そう言うのが無理な方は次回にダイジェストを乗せるので、そちらを見て下さい。
ぴ、ピンクは淫乱と相場が…………
手足が動かない?
意識を戻したローズリィが最初に思ったのはそれだった。
何故?と疑問に思ったローズリィが目を開けると、ようやく何故そうなっていたのか理解した。
「私は………捕まった、のですね」
目の前には鉄格子。周囲は独房のようにジメジメと薄暗く、ローズリィの手足が十字のように壁に貼り付けにされていたのだった。
嫌でも状況を理解したローズリィは、気を失う前に何があったか思い出そうとすると、
「お。ようやく起きたか騎士様」
鉄格子の向こうから、何かの器具をガチャチガチャと台に乗せていた男が、そうローズリィに話し掛けてきた。
見たところここの看守のようだが、彼の視線は何処か下卑た目なのは気のせいか。
「ずっと眠っていたらしいぜ?お前があまりにも起きないから裁判も終わっちまった。処刑だとよ」
「…………処刑、ですか」
捕まった時点からすでにそうなるだろうとは、ローズリィも察していた。
数多くの兵士達を殺したのだ。当たり前だろう。
ただその前に彼女は聞きたいことがあった。
「ジャンヌは…………ジャンヌ・ダルクは、どうなりました?」
「あ?ジャンヌダルクだ?知らねーよそんなの」
男の台詞を聞いてローズリィは安心した。
少なくともあの摩訶不思議な相手達に、襲われたり捕まったりはしていないようだ。
そんな風に彼女が安心していると、その男は牢屋の中に台車を引っ張りながら入ってくる。
男が入ると同時に、何故か牢屋の気温が急激に上がった。
「にしてもお前ツイてないよな。眠っていれば苦痛を味わうことも無かっただろうに。いや、グッスリお寝むな時に起こされるのもアレか」
「?………なんの」
ことですか、と尋ねる前にそれは起こった。
男がローズリィの首を絞めて壁に叩きつける。
「ガッ………ァ………!!?」
「苦しいか?いや、たまんねーなその苦痛に満ちた表情。いきなり勃起しちまいそーになったぜ」
そう言いながら男は台車に乗せられていた一振りの小ぶりの斧を右手に持つ。
「戦場で恐れられたあの騎士様をこうやってイタブれるんだ。良い声で鳴いてくれよ~?」
「ゲホッゲホッ…………?」
一度首を絞める力を解いた男は、ローズリィの肩目掛けて振り下ろした。
「ぁぐッ…………!!?」
「おおー、流石に一回じゃ声を上げねーか。我慢強いね騎士様。ま、そっちの方が遣り甲斐もあるってものさ」
ローズリィは激痛に思わず声が洩れる。
ギラついた斧の刃が、彼女の肩に食い込んできたのだ。その痛みは想像を絶するだろう。
しかし、男の腕はあまり良くなかったのはローズリィにとって幸か不幸か。
斧の刃は肩の骨を断ち切ること叶わず、肩甲骨の半ばで止まっていた。
結果だけならそれは良いことであるのだが、それは彼女を更に苦しめることになる。
「グッ、ァ"ァ…………」
乱暴に引き抜かれる斧によって苦悶の表情を浮かべるローズリィ。
斧が引き抜かれることで血が溢れだし、彼女の着ている服を徐々に赤黒く染める。
「ダメだな俺。やっぱ腕からの方がよく切れるか、な!」
「あ"ッ……!!」
「おっ、いいねいいねその声。だいぶ良くなってきたじゃねーか!やっべー、興奮してきた」
壁に貼り付けにされて、抵抗すら出来ないローズリィは、今度は細い二の腕辺りを斬りつけられる。
それでも斧は彼女の腕を絶ち切ることができず、再び斧を乱暴に抜かれる。
「はぁッ、はぁッ……」
「うーん、良いなその表情。でも、こんなに柔らかい肌してるの切断できないなぁ……やっぱ骨が邪魔かぁ」
息を乱しながらも鋭く男を睨み付けるのだが、それはただ相手の欲望を満たすだけだった。
男は呟くと、台車から新たに器具を取り出す。
「まずは皮を剥いでよく見えるようにして、それから骨の切断だな」
そう言うと男は、ローズリィの白く美しい肌にナイフを勢い良く突き立てる。
「ッぅ………」
ギリッと歯を食いしばって声を上げることを我慢するローズリィ。
鈍いと言われる彼女でも、薄々とこの男の性癖に気付き始めたのだ。
(…………この男に弱みを見せてはいけない)
ずっと声を上げないでいれば、この男も諦める。そう思い彼女はひたすら声を我慢し続ける。
その間も真っ白な肌は切り刻まれ、血で赤く染まっていく。
骨が露出するまで肉を削ぎ落とされる腕。血液が流れず、壊死し始めているのが素人でも理解できるほどに、指先は紫色に変色していく。
その行為はどれほどの痛みを彼女に与えているのだろう。
ローズリィの額にはうっすらと玉の汗が浮かんでいた。
「あははっ!骨が見えちまったよ騎士様。さてさて。お次は………」
そんな彼女に気を良くしていく男は、一度ナイフを置き、今度は台車から金槌を取り出した。
「骨を砕いて腕を斬りやすくしましょ~ね!」
高く掲げた金槌を、露出し、血で真っ赤に染まった骨に振り下ろす。
まだ残っていた肉が潰れる音と、硬いものが砕ける音が牢屋の中で響いた。
「おぐぅ!!?!?」
「ふは!? 良い声!!」
あまりの激痛に、ローズリィは耐えられず声を上げてしまう。
それによって必然的に男はローズリィの上げた声にテンションが上がってしまった。
何度も骨に金槌を振り下ろし、露出していない部分の骨も肉ごと叩き潰す。
「ほら!もっと!哭けよ!!」
「んぐ!……ッ!……ィぎッ」
原型がわからないほどぐちゃぐちゃに潰されていく腕。
それでも声を上げなくなってしまったローズリィに飽きたのか、男は金槌を手放し再び斧を手に取った。
「……ぃッ"!!」
ズンッと音を立てて腕に斧が振り下ろされた。
拘束された腕を切断されたことでバランスを崩したローズリィは、未だ囚われた右腕側に、前のめりになりながら吊るされる。
意図せずして斬りつけられた左腕の断面は、男の目の前に移動する。
その断面を見た男は、思い出したとばかりに声を上げた。
「あ、しまった!忘れてた~………。このままじゃ騎士様が出血しすぎで死んじまうじゃねーか」
そう言うと男は、先程から牢屋の中の温度を上げる元凶へと手を伸ばす。
それは、熱せられた炭と鉄の棒が入った釜だった。
「止血止血~っと」
男は熱せられた鉄を持つと、先端が赤くなった棒の先をローズリィの傷口にぐちゅりと
一瞬、彼女の視界が真っ白に染まる。
直後、感じたことの無い激痛がローズリィを襲った。
「ぃぐ、ぁぁああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
肉が焼ける音と共に、ローズリィがこれまで出したことの無い絶叫が響き渡る。
身体の内側から焼かれる苦しみは、決して耐えられるものではない。
常人がその光景を見れば堪らず顔を背ける程に、悲鳴を上げる彼女の姿はあまりにも痛々しかった。
「おお!すげぇ良い鳴き声じゃねーか!!たまんねーなおい!」
その状況で興奮する男は異常者なのだろう。
彼は叫び続けるローズリィの首を絞め、今度は彼女の腹を殴り付けた。
「おぶッ!?」
「さあ!今度は違う哭き方を俺に聴かせてくれ!苦痛に満ちた表情を俺に見せてくれ!」
「が、ゴッ!あ゛ッ!」
首を絞められ、満足に叫ぶことも、満足に息をすることも出来ないまま、延々と殴られ始める。
彼女への虐待はまだ始まったばかりだった。
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「……ぉ……ぁ………」
「あちゃぁ………壊れちまったか?…………まあ、いいか」
牢屋の中は凄惨な光景が広がっていた。
血飛沫が壁や天井を紅く汚し、肉片が床の所々に落ちている。
血と肉が焦げた匂いが混ざり激臭となっていた。
そして中央には、四肢を欠損し、顔以外の至る所、無事な部分がまったく見えない程に身体を傷つけられ、美しかった片方の瞳を潰された少女。
元の原型がわからないほどに壊されたローズリィが倒れていた。
「にしても………ああ。なんて素晴らしいんだ! 俺はこんなに興奮する光景を見たことがない!」
男は悦に浸りながらズボンを下ろしていく。
下半身を露出させた男は、目に光が宿っていない彼女の髪を掴み、顔を持ち上げる。
「ンぇ………」
「まずはこいつの口で一発出しちまうか。次にこいつの処女で………」
男はローズリィの口を強引に開かせると、男のイチモツをその口の中に突っ込ませる。
そのまま彼女の頭を動かし快感を得ながら、男は饒舌に今後の妄想を語りだした。
「ああ、スゲー良いなマジで…………。騎士様でこれなんだ。これを聖処女様にやったら………クックックッ!考えただけでイッちま」
ブチり、と音がした。
「あ?」
何が起こったのか。すぐに理解できない男だったが、彼の股間に激痛が迸ったのはその直後だった。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!?!?!?!??」
絶叫しながら血で染まる牢屋の床を転げ回る男。股間から血を吹き出し、口から泡を吹き出す。
そんな男を、ローズリィは口から異物を吐き捨てながら眺めている。
その目には少しの光と怒気が戻っていた。
そのままローズリィは転げ回る男を睨み付けていると、男の叫び声は止まり、唐突に糸の切れた人形のように動かなくなる。
男は白目をむき口から泡を噴いたまま、その激痛に耐えられず絶命したのだ。
その事を理解したローズリィはようやく警戒を解くと、血溜まりのできた地面に倒れる。
静かな空間にバシャリと音が響く。
「…ぁぅ……ジャン、ヌ………私……は………」
度重なる絶叫と男の首絞めによって喉が潰れたローズリィは、掠れた声で呟くとその意識を闇に沈めた。
一話丸々虐待の話でした…………
次回、救国のフランス編最終回の予定です。