ほのぼのタスミサBL
みっちゃんは会社員、タスクは専業主夫しながら真理夫さんやひねくれ堂のお手伝い
レオセラは結婚して子供がいる
ヤマアムは新婚生活
タスクが惚れてる設定
ここでダメならUターンお願いします
いつもよりも少し遅い時間に家の扉が開く音がした。そこには疲労をにじませた操の姿があった。
「はあ、今日も疲れた」
「お疲れ様、今日は何があったんだ」
同居する前から今日の出来事をタスクと共有するのが帰ってきてからの日課になっていた。タスクはテーブルで読んでいた分厚い本を閉じて、夕飯の仕上げに取り掛かる。最初はうまく扱えなかった料理器具もセラとアムと一緒に真理夫さんに教えてもらって人並みに料理ができるようになった。最近は操の好みに合うような料理にもチャレンジしている。
「いや、今日はそんなに聞いてくれるな」
いつもはすぐに話を進めてくる彼は、今日はいつもと様子が違う。この疲れ方はあまりみたことがなかった。同居し始めるときにタスクからプレゼントされた鞄をソファに置き、会社員の証ともいえるネクタイを緩めた。
いつものように接したい気持ちがあっても操のまとう負のオーラが出会った当初のように色濃く、今にもお得意の体育座りが発動されてしまいそうだ。それが発動されたら終わりだ。以前同居して間もないころにされたことがある、理由は自分なんかがタスクを養えるのかと一気に不安に駆られたという。その時はなかなか苦労したため、それだけは避けたかった。
「す、すまない。」
「…聞いてくれ。最近俺に優しいんだ上司が」
話さないと思っていた操が口を開いたので少し驚いた。ここから話を聞くかそれとも嫌なことがあったなら忘れるように仕向けるべきなのか少し考えたが、操の話が気になるので、料理の準備の手を止めてソファでスーツを脱ぐ操のもとに行く。
「入社した時からお世話になってる人が最近妙に距離が近くて、失礼があったらいけないし、遠慮しなきゃいけなかったりするだろう?それで仕事がやりづらい」
「仕事がやりづらい、か。僕にはまだ人間の会社で働いたことがないからいいアドバイスが見つからない。力になれなくてすまない。」
当時から物事をはっきり言ってしまうタスクだったが、今では時と場合、相手によって臨機応変にできるよう形だけは改善された。うまくやれるようになったとはいえ、それでも根本の性格は変わっていないため、操やみんなには素のままで接してしまう。それでもこうして一緒にいてくれることがどんなに恵まれているか、同居してからさらに実感した。
「いや、うん。大丈夫だ。そんなに気にしなくていい。じゃあ、タスクの方はどうだ?今日はひねくれ堂?」
「いや、今日はレオとセラの家で子供達のお世話を手伝ってきた。元気だな、子供は。半日ちょっと面倒見てるだけでずいぶん体力を持っていかれた」
「そうか。でも楽しそうだなそれも。また時間できたら二人で遊びに行こう、タスク」
「ああ。…そうだ、大和とアムもそろそろ新居に慣れた頃だろうからそっちにも顔を出しに行こうか」
「大和たちも結婚してもう半年か~早いな」
タスクと操は同棲しているが、結婚はしていない。今の日本では大和とアムのように人間とジューマンは結婚することが可能になったが、人間同士とジューマン同士の同性婚は認められない。それでも二人の気持ちは一つだった。何もない普通の毎日でいいから二人で暮らしたいという願い。それを仲間たちは祝福してくれた。
レオとセラが報告があると言って結婚することをみんなに伝えに来た。そのあと、レオたちが二人目の子供を授かった頃に自分たちが同棲することを報告した。以前からタスクと操だけで出かけたりしていたとはいえ、皆もまさか二人で暮らし始めるとは思っていなかったようで最初はとても驚いていた。だが、察しの良いアムと大和は気が付いていたようで笑顔で送り出してくれた。そして半年前に大和とアムが結婚式を挙げて二人で暮らし始めた。
男二人で生活するには大変なこともあった。主に周囲の目だったが、真理夫さんの知り合いがいい物件を紹介してくれたため、そこでひっそりと暮らし始めることができた。真理夫さんをはじめとしたみんなも近所の人たちも優しく支えてくれたからここまで来ることができた。感謝してもしきれない。こんな自分たちでも仲間たちから祝福されるなんて思っていなかったのだから。
今となってはジューマンの中で一番家事が得意なタスクだが、もちろん最初のころは上手くいかないことが多かった。真理夫さんのところで手伝いをしていた成果と、もともと手先が器用な操の手ほどきのおかげで二人分の家事が一人でできるようになった。今では立派な専業主夫となっている。
「来月は平日に休みがあるから行こうかな、タスクは?来月の予定」
「今のところ特別な予定は立てていないが、そろそろ資格の試験が近いから調整してみる」
「わかった。…ん?資格っていつからやってたんだ、タスク」
「あ」
「『あ』じゃない!!!聞いてないぞ!!」
「すまない。この間図書館で見つけた本に資格のことが載っていて、それで。」
「それでって…というかどうして」
「そろそろ僕も家計の足しになることしないといけないだろう」
「タスク…俺の給料じゃ足りないのか…俺にはタスクを養う資格が、無い…!」
「そうじゃない!また君はそうやって落ち込む。直すと約束しただろう!」
タスクはここからは持久戦だと心の中でため息をついた。
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「だから、もういいだろう、操。ここまで言ってもまだ君は自分の給料がどうのと言うのか!僕にもこの家を、君を守る権利くらいあるだろう!」
仕上げに取り掛かろうとしていたフライパンの上の料理も用意した台拭きもすっかり乾いている。出会った頃よりもこれについてはマシになるかと思っていたが、逆だったようで、二人きりの時の方がタスク個人に対するものが増えてしまい、以前より内容の密度が増してしまった。いまだにタスクの悩みの種である。
「そ、そうか、タスクと一緒に住んでいるんだもんな」
「ああ、ほらもうこんな時間だ。夕飯が冷めてしまった。風呂はできてるから入って待っててくれ。」
「ああ」
「ゆっくりしてきたらいい。」
「すまない。」
「謝るな」
「じゃあ、…ありがとう」
「それでいい」
感謝の言葉を言うときは少し照れたような言い方をする操は本当に可愛い。惚れた弱みなのかもしれないがこればかりは心が素直に喜んでしまう。こんなことで喜んでしまうなんて操に言ったら、浮かれてしまって一日離してくれないかもしれないから言わない。操の言葉は適当にあしらう振りをして、椅子にかけてあったラリーさんからもらったエプロンを着けて台所へ向かう。
今日も明日も明後日も二人は一緒
いかがでしたか。今後もほのぼの日常妄想膨らましていきたいです。
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