京は近くにある森に来ていた。
能力の把握をするためである。
先の件以来、自分の予想通りに話が進まないことを知り、いつどんなことがあってもいいようにちゃんと能力を把握しておく必要があると思ったのだ。
「まずは
試しに植物を操り試行錯誤する。
植物人間の能力は他の植物を急速成長させるなどして操ることで森の中、建物内などの遮蔽物があるところで絶対的なアドバンテージを得ることができる。
本来なら体を木で覆いそれを特殊なカーボン状に変異させることで鋼鉄以上の硬度にしたりすることができるのだが元に戻すことができないのでしょうがない。
原作のように腕がもげるなどすれば話は別だが
「次はブレングリード流血闘術…」
体から血を出して変異させ技を放ってみる。
ブレングリード流血闘術は対吸血鬼用ではあるものの相手の血に侵食して内部から破壊するというものは非常に強力である。
ほぼ間違いなく殺してしまうことを考えなければ近距離戦ならまず間違いなく今の京が持つ最強戦力だろう。
「そして、
拘束された包帯男が姿を現す、能力を確認してみるが新たにわかることは少ない。
この能力は即応性に欠けるのだ、何もない場所などだとできることが少ない、瞬時に発動できないなど問題も多い。
そして前になのはに試しに杭を刺そうとしたのだが弾かれてしまった。
バリアブルジャケットなどの魔法要素が絡むと難しいようだ。
直接の戦闘においては不向き。
しかし、これがトラップなど予め発動する余地があった場合、話は大きく変わってくる。広大な支配域をもって準備をしておけば一対多数でも優勢になれるだろう。
「何もかもをキノコにする魔法…」
この能力は使いどころが難しい。
ちゃんと意識していなければ煙に当たったものは全てキノコになってしまうからだ。
はじめに使ったときも意識していなければなのはとユーノもキノコに成り果てていた可能性は高い。部分的にでも当たればキノコになってしまう為、腕に当たれば腕はキノコに、頭に当たれば頭がキノコになってしまう。
生身の肉体と変質したキノコに順応性などあるはずもなく拒絶反応を起こし てアウトだろう。
迂闊に人に対して使えるものでもない。
「そして七ツノ
正直これを使うというものが特にない、腕から出る鎌くらいだろうか。
主にこの能力はバックアップ専用だ。
頭を潰されない限り即死はないだろう。また、体にも何か余裕ができた気がする。体中に木の根が張り巡らされ、血が猛毒になり、体に煙を精製する器官が作られたのだ、本当なら壊れて当然である。
胸の勾玉を誰かに譲渡することもできそうな気がしたが勾玉をつけられるとちょっとグロくなるので頭の中にだけ留めておく。
「これが問題の闘鬼神前鬼…」
どんなに頑張っても鬼神前鬼止まりであった。
そして変化を解くと問題が起きた。
体を凄まじい痛みが襲い、現在所有しているあらゆる保有能力がつかえなくなったのだ。
その時の体の再生能力も凡人よりいくらか強い程度である。
京が危惧していた体を変質させる弊害で拒否反応が出ているのか、はたまた実力が伴っていないのか
「とりあえず何かあるまでは切り札的な扱いでいいかな」
あらかたの能力の確認が終わり、次にこれからのことについて考えることにする。
物語の前倒しの発生、これからどうなるのか判断が付かなくなってきた。
そして次は恐らく次元管理局が参入してくるはずだ。
自分はアチラから見れば弁解の余地もなく犯罪者。
目的の為にジュエルシードの破壊という危険な行為をして周っているのだから、止める気はさらさらないが
「…ふむ」
ここらでジュエルシード破壊以外でも正規の道筋を外させるべく行動を起こしてもいいかもしれない。
1つ思いついた事があったのだ。
少しだけ悪い笑みを浮かべながらすずかに連絡を入れるのだった。
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物語りも前倒しになったので次にジュエルシードが発動する日がいつだかわからない。
京は魔力探知などという便利なものはない。
発動してからでないと場所がわからないのだ。
幸い、なのはとユーノの位置は補足しているので気づかなかったということはなさそうだが。
「はぁ…」
最近は忙しなかったような気がする。
なんとなく疲れた、主に心のほうが
久しぶりの光合成を始める京、至福の表情だ。
「あぁ…、生き返る…」
実際以前に生き返っていたりするのだが突っ込んではいけない。
夕方までずっと光合成をしているといつものようにすずかが来た。
「こんにちは京くん」
「こんにちはすずか」
すずかは食べ物が入っている手包みの他に大きめなバックを背負っていた。
「頼まれてたアレ、持ってきたよ」
「おぉ…流石」
バックを受け取り中のものを取り出す。
カチャカチャと音をたてながら使い方などを確認する。
隣ですずかはそれを興味深そうに見つめていた。
「京くんにそんな趣味があったんだ、知らなかったよ。もっと早く言ってくれればよかったのに」
「いや、ちょっと試したいことがあっただけなんだ」
「ふ~ん…きれいに取れたら見せてね?」
「…うん」
そう取りとめもないことを話していると
「京くんあのね…」
急に寂しそうな顔になりポツポツと悩みを漏らす。
「なのはちゃんが…」
なのはが最近上の空なのだそうだ、そしてアリサと喧嘩したと
あぁ、と原因について知っている京はどうしたものかと思案する。
近い内に終ることだ、悩んでも仕方ないことだがすずか達はそれを知る由はない。
とりあえず未来で自ら結論を出すであろう答えを言っておく
「待ってやればいいよ」
「でも…」
「すずかだって自分が吸血鬼であること話していない。でもそれをずっと黙っているつもりもないんだろう?だからさ、待ってやればいい、信用してないわけじゃないんだろ?」
珍しく饒舌になってしまった。
それをすずかは呆けたように聞き
「…うん!」
吹っ切れたように笑う。
そのあとはいつもの何気ない会話を続けたのだった。
そして空も暗くなりすずかも帰っていく。
「ありがとう、誘拐されたとき助けてくれたのが京くんでよかった」
「…お互い様」
「そっか…、バイバイ」
「バイバイ」
笑い合って帰るのだった。
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数日後…夕方になりいつものようになのはとユーノの位置を確認しているとジュエルシードが発動したようだった。
京は辺りがよく見えるビルの上で準備している。
「…よし」
すずかから借りたバックの中身を取り出す。
それは大きめな高そうなカメラと取り揃えられたレンズなどの付属品の数々だった。
「NikonF2フォトミックAS改…望遠レンズ装備っと…」
手馴れたように装着していく。
フェイトも現れジュエルシードとの戦闘が始まろうとしていた。
だが今回は後のこともある。早々に終らせる腹積もりだった。
京はうつ伏せになりカメラを構える。
なのはとフェイトの間辺りのジュエルシードにカメラを構え照準をとる。
ファインダーを覗き込みながら京は紡ぐ。
「スピードグラファーより雑賀辰巳、フェティッシュ:写殺 発動」
レンズを覗き込む左目が真っ赤に充血する。
なのはとフェイトは共闘しジュエルシードを追い込んでいた。
だがそれは無駄なこと。
何故ならこの一撃で全てが終るのだから
レンズを絞り、ジュエルシードを目一杯に写るように調節する。
力が覗き込む左目とカメラを通して京に伝わってくる。
シャッターを指に掛ける。
そして
「これで、終わり」
シャッターをきった。
カシャリと軽い音がする。
だがその軽い音と裏腹に京の覗き込むファインダーの先には轟音と爆炎が舞っていた。
ジュエルシードが突然爆発したのだ。
「「キャァア!?」」
その爆風になのはとフェイトは吹き飛ばされる。
もしかしたらまだ壊れていないかもしれないと2度、3度と再びシャッターを切る。
その度に轟音と爆炎が発生し、煙が晴れた先にはなにも残っていなかった。
今回京が得た能力、フェティッシュ:写殺。
フェティッシュとは能力の総称であり、自らの異常な欲望が特殊能力として発現するものである。
そして京が発動させた能力の本来の持ち主の欲望は
「人の死の瞬間を撮ることを至上の快楽とすること」
である。
それによって発現するフェティッシュは写殺能力、写真を撮ると被写体が爆発する能力である。
爆発の威力や範囲はレンズの種類に依存し、レンズを絞って撮る範囲を限定することで威力を集中させることも出来る。
「一体なにが…」
「まさか…またあの人…?」
目の前の光景に唖然としながらもなのははこの現状を起こした人物に思い至っていた。
「あの人とも…お話、しないと」
ファインダーごしでは音は聞こえないのか、なのはの決意を京は知らなかった。
そして同じく苦虫を潰したような険しい顔のフェイトもなのはと同様同、じ人物の顔を想像していた。
そしてもうここには用はないとフェイトが場を後にしようとする。
「帰ろう、アルフ」
「…うん」
「待って!」
それをなのはが引き止めた。
そして前回と同じようにそれを拒絶するフェイトとなんとしてでも話しをしたいなのはの間で戦闘が発生する。
どちらも頑固なのだろう、自分も人のことは言えない気がする。
そしてその現状を眺めながら次の進展を待つ。
ファインダーを覗き込み、シャッターに指を掛けて
次の瞬間、魔法陣が現れる。
現れるのは黒衣の少年、クロノだ。
クロノはなのはとフェイトの攻撃を受け止めていた。
そして、口上を口にしようとする。
京はそれを待たずして
シャッターを切った。
…………
………
……
…
画面のような映像体が現れる。
「こちら次元管理局リンディ・ハラオウンです。お話をお聞きしたのですが」
「なのは、ここは言うとおりにしよう。」
「う…うん」
困惑顔なままユーノに言われるままなのはは従う。
「すみません。あとそこにいる局員も運んでくださらないかしら」
ボロボロのクロノを運びアースラによってなのは達は回収されるのだった。
フェイト達はリンディが現れた時点で逃げ出していたので本来ある戦闘も起きなかったようだ。
そして誰もいなくなったところで今回の介入は終了した。
京はそれをずっと静観していた。
そういえばと、今までほぼ不意討ちしかしてない気がするなと気付くが上手くいったからいいやと気にしないことにしたのだった。
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その後。
「京くん写真はどうだったの?」
すずかが写真の話しを持ち出す。
「…上手く撮れた(爆破)よ」
そう自信満々に京は答えた。
「見せて見せて」
「ほら」
爆風に包まれる男の影が1人写っている。
「………………」
それ以降カメラは貸してもらえなくなったとさ。
能力第8段追加
管理局登場&即退場
の巻きでした。
次回で無印編が終了となります。
不意討ち尽くしで終りそう…
原作名:スピードグラファー
ジャンル:アニメ
使用者:雑賀辰巳
能力:フェティッシュ:写殺
カメラを媒介とした爆破能力。
カメラを覗き、撮った対象を爆破する。
威力はカメラのレンズによって決まり、大きければ大きいほど威力が高くなる。
また、部位を絞ることで部分的に破壊したり威力はそのままに爆破範囲を限定することで集中ダメージを与えることもできる。
被写体自体が爆発するので防御が非常に難しい。
その為、避けるには相手に見えない事が前提であり、不可視の盾、シールドなどでは貫通されてしまう。
カメラを覗きこんで撮るという性質上、不意討ちならいいが、動いている敵に当てるのは困難、また最大ダメージもプラスチック爆弾程度の威力なので耐えられる相手には結構無力だったりする。
一件使いにくそうな能力だが真の能力は…
とスピードグラファーでした。
変態達の変態達による変態能力バトルアニメ。
ヒロイン以外リアルな変態しかいないアニメ(主人公含む)
とは言いましたが中身はシリアスチックで展開も面白い、変態ばっかりだけど
かなりの良アニメです。
お勧めなので是非見てみてください。