ファイアーエムブレム Echoes ~たった一人の竜騎士~   作:ユキユキさん

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他の作品も考えなきゃならん(汗


第4話 ~アリティア脱出《中編》

ーユキー

 

マルス王子一行と別れた俺は、アリティア城を目指しながらも目に付くグラ兵に攻撃を加え続ける。直ぐにアリティア城へと向かい、リーザ王妃とエリス王女の生存を確認することが一番なのかもしれないが、脱出を図るマルス王子が最優先になるのは当たり前である。

 

前者は俺が出遅れたせいでもあり、思いの外・・・侵攻の早いグラ軍が優秀だったせいか、生存の可能性はやや低い。マルス王子が言っていたように、城内にも侵入されているみたいだしな。それを考えると後者であるマルス王子、この目で確認したのもあるが生きている。そして、アリティアからの脱出の為に行動をしている。これだけ言えば分かるだろう、彼らを追撃させぬように攻撃をするのは最重要事項である。生きているか分からぬ二人よりも、生きているマルス王子の為に行動するのは間違っていないだろうと考える。

 

敵の矛を俺に向けさせ、マルス王子一行の下へと行けぬようにする。危険ではあるが俺だからこそ出来ること、そして生存率を上げて欠けることなく脱出してもらいたい。マルス王子のカリスマ、経験豊富なジェイガン、忠誠心の高いフレイ、アベル、カイン、その他の兵士達。俺がかき乱し混乱させたグラ軍など、マルス王子一行を止められずに脱出を許すだろう。その為の援護、良い仕事をしているぜ・・・俺ってばよ。

 

 

 

 

 

 

兵を攻撃され、大打撃を受けるグラ軍ってところか?これぐらい痛め付ければ、追撃に出せるのは小隊程度になるだろう。自分の仕事に満足した俺は、攻撃を切り上げてアリティア城へと向かうのだが、その途中でやっぱり見付けてしまう。・・・重装兵を中心に編成されている一部隊を、その中心にいる偉そうな親父を。グラ軍の指揮官ってところか?

 

・・・ふむ、挨拶の一つでもしてやろうかね?もしかしたら追撃部隊かもしれないし、アイツらが出撃したらマルス王子一行がピンチになるのは確実。・・・何というかすまないな、リーザ王妃にエリス王女。なかなか救出に行けない俺を許してくれ、でも・・・それと同時に感謝もしてくれ。マルス王子に迫るグラ軍を蹴散らす俺に・・・さ!

 

──────────────────

 

ージオルー

 

メニディ川にて邪魔者であったコーネリアスを討ち、そのままの勢いでアリティアに侵攻。疾風が如く進軍し、城に籠るリーザら王族の悉くを討つつもりだったのだが、思った以上に・・・抵抗が激しい。それでも数の有利で攻め続け、アリティア城を制圧したのはいいが・・・マルスとかいう小僧がおらぬ!聞けば既に脱出しているというではないか!小僧を逃すわけにはいかぬ故、追撃の部隊を出せば新手が現れ蹴散らされたという。・・・たった一騎、たった一騎の竜騎士にだ!何と不甲斐なき部下達よ!その竜騎士とは何者なのか?マケドニアは友軍故にないとは思うのだがな・・・。

 

 

 

 

 

 

思案の末にリーザ達を使い、小僧を誘き出す作戦を思い付くも・・・、

 

「・・・この地は我が治める、貴様はグラへと帰れ。・・・人間臭くて不快である。」

 

ドルーアよりマムクートであるモーゼスが派遣されてきた。

 

・・・・・・・・・!?何故だ!何故こうも早く・・・!それにこのアリティアはワシが欲する地、それを奪うというのか!自然とモーゼスを見る目が厳しくなる、この化け物風情が・・・!そんなワシの顔を見て、モーゼスは邪悪に笑い、

 

「元よりこの地は我が治めると決まっていた、貴様如きにはくれてやらぬ・・・。それとも、我に逆らい奪ってみるか?もしそうなれば愉快よな、・・・貴様も、貴様に従う虫が如き兵も、貴様の国に住まう塵同様の民達も、・・・このようになるのだからな!」

 

ワシに向かって投げ出されたモノに戦慄を覚えた、それは・・・、

 

「リーザ・・・・・・!!」

 

この国の王妃であるリーザの首。その表情は恐怖に歪み、その目は虚空・・・。

 

「見せしめの為にな、・・・その身体を八つ裂きにしてくれたわ。今頃城の中庭にて、烏の餌となっていることだろうよ・・・。もう一人の女はなかなかに美しい、ある程度楽しんだ後にでも・・・。クカカカカカ・・・!!」

 

牙を剥いて笑うその顔は醜悪、ワシの目に再び映るはリーザの首・・・。

 

「・・・この城はモーゼス殿にお任せする、・・・ワシは自国に戻る!」

 

そう言うしかなかった。踵を返し王座の間を退室するワシの背後から・・・、

 

「それでいい、・・・それがお前達人間の在るべき姿だ!・・・ククククク、クカカカカカッ!!」

 

おのれ、おのれ、おのれおのれおのれおのれぇぇぇぇぇっ!!

 

 

 

 

 

 

逃げるように城を出たワシは、部下に命ずる。

 

「アリティア各地に派遣している部隊に知らせよ、これ以上の進軍・制圧は無用!各部隊速やかに本国へと撤退せよ!・・・よいな、速やかに撤退だぞ!従わぬ者は捨て置け・・・!!」

 

ワシ自身も速やかに親衛隊を纏め上げ、撤退の準備を整える。最早マルスの小僧を追撃する気もない、暇もない。長居してリーザのように殺されては堪らぬ、・・・あのような惨たらしい死など迎えてなるものか!・・・しかし、そんなワシの心情を嘲笑うように、

 

「「「「「ウワァァァァァッ!?」」」」」

 

突如、兵達の間に悲鳴が上がった。

 

悲鳴が上がった方へ視線を向ければ、一騎の竜騎士が目に入る。ワシの目の前で、兵達を蹴散らすその姿は報告にあった通りだ。・・・強い!直感的にそう感じた、・・・この場で戦うのは得策ではない。あの竜騎士は、ドルーアのマムクート達、グルニアのカミュ、マケドニアのミシェイル、カダインのガーネフ、そして死んだコーネリアスと同等かそれ以上の化け物だ。ワシでは太刀打ち出来ん、ましてやアリティア侵攻で疲弊している我が軍では・・・!

 

しかしあの竜騎士はワシを狙っている、そう分かるのだ。この場に拡がる殺気に喉が渇く、先程のモーゼスより濃厚ではないにしてもな。・・・このアリティアは死地なのか?どうにも死が見え隠れする。アリティアは求めてはならん地なのだろうか?分からん、分からんが・・・一刻も早く本国へと戻らねばならん、それだけは分かる。

 

・・・が、そんなワシの前に立ち塞がったのはあの竜騎士。・・・もうここまで辿り着いたというのか!

 

「・・・お前がグラ軍の指揮官か?」

 

上から見下ろされ、槍の穂先がワシを指す。動くことの出来ないワシではあるが、

 

「・・・そうだ!ワシこそがグラ国王のジオル、アリティアを裏切り滅ぼした男よ!」

 

そう簡単には引けぬ、ワシは王なのだからな!怒鳴るようにそう言い放つワシに、

 

「・・・お前がグラ国王、・・・アリティアを滅ぼした男か。こうも簡単に対面出来るとは思いもよらなかった、・・・ふむ。ならば丁度いい、リーザ王妃とエリス王女を解放しグラへと帰れ。さすれば、この場は見逃してやる。王としての誇りが許さぬのなら、この場に限り捨てろ。少なくとも、・・・自国を想う心はあるのだろう?」

 

その竜騎士は、ワシの目を見詰めながらそう言ってきた。・・・この竜騎士は、・・・この男はワシを見逃すというのか!?コーネリアスを討ち、アリティアを滅ぼしたこのワシを!

 

ワシの心中は荒れ狂っている。手中に治める筈のアリティアをモーゼスに奪われた、そしてワシの命は目の前の竜騎士に握られている。・・・これ程の屈辱を一日で!王である誇りがこの屈辱を返せと訴えてくるが、それ以上に・・・自国にて待つ娘の顔が思い浮かぶ。荒れ狂う心の中に娘が浮かぶのだ、・・・何ということか!・・・自身の死を前にして浮かぶのが娘とは、・・・・・・ぐぅ~・・・っ!おのれぇ~・・・っ!

 

「・・・元より自国へ帰るところよ、アリティアは諦めたわ!」

 

吐き捨てるようにそう言った。竜騎士の男は一瞬驚くも直ぐに、

 

「ならばリーザ王妃とエリス王女を解放しろ、・・・それとも既に処刑をしたとでも?」

 

槍を握る手が、殺気が・・・強まるのを感じたが、ワシは言ってやる。

 

「もうワシにはどうにも出来ん、・・・城はドルーアのマムクートに奪われたわ!・・・リーザ、・・・貴様の言う王妃は無惨にも八つ裂きにされ殺された!・・・その娘エリスはまだ生きているみたいだが、奴の口振りから察するに・・・長くはないだろうな!同じように惨たらしく、いや・・・それ以上に辱しめを受けてから殺されるだろう!・・・ワシにはどうにも出来ぬわ!」

 

ドルーアの者に王妃は殺され、王女もその命が風前の灯と竜騎士に言ってやった。

 

吐き捨てるように言ってやったワシは、目の前の竜騎士を睨み付ける。ワシの無念さをぶつけるように、しかし・・・竜騎士は全く動じずにワシを見続ける。そして・・・、

 

「・・・嘘は無いようだな、・・・しかしそうか。リーザ王妃は・・・助けられなかったが、エリス王女は助けてみせる。それにしてもマムクートがねぇ・・・、堕ちた者もいるようだな。」

 

ワシに向けていた槍を退き、その視線はアリティア城へ。ワシに向けていた視線とは違う、・・・何か異質さを含んでいるような。

 

「・・・グラ国王ジオル、いずれその身に裁きが降る。その時まで精々生きろ、そして忠告だ。そのまま進むのも良し、だが・・・身内のことも考えてやれ。それが出来れば、腐っても王であると俺は声高らかに称賛するだろう。」

 

アリティア城から視線を外さずに、ワシに対してそう言ってきた。ワシがした行いを否定せずに、腐っても王で在れ・・・だと!?罵倒であれば返せたものの、これでは言い返せぬ。この男・・・、底が知れぬわ・・・!

 

──────────────────

 

ーユキー

 

グラ軍の指揮官を見付けたと思ったら国王だし、既にリーザ王妃は殺されてしまったらしいし、エリス王女も命の危機に瀕しているみたいだし、・・・とりあえず俺の目的は果たせぬモノとなってしまった。まさか既に、ドルーアの者がアリティア入りしていたとは。予想外だよ全く・・・、だが!リーザ王妃のことは無念ではある、・・・しかしながらエリス王女はまだ生きている。彼女だけでも助けたい、・・・マルス王子の為に!

 

イドゥンも怒っている、堕ちたマムクートに・・・!これは一撃を食らわせなければ、イドゥンが落ち着かない・・・ってヤツだ。一応情報をくれたジオルは見逃そう、本当ならばその首をもらい受けるところなんだがな。名前を聞いて思い出したが、コイツの娘は美人さんである。名前は忘れたが、その美人さんの父をここで討ってはな・・・。とりあえず、美人な娘のことを考えろと言ってやったぜ。せめて娘孝行の一つでもしてやれ、おっさん。

 

・・・そういうことなんで、いざエリス王女救出の為にアリティア城へ!と思い、飛び立とうとする俺に、

 

「エリス王女は城の北にある塔に幽閉されておる、・・・城の主であるモーゼスには気を付けることだな!」

 

どうにでもなれ!っていう感情の籠ったジオルからの情報、まさかこの俺に提供してくるとはな。ただの野心家ではないらしい、・・・律儀な野心家ってヤツだな!そんなことを思いながら、俺はアリティア城へと突撃する。エリス王女を助けつつ、モーゼスとかいうマムクートにキツい一撃を!俺の相棒イドゥンが張り切っているぜ!




リーザ王妃が・・・ごめんなさい(涙

ジオルの親父、ツキがない。

主人公、ジオルを見逃しその娘に想いを馳せる。

そして、エリス王女救出に全力を。
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