくれたが、連れの方は何やら複雑そうであった。どうしたのだろうか?私はそう疑問に思ったのだが、彼の言葉を聞いてその表情の意味を知った。・・・アカネイア聖王国の末路、そして大陸の未来について。それを語った後に、『貴女はどうするのか?』と問い掛けてきた。その言葉に私は口を閉じ、自身の心に問い掛けた。
その結果、私は自身の心より託された使命を、大陸と人々を救うことを決め、努めて冷静にお二人へと答えた。私の答えを聞いたお二人は、互いに顔を見合わせ幾つかの言葉を交わした後に、私に向けて剣を差し出してきた。私はお二人の行動に驚く、名と共に他大陸出身と語ったその口で、私の力になると・・・そう言われたのだから。滅び行く国の王女に、使命しか持ち合わせていない元王女に、力無きただの女に剣を捧げるというのだ。そんなお二人の気持ちに涙する、無関係であるお二人が私に・・・。
これから先、打倒ドルーアに向けて行動をしなければならない。その道はきっと長く険しく、苦難の連続だと安易に想像が出来る。私一人に何が出来るかと考え始めた矢先の申し出に、嬉しさと共にお二人を巻き込んでもいいのか?そういう気持ちの葛藤が心の中で起こる。しかし私一人では実現出来ぬ現状に、ありがたくその剣を受け取ることに決めた。私は、
「お二人の剣、ありがたく受け取らせていただきます。大きな使命を持ちながらも、何もない私はお二人の手にすがる他・・・道がありません。これから先、お二人には多大な苦労を掛けるでしょう。今は頼りない私ですが、それでも私と共に歩んでくれますか?」
そう涙しながら・・・お二人に言った。お二人は声を揃え・・・、
「「我ら二名、王女と共に歩むと誓いましょう!」」
・・・そう、返してくれた。不甲斐なくも私は、溢れる涙を止められない。本当に・・・、私は情けない・・・。
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ーユキー
・・・王女の言葉を待っていると、王女に向けていた剣が手から離れる。そして、王女からの言葉に俺達は誓いの言葉を言った。剣を再び王女の手から渡され頭を上げてみれば、・・・王女が泣いているではないか。何故に涙するのかは分からない、分からないが・・・俺達の最初の任務は、王女を宥めることに決まりだな。
王女を落ち着かせた後、これからどう動くかを考える。考えると言っても、まずは大陸の現状・・・情勢を知る必要がある。王女から聞いた情勢は、侵攻中盤付近までのもの。アカネイアが王都まで侵攻され始めた時点で、同盟国や友好国がどうなったのかは王女も知らないと言う。故に、それらの国の情勢を中心に調べなければならない。まぁこれについては俺がやるべきであろう、空を飛ぶ竜騎士なのだから。目立ちはするが、やりようはあるのさ。何ていったって、イドゥンは・・・。
情報収集はそれでいくとして、身を潜める場所はどうするか?という話になったのだが、俺的に此処でいいのでは?と思った。戦時中の今、人の集まる場所は危険と言える。特に王女のオーラがハンパない、一発でバレること間違いなしだ。故に人里離れたこの場所がいいと考える、島に降り立つ際・・・水場が近くにあることを確認済みであるし。食事に関しても肉に魚、野菜に果物、乳製品の他に酒もある。ラムの村に居た時、秘密の場所にて集めまくった物を袋に沢山詰めておいたのだ。この袋が凄い物で、どんなに物を詰め込んでも溢れることがないのだ。たぶんだが、神様の贈り物であると思う。・・・しかしながら、武器・防具の類いが一つしか入らないのが欠点と言える。食料は大丈夫なんだけどね、・・・本当に不思議な袋だ。
王女とスレイダーとはこれから先、一蓮托生の間柄となるのだからこのことを教えた。二人は驚いていたがこれならば、ここをとりあえずの拠点にしようっていうのに賛成してくれた。因みに、他言無用ということを二人に言っておいた。勿論、言わないことを約束してくれたよ。後、この袋の名は『ミラの無限袋』という。この名でこの効果、流石である。この名についての二人の反応は、
「大地母神ミラ様からの・・・!?ならば納得である、・・・ユキ殿であれば悪用することもない。」
スレイダーはミラの名に驚きつつも、俺が持つことに納得。出会いは最悪なれど、今は信頼関係がしっかりとしている。濁っていた目もキリッ!としているし、そんなスレイダーにびっくりだよ。
「貴方達の故郷にて信仰を集める女神の名でしたか?偉大な女神の遺物を持つ、・・・ユキは女神に愛されているのですね?」
王女にミラのことを教えた後、そう言われました。俺が女神に愛されている、・・・違うなきっと。俺を転生させた神が、都合上にて付けた名であるに違いない。そのお陰で説明が楽である、気遣いの出来る神様・・・マジリスペクト!
そんなわけで、まずは寝泊まりが出来る小屋を作りたいと思う。当然、王女とは部屋を分けますが。さて、斧を取り出して大工の真似事でもしますか。ラムの村で学んだDIYが輝く瞬間だ、助手はスレイダー。王女に野宿をさせるわけにはいかぬからな、気合を入れろよ!
・・・・・・・・・そして幾日も経った、俺達は一体・・・何をやっているのか?たまにそう思う。王女に不自由がないようにと、最初は簡易的な小屋を。これでは駄目だということで、改修を重ねて別荘的なコテージに。その結果、何だか貴族の避暑地的になってしまった。食事に関しては俺がいる為に問題がなく、湯浴みも王女の魔法がある為に問題ない。・・・安定感がハンパない、元からこの地に住んでいるのでは?と思うぐらいである。まぁそんな感じで過ごしていても、俺はきちんとやることやってますよ?大陸の情勢をしっかりと調べている、そこの辺りは抜かりないのだ。
俺の調査によると、王女を救出して幾日・・・大陸の情勢は、最悪と言ってもいいだろう。アカネイア聖王国は滅亡し、王族全てが処刑されている。予想は出来ていたとはいえ、その事実に王女はとても悲しんだ。
そして、アリティア王国も滅亡が時間の問題であるという事実に、王女は項垂れた。精強なるアリティア軍は、メニディ川にてグルニアのカミュと対峙。両軍入り乱れての乱戦に一進一退の攻防を演じていたが、同盟国であった筈のグラが裏切り背後を突かれ挟撃される。この戦いでアリティア軍は全滅、軍を率いていたコーネリアス王は戦死。そのままの勢いでグラがアリティア王国に侵攻を開始、アリティア王国は僅かな兵にて抵抗をしている模様。
オレルアン王国はハーディン率いる狼騎士団が奮戦するも、マケドニアに大半の国土を奪われてしまっている。だが諦めることなく、今も抵抗を続けている。
カダインはガーネフに支配されており、ドルーアに与しているようで味方ではない。他の小国や各地域も、この混乱にて賊達が台頭しており危機的状況にある。
大陸の危機的状況に俺達はまだ、何も出来ていない。出来なくて当然だ、俺達は三人と一頭しかいないのだから。打倒ドルーアを掲げているとはいえ、動けずにいる。同胞と呼べる者達が戦っている中、俺達はこのまま機を窺うだけでいいのか?答えは否!と俺は言いたい。
王女はいずれ、アカネイア解放の檄を飛ばさなくてはならない。立ち上がることもせずに隠れているだけの王女の檄に、誰が従ってくれるというのか?最悪、見捨てられる・・・という結末もあり得る。小さな狼煙でもいい、上げなくては打倒ドルーアなど夢のまた夢。セリカやアルム達に失望されてしまう、・・・情けないと。故に俺は進言する。反抗の機を自らの手で作り出す為に、滅び行くアリティアに救いの手を!・・・と。
俺は王女に言った。
「全てを救うこと等出来はしないのは分かっています、ですが・・・アリティアの者を救おうとした事実は我らには必要です。少なくとも、アリティアの王族だけでも救ってみせましょう。さすれば彼らは我らに感謝をし、檄を飛ばした時に立ち上がってくれる筈。今の情勢ではアカネイアの威光だけではなく、情も必要と考えます。」
王女は目を閉じて聞いている、・・・考えているのであろう。俺はその後押しをする。
「この私にお任せください。必ずやこの任を成功させ、ニーナ様のご健在という報を大陸に知らしめてみせます。その希望が、人々の光となることを信じて・・・!」
たとえ潜伏している身とはいえ、存命を知らせることは重要と考える。いずれ立ち上がってくれる、そう思ってくれたのなら各地の反ドルーア勢力は頑張ってくれるだろう。逆に、命を狙われるというデメリットもあるが、目指すは打倒ドルーア。そして大陸解放を掲げるのなら、それは覚悟の上。王女も分かっている筈だ、今のままでは駄目だと。
・・・長い沈黙の後、
「・・・分かりました、アリティアへ向かうことを許可します。アリティアのコーネリアス王には恩義があります、ですので・・・リーザ王妃、エリス王女、マルス王子を出来る限り救ってください。」
その言葉に疑問がある、何故・・・、
「ニーナ様、何故・・・必ず救えと命じられないのか?私の力を信じては下さらないのですか?」
何故・・・そう言わないのか?俺とイドゥンの力を持ってすれば、助け出すことが可能であると言い切れる。俺が行った時に陥落していない、その前提が必要ではあるが。俺の疑問に王女は、
「貴方には無理をしてほしくないからです、・・・貴方が思っている以上に貴方は想われているのです。もし・・・救う為に無理をして怪我、もしくは戦死ということになったのなら、悲しむ者がいると知りなさい。・・・分かりましたね、・・・ユキ。」
・・・言われて初めて気付く、俺が無理をしてそのようなことになれば悲しむ者がいる・・・か。脳裏にセリカやアルム達が思い浮かぶ、イドゥンにスレイダー・・・もか?分からんけども、王女も悲しんでくれるだろうな。・・・そう考えると、王女の言葉に納得は出来る。出来るのだが、
「ニーナ様の優しさは嬉しく思います、・・・ですが!無理をせずして打倒ドルーアは叶わない。故にそのお三方は必ず救い出してみせます。ニーナ様、どうか私を信じてください。このユキ、必ずや・・・貴女の下へ生きて戻ると!」
力強くそう宣言するも、王女の顔から心配の色は消えなかった・・・。
ニーナ王女のオーラに、ユキは敬語になっております。心の言葉は普段通りですが・・・。
現時点でニーナ王女の味方は、ユキとスレイダーのみです。
ユキのいう秘密の場所は、所謂ダウンロードダンジョンのことです。星の神殿にでも行っていたんでしょう。
異世界転生モノでありがちな袋の登場、島を少しだけ開拓する三人。話が変わらないか心配である。
・・・で、アリティアへ。
次の話は所謂原作での序章、起・承・転・結辺りかな?