東方繋華傷   作:albtraum

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自由気ままに好き勝手にやっています。駄文です。

それでもいいという方は第九話をお楽しみください。


東方繋華傷 第九話 魔法の構築

 強い炭の焦げたような匂いが鼻につく。

 そこら中が炎で焼かれている。それによって焦げた埃や木くずなどが、炎が生み出す上昇気流で舞い上がり、私の顔の位置にまでその香りが飛んでくるのだろう。

 目を閉じていることで、目から入ってくる情報を遮断してることで私には周りで起こっている状況はわからない。だが、炎を扱う女性、妹紅が花の化け物と戦っているのは音だけでも判別することができた。

 私を守るようにあらゆる方向に炎を放ち、花の化け物どもを焼け焦がすことで奴らを地面に這い蹲らせていく。

 そこから優勢だということは伺うことができるが、目を閉じているため真夜中に光源を持たずに外を出歩くぐらい見通しが聞いていないことで、いつ攻撃されるかわからない恐怖がある。

 しかし、目を開けて周りから得られる情報に惑わされて魔法の構築にこれよりも長く時間を割くわけにはいかず、私は目を開けたい衝動をなんとか抑え込んで魔法の構築を続ける。

 今回使う魔法は光の魔法だ。しかし、いつも使っているような弾幕と一緒に飛ばして貫通力を生み出したり、熱で物を切ったりなどとは全く異なる方法で光の魔法を作り出すことにした。

 私たちの身の回りにある光というものは、波長の長さによって色に違いが出たり、人間には見ることのできない赤外線や動物などには害となる紫外線など、波長の長さによって様々な性質を持つ。

 それらの性質の中で私が求めている物にするために魔力を使って光の性質を変換していく。

「そらよ!!」

 私の右側から妹紅の声が聞こえ、それとほぼ同時に閉じた瞼越しでもわかるほどに強い光を放っている炎を、花の化け物たちに浴びせかけた。

 妹紅との距離が近かったのか焚火などの近くに顔を寄せたときのように、顔や体中にヒリヒリとした熱を感じる。

「アアアアアアアアアアアアアッ!!?」

 ある花の化け物は体内の奥深くまで炎で焼かれて炭になって地面に崩れ落ちて粉々になり、ある花の化け物はその仲間だったものの死骸を踏み越えて全身を炎に包みこまれた状態のままこちらに向かってくる。

 だが、そいつらもすぐにほかの連中と同じように、全身が炭となって地面に崩れ落ちていく。

 しかし、それが通じるのは体が細くて小さい人間型の花の化け物だけだろう。体が大きくなったり動きが素早くなると燃焼効率が悪くなったり、こっちに到達する時間が短くなることで芯まで燃やされていない花の化け物が妹紅の炎を突破し、全身を炎に包んだまま私に向かって走って来る。

「っち…やっぱりデカい奴は表面を少しあぶったぐらいじゃあ、効果は薄いか」

 妹紅が正面方向からくる少し大型の花の化け物に向けて歩き、舌打ち交じりに呟く。彼女は炎で私を囲うように壁を作って花の化け物たちがここまで来れない様にしてくれてはいるが、突破されるのも時間の問題だろう。

 炎が勢いよく吹き出す音に紛れて、炎の壁のすぐ外側にまで花の化け物が迫っている気配がする。

 それらをさらに妹紅が処理をしてくれているわけだが、妹紅の放つ火炎の熱気に顔をしかめ、わずかに意識を逸らされつつも魔法の構築を続けた。

「アアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 少し大きいぐらいなら妹紅が追加で炎を浴びせれば倒せていたが、例の巨大なオオカミ型の花の化け物がこちらに向かってくるのが独特な野太い声と地面を振動させる足音からわかる。

「くそっ!」

 妹紅が毒づき、炎を操ってあらゆる角度から花の化け物を炎で包み込むが、奴は物ともせずに私に向かってきているのが、変わらない足音で判別できる。

「アアアアアアアアアアアアアッ!!」

 素早い動きで私の前に立ちはだかっている妹紅が、魔力で圧縮した炎を火炎弾として放ったらしく、花の化け物にそれが直撃すると圧縮された炎が一気に拡散され、爆発が起きたように高温の炎が発生して化け物を焼き殺そうとする。

しかし、花の化け物は体を構築している蔓の腕の部分だけを一時的に分解し、鞭のように振るってお返しとばかりに妹紅をぶん殴った。

「ぐあっ!?」

 本当に殴ったのは植物で、殴られたのは人間かと思うほどの高くて鈍い音が響き渡り、妹紅の悲痛な悲鳴が私にまで届いてくる。

薙ぎ払われた鞭の衝撃を逃がすことができなかったのか、妹紅は吹っ飛ばされたらしく物体が空を飛ぶ音が聞こえてきた直後、私に衝突した。

「ぐぇっ!?」

 大人の人間が吹っ飛ばされるほどの勢いで飛んできた妹紅の全体重が私の脇腹にかかり、その部分に尋常ではないぐらいの痛みが走る。

 いきなりのことで踏ん張りがきかず、後ろに倒れそうになったとき妹紅の体がすぐ目の前にあるのを彼女の手に纏わりついている炎からわかり、私は妹紅のことをとっさに掴んで数メートルという距離を一緒に転がってしまう。

 天と地を何度も見るようにしてグルグルと回転して地面を転がっていたため、脳が揺れるような頭痛や乗り物に乗った時のように気分が悪くなってきてしまった。それに、地面を転がったことで土まみれになり、服の中にまで土が入ってきてすごく気持ち悪い。

 そう思っていると妹紅の焦ったような声が私に届く。

「魔理沙!この手を離せ!やられるぞ!」

 巨大な花の化け物は全身を燃やされながらも鞭として薙ぎ払った腕を再形成し、私たちの方向に走って来たらしく、わずかに私の見える視界に影がかかった。

 妹紅が腕を振るって私の拘束を逃れるが、私は左手で妹紅の肩を掴んで自分の方向に引き寄せながら、化け物に向けて右手を向ける。

「いや、むしろ好都合だ」

 私は目をゆっくりと開き、構築させたばかりの光の魔法を発動させた。

 




三日後か五日後ぐらいに次を投稿します。
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