灼眼のシャナ 『無何有鏡』編   作:八鍵 嘯

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テスト期間中……
書いてしまったぁぁぁぁーーーー!!!


悠二、歪みを知る

「久しぶりだね。リャナンシー、ベルペオル」

 悠二は2人に真名(まな)ではなく、通称で挨拶をした。

「急の呼び出して済まなかった。ちょいと急を要する事だったんでな」

 “屍拾い”ラミーだった時の印象の全く違うリャナンシーが、深く頭を下げる。

「いいよ別に。丁度[マカベアの兄弟]の方も一段落した所だし」

「そうか……。では早速、本題に入ろうか」

 そう言って、リャナンシーは『玻璃壇(はりだん)』を出した。

「まず、これを見てくれ」

「うわ……」

 『玻璃壇』で再現されていたのは御崎市(みさきし)周辺。いや、御崎市のあるはずだった場所の周辺、と言うべきだろうか。

 本来、御崎市のあるべき所には大きな虚無とでもいうべき空間が広がっていた。

「改めて見てみると凄いね……」

「私は仮にこの巨大な欠落を『アビス』と呼んでいる。それでだ。私は、この存在しない空間『アビス』がこの世界に何か影響を及ぼすのではないかと思い、『大命詩篇(たいめいしへん)』とこの穴を調べてみたんだ。そしたら大変なことが分かった」

 そこでリャナンシーは一度、息を深く吐いた。

「実はこの『アビス』、旧世界で数世紀かけて生まれた歪みを、局所的にだが数ヶ月で生み出してしまっていたのだ」

「な……」

 それを聞いた悠二は、たっぷり10秒固まってしまった。

「おまえにも絶句することがあるんだな。まあ、私もこの情報には驚いたが」

「……驚くさ。驚かないわけがない。で、その局所的な歪みっていうのはどういう影響があるんだ?」

 そうベルペオルに返した悠二は、話の続きを促した。

「今のところはどこにも影響は出ていないが早くて1ヶ月、遅くても半年以内に旧世界との接触があるだろう」

「旧世界との接触?」

 悠二は首を傾げる。

「ああ。『久遠(くおん)陥穽(かんせい)』に距離の概念がないのは知られているが、そこに2つ以上の何かがある限り、それらが接触する確率は0にはならない。そして今回の場合、その確率が歪みによって確実と言えるまでに引き上げられているのだ。その時、私の予測だと多量の『存在の力』が漏れ出してしまう」

「漏れ出る……?どれくらい漏れ出るんだ?」

「大体、『無何有鏡(ザナドゥ)』創世前の旧世界で消費に数世紀かかるくらいだ」

「そうか……多いね」

 確かにその量は多い。だが、

「向こうに“徒”は殆どいないんだ。別に問題はないと思うけど」

 それに対して答えたのはベルペオルだった。

「実はある“徒”が、『紅世』『無何有鏡(ザナドゥ)』そして『旧世界』の三界を接触させて一つの巨大な世界にしようなんてことを最近言い出している」

「……そんな事、可能なのか?」

「理論上は可能らしい。これは“螺旋の風琴”のお墨付きの情報だ」

 そう言ったベルペオルの横でリャナンシーが頷いて言う。

「確かに出来るだろうが、失敗した時のリスクが大き過ぎるのだ」

「……それはどこの“徒”がいってるんだい?」

 悠二がそう尋ねると、ベルペオルは少し間を置いてその名を口にした。

「“一縷(いちる)(こう)”トート、“螺旋の風琴”と比肩すると言われている天才自在師だよ」

「“一縷の劫”トート……聞いた事ないな」

「そりゃそうだ。何せ奴はここ数百年程姿を見せていなかったんだからね。まあ奴だけならまだ良い。三界の統一には人手が必要不可欠だからね。だが……」

 そこでいきなり言葉を切ったベルペオルに悠二は驚き、息を呑んだ。

「だが、奴にある組織が接触を図った」

「どこです?」

「[革正団(レボルシオン)]だ」

「ッ!」

 [革正団(レボルシオン)]。旧世界で人間と“徒”の共存を説いた集団(・・)

 だが、彼らは──

「彼らはもういないはずだ!」

「私もそう思っていたんだけど……。どうやらかつて、“征遼(せいりょう)(すい)”サラカエルと一緒に行動していた“吠狗首(はいこうしゅ)”ドゥークが中心となった組織(・・)らしい」

「[革正団(レボルシオン)]の残党か……」

「それと、[シェオールの使徒]に動きがあった」

「ッ!……今日はいろいろと驚かされる情報が入るな」

 [シェオールの使徒]。かつては、ここ[仮面舞踏会(バル・マスケ)]に匹敵する巨大“徒”組織だった。だが、今では幹部の“王”三人だけとなっている。

「[マカベアの兄弟]の次は[革正団(レボルシオン)]に[シェオールの使徒]か……。多分、これらの情報は外界宿(アウトロー)にはないだろうから、『コルデー』の状況を見に行くついでに話してみるかな」

「ああ、それがいいだろうね」

 その後も悠二は情報の交換をしたのちに『星黎殿(せいれいでん)』を後にした。




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