東方繋華傷   作:albtraum

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自由気ままに好き勝手にやっております。

それでもええで!
と言う方のみ、お楽しみください。



後日談になります。


東方繋華傷 終話 アスター

 夏も後半に差し掛かり残暑となった。そろそろ涼しくなってきてもいい頃合いのはずだけれど、蒸し暑さは未だに顕在している。

 今日は特に日差しも強く、気温も高い。湿度が低いのが唯一の救いだ。暑さで額に小さく汗が浮かぶ。それを拭いながら遠くの景色に目を向けると、数キロ先には発達していく入道雲が見え、夕立を予感させる。

 日傘が直射日光を遮ってくれているおかげで、陽光を浴びて遊んでいる妖怪と妖精よりは気温の高さは感じていない。昔はあちら側に居たのを、今では懐かしく感じる。

 椅子に座りながら、私のために出してくれた紅茶を口に含んだ。いい香りが立ち昇っていたが、飲むとそれが際立った。抽出された茶葉の強い香りを鼻孔を感じ、下の味蕾が甘さの刺激を脳に伝達し、美味しい物だと認識する。

「ふう…」

 一息つき、視線を花畑から周囲の景色に向けた。数百メートル、数キロ先では気温差で陽炎が揺らめいて実物の形を歪めているが、再建途中の村は見間違えない。

 異次元世界から来た博麗の巫女が起こした大爆発。あれの爪痕はかなり深い。村を一撃で九割以上を吹き飛ばしてしまった。地形も大きく変化してしまい、村人と河童が総出で建築を続けているが、復興はまだまだかかるだろう。

 そもそも、建築できる人物も吹き飛ばされてしまっているのが大きい。それに加えて、巻き込まれて埋もれた死体が定期的に出てくるのも手間取っている理由の一つだ。

 いくら河童の技術が進んでいるとしても、一か月程度では村人全員の家を建てるのとライフラインを確立するのは難しい。

 建築の進み具合や速度からて、完全に村が戻るのにはしばらくかかるだろう。それはそうか。あの大戦が終わってから、まだ一か月しか経過していないのだ。

 そう思いながら遠くで遊んでいる妖精たちを見ていると、ふと時間の経過がまだではない人の事を思い出す。

 幻想郷を守る霊夢さんにってこの一か月は"まだ"ではなく"もう"だろう。戦闘の直後に魔理沙さんが倒れたと聞いたが、意識が戻らぬまま既に一か月が過ぎていた。

 永遠亭の兎に聞いた話では、永遠亭の集中治療室で治療を受けているが、依然として意識は戻らず、予断は許さないとのこと。毎日お見舞いに行っている霊夢さんからすれば、不安だろう。

「どうかしたのかしら?」

 思いに耽っていると、机のちょうど反対側に座っていた女性に声をかけられた。考え事をしていて、紅茶を飲んでも淡泊な反応だったため、口に合わなかったのかと思ったのだろう。

「いえ、ちょっと考え事をしていたんです」

 燦燦と降り注ぐ光を受け、美しく咲き誇る花々。森のように広く咲いている花の間を遊んでいる友達から目を逸らし、一緒に紅茶を飲んでいた幽香さんに返答した。

「そう」

 緑の髪を風で揺らし、幽香さんが紅茶を飲みながら呟いた。ティーカップを受け皿に置き、遠くで遊んでいる妖精たちに視線を戻して眺めている。

 いくら日傘をしていてもさすがに暑いものは暑く、幽香さんは服の胸元を緩めている。見るつもりは無かったが、襟元の間から左胸に残る生々しい傷跡が目に入ってくる。

 あれから一か月か。ぼうっと風景や遊んでいる様子を眺めていると、また、思いに耽ってしまう。

 皆、以前のように戻ろうとしてはいるが、連中が残していった傷跡は非常に深く、大きく歪めてしまった。

 遊んでいるチルノちゃんやリグルちゃん、ルーミアちゃんたち。他にもいるがその中にミスティアちゃんの姿だけが見当たらない。

 彼女を自分たちの世界に送り返した後に私も戦闘に参加していた為、詳しくは知らないが、かなり頑張ったと聞いた。あれだけ怯えていたミスティアちゃんが、戦いに向かったというのはちょっとやそっとの覚悟でできるものではない。

 褒めてあげたいけれど、彼女はその代償で怪我を負ってしまった。腕の火傷や爆発による怪我は、薬で痕は残りつつも完治はしたが、心の傷までは癒すことができなかった。

 異次元霊夢と対峙したのがあまりにもショックで、心的外傷とやらを負ってしまったと永琳さんから聞いた。

 普通なら手に職など付けられないらしいが、そんな状況でも彼女が店を続けようとしているのは、ささやかながらな異次元霊夢達への抵抗だろうか。

 準備はしていると聞いたが、あまり進んでいないのは心の病気が大きく影響していると思われた。

 現在では幻想郷で唯一の酒を提供できる店となっているため、復興をする人間から妖怪までが開店する日を待ち望んでいる。早く以前のように元気になってくれる事を願う。

 そう思いながら紅茶を一口飲んでいると、遠くで遊んでいたチルノちゃんがこちらに手を振ってくる。

「大ちゃーん!一緒に遊ぼー!」

 チルノちゃんは屈託のない笑顔だが、周りの人物は驚いて、不安そうな嫌そうな表情を浮かべている。

「ううん、ごめんねー」

 彼女に手を振り返して遊ばない事を伝えると、周りの妖精たちは少し安心したようにため息をついるが、チルノちゃんは不服そうに頬を膨らませている。

 以前は私もあちら側で一緒に遊んでいたが、そうしないのは仲が悪くなったわけではない。むしろ、今までと同じく私に接してきてくれている。単に、私が一線退いてしまっているのだ。

 私はいつも通りに振舞っているつもりだった。しかし、表情や行動をどれだけ以前に近づけようとも瞳の色や深淵の、どん底の化け物のような雰囲気は変えられない。周りから見れば気味の悪さが浮き彫りになっているだけだった。

 私がチルノちゃんと一緒に行動すればするほど、他の妖精や妖怪たちは離れてしまう。だから、一緒に遊び場には来ても、遊ばずに一歩引くことにしたのだ。

 チルノちゃんは不満そうだったが、私と一緒に孤独の道を行くことも無い。少しおバカなところもあるけれど、私に影響されずにそのままの優しい彼女で居て欲しい。

「行かないのかしら?」

「……はい」

 行きたくないと言えば嘘になる。以前のように遊びたいが、迷惑がかかることになるのは明白である。

「後悔してるかしら?」

 返答が遅れた所に、後腐れの匂いを感じたのだろう。紅茶を飲み終えた幽香さんが、自分のカップにティーポットから茶色い透き通った紅茶を注ぎながら私に質問を投げかけて来た。

 一か月前の戦いを思い出す。ずっと忘れていた深淵を覗き込み、深淵から覗かれた。あの戦いを、場所を。

「いえ、全く。………ただ、少し…寂しい…ですかね」

「そう…ごめんなさいね」

 まさか幽香さんから謝罪の言葉が来るとは思っておらず、少しの間驚いて固まってしまった。顔を向けると、何を考えているのかわからない表情の幽香さんと目が合った。

「……、なんで幽香さんが謝るんですか?」

「……私がもっと強ければ、こうはならなかったと思ったのよ」

 一番最初に奴らが現れた時、私たちのために命がけで戦ってくれたのは幽香さんだった。その彼女が謝る必要など全くない。むしろ、謝らなければならないのは、私の方だ。

 チルノちゃんが向こうの世界に行ったのは、殺されたと思った幽香さんの為だった。けれど、私はその意思を継がないで自分の復讐に走ってしまった。

 復讐に走った事と、深淵を思い出して周りの妖精から恐れられている事に何の因果関係もないが、私はこの結果を自業自得としている。だから、むしろ私の方が謝りたいぐらい。

「謝らないでください…。むしろ感謝してます、幽香さんが助けてくれなければ、私たちはあそこで全員死んでました」

 そう返答すると、彼女は黙ってしまった。何か悪い事を言ってしまったか、少し不安になってしまう。

「…」

 元の形に戻ることを願っていてくれたのだろうが、そうできない事へ少し罪悪感がある。しかし、これはもうどうしようもない。

 しばらくの間、黙ったまま二人でチルノちゃん達を眺めていたが、今度は私の方から幽香さんへ質問をした。

「幽香さん。どうして誘ってくれたんですか?」

 いつもは一人でお茶を飲んでいるのを遠目から見ていたが、今回は一緒に飲まないかと誘ってくれた。特に断る理由もなかったため了承したが、どうしたのだろうか。

「……。思いつめてるような顔してたからよ」

「そうですか?」

 自分ではそういうつもりは無かったが、客観的に見れば身投げでもしそうな顔をしていたのだろうか。チルノちゃんが毎回必ず遊びに誘ってくれているのは、それを感じていたからかもしれない。

「ええ、見てるこっちが怖いぐらいには」

「そうでしたか…ご心配をおかけしました。でも、そんなつもりは毛頭ないのでご安心してください」

 冷えた紅茶を再度口に運び、飲み込んだ。カップには半分ほど液体が入っていたが、気が付くと白い陶器の底が顔を覗かせている。

 受け皿に空のカップを乗せて机に戻すと、幽香さんがティーポットを傾けて紅茶を注いでくれた。

「すみません。ありがとうございます」

 良いわよ。そう言って幽香さんは自分の紅茶に、白色の小さなミルクピッチャーからミルクを注いでいく。私のにも入れるかどうかと、こちらを見てくるが首を横に振って断った。こう言う所を見ると、本当に申し訳が無くなってくる。

 チルノちゃんは皆から馬鹿にされたりするけれど、それは勉強の方面だけ。言葉にすることが難しいからどうしても感情で話してしまったり、話ができなかったりする。けれど、人の気持ちなんかは人一倍わかってたりする。

 もし、幽香さんがただ周りに危害を加えるだけだったり、危害を加えることを嗜好としているのであれば、チルノちゃんは絶対に太陽の畑へは近づかなかったし、もしかしたら向こうの世界に行くことも無かったかもしれない。

 なぜなら、幽香さんは実は優しい人だとチルノちゃんはわかっていたからだ。確かに、怒らせればものすごく怖かったし、拳骨を貰った時には一週間は腫れが引かなかった。

 いろいろな妖精や妖怪、人間が恐れていたが、それでもチルノちゃんが太陽の畑で時折遊ぶのを止めなかったのは、幽香さんが華に向ける顔を知っていたからだろう。

 手入れをした花を折ったり踏んでしまった時の、悲しさが混じる表情。手入れを欠かさず、華を美しく咲かせようと頑張っている姿や。それに応えるように花が綺麗に咲いた時の嬉しそうな表情。

 チルノちゃんは感じたのだろう。ただの機械的に人を殺す恐ろしい化け物ではなく、自分たちと同じように物を食い、話し、笑顔を作る。特に花に向ける屈託のない笑顔は、正直なところ恐ろしい妖怪であることを忘れてしまう程だった。

 自分たちと同じ感性を持っており、きつく りつけられることもあったが、異次元霊夢が来た時には守ろうとしてくれた。幽香さんはただ単に、人に感情を伝えるのが下手なんだ。チルノちゃんはそれがわかっていたから、幽香さんの仇を取ろうとしていた。

 私は命の危機に陥らなければわからなかったし、彼女と同等かそれ以上の存在になって余裕が出て来たからわかる事でもあった。だから余計に、チルノちゃんが託したことを守れなかったことが罪悪感となる。

「また、思いつめた顔してるわよ………」

「すみません」

 指摘されて慌てて謝ったが、表情は硬いままだったのか。幽香さんはミルクを入れた紅茶をスプーンで混ぜ終えると、小さくため息をついてから口を開いた。

「息抜きも必要でしょうし、たまにならお茶会に付き合うから……いつでも来なさい」

 こうして、腹を割って話すことなど初めてだったが、前だったら緊張して話しどころではなかっただろう。それに話しを誤解して、悪く受け取っていた可能性もあった。今はそのままの意味で受け取ることができる。

「………。ありがとうございます。…じゃあ、チルノちゃんがここに来るときに、また」

「ええ」

 よく来ると言ってもそこまで頻繁に太陽の畑には来ないため、少し名残惜しさに近い、寂しさを感じた気がした。

「…」

「ゆ、幽香さん。……その、やっぱり、チルノちゃん達とじゃなくても…たまに来てもいいですか?」

 そう呟くと、彼女は少し驚いたような顔をする。まさか私からそんなことを言われるとは思ってもいなかったのだろう。

「え?…勿論いいわよ」

 幽香さんは快く快諾してくれた。また、彼女に甘えてしまっており、申し訳が無くなってくる。だが、ここで再度落ち込んでしまえば引き受けてくれた彼女に失礼だ。

 皆も、それぞれ前へ進みだしている。私も、後ろばかり見ていないで、そろそろ前に向かわなければならない。

 落ち込んでいる感情はそうは簡単に戻らない。でも、すぐにじゃなくて、時間をかけてゆっくりと前を向こう。

「ありがとうございます」

 座っている姿勢を変え、幽香さんを正面からしっかりと見てお礼を告げようとすると、彼女から止められた。

「動かないで」

「へ?」

 素っ頓狂な声を上げる私の足元に、幽香さんが指をさす。体をそれ以上動かさずに下に視線を向けると、丁度足を降ろそうとした位置に小さな花が咲いていた。紫色の花弁と黄色の柱頭が目立ち、五センチ程度の大きさはある。

 花を好んで育てている幽香さんの目の前で花を踏むわけにはいかない。彼女に促されるまま椅子に座っていたことで、花が咲いている事に気が付かなかった。花を避けて足を降ろし、改めて見下ろした。

 花と言う物にそこまで興味が無かったが、改めて見直してみるとそれの可憐さと言う物が伺えた。幽香さんは戦いのときには魔力で急激に成長させて弾幕として使うが、普段の生活において観賞用の花を魔力で成長させることは好まない。自然に生えたのだろう。

「すみません」

「大丈夫よ。次から気を付けてくれればいいわ」

 可愛く儚いこの花を眺めているだけで、少し心が和むのを感じる。幽香さんが華を身骨注いで育てる理由がわかって気がする。

 心の奥底に意識を向けると、そこには過去に取り込んだ数百数千万の苦しみ続ける憎悪で犇めいているのを感じた。昔はその状態が普通だったが、昔のように倫理観が希薄しているわけではないため、それが少し苦しい。

「クッキーもあるから、遠慮なく食べて」

 そう言って机の上に置かれていた皿を、幽香さんがこちらに少し移動させた。皿の上にはシンプルな普通のクッキーと紅茶の茶葉が練り込まれた紅茶のクッキーが並べられている。

「ありがとうございます」

 彼女へお礼を言いながら、茶葉が練り込まれたクッキーに手を伸ばした。直径が三センチほどの大きさがあり、厚みも小指の先ほどの厚みがあって食べ応えがありそう。

 食べる前に鼻に近づけて香りを嗅いでみると、淹れられた紅茶の香りとはまた違った、アールグレイの良い匂いが漂ってくる。鼻腔を擽る甘い香りに、自然と口元が緩むのが分かった。

「いただきます」

 クッキーを口に運び、食む。焼かれたお菓子が小気味いい音を立て、半分に割れた。割れた半分を口の中で噛み砕いていくと、控えめではあるがクッキーの甘さが広がっていく。

「どうかしら?」

「とてもおいしいです。こういうお菓子、久しぶりに食べました」

 残った半分も口に放り込み、ノーマルのクッキーにも手を伸ばして口に運んだ。茶葉入りとはまた違った美味しさがあり、紅茶が進む。

 クッキー自体が甘いため、紅茶に砂糖は入れない方が楽しめるるため、次に飲むのは砂糖を控えめにしよう。

「それならよかったわ」

 幽香さんも一つクッキーを口に運び、咀嚼していく。普段から作って食べているらしく、特に表情の変化はない。今度作ってみようかと思いかけるが、作ったことも作り方も知らない。どれだけ悍ましい物体が出来上がるのか、想像に難くない。

 幽香さんに尋ねようとして私は口を噤んだ。それを作ってどうするというのだろうか。第一材料を確保する手段が無い。仮に作れたとしても人に振舞えるだけの腕など無く、だからと言ってチルノちゃんにあげられるだろうか。

 未だに彼女と共に居れないことが、未練たらしく心の奥底に残っている事に苛立ちを覚えた。

 それに、これまでやって来た悪行から、私はあくまで創造する側ではなく破壊する側で、この幻想郷にいる誰よりも命を奪ってきた者に幸せを得る権利など無いだろう。

 そうわかっていても、理解していても寂しさをどうにも拭えない。胸に穴が開いてしまったような、形容しがたい感覚に襲われる。目覚めた冷めた思考と幼い燻る感情の乖離が頭を悩ませる。

 また、一人で思いつめている私を見かね、クッキーを一枚摘まみ上げた幽香さんに口へお菓子を突っ込まれた。紅茶とは違う甘いシンプルな香りが鼻孔を付く。

「んぐっ」

 口にクッキーを入れられて目を白黒させる私に、彼女はまったくと少し呆れた様子で肩をすくめて見せた。

「また悩んでるわね……結論づけるのをそんなに焦ることはないわ。……だって、時間はたっぷりあるでしょう?」

 私達妖精妖怪は、数百年単位の長い時間を生きる。今でなくても、数年か十数年後には答えを出せるだろうか。完璧な答えでなくとも、落としどころと言う奴を。

「そう……ですね…。…出せますかね?」

「さあ、それはあなた次第よ」

 紅茶を口に運びながら、幽香さんは端的に呟いた。私次第と言われると、答えなどでなさそうな感覚になる。それこそ数十年あっても、答えのない答えを探し続けていそうだ。

「ただ、さっきも行ったけど…話し相手にはなるわよ」

 私は呟きながらカップに並々と注がれた紅茶に目を落とす。赤くも茶色っぽくも見える液体は、風に揺られて小さく波紋を作るが鏡のように光を反射する。水面に移る見慣れた顔は笑顔を作って見ても、瞳の濁りのせいで自分自身ですら不気味だと感じる。

「………はい」

 遅れて返答を返すが、彼女からつぎの言葉が来ることは無く沈黙が流れる。しかし気まずい物ではなく、遠くで遊んでいるチルノちゃん達の様子を見ながら紅茶を嗜む心地の良い時間に感じる。

 鬼ごっこで足の速い妖精をチルノちゃんが追っていくが、ひらりとかわされて転んでしまっている。花を折ったりしていないため、周りの妖精たちは胸を撫でおろしていたり笑って楽しんでいる。

 彼女達から目を離し、皿に乗っているクッキーを手に取った。摘まむ力が弱すぎたらしく、滑り落してしまった。

 机の上に落ちたクッキーを拾い直した。汚れは見当たらないため、そのまま口に運んだ。座っている姿勢を変えようとしたが、足元に生えていた花の事を思い出し、見下ろした。

 紫色の鮮やかな花弁を開く花は、あらためて見てもやはり綺麗だった。風に煽られ、小さく左右に揺れる花を私は少しの間眺めていた。

 




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他のちょっとした設定はユリオプスデージーにて





書いていない設定として、大妖精がどのぐらい強いのか。
私の世界線では初代博麗の巫女が歴代屈指の実力者と言う設定なのですが、引退の原因になる致命傷を与えた程です。
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