東方繋華傷   作:albtraum

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自由気ままに好き勝手にやっております!


それでもええで!
という方のみ第百六十話をお楽しみください!


東方繋華傷 第百六十話 泡沫の世

 魔力で強化された、聖の身体能力はこの場にいる誰よりも屈強で、素早さもトップレベルであると言えるだろう。それだけであるのなら問題はないのだが、力を振るう僧侶の思考が、独善的である部分が最大の弊害だ。

「死んでください」

 たった一言の言葉を引き金にして、拳を握った聖の拳が放たれた。死期を悟る暇もなく、今まで感じたことの無い暴風に煽られた。後方に位置していた壁や周囲の障子戸も聖の拳圧に耐えきれず、全てが後方に薙ぎ払われた。

 風に煽られ、背後に位置していた壁に叩きつけられるかと思ったが、いくら後方にぶっ飛ばされても体が障壁にぶつかることはない。命蓮寺の一番奥にいたはずで、外に出るまでにはいくつもの壁があったはずだが、身体にぶつかる物は一つとしてない。

「…!?」

 空中に投げ出された。一緒に吹き飛ばされていた村紗や一輪が体勢を整え、スピードを減速させていく中で、そんな反射神経がない私は勢いを緩めることなく外壁へ向かっていく。

 このスピードで飛行し、身体の強化も施していない私が、頭に全体重をかけて外壁にぶつかれば、熟し過ぎた果実が落ちた様になるのは想像に難くない。そんなことわかり切っているが、咄嗟に体をどう動かしていいのか全く分からない。

 頭を打ち付けることを認識したまま、その想像に向かって進んでいく。水蜜やぬえが私を呼ぶ声が聞こえてくるが、ここまで来たらもうどうしようもない。防御の姿勢に入る間もなく突っ込もうとした直後に、急激に減速したことを示す慣性が働いた。

 ガクンと体が前倒しになり、空中に浮かんでいられるほどの速度が無くなった。一時的に重力から解放されていたが、それが戻ってきているのを重くなっていく体が感じた。前倒しから持ち上げることができずに、前のめりに地面に倒れ込んでしまう。

 一瞬の出来事で頭の整理が付かず、自分が助けて貰ったのだと理解するのに、上体を起こすまで時間がかかった。

 見回すと皆離れていて、誰も助けられる位置に居なさそうだが、体の形を自在に変えることのできる雲山の腕が私の足に伸びていた。足から雲が離れていくと、彼が守ると決めている一輪の元でまた漂い始める。

「なにが…?」

 未だに生きているという安心感があったが、それと同時になぜ私が生きて居られているのか、その疑問が浮上してきた。あんな目と鼻の先と言える距離感で聖が当てられない理由がない。

 全員無傷であるということは、形を常に変えている雲山あたりが助けてくれたのだろうか。それとも、ぬえが能力を使用して一瞬でも聖の距離感を見誤らせた。その二つのどちらかが考えられた。

 庭には大量の破壊された木材と、巻き込まれて吹き飛ばされた家具が散らばった。鏡などの割れやすい物は軒並み砕け、素足で歩けないほどに散乱してしまっている。

 辛うじて私の周囲にはガラス片はない。砕けた木片やしまってあった日用品を体から払い落として起き上がった。

 助けてくれた二人に礼を言いたいところだが、壁が壊れて我々が飛び出した場所から、魔力で強化がかかっている聖がゆっくりと出てきた。その手には例の巻物が握られており、また何かしらの魔法を発動するつもりのようだ。

 視線だけで周りを見回すが、庭の外れの位置に吹き飛ばされたことで、庭に集まっていた村人たちを巻き込むことはほとんどなかったが、私たちと聖が対峙する位置関係にいることで動揺が広まっている。

 経緯を見ていない素人目に見ても、聖の様子がおかしい事はわかるようで、察しの良い数人が逃げ出そうとしていたが、持っている巻物には魔力が込められており、発動の方が速かった。

 巻物に刻まれる回路に魔力が込められ、魔法が起動した。両掌で広げている巻物の上に、淡青色に光る球体が出現する。何をするつもりなのか、魔力を探る前に魔力の球体が膨らんで周囲に拡散した。

 攻撃だと勘違いし、腕を体の前に掲げて防御の姿勢を取るが、衝撃に打ち抜かれることはない。斬撃等も放たれておらず、寺の中から吹き飛ばされたこと以外で痛みは生じていない。

 何をされた。それを探るために周りを見回すと、見上げる程に大きい正門の前で尻もちをついている人間が数人見えた。

 その理由は、考えるまでもなく視界内に答えが入ってきた。光の玉と同色の壁が、命蓮寺を囲う形で配置されている。幻想郷では馴染みのあるこれは、結界だ。

 結界は自分の身を守るためか、他の者を閉じ込める用途で使われるが、今回は後者の目的で使用された。命蓮寺内にいる者を、一人も逃すつもりはないらしい。

「……」

 聖が刺激されて攻撃に転じぬよう、ゆっくりと一番近くにいる一輪の方へと移動する。忍びのように抜き足差し足で歩いているつもりだが、他から見ればかなり滑稽な格好になっているに違いない。

 それでも十数秒も時間をかけて、ようやく一輪に囁ける程度には近づくことができた。聖は次の魔法を発動しようとしているのか、タイミングがいい事に攻撃をしてこなさそうだ。

「一輪…それと雲山……一つ提案がある」

 内容は聞かれたくはない為、動くに動けない二人に聞こえるかどうかわからない程度に声を押さえて話しかけた。

「何?」

 一輪はこちらを見ずに、聖を睨みつけたまま返事を返してくれた。彼女の声色には何か作戦でも立ててくれたのではないかという期待が込められているが、残念ながらそんなものは思いつていない。

「ここから先は、頭ではなく体力や力が物を言う。私が時間を稼ぐから、ぬえと水蜜を連れて逃げてくれ」

「ナズーリン、何言っているの…!?あんたも逃げるのよ」

 そう言ってくれるのは有難いが、ついって行ったとしても、戦えない私は邪魔になるだけだ。彼女たちの障害となりえるのであれば、一緒に行動するのは愚策だ。

「残るからって私も死ぬつもりはないさ。何かと理由を付けて聖の注意を私に向けるから、そのうちに二人を連れていけ」

 彼女のやろうとしている事を形だけでも賛同し、この場を切り抜ける。ここさえ見逃してもらえれば、逃げるチャンスはいくらでもあるはずだ。

「だからって…」

「水蜜程じゃないが、私だって多少は舌が回る。聖ぐらいはどうってことないさ」

 聖が次の魔法を発動し終える前に、一輪を丸め込まなければならないが、納得させられるだけの材料をそろえていない。正直なところ、聖が私を生かしてくれる可能性は限りなくゼロに近く、彼女をうなづかせるには、嘘でも余裕を見せなければならない。

「最悪、君が後で助けてくれればいい。聖を倒せる人物を連れてきてくれ……でも、博麗の巫女以外で」

「霊夢がだめって…どうして…!?」

 一輪が聞いて来ようとするが、おしゃべりタイムは終わったようだ。更なる身体強化の魔法を施し終えた聖が、縁側から壁や柱の一部だった木材が転がる庭に降りてきた。

「作戦会議は終わりましたか?」

 優しいいつも通りの声のはずなのに、背筋に氷を入れられたように寒気を感じてしまうのは、彼女が醸し出す殺気のせいだろう。隠すつもりがなく、全身にナイフを突き立てられているようで吐き気がする。

「さ…作戦会議じゃない。君の方に付いた方がいいって、考え直し…」

 彼女のやろうとしている事を称賛し、同じ意向を示そうとするが、聖には時間稼ぎや注意を向かせるためだとバレてしまったのだろう。私の話を聞くこともなく、私と一輪の前に聖が飛び出した。

「「っ!?」」

「弁明いりません。あなた方全員、私の糧となってもらいます」

 私程度に本気の攻撃を撃つなど体力の無駄だと思っているのか、いつでも殺せるため私は後回しにされたのだろうか。拳ではなく平手打ちが飛んできた。

 種も仕掛けもないただのビンタだが、頭部を鈍器で殴られたような衝撃が駆け抜け、気が付くと私の体は宙に浮いていた。

 ゆっくりと景色が動いて見えた気がしたが、目に映る周囲の人物が全員上下逆さまになっている。狐や狸に騙されたと錯覚してしまいそうだが、反対になっているのは自分だ。

 それを察した直後、壁に背中を打ち付けた。聖から受けた平手打ちとそう変わらない衝撃が、今度は後方から前方へ突き抜けていく。

「うぐっ!?」

 壁に運動エネルギーを伝え、空中に留まれなくなった私は、地面に頭から落下することになるが、平手打ちで軽く脳を揺らされたらしく、意識がはっきりしない。

 地面に蹲ったまま、早く起きなければならない焦りに誘発され、衝撃でロクに息も吸えぬ状況でもがいた。

 前方で繰り広げられる攻防を、眺めることしかできない。私の体重が軽く、聖の攻撃を重く受け止めなかったことや激しく地面に落ちなかったことで、脳震盪のダメージは大したことなく回復へと向かっている。

 衝撃が反響を繰り返して頭の中を巡っているような気がし、意識がはっきりとしない。頭を数度はたいて、無理やりいつも通りにまで引き戻すと、攻防が終わりを告げる。

 雲山を纏った一輪が吹き飛ばされたところだ。十秒にも満たなかったはずだが、攻撃を何度か受けたのだろう。服がよれていたり、一部では破れている所もある。この中ではご主人を除いて一番実力のある、一輪を早めに潰しておきたいのだろう。聖は更なる追撃で身を屈め、跳躍の準備に移る。

「聖ぃい!」

 ぬえがその後方から槍で串刺しにしようとするが、何を思ったのか彼女は咆哮しながら走っていく。一輪に追撃をさせないためには、私が行おうとしたように自分に注意を向かせなければならない。

 振り向きと同時に刺突しようとするぬえの槍を弾き、大きく前進して槍の射程から素手の射程へと間を詰め、認識を誤らせる妖怪に打撃を加えた。人体に当たったのであれば、まず聞こえることの無い金属音が響く。

 弾かれていたが、どうやら防御には間に合ったようだ。なんの金属が使われているかわからないが、三股に分かれている槍がぐにゃりと半ばから曲がっている。命よりは安いだろうが、ぬえは攻撃手段を失った。くの字に曲がる武器では、まともに戦えないだろう。

 後方に吹き飛ばされ、命蓮寺の中に消えていったぬえと入れ替わりで村紗が攻撃を仕掛けた。彼女は戦う準備ができていなかったらしく、身体強化が施された僧侶に無謀にも素手で突っ込んでいく。

「村紗……!」

 駄目だ。行くなと叫ぼうとしたが、私の静止よりも先に聖の拳が彼女を穿った。一瞬のうちに殴りかかろうとしていた腕を手刀で叩き切り、胸部へ渾身の正拳突きを抉りこませた。

 身体強化をしても聖の攻撃力を上回れず、肉や骨をまとめてひき潰された。主要な内臓が揃う胸部を貫かれれば、いくら妖怪でも致命傷に至る。さっきまで冗談を言って、気さくに話していた友人が急激に生命活動を停止させていく。

「ごぽっ……」

 血肉と、何かの内臓がこびり付く拳を中心に、セーラー服に真っ赤な血の染みが広がる。死亡までに出血多量が速いか、ダメージのショック死が速いか。村紗は抵抗する兆しを一切見せることなく、胸を貫いている聖にもたれかかる。

「できれば生きていた方がいいですが、まあいいです」

 血で汚れる腕を村紗から引き抜くと、聖は彼女の体をこちらへと投げ飛ばした。寺の中から吹き飛ばされた時の、華麗な着地など面影もない。すぐ横、私の傍らに落下した。

 水気を帯びた落下音。受け身を取る様子がなく、地面に静かに沈んだ。胸から背中につながる大穴は拳台の大きさで、穴の奥には乾いた地面が広がっている。

 組織や血管から血液が漏れ出し、服や地面をどす黒く染め上げていく。左胸を貫かれ、本来その場所にあるはずの主要な組織が忽然と姿を消している。

「水蜜…!…水蜜!!」

 血を止めたくても止められない。傷を塞ぎたくても塞げない。これほどまでに、医療の知識を備えておけばよかったと思う日はないだろう。

 しかし、例え知識を兼ね備えていたとしても手の施しようなど、あるわけがない。妖怪の頑丈さは人間に毛が生えた程度なのだ。彼女は血を吐きたくても、あらゆる器官を損傷してままならない。さながら、自分の血液に溺れていく。

 血流が滞り、意識が薄れるだろう。視界がぼやけるだろう。生物としての光を失っていく彼女の目が、何かを伝えようと私を見据えた。

「……ナ…ズ………」

 呼吸に使用される筋肉や組織が損傷している中で、残った組織をできうる限り運用し、水蜜は私の名前を呼んだ。ゴボッと血が混じっているせいで聞き取りづらかったが、呼ばれたことだけは確かだ。

「…に…げ……………て…」

 最後の方は、水蜜自身も言葉を発したかどうかわからないだろう。それほどにか細い一言だった。友人は事切れ、意識してこちらを見ていた瞳は、私を見ているはずなのにどこか焦点が合っていない。

 生物はいつかは死ぬ。だとしても、こんなにそれが速く訪れるだなんて、思ってもいなかった。友人を看取るなんて、初めての経験で、殺される寸前だというのに感情の整理が追い付かなかった。

「水蜜……」

 これが悪い冗談なんじゃないかと現実から目を背け、人の形をした友人になおも縋って揺り動かし、起こそうと試みようとしていた。血がダラダラと溢れる水蜜に、振れるか触れないかと言ったところまで手を伸ばしていたが、急速に引き剥がされた。

 この状況では難しくとも、彼女を抱き起そうとしていた。揺り動かし、冗談だと笑ってくれる彼女を期待した。せめて最後に触れていたかったが、それらは全て聞き入れられなかった。

 肩を後ろから掴まれ、後ろに引き寄せられていく。それでも水蜜に触れようと、前のめりに手を伸ばした。後ろから前に風が抜けていき、小さな指では何も掴むことができない。

 誰に掴まれたなどそこまで思考が回るはずもなく、聖に掴まれたと勘違いした私は肩を掴む手を振りほどこうとでたらめに暴れた。

「ナズ!動かないで!」

 誰かの一喝に体が硬直し、されるがままとなった私の体は運ばれていく。ご主人は不戦を決め、ぬえは吹き飛ばされた。水蜜は殺され、残っている人物は一輪と雲山だけだというのに、肩を掴んでいる手を見るまでは、誰が掴んでいるのかわかっていなかった。

 人間のようにしっかりとした輪郭はなく、雲状にぼやけている。体の一部を延ばして来ている雲山と一輪、二人の方向へ引き寄せられた直後だ。私の足先を掠め、たった今友人を殴り殺した聖の拳が地面に突き刺さる。

 地面の一部が陥没し、衝撃に耐えられない土が捲れあがった。余波をもろに受けた動かぬ水蜜は、吹き飛ばされて地面を転がっていく。

 私には地面から離れた礫が到達し、砂や土を頭から若干かぶることになった。振り払うことなど頭には無い。助かった安堵は湧き出ず、脳が感じる感情は友人を失った喪失感と何もできない自分の無力感に打ちひしがれていた。

「大丈夫かしら…ナズーリン」

 勢いよく数十メートルの距離を引き寄せられていたが、目的地に到着したようで、急激に体の動きが停止した。慣性を考えていない急停止に頭を大きく揺らされ、それで脳震盪が起きそうだ。目を回しそうになっていると、一輪から声がかかった。

 大丈夫ではないが、自分の事よりも他の事で今は一杯一杯だ。

「私なんかよりも……水蜜が…」

 一輪から離れて水蜜の元に足を運ぼうとするが、私を抱きかかえている彼女はそれを許さない。体の節々が痛くなるほどに抱きしめられ、呼吸もままならなくなりそうだ。

「離してくれ…!水蜜が…!」

 締め付けられていても尚、一輪の腕を振り放そうともがくのを止められない。それを鬱陶しい、邪魔だとさえ思っていた。

「ナズーリン落ち着いて…暴れないで」

 しかし、絞り出すような、喘鳴交じりの苦しそうな一輪の声に我に返った。自分勝手な行動で、更に友人を失いかねない。ハッと一輪の事を見上げると、頑張って痛みを堪えようとしているが、ひそめたままの眉が彼女も重症である事を物語る。

「一輪…」

「どこも怪我はなさそうね。とりあえず、私たちであなただけでも逃がすわ」

 一輪は私が暴れる心配がなくなると、自分たちの背後に回らせ、守る形で手前に陣取った。今の私に守る価値など無いと先ほど言ったのを、彼女は理解できていなかったのだろうか。

「一輪、それに雲山…何をしてるのさ…!なんで今のうちに逃げなかった…!逃げるぐらいの、時間はあったはずじゃないかっ」

 目の前に立つ二人に言うが、雲山はいつもの通り無言を貫き、一輪は地面に叩きつけていた手を穴から引き抜いた聖と対峙したまま、こちらに向きなおらずに呟いた。

「私たちじゃあ、難しそうだったから」

「難しいも何も……」

 これだけ巨大な結界なのだ。一か所に使われている魔力量は大したことはない。人間では無理でも、妖怪のそれも二人の力ならば結界を破ることは可能であろう。君らなら大丈夫だ。そう続けようとした言葉が詰まった。

 結界を破ったとしても、その後の体力が彼女たちには残されていないのだ。抱きかかえられている時は、それどころじゃなくて気が付いていなかったが、背中側から見てもわかるほどに、彼女は出血を起こしていた。

 雲山が防御していたように見えたが、それを大きく超える威力があったのだろう。聖の拳がどう影響したのか、背中側まで血が滲んで服を汚していく。その広がる速さから、もう長くはないと悟れてしまった。例え命蓮寺から抜け出せたとしても、百メートルも進まぬうちに出血多量で死に至ることだろう。

 いつもは集合してくっきりと人の形を成している雲山だが、今は向こう側の景色が見えるほどに体を維持できておらず、沸騰する水から立ち昇る蒸気のように霧散して消えかかっている。

「私たちも、よくはないでしょう?」

 ポタポタと血が流れ落ち、一輪の体がフラフラと左右に小さく揺れ始める。もうすでに立つ体力すら削がれている。虫の息ともいえる二人に止めを刺そうと、聖が攻撃体勢へと移っていく。

「雲山…こんなこと頼むなんて、ごめんなさい」

 咳き込み、口の端から血を零す一輪は、自分の周囲に纏う雲の妖怪に頭を下げるが、雲山は守ると決めた少女に非など浴びせず、当り前だと消えかかったまま彼女の前に陣取った。

「何を…」

 するつもりだと言葉をつなげようとした時、振り返った血まみれの一輪に抱え込まれた。それが合図となったらしく聖が跳躍し、向かってくる僧侶に向けて、消えかかってはいるが、雲山は拳の形に似せた大量の弾幕を作り出して迎え撃つ。

 死にかけだったからだろう、彼の弾幕は聖を押し返すほどの威力はなく、ほとんど無傷のまま聖は雲山の元に到達する。仲間で、長い時間を過ごしていたはずだが、僧侶は容赦なく雲山を引き裂いた。

 特殊な妖怪である彼は、出血することはない。しかし、ボンヤリと輪郭が朧げになっていき、ただの雲となって消えていく様子は、赤黒い血液を垂れ流すのと同じぐらいグロテスクに見えた。

 雲山を囮にした一輪は彼とは別方向に飛び出し、門の前に重なる人々の上を跳躍して飛び越えていく。ガラスよりも薄い結界にあらゆる筋肉を隆起させ、全身全霊の拳を叩き込んだ。

 身体強化された拳から放たれた打撃は、一見硬そうに見える結界に亀裂を生じさせ、人間一人がやっと通れる小さな穴を形成させた。陶器を叩き割った粉砕音に似た音が響き、結界の破片が弾けた。

「ナズ……私たちの分まで生きて」

 一輪は痩せ我慢だと分かる作り笑顔を私に向けると、こちらの言葉に耳を傾けることなく、私を結界の外へと放り出した。

 なんで君たちは、そんなに自分の事を顧みずに戦えるんだ。自分を囮にしようとした時だって、私は自分が生き残れるように思考を巡らせていた。先が短くないと分かっていたとしても恐怖が付きまとい、彼女達みたいに決断することができなかったはずだ。

「………なんで…!」

 なんで、君たちは、そんなに…。重力に従って体が落ち始めようとした時、結界が修復を始めた。私を放った彼女の腕が結界の外に出ていたが、魔力の障壁は構うことなく空いた穴を閉じていく。

 結界が完全に修復され、延ばされた腕を魔力の壁が覆うと、風船が破裂したように命蓮寺を取り囲んだ結界に血液が飛び散った。血が噴き出し、透明な壁に血痕をこびり付かせていく。

 結界の修復によって切断された腕が先に落ち始めた。私よりも一足先に地上に落ちた腕が無造作に転がり、この短時間でまたもや私は友人を失うことになることを、強く教えているようだった。

 考えの整理がついていなかったが、どうにか体を浮遊させて石畳の上に叩きつけられることだけは避けた。命蓮寺内に残された人々の動揺する声が、結界越しにも聞こえてくる。その人ごみの後ろに着地した一輪は、私にも聞こえるように大声で叫んだ。

「早く、行って!」

 その声が叫び終えるか、終えないか。そんなタイミングで、門周囲の結界や人々に真っ赤な血肉が飛び散った。インクをぶちまけたと言っても差し支えはない。

 結界に張り付いている持ち主が一輪でないことを願いたいが、現実はそう甘くはない。声が途中で途切れていたのが理由であるが、なによりも、彼女が身に着けていた服の色によく似た布が、血肉と一緒にへばり付いているのが見えた。

 私にあるのは仲間を友人を失った悲痛と、死の危険を感じる恐怖だけだった。彼女の言葉の通り、私は何もかもをかなぐり捨て、命蓮寺から遠ざかろうと走り出していた。

 どうしたら殺されない。どうしたら聖を止められる。どうしたら、この悪夢から解放されるのだろうか。恐怖に精神を蝕まれ、がむしゃらに走った。息が切れることなど一切考慮などせず、石畳の上を走った。

 どこに行けばいい。誰に助けを求めればいい。私は、何をしたらいいんだ。ぐちゃぐちゃと纏まらない思考を、さらに掻き混ぜていると前方で何かの気配がする。死にたくない思いが感を働かせたのか、進行方向の木の後ろに何かがいる。私が逃げないように、聖が誰かを使って見張らせているのだ。

 人に敏感になってしまっている私は驚き、飛びのいてその人物から距離を置いた。弾幕を放とうと手のひらを向けると、私の行動に驚いて隠れていた人物が向こうから身を乗り出してきた。

「待って待って!!ナズーリン私だよ!!」

 来るときには彼女と会わなかった。村方向の光に気が向いて、命蓮寺に向かう私が通ったことに気が付かなかったのか。それとも寝ていたが、何かが起こっていることを感じて起きてきたのだろうか。

 傘を放って捨て、自分が何の武器も持っていない、無害だと伝えるために両手を天高くつきあげて小傘が木の後ろから出てきた。

「驚かせようとしただけだよ!何もしないから!!」

 今この状況では非常に心臓に悪い。私が気が付かずに通って、小傘に驚かせられていたら、迷わずに弾幕を放っていたことだろう。彼女が無害であることを、纏まらない頭で数秒かけてようやく理解した。向け続けていた手の平を下ろすと、傘の妖怪は胸を撫でおろしている。

「ナズーリン、そんなに急いでどうしたの?」

 私に撃つつもりがないことがわかると、落としていた傘を拾い上げながら、彼女のいつも通りの元気で優しい声を私に向けた。命蓮寺で起こったことを全く知らない、穏やかな声だ。

 誰かが異変を起こし、それに当てられた聖が狂ってしまった。元から命蓮寺は自分のために開山したと言っていたが、それをやり続けることは生半可なことではできない。

 同じく死の恐怖を克服しようとしている人間たちと修業をする中で、彼女が教えることを人間たちは耳を傾けて聞いていた。彼女が上手だっただけなのかもしれないが、本心からでなければこれだけの人間が付いてくることはなかっただろう。そこには少なからず信念があったと信じたいが、その彼女でさえも蝕まれてしまった。

 幻想郷全体に狂気が蔓延していると思っていた中で、それに侵されていないまともな彼女の存在に、自然と涙が溢れそうになった。

「ナ…ナズ…!?」

 瞳一杯に涙をため、泣き出しそうになってしまった私が目元を服で拭うと、何か悪いことを言ってしまったのかと小傘が慌てて近づいて来た。

「大丈夫…大丈夫だから……それよりも、小傘も早く逃げないと…ここは危ない」

「何かあったの!?」

 私が切羽詰まって走ってきたことや急に敵意をむき出しにしたことを思い出したのか、状況を飲み込めていない小傘でも、まずいことが起きていて、そこから私が逃げてきたのだと察したのだろう。

「後で説明するから、今は急いで逃げよう」

 彼女の手を引いて、命蓮寺からできるだけ遠ざかろうとすると、小傘は私から命蓮寺の方にゆっくりと視点を移動させていく。二百メートル以上は距離が離れているため細かい部分は見えず、パニックを起こすことはないだろう。

 だが、この時間がもったいない。半ば無理やりに連れていくため、彼女の手を握ろうとすると小傘が一言呟いた。

「あ、聖だ」

 今、一番聞きたくはない名前を聞き、身の毛がよだつ。早く逃げないと。それだけが頭の中を埋め尽くして反芻し、小傘の手を荒々しく掴んで走り出した。

「走れ…!小傘…!!」

 聖から逃げようとしている私に困惑しながらも、彼女も足を動かしてくれる。奴がどう迫ってきているのかわからず、必死に走りながら肩越しに振り返った。命蓮寺の方向から飛んできており、もう距離はほとんど詰められてしまっている。

「…ひっ…!?」

 最早、彼女は恐怖の対象でしかなかった。顔を見るだけで筋肉が引き攣り歩調を乱され、石畳の間にある凹凸に足を取られて盛大に転んでしまった。石に強かと膝や手の平を打ち、鈍い痛みがじんわりと広がる。

「ナズーリン…!」

 しっかり握っていなかった小傘から手が離れ、前方に勢い余って進む彼女が戻ってこようとしている。私にかまわず先に行けと、ジェスチャーを送ろうとした矢先、頭上を通り過ぎ、聖が綺麗に並べられた石畳を破壊しながら着地する。

 その過程で聖の雰囲気がいつもと違うと感じ、頭を抱えてしゃがみ込もうとした小傘を捉えることも忘れない。首を掴まれ、悲鳴を上げる間もない彼女を掲げ、奴が見下してくる。

「どこに行くんですか?あなた方は全員纏めて私の糧になってもらうと言ったじゃないですか」

 僧侶には似つかわしくない真っ赤な法衣は、血肉というインクで染め上げられ、人の道から踏み外した聖を、象徴としているようだった。

「や…やめろ…小傘を離せ!!」

 相当な力で首を絞めつけられているのか、小傘がうめき声一つ上げず、顔が真っ青に変色していく。足をじたばたと動かして抵抗しているようだが、身体強化の魔法がかけられた聖には赤子同然だろう。

「そんなの、無理に決まっています」

 聖はにこやかに答えると、小傘の首を本格的に締め上げ始める。掲げているだけとは違い、指が首にうずまっていき、気道や血管を圧迫していく。

「か……あ……っ……!!!!」

 小傘がなんとか振り切ろうと掴む手を引っかいたり、聖を靴で蹴ったりしているが、その手が緩む気配はなく、更に拘束はきつくなっていく。

 意識が遠のき始めたのか、目がぼんやりと白目を剥き始め、口からは真っ白な泡が零れだす。じっくりと苦しみを植え付けられていく小傘は、次第に抵抗することもままならなく弱められていく。

 喉の組織がやられ始めたのだろうか。口からこぼれて顎に伝い、聖の手にこびり付く泡が、赤みを帯びて漏れ出した。さっきまで勢いよく動いていた手や足が、ダランと地面に向かって伸び、スカートの股の辺りが湿り出す。

 筋肉が弛緩し、膀胱に溜められていた尿が排泄されてしまったのだろう。スカートでは吸水できず、スカートの裾や脚に伝い落ちていた体液が地面にしたたり、聖の目の前に小さな池を作った。

 アンモニア臭が立ち込める。決していい匂いではなく、辱めに近い行為だが、そんなものに目はいかない。また一人、友人が無残に殺されたことを目の前でわざわざ提示され、私の中に絶望が蔓延していく。

 次はあなたです。そう言いたげに聖はこちらに視線を向ける。少女を掴んでいる手に、わざわざ奴が力を籠めると、乾いた木の枝を折った。そんな音が響き、小傘の首を掴む手が握り切られた。

 指の間から血が滲み、意識なく傾いていた小傘の頭がさらに傾いていくと、胴体から離れて地面に転がり落ちた。頭部がこっちを向いて止まっていたら、私は発狂して叫び散らしていたかもしれない。

 残った首なしの胴体を聖は森の方面へと投げ捨てた。木々に当たり、ドシャっと地面に落ちる友人だった物に、目を向けている暇はない。次は私なのだから。

 真っ赤な手の血液を振り払いながら、こちらに歩み寄ってくる。皆を葬ったその手で、私も殺される。

「く…来るな…!!」

 恐怖でロクに舌が回らない。転んで打ち付けた足の痛みなど、恐怖に掻き消され痛みなど全くもって感じなかった。体を引きずって逃げようとするが、歩む聖にすぐさま追い付かれた。

「どう死にたいですか?」

 死にたくない。怖い。負の感情に脳が埋め尽くされると、行き場を失った感情が涙となって瞳に溢れ、頬を伝った。

「彼女たちは、戦って死ぬとしました。ナズーリンは、どう死にたいですか?」

 殺すことを楽しんでいるようにしか見えない聖の目を、直視することはできなかった。恐怖で頭がおかしくならなかったのは、不運としかいうことができなかった。このまま気を失うことができたらどんなに楽だっただろうか。

 現実は非情で、意識の遠のきなど微塵も感じることはない。頭を抱えて震えるだけの私に、僧侶は血まみれの手を延ばして来た。液体を纏ってヌルっとする手が顎に触れ、自分と視線を合わせさせようと、顔を持ち上げられた。

「知らない間柄ではなかったよしみで選ばせてあげています。早く決めてください」

 初めて直視した聖の瞳は、狂人のそれだった。舌が喉に張り付いたように動かず、手足も溶接されたと思う程に動かせない。十秒も経っていないだろうが、痺れを切らした僧侶が拳を構えた。

 殺される、殺されてしまう。無様に命乞いをしたくても、声が出ない。肺が潰されてしまったのだろうか。拳が振り下ろされ、私の頭が果物の如く潰される。それを予期し、反射で目を瞑ろうとした。

 その時だった。私が進んでいた村の方向とは別だが、村以上に強烈な閃光が発せられた。聖の肩越しだったからよかったが、そうでなければ一時的に眩い光に視力を失っていたことだろう。

 幻想郷全土を照らし出す光の後に、淡青色の巨大な炎が膨れ上がった。数キロは離れ、目の前には森が広がっていても木々に隠れぬほど天高々に炎が燃え上がり、幅も数百メートルはありそうだ。

 拳が叩き込まれるはずだったが、急な状況の変化に聖の手が目の前で止まった。ただ事ではないと、聖が私から手を放し、爆発に似た事象が起こった方向へと向きなおった。

「あれは…」

 驚いている様子から、聖も予想していなかったことが起こっておるのだろう。今のうちに逃げようとした時、爆発の方向から光に紛れ、地面を這う何かが見えた。砂煙を巻き上げながらこちらに向かってくるのは、爆発によって発生した衝撃波と爆風だった。

 砂を巻き上げながら衝撃波がこちらにまで到達する。数キロの距離があったはずなのに威力はまるで収まらず、数百メートルに渡って続く石畳を全て捲りあげて空中に吹き飛ばし、木々を衝撃で大きく湾曲させる。中には折れた木もあり、支えを失った物は軒並み空中に舞い上げられた。

 木々で一部が抑制されていたとしても、爆風は私たちを吹き飛ばすのには十分すぎ、空高く舞い上げられた私は、着地の事を考える間もなく意識を失っていた。

 

 次に目が覚めると周囲に聖の姿はなく、空中にぶら下がっていた。

 爆風に煽られ、落ちた先は森の中だったようだ。人の手が入っておらず見慣れない場所で、かなり遠くまで吹き飛ばされてしまったらしい。

 服が木の枝にひっかがってくれたおかげで、地面に叩きつけられずに済んだ。服を枝から無理やり外し、苔の生える瑞々しい地面へ降りた。

 今でも聖の事を思い出せば、恐怖で動けなくなってしまうだろう。水蜜や一輪らの事を思い出せば、悲しくて泣き崩れてしまうだろう。前者は忘れてしまった方がいいが、後者は胸の内に留め、忘れてはならない。

 感情を押し殺し、深く深呼吸を数度行った。冷静さを保ち、状況の分析に移る。時間はわからないが、太陽が空高く昇っている様子から、そろそろ昼時だろう。耳に意識を向け音から状況を探ると、どこからかはわからないがかなり離れた位置で戦闘が起こっているように聞こえた。

 様々な妖怪たちも動き、幻想郷全体が混沌に侵食されていることが予想された。カラス天狗が編隊を組んで空を飛び、河童たちの銃火器と思われる発砲音が響く。魔力による爆発と思われる、骨にまで響く爆発音が時折轟いた。

 異変は終わっていない。それどころか、もっと酷くなっている。異変なんかではなく、これはもう戦争とも言えるだろう。聖の口ぶりから、何かしらの力を求めていたようだが、あらゆる種族が力の奪い合いをしている。

 何が起こって、どこが優勢か劣勢かはわからないが、未だに戦闘が続いているということは、誰も力を奪えていないことを示唆している。それの鍵となる人物は大方予想が付くが、彼女をどこかの組織が手に入れたとしても、それを潰そうと周りが動くため、鼬ごっことなって戦闘の慢性化が予想される。

 これが終わるまで、干渉しないようにするのが吉だろう。異変が起きたら博麗の巫女に頼むのが定石だが、今回の異変では最も信用できない。

 人間と妖怪の仲をよくさせるという、荒唐無稽な活動をしていた霧雨魔理沙だが、彼女とは面識がなかったわけではない。助言が欲しいと何度か会話を交わしたことがある。ある時を境に、彼女の元から持っていた魔力が変わっている事に気が付いた。

 感情によって魔力の波長が荒々しくなったりするが、それ以外で波長が大きく変化することは絶対にない。不思議なことが起こっている程度にしか思わなかったが、力に敏感な者たちは気が付いたようだ。今思えば、それを境に魔女の周りに妖怪たちが集まるようになった気がする。

 彼女の意見に賛同して集まっていたと思われていた妖怪たちは、仲よくしようなどとは微塵も思っていなかったようだ。酷い話だ。

 彼女には悪いが、私はほとぼりが冷めるまで隠れている事にしよう。何が何でも逃げて、生き延びなければならない。彼女たちと約束したのだ。

 

 

 

 思い出したくもない、昔の思い出だ。過去に浸っていた意識を、荒廃した現世へと引き戻した。

 あの時から考えると、私も酷い様だ。肉体的にも、精神的にも。

 足を引きずりながら、十年前に死んだ友人たちの顔を、思い出の中に押し込んで考えないことにした。これ以上思い出していたら、また泣いてしまう。

 これからなさなければならないことがあるのに、感情を高ぶらせて泣いていたら、思ったように動けない。思考を巡らせることができないだろう。

 足を引きずって歩いているために、足取りが悪い。元から背が低いこともあり、歩幅も小さいため間に合うかどうかわからず、焦りだけが膨らんでいく。

 だが、ここで焦っては更に歩調を乱すだけだ。足をもつれさせ、転んでしまったりしたら目も当てられない。確実に一歩ずつ、右足を引きずりながら進んでいく。

 左手に持つ重たい得物のせいで、草むらの中を歩くのは更に困難だ。私の目標まで、あと十メートルもないのだから、確実に接近しなければ。

 近づくまでは気取られる心配はない。対峙していた、河童を貫いているように見える聖の背後に立ち止まった。

 河童を腕から引き抜き、聖は険しい顔をして自分の右手に目を落としている。動く様子がないのは都合がいい、左手と震えて使い物にならない右手で得物を支えた。足も左足だけで踏ん張り、素人でももっとマシと思える体勢で刀を構えた。

 刀を振りかぶり、奴の頭に向けて叩き込もうとした直後、いくら姿を見せないようにしても、殺気を隠すことはできない。気配だけで自分に敵意が向けられている事を感じ取った聖が得物が到達する前に振り返り、こちらに拳を放った。

 前に進みながら刀を振り下ろしていたが、私など比べ物にならない殺気を向けられ、怖気づいて引き下がりそうになった。だが、ここで引き下がったら、何のためにここに来たのかわからなくなる。

 最初で最後のチャンスだ。それを活かさないわけにはいかないのだ。臆するな。臆せば死ぬ。それでも、覚悟を決めても恐怖を感じないわけではない。胃に穴が開きそうだし、殺気に自分自身が生存本能に逃げ出したいと言っている。

 それを誤魔化す様に、咆哮しながら私は刀を振り抜いた。

 




次の投稿は7月17日の予定です。
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