OVER LORD 死の境界にて   作:雪之間 芽吹

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こんにちわ、雪之間です。


今回でプロローグは終わり、次回から本編に入ります。


それに伴って、文章量を増やします。
なので、申し訳ありませんが投稿は遅くなります。

また、実生活の方にて、やらなければならないこともあります。

すみませんが、皆様のご了解のほどをよろしくお願いします。


プロローグ Ⅱ

誰かがいる。姿を見ることは出来ないが、確かにいる。

 

「契約者よ、内に秘めたる安寧に身を委ねるがよい」

 

頭上にある吹き抜けから日の光が差し込み、この身を包み込むように照らす。

 

「幾ばくの間も無く、事は終息する」

 

奈落の底から響くような声が、今はとても頼もしく感じられる。

 

「再び言葉を交わす折、此度の由を語るとしよう・・・」

 

僅かに聞こえる一閃の音とともに暗闇が切り裂かれ、温もりが心を満たす。

 

「願わくは、健やかであれ――

 

 

 

 

 

心地よいまどろみに誘われ、

 

 

 

 

 

 

――私は、意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何なんだ、あれは・・・

 

私は今まで、数多の種族の者たちを見てきたが、あんなのは未だかつて見たことがない。

人一倍高く、全身が鍛え抜かれた屈強な戦士を想起させる巨躯。それを防護する役割を果たす、禍々しさに満ちた鎧。柄頭には両手が乗せられ、切っ先が床に突き刺されている、無骨ながらも並々ならぬ雰囲気を漂わせる大剣。

極めつけは頭部だ。人の顔などでは無い。

凶暴な獣を思わせる、捻れた角が側頭部に一対ある髑髏なのだ。

その深淵を思わせる真っ暗な眼孔には、不気味な色の光が静かに揺らいでいる。

 

気付けば、奴は巫女姫に語り終えたらしく、ただ静かにこちらを見ている。

私を含め、この場に居合わせている神官たちは一歩たりとも、一ミリさえも動いていない。いや、動けないのだ。あの姿を見ているだけで、冷たいものが背中を走る。全身は縛り付けられたように固まり、息苦しさを感じて呼吸が不規則になる。

先ほど処分を実行しようとしていた者は、奴の目の前で尻餅をついており、表情は恐怖で凍り付いてしまっている。

今この場にいる神官たちの中では、私が一番高位だ。見れば、ほんの数人ほどが指示を求めるかのようにこちらに視線を向けている。

よって、ここからどのように行動するかを思案しようとする――

「さて、異教徒らよ・・・」

が、先手をとられてしまった。こちらを見透かすような視線に、冷や汗が止まらない。

・・・いや、待てよ・・・奴はこちらを「異教徒」と言ったのか?

もし、そうであるのなら――

 

言葉が放たれた直後に、大剣が地面から静かに引き抜かれる。

 

 

 

 

間違いない!!奴はこちらを始末する気だ!

 

そして、奴は我々から見れば異教徒、かつ異形のもの!

 

まさしく人類の敵ではないか!!

 

 

 

「神の名の下に奴に裁きを!総員、攻撃開始!!」

 

すかさず、他の神官たちに命令を下す。

奴は見るからに剣士、距離さえとれば問題はなく、こちらは三十人弱。

すでに他の神官たちは詠唱を始めており、遅れまいと自分も始める。

 

「束ねる者が大局を見誤るか・・・」

 

何を言っているかは聞こえないが、今更命乞いをしても遅い。

やれる!そう確信した――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――愚か者め――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奴の姿が消えた、と脳が知覚しようとした瞬間、見える景色が反転し――

 

 

 

 

 

 

 

 

遙か遠くに感じる鐘の音が聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スレイン法国の最高執行機関の一人にして、水の神官長であるジネディーヌ・デラン・グェルフィは、謎の焦燥に駆られていた。

比類無い知識と知恵を持つ彼をして、胸騒ぎが止まらないのだ。

 

「おかしいぞ・・・明らかに遅すぎる・・・」

 

今日は、巫女姫を代替わりする日で、いつも通り特に何の問題も無く終わるはずなのだが、いつまで待っても報告が来ない。

 

急ぐ気持ちを抑えつつ、神都最大聖域の1つである「ティナゥ・アル・リアネス」へ向かう。はっきり耳に入ってくる、布同士が擦れる音がやけにいつもより気になる。

 

 

程なくして、入り口である荘厳な扉の前に辿り着く。

激しく脈打つ心臓を落ち着かせるために、一旦呼吸を整えた後、扉へ手を伸ばす。

 

すると、扉に手を掛ける前に内側から開き始めたのだ。

 

思わず安堵する。何があったかは分からないが、ようやく終えたのだと。

 

「一体、何があったのか・・・と・・・」

 

問いただそうとして視線を向けると、思わず愕然とする。

出てきた神官たちに問おうとしたが、違った。

 

それは神官たちでは無く

 

 

 

 

 

神の御許へ送られるはずであった巫女姫を抱きかかえた

 

 

 

 

 

 

 

死の神だった

 

 

 

 

 

 

 

思考を働かせるより先に、その足下へと跪き、顔を伏せる。

己の直感に従い、この姿勢をとった。

 

「我が神よ、なんなりとお申し付けください・・・」

 

一層頭を垂れ、下される神託を待つ。

先ほどまでとは違った意味で、気持ちが、昂ぶる。

 

 

「否、我は汝の崇め奉る神にあらず・・・が、今この時ばかりは、この童女の休息の場を所望する」

 

 

おお・・・、なんと慈愛に満ちた御方なのだ。

狂気に浸され、使えもしないものにさえ、救済の手を差し伸べるのか。

 

 

「かしこまりました、ただちにご用意いたします」

 

 

このジネディーヌ、永き生涯において、ついに

 

 

 

 

――我が神を見つけたり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の神の背後に見える聖域には、まるで魂が抜かれたかのように呆然とした表情で立ち尽くす神官服の男たち。

彼らのすぐそばには、恐怖で見開かれた2つの眼が付いた、かつて人だったものが転がっているが――

 

「あちらに部屋があります。まずは一度、そちらの方へ・・・」

 

そんなものなど、最早どうでもよかった

 




・人の話を聞くのは大事ですね(再確認)




・神の御許へ巫女を→なんかゴタゴタ→扉開ける→明らかに凄い方に、送った巫女が抱えられている→神の降臨だ()
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