東方繋華傷   作:albtraum

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自由気ままに好き勝手にやっております!


それでもええで!
という方は第百十七話をお楽しみください!!


東方繋華傷 第百十七話 鬼殺し

 魔力を手のひらに溜め、エネルギー弾へと変換した。変換や集める過程では依然と変わったところはほとんどないように感じる。

 野球ボール台のエネルギー弾を反動もなく撃ち出すが、見た目は特に変わったところはない。

 速度が少し早くなったようだが、見た目的な変化は特には無い。それだからだろう。奴は今までと同様に気にすることなく突っ込んでくる。

 ただ今までと違うところがあるとすると、エネルギー弾が爆ぜたことにより異次元勇儀がその動きをほんの少しの時間だが止まったことだ。

 何度も食らい、どれだけの衝撃が来るかはもうわかっていて慣れていたはずだが、彼女は強烈な衝撃に前に進むことができなかったようだ。

 それどころか、走っていた彼女を数歩後ろに押し返すまでに威力が上がっている。目に見えて効果が出ていることがわかり、奴を倒すために一気に接近する。

 走っていた自分が押し返されるとは夢にも思っていなかったようで、思考と体の動きが解離している奴の横を通り過ぎた。

 エネルギー弾の威力の高さに呆気に取られていたおかげで反応が遅れ、後方へ移動している私に向けて振り返りながら拳を放つが、当たる事無く空振りに終わる。

 繰り出された拳から発生した強風に煽られ、予定よりも大きく後ろに後退してしまったが問題はない。

 大振りな攻撃をしてくれているのと振り返りざまの行動によって、奴もまた走り出すまでの時間がかかっている。

 奴に手のひらを向け、次弾を放つ。一発目は指標にならない為、さっきと全く同じ威力の物を奴の腹部に着弾させた。

 威力が上がったおかげで奴の動きを封じれたが、それは初弾でどれほどの攻撃力かを奴がわかっていないからだ。二発目からの挙動をこれから私がどう立ち回れるかの指標とする。

 他の爆発する弾幕や拳が打ち合う音と比べると少々控えめな破裂音がするが、保有しているエネルギーは高く、当たっても物ともしていなかった奴の体をわずかにくの字に曲げるほどだ。

 走りながら食らっても怯むそぶりも見せていなかったところから比べると、かなり魔力の質が向上しているのがわかる。

 奴は後方に吹き飛ばないように踏ん張った代償が地面に現れ、後方数メートルにひび割れが生じる。

 だがその程度だ。やはり奴の防御力の前ではさほど致命打にはならない。これが体の強化をしていない状態でのことだからやばさがわかる。

 こちらに向かって走り出そうとするが、後方から急接近した異次元萃香が奴の背中を蹴り飛ばし、こちらの方へ吹き飛ばした。

 完全に標的を私に絞っていたようで、意識外からの攻撃に踏ん張りを効かせることもできず、体を宙に浮き上がらせる。

 飛んでくる奴の射線上から体をずらし、先の戦闘で作っていたワイヤーを再度形成し、奴の上半身に巻き付けた。

 力任せに腕を振りかぶり、飛んでいく奴の軌道を無理やり変え、近くに生えている倒れかかった木へ身体を叩きつけた。

 ワイヤーを掴まれないよう、即座に魔力の供給を止めて結晶と化させるが、そもそもそれをするつもりもなかったようだ。

 木の中腹に叩きつけたが、その身体の強固さに樹木が適わないことは既にわかり切っていることだ。

 それでもギギギっと軋む音を立てて倒れようとしている木を掴み、地面から引き抜いてこちらに投げつけてくることは予想外だった。

 千切れた葉っぱや枝、根っこに絡めとられた土、中腹のひび割れから発生する木片をぶちまけながら、私の数倍の大きさのある樹木が飛んでくる。

 さほど距離があるわけでもなかったことと、奴を木に叩きつけたばかりだったことが相まって避ける動作に移ることができず、正面からぶつかることとなった。

 咄嗟に左手を胸の前に防御する体勢で突き出す。最大まで身体を強化していたが、前腕の骨は跡形もなく砕け、腕ごと胸に投げつけられた樹木を食らって後方へ吹き飛ばされそうになる。

 足で踏ん張りを効かせようとしていたが腕にばかり意識を集中していたことで、足元がおろそかになってしまった。

 地面から靴が離れそうになり、体勢が大きく後ろへと傾いてしまう。

 だが、そのおかげで多少後ろに吹っ飛ばされることになっても、樹木と一緒に後方の地面に転がる事無く下を潜り抜けることができた。

 左腕の修復に魔力を向けつつ異次元勇儀の方向を睨むと、こちらへ向けて走り出したところだ。

 右手に魔力を集中させ、エネルギー弾ではなくレーザーに変換し、それをぶっ放す。昼までも目を隠さなければ、まぶしてくて見ていられないほどの光源が発生する。

 熱線を異次元勇儀へ浴びせかけると、エネルギー弾だと思っていたのだろう。対応が遅れている。さらに強化後にレーザーを初めて撃ったため、その予想以上の威力に、走っていた奴も足を止めた。

 エネルギー弾で奴にダメージを与えることができなかったのと同じく、レーザーでも奴の皮膚を貫くことはできないようだ。

 顔や胸に照射され続けるレーザーが鬱陶しいらしく、レーザーの性質を持っている魔力の熱線が奴の拳によりかき消された。

 それでも時間を稼いだおかげで、ぐちゃぐちゃに砕けている左手の傷はほとんど治っている。が、あともう一息時間が足りない。

 異次元勇儀は下駄で地面を高らかに踏み鳴らし、一気にこちらへと距離を詰めて来る。それに対し、更に魔力をつぎ込んだレーザーをぶっ放した。

 それを食らって自分の動きを阻害されることを嫌ったようだ。異次元勇儀は身を翻し、レーザーの射線から短い時間だけ逃れる。

 それに対し、レーザの射線を奴の進行方向上に修正し、浴びせかけてやる。

 レーザーを再度照射されたことでこちらに向かう速度がガクンと遅くなるが、攻撃に慣れ始めている。

 異次元勇儀はレーザーの中を無理やり突き進み、通常の人間なら黒焦げの丸焼きになっているであろう熱線を物ともせず踏破する。

「最高だよ!面白い!」

 私の力がきちんと強化されていることで、まだまだ楽しめると嬉しそうに笑って叫ぶ奴は、目の前でレーザーをかき消した。

 私は身体強化をしながら完治した左手を握り込み、レーザーをかき消した奴の顔面に拳を叩き込もうと振り上げる。

 逆に奴は私の身体を打ち抜こうと、拳を上から下へ振り抜いた。

 拳同士が正面からぶつかり合うことは無かったが、握った手の人差し指を奴の拳が掠った途端、手が原形をとどめることなくひしゃげ、皮膚下に収まっていた骨や肉体が露わとなる。

 元が手だとは信じられない程に手をぐちゃぐちゃにされただけでは終わらず、後方に弾かれた右腕に引っ張られる形で後方に吹き飛んだ。

 体勢もあったものではない。隙しかない私にとどめを刺そうと大きく跳躍してくる。その脚力は本当に同じ生物か疑いたくなるほど強力で、吹き飛んでいるこちらに追いつく勢いだ。

 手を伸ばし、空中を漂っている私の足に指先が触れそうになるが、土で薄汚れた靴に触れることなく、その巨体は空中で急停止する。

 スペルカードによる疎と密の魔力の性質で形成された岩石が、頭上を高速で通り過ぎて跳躍した異次元勇儀の胸で砕けたのだ。

 異次元萃香のおかげで追撃をし損ねた奴は、空中では踏ん張りを効かせられずに後方に押し返された。

 押し返され、地面に背中から落下しようとした奴の真上に、異次元萃香が密の魔力によって集約されて現れた。

 しゃがんだ体勢で現れた彼女は上下逆で、頭が地面の方向を向いているが、足元では硬質化させた魔力が空中に固定されている。

 重力が働いて足が魔力の足場から離れてしまう前に、彼女は足全体の筋肉を使用して跳躍した。

 重力加速度と跳躍力が合わさり、後方に体が移動しながらであった私からは、姿をはっきりととらえることができなかった。

 魔力の足場が異次元萃香の跳躍力に耐えきれず、上空に向かって結晶となってはじけ飛ぶ。

 彼女は、その加速と重力を味方につけ、地面に倒れ込んでいた異次元勇儀の顔面に拳を叩き込んだ。

 私は怪我なく地面に着地し、右手の傷を魔力で修復し始めていたが、地形を変動させるほどの衝撃によりバランスを崩された。

 捲りあがった地面に手を付いて倒れ込まないようにするので精一杯だが、彼女たちの攻防はその間にも続いていたようだ。

 殴った異次元萃香を奴が掴みかかる形で跳躍したようだ。倒れ込んでいたはずだったが、あれだけの力を発揮できるため、無茶な体勢からでもああして跳躍することぐらいできるだろう。

 異次元萃香の首を鷲掴みにしていた奴は、私の時と同様に振りかぶると地面に向けて投擲する。

 力関係では異次元萃香を大きく上回っている奴に逆らうことができず、跳躍して落ちて行った時よりも早く彼女は地面に叩きつけられてしまう。

 体に疎の性質を持った魔力で満たし、粒子となって消えようとしていたのだが、あまりにも地面に到達するまでの時間が速すぎて間に合わなかったようだ。

「がっ……ああっ……!」

 顔を歪める彼女の上では、さらに追撃を加えようとしている異次元勇儀の姿がある。私は空から降りてきている彼女の周りに魔力を散布してコイルの性質を与えた。

 先ほどの段階では効果は薄かったが、強化された今ならば足止めには十分だろう。

「萃香!逃げろ!」

 私はそう彼女に伝えながらコイルに強力な電気を流し、磁場を発生させる。その途端に金属をわずかにでも含む小石から、手のひらよりも大きい岩石が空中にいる異次元勇儀の方向へ殺到し始めた。

「お前さんも懲りないね!この程度!」

 皮膚にいくつか小さな石ころなどがひっつくが、そっちには目もくれず、飛んでくる巨大な岩石を拳で砕いていく。

 しかし一度目に使った時よりも強力になっている分、広範囲にある岩石を引き寄せる。全身が凶器と言える異次元勇儀でも、手数が足りなかったようだ。

 破壊しても引き剥がしても戻って来る石や、新たに遠くから飛んでくる岩石により、攻撃していた手がいつの間にか守りに転じるようになっていく。

 時間が経過すればするほど自分の周りを覆って行く岩石の数が増え、奴は攻撃に転じることができず、岩に埋もれていく。

 奴を覆った数トンから十数トンにもなる一つの巨大な岩石は、地上数メートルの高さから落下した。

 彼女たちが起こす衝撃よりは弱いとはいえ、十数メートル離れた場所に居るが地面を揺るがす衝撃が伝わって来る。

 大小不同の岩石の寄せ集めであるが、磁力で一つにまとまっているため自重で一部が砕けることはあっても、その力に引き寄せられて離れていくことは無い。

 離れていくものがあるとすれば、鉄分が含まれていない小さな粒子程度の大きさの小石だ。

 岩石が落ちた丁度その場所に異次元萃香がいたはずだが、直前に粒子状になって逃げていたから心配ないだろう。

 あいつが予想外の動きをした時のために手先に魔力を送っていると、四メートル近くの大きさになる岩石が小さく振動した。

 とある魔力を放出してから大分時間が経ったはずで、そろそろ変化が現れてもいいはずなのだが、やはり鬼で頑丈であるのが原因だろう。もう少し様子を見よう。

 小さく振動した岩石を睨んでいると、先ほどよりも強い衝撃により今度は持ち上がった。それだけではなく、岩石全体が膨れ上がって一部がはじけ飛んだ。

 どうやら中心にあるコイルの性質が今のでかき消されてしまったのだろう。岩石の各部分から岩が転がり落ちる。

 表面の大部分は形を維持できず地面に散らばるが、中心に近い位置にある岩石は粒子などがすき間に入り込み、がっちり固まっているようだ。

 磁力の力が無くてもそのままの形を維持している。だが、それもわずかだ。三度の衝撃で岩石は大きく崩壊し、中に仕込んだ爆弾を爆破されたスイカの様にはじけ飛ぶ。

 飛んでくる岩石を手で払い落としていると、決壊した岩石の山の中から奴が飛び出して来る。

 あれだけの重量に潰されたのだから、怪我の一つでも追っていてくれればいいのだが、そう言うわけにもいかないようだ。

 手先に溜めていた魔力をレーザーに変換しようとした時、奴はこちらに到達する遥か手前で攻撃の手順に移り出す。

 何かを殴る、何かを蹴り壊す行動ではなく、何かを投げる体勢へ移っている。その掲げた手には、私からすれば手のひらと同じぐらいの大きさの石が握り込まれている。

 レーザーへ魔力を変換していたのを急遽変更し、エネルギー弾へと切り替えた。投げる段階であれば投擲の邪魔をしてやれば私たちに当たることはまずない。

 だが、変換していたのを途中で切り替えたおかげで時間がかかり、石は爪の伸びた大きな手から離れてしまった。

 螺旋状に回転する石は、弾丸と比喩しても過言ではない速度で私たち二人の方へ飛翔する。その射線上に居るのは私だ。

 変換に手間取り、十分な威力を引き出せないが、破壊とまではいかなくても軌道を変えることは可能だろう。

 差し出した手のひらからエネルギー弾ではなく、エネルギーを放出した。エネルギー弾では弾速が遅く、石を打ち落とすことができない。しかし、エネルギー弾が弾けた際に発生する衝撃波であれば多少狙いが雑でも、影響を与えることができるはずだ。

 エネルギー弾が何かに当たって弾ければ、その物体に運動エネルギーを与えるが、空中で爆ぜた場合は空気中にそれが伝わることになる。

 強化もされていない石であるならば十分に勢いや質量を削ぎ、脅威度を下げることができるはずだ。

 そう確信していたが、私は自分の体の重心がぐらっと左側へずれていくのを、平衡感覚を司る三半規管を通じて感じた。

「へ…?」

 左足で支えようとしてもそれをすることができない。傾いた重心を支えるために大きく足を開いて地面を踏みしめようとしても、一向に指先が地面に着く感触が返ってこず、私はそのまま顔から倒れ込んだ。

「ぐっ!?」

「魔理沙!?」

 何が起きているのかわからなかった。衝撃波は石を完ぺきに捕らえたはずだがその速度故、重量やスピードを削ぎきる前にこちらの攻撃を潜り抜けてしまったのだろう。

 上から押さえこむ形で放ったことにより、胴体へ直撃したことによる致命傷を避けることはできたが、どうやら左足が根元から吹き飛ばされてしまったようだ。

 戦闘で興奮した神経に誘発されて分泌されたアドレナリンによる作用なのか、耐え難い痛みであるはずだが失神せずに済んだ。

「ああああああああああああああああああああああっ!?」

 それでも絶叫するのには十分すぎる激痛だ。

 後方には、第三者目線で見るとやたら細くて頼りなく見える足転がっている。太ももの中間から千切れているそれの断面からは、赤黒いドロドロした血が溢れていく。

「あっ……ぐぅ……!」

 激痛で頭が働かない。潰された組織や千切れた神経から大量の痛みの情報が脳へ殺到している。それだけではなく、脳がまだ足があるかのように千切れたはずの足の痛みまで感じる。

 のたうち回る私と異次元勇儀の間に異次元萃香が割り込んで迎え撃とうとするが、立っている彼女の足がわずかに震えている。度重なる負傷により、彼女も限界が近いのだろう。

 魔力を強化しているおかげで、千切れた足を復元しようと魔力を送り込むと目を見張るほどの速度で左足が形成されていく。

「萃香…!どけ!」

 傷は治っても痛みは引かない。綺麗に再生させたはずだが、肉体は攻撃を受けたことを覚えているようで、石が当たってぐちゃぐちゃに引き裂かれ、潰された組織が未だに痛みを発している。

 足を修復しながら私は両手を地面に着き、大量の魔力を流し込む。河童たちと戦う時に使った手だ。

 土も強い圧力をかければ鉄並みに硬くなる。地球の中心の非常に高い圧力の性質を魔力に与え、それを棘状に飛びだす命令を与えた。

 自分のいる位置から前方に魔力を広げ、それには異次元勇儀の魔力に反応してその方向へ飛びだす性質を加えた。するとその射程に入ったそばから、奴に向けて大量の棘が地面から飛び出していく。

 金属でできた河童たちの装甲すらも貫いていた棘だが、突進してくる奴はガラス細工が砕けている。

 私のやろうとしていることを異次元萃香は察したらしく、早々に体に疎の性質を含ませた魔力で満たすと粒子となって消えた。

 河童たちに使った時よりも強力になっているはずだが、既に適応している奴は効率的にそれを破壊して着実にこちらへとその歩幅を広げている。

 ほとんど再生した左足で地面を踏みしめ、重たい身体を持ち上げた。久しぶりに素足で踏む土の感触は心地よく感じ、その湿り気から肌にこびり付く。

 しかし殺気だった巨体が近づいてくる状況にそれを堪能してもいられない。右手に魔力を溜め、準備を始めた。

 棘の地帯を走り抜けた異次元勇儀に対し、先ほどと同様に手のひらを向ける。レーザーかエネルギー弾を放つと踏んでいるのだろう、身構えながらも歩調を崩さず大股で接近を続ける。

 拳を振るうまでもなく棘を砕く奴からここまでは、約五メートル程度しか離れていない。数歩で追いつかれてしまう距離だ。手先に溜めた魔力を光に変換し、手を伸ばされれば届く範囲にすでに到達している敵に向け、それを放つ。

 レーザーにもエネルギー弾にも変換していないただの光は、奴に攻撃を加えることが目的ではなくただの時間稼ぎだ。太陽の数倍か十数倍の光は放った私でさえ目を瞑っていなければならない程だった。

 魔力で調節し、自分の方向に光が進まぬようにはしていたが、空気中に舞っている砂埃や、目の前まで迫っていた奴の身体で反射した光はどうしようもないため、一時的に白い光に視界を奪われた。

 その光が収まるまでこの場所に立ち続けているわけにはいかない。光を放つ前に私の位置は知られている。目が見えなくても見えなくなる前の情報を頼りに、その場所を攻撃してくるだろう。

 目を閉じながら大きく横に飛びのこうと地面を蹴った直後、空中で体の移動を強制的に止められた。

 何かにぶつかったわけではない。自分のよりも一回りも二回りも大きな手に、右腕を乱暴に掴まれたのだ。

「甘いね。これだけじゃあ、足止めにすらならないよ」

 目を閉じたままつかみかかって来た異次元勇儀は、掴んだ私のことを自分のやりやすい位置に引っ張り込むとそう呟いた。

 さほど強くは握っていないのだろうが、掴まれている右手手首の骨が悲鳴を上げ、亀裂の生じる音がする。

「ぐっ……!……くそ…っ!!」

 この戦闘狂を少し甘く見ていたようだ。視界を奪えれば大きく時間を稼げるかと思っていたが、獣並みの勘で私が飛びのいた方向や正確な座標を割り出したようだ。

 厄介なことこの上ない。単調な攻撃、予想のしやすい行動ばかりで、状況によるが避けることについてはあまり難しくはない。

 私でさえ避けるのが容易な攻撃をする、そんな彼女が幾人を葬ってこれたのは、この勘によるものが大きいだろう。

 こうなると事前の動作や、仕草などは関係ない。奴の勘がどの程度の物なのかをこちらが予想し、それを上回る行動をしなければならないわけだ。

 だが、それもももう遅い。後は私がどうなるかは奴次第で、逃げ出そうにも彼女の握力や勘の良さからしてほぼ絶望的だ。

 なら、この至近距離を利用し、とある魔力を奴に吸わせてやればいい。掴まれていない左手の平を身長の高い奴の顔に叩きつけ、それを大量に放出する。

「ははははっ、なんだいそりゃあ?これが攻撃とでもいうつもりかい?」

 目を閉じたままの彼女は笑いながら右手で拳を握ると、私の腹部を貫いた。強化していた皮膚は意味をなさず、腹部内になるほとんどの臓器を引き裂き、すり潰してぐちゃぐちゃに混ぜ合わせた。

「お前さんとの戦いは面白かったが、やっぱりこの程度か。残念だよ。」

 内臓の一部は貫かれた背中から貫いた手と一緒に飛びだし、地面にボトボト落ちて行く。

 普通に殴られていた時は、奴の生み出した運動エネルギーが全て衝撃となっていたため吹き飛んだりしていた。

 今回についてはそのエネルギーは貫通することに使われ、ほとんど私の体に伝わらなかったことで吹き飛ぶことは無かったのだが、身体へのダメージはこちらの方が大きい。

 あらゆる細胞や組織がシェイクされ、奴の腕が貫いたままでなければ、開いた穴から大量の組織片が零れ落ちていたことだろう。

 そうならないのもつかの間だ。左手で私の肩を掴むと、奴は貫いた腕を引き抜いた。ズルッと身体の中を異物が通り抜けていく不快感は、吐き気を込みあがらせ、痛点の刺激により激痛を生じさせる。

「ごぼっ……」

 真っ赤な血液が口内に溢れ、鉄臭さが鼻に付く。口を閉じていればそれらが口の中に充満する所だったが、開いた口から真っ赤な血液が吐き出された。

 口ではなくぽっかりと穴が開いた腹部を押さえようとするが、何かわからない千切れた組織片が血液と一緒に流れ出る。

「おっと、ちょっと強くやりすぎたようだね」

 視力が回復してきたのか、奴は瞳を開いて目の前の状況を把握するとそう呟いた。未だかつて体験したことのない程、早い速度で体内にある血液が漏出している。このままでは一分を断たずに私の意識も命も断たれることになるだろう。

 奴は壊れた玩具には興味がないらしい。血反吐を口と腹部から漏らしている私を突き飛ばし、迫ってきていた異次元萃香の方へ向き直る。

 少し突き飛ばされただけに見えたが、大げさに見える動作で体が後方に向かって倒れ込んでしまう。

「あっ………っ……かはっ……」

 腹部に大量の魔力を送り込み、傷の修復を最優先に行う。特に血管系を集中的に治せば延命できるはずだ。腹部を縦に走行する動脈か静脈かはわからないがそのどちらかか、両方を損傷したのだろう。

 帰って来る血液が激減したことで、心臓から全身に血液を送ることができず脳が酸欠状態に陥っているのだろう。思考が鈍り、意識がぼんやりと雲がかり始める。

 その思考の中でも異次元萃香と異次元勇儀が攻防を繰り広げているのがわかる。拳を交えている衝撃が倒れている私にも伝わって来た。

 魔力を集中させているが、末梢の器官よりも腹部内にある器官は複雑な機構をしている。それ故に回復が遅れているのだろう。

 私は腹部に送っている魔力の一部を指先に送り込み、それをレーザーへと変換した。修復が間に合っていない部分の組織を熱線で焼き、血液の流出を最小限に留めるのだ。

 血液が蒸発し、肉の焼ける匂いが立ち込める。それが自分の物だと思うとまた更に吐き気が込み上げてくるが、喉を締めて胃から押し出されてきている内容物を押し留める。

 その甲斐あって何とか動脈や静脈をつなげることに成功した。あとは焼けた臓器を修復しつつ骨髄系に造血を促す。

 主要な血管からの出血を抑えてしまえば、後はいつも通り怪我を修復するだけだ。血液が脳に回り始めたことで、物事を正しく捉えられ、まともな思考をすることができる様になってきた。

 頭が回り始めたことで、早く戦闘に参加しなければならないという焦りが生じる。しかし、中途半端に治った状態であれば邪魔にしかならない。

 ゆっくりと治っていく体にじれったさを感じるが、冷静に焦らず確実に治すことを専念しよう。

 だが、今までの叩く音とは明らかに違う。何かが何かを貫く音がかすかに耳に届いた。少し距離が離れていことで聞き逃してしまいそうになったが、苦しそうに呻き、嗚咽を漏らす声に私はハッと顔を上げる。

 血まみれの身体や素足が視界に見え、その先には異次元萃香の胸を貫いた異次元勇儀の姿があった。

 ガハッと吐血する彼女の血が、貫いている腕を真っ赤に汚す。苦しそうに呼吸をしているのとは対照的に、安定した呼吸を見せている異次元勇儀は、体の力が抜けていく元仲間をごみでも捨てる様にわきに投げ捨てた。

 体を粒子にすることも受け身を取ることもできなくなっている彼女は、崩れた木材の山の向こうへと姿を消した。

 彼女がランダムに積まれた木材の上を転がったことで、絶妙なバランスで崩れていなかった山は、雪崩のように騒々しい音を立てて崩壊していく。

「っ……くっ……」

 傷は治り切っていないが、もう立ち上がらなければならない。私の意識が失っておらず、頭だけでも起き上がったことは奴も感ずいている。

 貫かれた腹部を押さえながら上体を起こそうとするが、修復しきれていない穴から赤黒い血液がドロリと漏れ出す。

「やはり立ち上がったか。これだけあたしにボコボコにされてそれでも立ち上がってきたのはお前さんが初めてだよ」

 異次元勇儀は手にべったりと付着している血を払いながらこちらへ向き直り、歩み寄って来る。

 腹部の修復はもうすぐに終わる。だが体に蓄積されたダメージを拭いきることはできない。捲り返った地面を踏みしめて立ち上がろうとするが、膝が笑ってまともに立つことすらできない。

「っ………」

 無理やり立ち上がろうとすると倒れ込んでしまいそうになる。近づいてきている奴に対して早く行動しなければならないのに、焦りだけが先行してしまう。

 ガクガク震える膝を制御することができず、遂に奴が目の前で立ち止まってしまった。片膝をついたまま立ち上がろうとしている私を見下げている。

 太陽の逆光で見えないが、影に白い歯が浮かんでいるように見える。しゃがみながら手を伸ばし、見上げていた私の首を掴む。

「うぐっ……」

 乱暴に持ち上げられ、地面から三十センチほどの高さまで持ち上げられた。首が閉まり、息が詰まる。

「だいぶ傷の直りが速い様だが、もう少しかかりそうだな」

 まだ完治しきっていない私の腹部に、大きく鋭い爪の生えた指を伸ばしてきた。グジュッと嫌な音を立て、治している最中の肉体を抉り取る。

「ああっ…!?あぐっ…!?」

 ブチッと肉に引っ掛けていた爪を無理やり引き抜き、未だに血が流れ出ている腹部から手を抜き取った。

「こ……のぉ…!」

 私の首を掴み上げている奴の顔へ向け、手のひらを向ける。

「ほお、まだ抵抗する意志があるとはね。でもそれはあたしには効かないし、飽きた」

 彼女に向けていた手を、私の血肉が縊りついた手で掴み、向きを無理やり変えさせられた。

「っ……」

「お前さんは秘策がどうのとか言っていたが、どうだ?ここから成功しそうか?ちと期待していたんだが、期待外れだったか?」

 彼女にそう語り掛けられていると、体に異変が起こり始める。活性化していた魔力が急激に弱まり、元の出力に戻っていっている。

 それと同時に活性化していたから誤魔化せていた、蓄積されたダメージが上乗せされる。強烈な脱力感と疲労感に襲われ、首を掴んでいた手を引き離させようと握っていたが、逆にこちらが力が籠められず離してしまった。

「っ……くそ……っ…!」

「これで終わりだね。大人しくくたばんな!」

 私の顔面を貫かんと真っ赤な拳を握り、掲げた。活性化した状態の魔力で強化したとしても、腹部を貫かれた。頭を叩き潰すことなど、おそらく造作もないだろう。

 異次元萃香の助けも期待できない。あれだけのことをされたのだ。生きていれば回復に専念していることだろう。

 拳の形をした死が向かって来る。ゆっくりと迫り、見ているだけでゾクッと寒気のするそれを直視できず、私は目を反らして閉じた。

 こいつはおそらくこの後も暴れまわり、霊夢達のことも襲うだろう。彼女にもう迷惑をかけたくない。危険な目に合わせたくないと思っていたのに、私にはどうすることもできないようだ。

 すまない霊夢。

 ギュッと目を閉じた私に、拳が振り抜かれた。

 拳が頭蓋を砕き、皮膚を引き裂いて眼球を潰し、中身の脳組織を後方にぶちまける前に、頭と胴体をつなぎ止めている首が耐え切れず、吹っ飛んでしまったのだろう。

 顔の表面を血生臭い風が撫でて通り過ぎて行く。

 そう思ったが、吹き飛ぶ前の殴られた痛みや衝撃が来ていないことに気が付いた。三半規管は機能しているはずであり、頭が吹き飛んだのであれば座標の違いなどは検知されるはずだが、そう言った感覚もない。

 恐る恐る目を開いてみると、私の頭を貫くはずだった拳は頬の横を通り過ぎた状態で腕が伸びきっていた。

「………どうした?外す距離でもないんじゃないか?」

 私がそう語り掛けるが、この距離で自分の攻撃を外すなどありえないと思っているのだろう。信じられないと言った顔つきだ。

 この様子は、どうやら間に合ったようだ。

 伸ばしていた手を引き戻し、開いて手のひらを改めて眺めているが、こちらから見てもわかるほどに、震えている。

「っ……お前さん…!あたしに…何をし――」

 震える指を無視して手を握り込み、再度殴りかかろうとした異次元勇儀だが、今度は体勢自体を大きく崩し、殴ることもできずに私の首を離してしまう。

 後ろにヨタヨタと下がった彼女は、後ろに倒れ込んでしまうのを防ぐために、私がしていたように片膝をついて体を支えた。

「げほっ…ごほっ…」

 掴まれていた首を擦りつつ何度か咳き込み、ようやくまともに呼吸をすることができた。

「……それが、とっておきって奴だ」

 時間の経過で指の震えや手の震えが酷くなっている。その頃になると拳を握り込むこともできなくなり、そこから倒れないようにするので精一杯の様だ。

「ほお、あたしが膝をつかされるとはね……いったいこれは何なんだ?」

「それだけじゃないぜ。もっとひどくなる」

 私は近くに倒れている樹木に、休みを欲しがっている体に鞭を打って近寄り、その幹に座り込んだ。

「っ……!」

 その通りだったようで、異次元勇儀は先ほどまでの余裕の表情を拭って珍しく顔を歪ませている。

 膝をついて体を支えていたがそれすらもできなくなり、奴は前かがみになって地面に倒れ込んだ。

「答え合わせと行こうか?」

 私がそう言うと、身動き一つとれなくなっている異次元勇儀は顔をこちらへと傾けようとするが、異変に気が付いて目を見開くと口元から血を吐き出した。

「があっ…!?……これは…」

 血を吐くなど体験したことが無かったのだろう。明らかに動揺している彼女に向けて、私は自分のしたことを話し出した。

「さすがにどんな強化をしても、お前の体を貫くことはできないなんてことはわかってたからな。内側からやらせてもらった」

「内側から……?」

「ああ、私たちがお前に無駄だとわかっていながらもなんで攻撃し続けていたのは、単純に時間を稼ぐためだが、何の時間を稼いでいたと思う?」

 基本的に殴る蹴るなどの物理的な方法しかとらない彼女は、他のことには頭が回らないのだろう。答えることができない。

「お前の中に毒が回り切るのを待ってたんだぜ」

「毒だと?そんな物…飲んだ覚えが…ないぞ…」

「当たり前だ。お前の周辺に毒の性質を持つ魔力を散布して、肺から吸収させてたからな」

 私がそう言うと、光で目がくらんでいる時に攻撃ではない魔力の放出を顔に受けたのを思い出したようだ。

「あのときか……!」

「ああ、まあ…その前からだがな。…わかるか?…お前は幾度となく行ってきた戦いから魔力で自分の身体を防御することを行わなくなったが、それが敗因だぜ」

 通常、誰かが魔力を放出したとして、それを取り込んでしまったとしても、体が自動的にそれを変換して自分の魔力と同じ波長にして取り込んだり、防御機構が働いて魔力を攻撃して効力を失わせたりする。

 これは自動的に行われるため、私は香林の魔力が含まれた紫煙を吸い込むときに、一度防御機構の魔力を無くし、その後に取り込んだ。でなければ勝手に魔力が働いて上手く活性化されなかっただろう。

 彼女は自分の体を守る魔力を使わないことが通常だったため、致死量といえるほどに魔力を取り込んだことで大きなダメージとなったようだ。

 だが、今回は魔力そのものを毒としているわけではなく、毒の性質を含ませていた。私達にも効果がある物だが、魔力の防御機構があるので問題はない。実際にはその通りで、魔力のフィルターを設けていなかった彼女だけが影響が出ている。

 確かに鬼は強靭な肉体を持っていて、外からの攻撃にはめっぽう強い。

 しかし、彼女は酒飲みで、酒を飲んで少し酔っていた。戦いの最中で酒臭さを感じたのはそのせいで、酔っぱらうということは肝臓の機能はそこまで強くないと推測で来た。

 人間の肝臓というのはよくできている物で、あまり強い物だと解毒する前に毒が体を回ってしまうが、ほぼすべての毒を解毒できると言われている。

 異次元勇儀の肝臓もそれに当てはめることができるのであれば、外から叩くよりも、毒を吸わせて中から叩いた方がうんと楽に倒すことができると踏んだのだが、予想は当たったようだ。

 毒の性質と魔力によって、彼女は全身ズタズタの状態だろう。今から私の魔力を自分ので除去したとしても、毒素の性質がもうすでに体の中を回っている。意味をなさないだろう。

「ふざけるな……!!こんな戦い方が……あってたまるか…!!」

 彼女はそう叫ぶが、後の祭りだ。せめて魔力を巡らせて体を保護していれば、こんな結末は向かえなかっただろう。

「何も殴る蹴るだけが戦いじゃないぜ。……まあ、お前が自分の身体能力に自信があってくれたおかげで、私は今こうして立っていられてるがな」

 間違ってはいけないのは、この作戦はこいつにしか通じないという所だ。普通の奴であれば身体を強化しているため、いくら魔力を吸わせても打ち消されて無意味だ。

「くそ…!ふざけるな……!!こんなの、……あたしは…認めない……!!」

 死にかけだというのに、彼女は怒りを露わにして立ち上がろうとしている。だが、できるわけがない。

 私の魔力に犯され、煌々と煌めいていた命の灯が陰っていっている。

「最初に言っただろ…お前の余興に付き合うつもりはないってな……お前はそこで死んでいけ」

 段々と動きの鈍っていく彼女をまっすぐに見据えたまま、私は腹部を押さえて小さく息を吐いた。

「ぐっ……かはっ……かっ……」

 苦しくて首を掻き毟り、怒りからこちらに進もうと地面を掴むが、体が言うことを聞かず、ただのたうち回っている。

「………一人じゃ寂しいだろうし、私が最後まで見ててやるよ」

 皮肉をたっぷりと込めて私がそう言うと、異次元勇儀は苛立った表情を浮かべて何かを言おうと口を開くが、声が発されることは無く、かすれた吐息が漏れる。

 呼吸することもままならなくなり、自分の爪で引き裂いた皮膚からは血を流し、掻き毟りすぎて中の気道まで穴が開いてしまっているようだ。

「………………ぁぁ……」

 彼女はそう声を漏らすとそのまま突っ伏し、二度と起き上がることは無くなった。

 そこから五分ほど座ったまま体を治癒させていたが、本当に死んでいるか確認するために私は座っていた木の幹から立ち上がった。

 形の変える物質に残っていた魔力に、こちらに飛んでくるように命令を与えると、遠くの瓦礫の中から粒子状になってゆっくりとこちらへと向かい、手元に集まった。

 刀の性質を含ませると細くてあまり刃渡りのない、正直言って頼りない刀が形成される。それを握ったまま異次元勇儀に近づき、しゃがみ込んだ。

 うつ伏せで倒れている彼女の肩を掴んで起こし、仰向けにしてやった。完全に体からは力が抜け、やりずらいことこの上ない。

 しかし、人間的な動きなどが見られず、死んでいることに信憑性が高まる。だが、自分の手でやらなければ安心できない。

 彼女の魔力が完全に消え去っていることで、死んだふりをしているわけでもないが、徹底的にやらせてもらうとしよう。

 試しに彼女の体を刀の切先で撫でてみると、先ほどの鉄壁が嘘のように皮膚や皮下組織を切り裂いて見せた。

 詳しくはわからないが、死ぬと生前に備わっていた性質は消えてしまうようだ。これは好都合だ。

 彼女の口を開かせ、私は持っていた刀を突っ込むと上顎に切先を突き立てた。得物を伝って肉を切り裂く嫌な感触を感じるが、嫌とは言っていられない。安心がほしいのであれば自分がこれをするしかないのだ。

 私は刀の柄を両手で握り込み、力いっぱい押し込むと多少の抵抗はあったものの、あっさりと刀は脳まで到達する。

 柄を傾けて脳組織を破壊していく様は、はたから見れば理性の残っている人間がすることには見えないだろう。

 




次の投稿は2/29の予定です。


投稿が遅れてしまい、申し訳ございませんでした。
次からは少しペースを戻して投稿できると思います。
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