駄文です。
それでもいいという方は第八話をお楽しみください。
「ボーっとしてるんじゃあない!!魔理沙!」
私を叱咤する声に軽く放心しかけていた私は我に返ることができたが、あと数センチで私の頭を花の化け物がひき肉にするというところで、誰かに突き飛ばされた。
「うおっ…!?」
横からの強い衝撃に、待ち構えていなかったことで私は多少首を痛めつつも、何とか花の化け物の攻撃に当たらずに済んだ。
体を突き飛ばされたことで私の体は宙にあるというのに、押した人物は体が地面に落ちる前に首根っこを掴み、今度は前転をして転がるようにして誰かが私を運ぶ。
激しい動きでなびくその髪は何の色にも染まっていない純白であり、大きな瞳は真っ赤に燃える炎のような色をしていて、視界の端にはその瞳と同じような真っ赤なモンペが映り込み、それを履いている人物といえば、
「妹紅!?」
花の化け物から離れたことで首根っこを掴んでいた手を離し、彼女は私を地面に立たせてくれた。
「しゃっきっとしろ、お前は私とは違って死なないわけじゃあないんだぞ」
妹紅は私を逃がすときに自分が逃げるのが若干間に合わず、腕で花の化け物の攻撃をガードしたのだろう。前腕が半ばからへし折れてひしゃげている。
「…すまん…!」
ぐちゃぐちゃになっている腕を見て血の気が引くのを感じながら私は妹紅に頭を下げて謝り、化け物がいる方向に視線を向けて警戒をした。
「よし、見たところ今すぐに医者に行かないといけないような大怪我を負っているわけなあないな?まだ戦えるよな?」
「…ああ」
魔力で応急処置はできているから、戦闘の続行はできるだろう。
「しかし、こいつらはなんだっていうんだ?いきなり襲い掛かってきやがって」
右手に炎をチラつかせて妹紅は魔力でガードに使った左腕を魔力で治し、でかい花の化け物を睨み、周りの成長して大きくなった花の化け物にも目配せをする。
「幽香がこの異変を起こしたと言っていた。それに、この花の化け物どもには花がついている……どうやっているのかは知らないが、幽香が操ってるのは確実だろう」
私が妹紅が見ていない方向を警戒し、見回していうと妹紅は何か納得したような様子で言った。
「なるほど、風見幽香が能力でだした花の化け物だったってわけか。どおりで見たこともない妖怪だし、動物だったとしても炎を恐れないわけだ」
妹紅の言う通り、花の化け物たちは妹紅の作り出している炎におびえていたり特別注意しているようには見えない。ただ単に、動くものを殺そうとしている。花の化け物たちには動物的な感情というものが見受けられない。
「言われてみれば確かにな」
花粉をまき散らした花の化け物を中心に群れが統率されているのだろう。今のところ小さな花の化け物たちが襲ってくる気配はない。オオカミの花の化け物がいきなり現れた妹紅に困惑しているのだろうか。
「そう言えば、こいつらを作り出したって言ってた幽香は今どこにいるんだ?」
妹紅が呟き、私が答えようとしたタイミングでこの場所から見える博麗神社よりも手前で、村と神社の中間地点で大きな爆発が起こり、岩石や土などの無機物から木や草などの有機物が数十メートルの高さにまで巻き上げられているのが見えた。
爆発した場所を中心にして、強い衝撃波が発生したらしく地面の表面にある砂が舞い上げられ、それが数百メートル離れているこの位置にまで到達して肌と鼓膜を轟音がビリビリと刺激する。
「あんな戦い方ができるのは博麗の人間ぐらいだろうな……それについていけている風見幽香も化けもんだが……あそこで戦ってる連中の手助けなんて私らには無理だ、だから、私らは私らにできることをしよう」
「…ごもっとも、あんなところにいたらひき肉になっちまう……それと、慧音はどうしたんだ?…村がこんなことになってるのに姿が見えないぜ?」
私はオオカミ型の花の化け物が襲ってこないうちに魔法の呪文を唱え、いつでも発動できるように魔法をストックしておき、隣に立っている妹紅に聞いた。
「慧音なら、別の場所で戦ってるよ。手分けして戦った方が効率がいいっていうのと、私の術じゃあ村人も巻き込んじまう可能性があるからな」
「まあ、確かにそうだよな。村人の安全を守るのに村人に怪我を負わせてたんじゃあ意味がない……でも、あいつの能力があればこいつらが現れた歴史そのものを食って存在を消す的なことをしたかったんだがな」
私の思い違いでなければ、昼間の慧音の能力は歴史を食べる程度の能力だったはずだ。だから、私はそう妹紅に提案してみたわけだが、彼女はすぐに顔を横に振る。
「お前らが思っているほど、慧音の能力は便利じゃあない……それじゃあ…気に入らないやつをもとから存在しなかった。そういうことだったできちまうわけだからな……物理的に誰を消したりするのはほぼ不可能らしい」
「なんだ……残念…」
私はため息交じりに呟いて周りを見回し、そろそろ開戦の火ぶたが切られそうな雰囲気が流れ始めている花の化け物を見回して、その瞬間を今か今かと待っている妹紅にとある提案をした。
「…なあ、妹紅…提案があるんだが……私の話を聞いてみる気はないか?」
「提案?…このあまり好ましいといえない状況をひっくり返すことができる良い作戦なのか?」
妹紅がなんだかハードルを上げるようなことを言い出して少し言いづらくはなるが、私は大きな花の化け物を見上げている彼女に呟く。
奴らに知性があるとは思えないが、念には念を入れて私は花の化け物たちには聞こえない様に妹紅に囁きかける。
「…見たところ…奴らはあのデカいオオカミの化け物を中心に群れを成し、奴の出す花粉によって受粉して数を増やすらしい……現段階ではデカいのはちらほらいるが…花粉を出すのはあのオオカミ型だけのようだ……あいつさえ倒せば小さい奴らは増えることはない……デカいのは私がやるから、小さい奴らを少しの間だけ引き付けておいてほしい」
「私は構わないが…大丈夫なのか?…さっきの炎の魔法では大したダメージにはなってなかったように見えたが?」
痛いところをついてくるが、私が使おうとしている魔法はさっきとは全く別で、効率よくダメージを与えられるはずだ。
「こっちは問題ないが、少し時間がかかる……逆に妹紅は大丈夫か?」
「当たり前だ、小さいのだけでは物足りないぐらだ」
妹紅は言いながら両手に纏わせていた炎を拡大させる。準備は万端らしい。
「じゃあ、守りは任せたぜ」
私は言って魔法の構築を始める。目を閉じて視界から入ってくるすべての情報を遮断し、魔法の構築だけに意識を集中させた。
私に流れている魔力に強い変動が起こったのを花の化け物たちは感じ取ったらしく、一斉にこっちに向けて走ってくるのが音が聞こえてくることでわかる。
「さてと、やるか」
妹紅が片手の指をゴキッと鳴らし、向かってくる小さい花の化け物たち大して炎を照射した。
照射された炎の熱が予想以上に大気の気温を熱し、元々暑かったここら一帯の気温がばかみたいに上がり、サウナにでも入ってるかのように気温が上がっていく。
「アアアアアアアアアッ!!」
花の化け物たちの金切声がさっきの爆発音並みに鳴り響き、それに混じって妹紅が炎を操る音が聞こえ始め、本格的な戦闘が開始された。
三日から五日後に投稿します。