灼眼のシャナ 『無何有鏡』編   作:八鍵 嘯

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もう少しの間、2000文字以下の文章が続くと思います。


プロローグ2

 御崎(みさき)市。

 

 ここはかつて、『闘争(とうそう)の渦』だった。

 きっかけを作ったのは、“狩人”フリアグネ。

 彼は、“燐子(りんね)”マリアンヌの為に『都喰(みやこく)らい』を行おうとした。

 

 そこに現れたのは、2人のフレイムヘイズと“ミステス”だった。

 “天壌(てんじょう)劫火(ごうか)”アラストールのフレイムヘイズ、『炎髪灼眼(えんぱつしゃくがん)の討ち手』シャナと、『零時迷子(れいじまいご)』の“ミステス”、坂井悠二である。

 

 そして、2人は見事フリアグネの討伐に成功した。

 これだけの事があったのだ。大抵の都市ならもう数世紀は何も起こらないだろう。

 

 しかし、この後……

弔詞(ちょうし)の詠み手』マージョリー・ドーと、“蹂躙(じゅうりん)爪牙(そうが)”マルコシアスがやって来た。

 “(しかばね)拾い”ラミーこと“螺旋(らせん)風琴(ふうきん)”リャナンシーがやって来た。

 “千変”シュドナイに、“愛染自(あいぜんじ)”ソラトと“愛染他(あいぜんた)”ティリエルもやって来た。

 『儀装(ぎそうの)()り手』カムシン・ネブハーウと、“不抜(ふばつ)尖嶺(せんれい)”ベヘモットも来た。

 “探耽求究(たんたんきゅうきゅう)”ダンタリオンに“燐子”カンターテ・ドミノも来た。

 『万条(ばんじょう)仕手(して)』ヴィルへルミナ・カルメルと、“夢幻(むげん)冠帯(かんたい)”ティアマトーも来た。

 さらには、“彩飄(さいひょう)”フィレス、“(いただき)(くら)”ヘカテー、“嵐蹄(らんてい)”フェコルー、“聚散(しゅうさん)(てい)”ザロービ、“吼号呀(こうごうが)”ビフロンス、“壊刃(かいじん)”サブラクが来た。

 “ミステス”坂井悠二が消えた。

 

 戻ってきた時、彼は[仮装舞踏会(バル・マスケ)]の盟主、“祭礼(さいれい)の蛇”の“代行体”になっていた。

 

 そして……ここで世界が生まれた。

 

 今、この世界には、欠けた人がいる。

 

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「おっはよ~」

 朝の教室。

 最前列に座る吉田一美(よしだかずみ)に声を掛けてきたのは、クラスメイトの緒方真竹(おがたまたけ)である。

「おはよう、緒方さん。あれ、田中君は?」

「ああ、あいつは今日休みだよ。何か用事があるんだって」

「ふーん。あ、池君」

 そこに現れたのは、「正義の味方メガネマン」こと池速人(いけはやと)である。

「おはよう、吉田さん、緒方さん」

「池君。どうかしたの?」

「うん、生徒会の仕事でこのプリントを置きに来たんだ」

 そういって、池は手に持ていたプリントを教卓に置いた。

 この会話からもわかるように、池は現在、二人とは別クラスである。

「そういえばこの前、久しぶりに佐藤に会ったよ」

「どうだった?」

「何かよく分からないけど、何度も暇だって言ってたよ」

 それを聞いて外界宿(アウトロー)の仕事の事だと分かったのは一美だけだった。

 外界宿とは、フレイムヘイズの支援組織の事だ。

 佐藤啓作は昨年入ったばかりの新入りだが、『弔詞の詠み手』マージョリー・ドーの役に立とうとする誰よりも仕事熱心な少年だ。

 だが、殆どの“徒”が『無何有鏡』に言ってしまった今、外界宿の仕事は激減していた。特に昨年の秋頃からは、“徒”の目撃情報もパッタリと途絶え、『御崎市症候群』の人達のカウンセリングなども順次終了していった為、やることが無いのだ。

 現在、外界宿は事実上、活動を停止している。

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