リト デビルーク王への道   作:童貞中学生

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2話 学校での話

 そう言う形で決着がついたこの騒動だったが、無事に退院できた俺はこれからの方針を考える。12歳で何を言ってるのかと思われるかもしれないが、病室でも思った様に折角新しい人生を貰ったのだ。悔いのない様に両親と美柑が誇れる様な自分になりたい。

 

 前世を思い返して見ると確かに色々な人に恵まれ、たくさんの笑顔にあふれた人生だったが、満足のいかなかった結果になってしまったこともあった。もっと自分が賢ければ、もっと自分が強かったら、俺が1人でできることなんて高が知れているが、それでもそう思わずにはいられなかった。自分を高めよう。自然とそう思えた。あまり先の目標を立てすぎるとがんじがらめになってしまいそうだ。なにかあったときに自分の全力を出せる様に。

 

 今まで嫌いだった勉強も進んでする様になった。美柑や両親には信じられないものを見る目で見られた。失礼なやつらだ。前は運動の方が好きだっただけなのに。

 後は武道ぐらいしか思いつかなかった俺はなんとか両親に頼んで見た。最初は倒れたことも気にして渋っていたが、大切な家族を守りたい、困っている人を助けたい。そのためにはいろんな事を経験したいと正直に自分の気持ちを話した。すると親父が「男がここまで言ったんだ。やらせてやろう」と言ってくれた。この時の親父はカッコよかった。美柑にカッコつけすぎと言われて撃沈していたが......妹よ、もうちょっと親父に優しくはしてくれないか?

 

 こうして近所の道場に通うことになった。なんでもここのおじさんが凄い人らしく、背中にファスナーっぽいのが付いてたり偶に触手みたいなのを出すがそれ以外は普通のめちゃくちゃ強いおじさんだ。あ、あと名前が「ワシツ・ヨーイ」といかにも偽名くさい。うん改めて謎だ。その道場に行って初めてわかったことだが、俺は回避術と体の頑丈さがハンパなかった。道場には俺より年上で体も大きい子達が多いが回避に徹したら、全く当たらない。師匠には「回避術だけなら宇宙でもトップクラスの才能だ」と褒められた。大袈裟だと思ったが、素直に嬉しかった。けど、師匠には余裕で投げ飛ばされる。ころころ地面を転がりながら、本当に何者だ。と考える。

 

 自分の時間を作ってしまったために美柑との時間が減るのではと心配したが、そんなことはなかった。俺のやることにいろいろついて来てくれるのだ。流石に武道だったりは危ないので、ちょっと体を動かしたら、俺の師匠との稽古を見学している。一度退屈じゃないか聞いて見たが、「リトがカッコいいから見てて楽しい」と照れながら言われた。ウチの妹の可愛さは宇宙でもトップクラスだと思う。ただ師匠にコロコロされてる俺を見て本当にカッコいいのかは疑問だが......あれ?気を遣われた?

 

 これは全くの余談なんだが、この体いろいろと可笑しくないか?と思ってしまうことがあった。まず第一に前髪が伸びるのが異様に早い。半月もしないうちに目が隠れる長さまで伸びてしまう。さすがに前髪を切るためだけに美容院に行くのはためらわれるので自分で切っている。

 そして第二に怪我がすぐに治ってしまうこと。これは師匠との道場に行っていた時に気付いた。擦り傷や軽い打撲がしばらくすると消えている。最初に見たときは驚きすぎて道場の人たちに引かれたぐらいだ。これは流石に気味が悪かったが、怪我をしていると美柑がすごく心配してしまうので便利なものだと自分をごまかしている。。

 最後、これが一番困っていることなのだが、少しでも興奮すると息子がありえないほど大きくなる。今の時点で前世での大人の時の俺くらいあるし、一度性欲が抑えきれなくて1人で発散したら全然治らなくて部屋がすごいことになった。前世の逸物も結構大きいと言われていたがそれを軽く超えそうな勢いだ。病気かもとも思ったが、それ以外ではなんともなくむしろ健康そのものだったので気にしないことにした。

 

 

  ー・ー・ー・ー・ー・ー・ーー・ー・ー・ー

 

 

 勿論ちゃんと学校にも通っている。ここでもちゃんと勉強していたら、信じられないものを見る目で見られた。本当に失礼なやつらだ。

 朝いつも通り美柑と別れて自分のクラスに向かう。俺は6-Aのクラスだ。どうでもいいか。どうも前世の記憶があるせいで保護者意識が抜けず学校の友達たちには過保護になってしまう時がある。近所のお兄さん目線で同級生を見ている自分に気が付いた。

 

「おーっす。リト、おはよう」

 

「おう。おはよう、猿山」

 

 入室して早々俺に声をかけて来たのは、「猿山ケンイチ」一応、俺の小学校からの幼馴染だ。猿山は少しサル顔で性欲も猿並みに強い。幼稚園の頃からもうすでにそうだったようで、子供の特権をフルに使っていろいろとイタズラをしていた様だ。早熟を通り越しておっさんかよと呆れたが、このままではいずれ捕まってしまうのではと考えた俺は猿山調教訓練を施した。今ではだいぶマシになったこいつだがそれでもいざという時の行動力は凄まじいものがある。大抵はそんなことに......と思うのだが、将来ひょっとしたらすごいやつになるのではと密かに思っていたりする。

 

「今日お前日直らしいぞ」

 

「あ、そうだった。ありがとな、猿山」

 

 他にもクラスの奴らと挨拶をしながら今日の日直の相方を探して見る。荷物はある様だったので職員室へと向かう。真面目な彼女のことだから、多分もう先生のところに仕事をもらいに行っているだろう。

 

「失礼します」

 

 挨拶をして入り、室内を見渡すと案の定先生と彼女がいた。やっぱりいた、そう思いながら彼女「西蓮寺春菜」と先生に声をかける。

 

「おはようございます」

 

 俺が声をかけると先生ははっきりと挨拶を返してくれたが、西蓮寺は恥ずかしそうに俯いてボソボソとおはようと返してくれた。

 藍色のショートヘアーで上目遣いにこちらを見はアメジストの様な瞳は潤んでいてそれがどうしようもないほどの庇護欲を掻き立てる。いつもは騒がしい二人組と一緒だが今日はまだいない。

 

 西蓮寺とは最近話す様になった。彼女が複数の男子にからかわれていたところを助けたというありきたりな話だ。どうもからかっていた男子たちも西蓮寺に気があって構って欲しかったからちょっかいをかけたらしいのだが、そんなことじゃ嫌われるぞ、と声を掛けたらすぐに謝罪しに行った。根はいい子達なのだ。今では俺のことをなぜか師匠と呼び、女の子にモテる秘訣を聞いてきたりするけど今は置いておこう。それ以来どうも西蓮寺には好意を向けられているっぽいのだが俺としては相手が小学生なので戸惑っている。きっかけもあんな感じだったし、思い出補正でよく見えているのかもしれない。

 

 そのあと先生にちょっとした指示を出されて職員室を2人で退出した。

 

「結城くんってさ......」

 

 西蓮寺が唐突に言い出した。

 

「最近大人っぽくなったよね」

 

「そうかな? 俺からしたら西蓮寺の方が大人っぽく見えるけど......」

 

「ううん。結城くん元気になってから、なんか頼りになるっていうか......あっ、前が頼りなかったとかじゃなくて......前より落ち着いてるっていうか。里紗も未央も言ってるよ? 」

 

 慌てている姿も可愛いがよく見ているなぁ、と思う。自分の前世での小学6年の頃なんて外で遊ぶことしか考えてなかったのに。変わった自覚はあるのだが。

 

「まあ、色々あってね。ちゃんと頑張らなきゃって思って。何か困ったことがあったらいつでも頼ってくれよ。できるだけ西蓮寺の力になりたいからさ」

 

「......っ」

 

 西蓮寺が勢いよく向こう側を向いた。髪の間から見える耳は真っ赤に染まっている。恥ずかしいことを言った自覚はあった。前世でもお前の言葉はいちいち真っ直ぐで聞いてるこっちが恥ずかしいとはよく言われたことだ。それでも想いを口にすることは大事だと思ってるから、変えるつもりはない。

 

「あらあら〜、何やら甘酸っぱい空気ですなぁ」

 

「ほんとほんと。春菜顔真っ赤だね〜」

 

 騒がしい子達がやって来た。先ほどの話でも出ていた「籾岡里紗」と「沢田未央」だ。籾岡の方はお洒落に気を使ってて背伸びをしたい年頃なのか所謂おませさんで俺をからかおうとしてくるが、最近は逆にからかってあげると顔を真っ赤にする可愛い子だ。沢田の方はファッションというか服関係に興味があるらしく、うちの母親のこともあってよくそのことで話したりもする。3人とも見た目も性格も趣味もバラバラだがいつも一緒にいることから相当仲がいいのだろう。

 

「私たちも混ぜてよぉ」

 

「キャッ」

 

 籾岡が西蓮寺に抱きついて胸を揉み始める。籾岡はその名前にはじないくらい女の子の胸を揉んでいる。大抵ターゲットは西蓮寺で、沢田も悪ノリするのだが。

 さっきのやり取りから立ち直っていた西蓮寺がまた顔を赤くして声にならない叫び声を上げている。籾岡たちは春菜も大きくなったねと言っているがどこがとは聞かない。そろそろ止めないと周りに人が集まってしまいそうだ。

 

「籾岡その辺にしといてやれよ。西蓮寺は恥ずかしがり屋なんだから」

 

「なぁーに、結城ってば私達に混ざりたいの?」

 

 籾岡が挑発的な笑みを受けべてそう問いかけてくる。後ろでは沢田がまた始まったと苦笑している。西蓮寺は口をパクパクさせて心ここに在らずだ。い

 

「そういうのは好きな人同士でやるもんだぞ。あんまり西蓮寺をいじめてやるな」

 

「んふふ〜、なら私としてみる? 私結城のこと嫌いじゃないし」

 

「なっ!! 里紗っ!!!!」

 

 西蓮寺が大声をあげるが、籾岡の言葉を全て間に受けていたらこっちがもたない。記憶が戻ってからというもの性欲がどこで膨らむか分からないのだ。あまりそういう刺激を今の俺に与えないでほしい。ちょっと懲らしめるつもりで籾岡に近づいていき頰に手を添え、目を合わせる。

 

「じゃあ、してみるか? 俺も里紗の事は好きだぞ?」

 

 ポカンとした表情を浮かべた籾岡だったが、やり返されたことに気づくと悔しそうに顔を歪め赤くなった頰を誤魔化すようにそっぽを向いた。転生してから自分がちょっとSっぽくなっているような気がするけど気のせいだろうか。

 

「......生意気」

 

「はいはい。生意気で悪かったな。」

 

「あはは、また里紗の負けだねぇ。もう懲りればいいのに結城には効かないんだから」

 

「もう里紗!! 冗談でも好きとか言っちゃダメだよ!!そういうのはもっと大切な時に......」

 

 籾岡は西蓮寺が言い切る前にこちらを向き、悪戯な顔をして言った。

 

「冗談じゃなかったりして」

 

「どういう意味!?」

 

 その顔に一瞬見惚れポカンとなった俺を他所に籾岡は教室に向けて歩いて行った。西蓮寺も慌てて後に続く。沢田もじゃあまた後でと言いながら2人を追いかけて行った。

 

 ポツンと残った俺は窓から快晴の空を見上げながら呟いた。

 

「最近の小学生は進んでるなぁ」

 




プロローグの主人公の聖人ぶりに作者がついて行けそうにないという非常事態が発生しています。

エロゲー主人公補正っていうのは
1.主人公にエロゲー主人公のような特徴が宿る。(前髪が伸びる。巨根絶倫。性技が凄い。エロにすぐ持っていける力。ヒロインズがハーレムに寛容になる。)
2.主人公特有のご都合主義(イベントに巻き込まれる。ヒロインがいなくなるとどこにいるのかがなぜか分かり、一番に見つける力。過去を忘れやすい。怪我がすぐ治る。)
などです。
この特典は作者の力不足を補うためのもので死に設定になるかもしれません。
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