マイナー能力者が往く異世界記   作:じろー

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オリジナル回後編。
段々と修正箇所が減ってきたので更新がこれからもう少しだけ早くなります。
感想などあればお待ちしております。


第11話

 士郎が乗っている車を誘導しポチがいるところまで走らせる。

 ポチがいるところから先は要警戒ということだ。

 そして先には影が見える。

 ポチがいた、全身にひびが入り前足と後ろ足がない。

 

「ポチ…」

 

「くぅーん…」

 

 済まなそうに鳴くポチ。

 拳を握り締めた。

 やってくれると、よくも初めて作り出した友達をと

 

「いや、いい、そこを任せた」

 

「くぅーん」

 

 頷くポチ、足元から根を下ろし体力の回復を図っている。

 

「行きましょう。ここからは危険だ。」

 

「あぁ、君は大丈夫なのかい?」

 

 出来れば行かせたくない、そんな意思が窺える。

 だがそれは無理な相談だ。

 自分は行かなければならない。

 仇という理由も増えた。

 

「人間よりは遥かに頑丈です。」

 

「はは…そうかい…」

 

 半ば諦めるように士郎は苦笑いした。

 自分と違ってとても冷静だ。年季の違いというやつなのだろう。

 

「恭也さんはどこに?」

 

「逆側から向かっている」

 

「わかりました。先に自分が戦ったのはオートマタです。気をつけてください」

 

「あれか…少々厄介だな」

 

 オートマタ、精巧な人形、戦闘機械である。

 その戦闘能力もさることながら一番厄介なのは心を有していないというところ、油断も過信もしない。

 人よりも厄介だ。

 

 森を抜け、月村家へと向かう。

 何か仕掛けているかと思ったが何もなかった。

 ポチが壊していったのだろう。

 

 月村邸に着く、相手はもうここに来ていることがわかっているだろう。

 ならば正面から切り込むまで

 ポケットからインスタントカメラを出す。

 車の中にあったものを拝借したものだ。

 

「離れていてください」

 

 目の前には閉まりきった門。

 それに向かってカメラを構え、シャッターを切った。

 同時に大きな爆発が発生する。

 インスタントカメラといえ手榴弾程度の威力はある。

 門を爆破し進入した。

 

「準備はいいかい?」

 

「…大丈夫です」

 

 門の先に視線をやる。

 やはり待ち受けていたのか計10体の武装した集団が構えていた。

 気配がない、奴らもオートマタなのだろう。

 オートマタは銃をこちらに向け弾幕を張ってくる。

 京は咄嗟に障害物に飛び込みこれを回避する。

 だが士郎は堂々と両手に持つ小太刀を構えた。

 

「御神流 虎乱」

 

 士郎の姿が一瞬ブレる。

 二刀からなる斬撃で自分に当たるものだけを切り落とす。

 京は少し唖然とする。本当に人間だろうか

 気を取り直し負けていられないと京も攻勢に入る。

 

「ブレングリード流血闘術 重装密集陣形(フィンガーグリード)

 

 左手のメリケンサックと祓魔護符から無数の弾幕を張る。

 対吸血鬼用だが破壊するには十分な威力を有している。

 

 何体かに当りかなりのダメージを負わすが3体のオートマタが士郎の方に突進してくる。

 

「雷徹」

 

 防御をしようとした2体が即座にバラされる。

 

拘束する支配者(バインドドミネーター)

 

 倒れたオートマタの武器に杭を刺す。

 

「命じる!全弾オートマタにぶちかませ!」

 

 杭を刺された銃が独りでに宙を浮く、その数6丁。

 そしてオートマタたちに銃弾が殺到した。

 銃の数で負けダメージを負ったオートマタが苦し紛れに士郎に突撃を掛けた。

 だがそれを士郎は冷静に対処する。

 

「御神流 奥義之歩法 神速」

 

 目にも留まらないスピードでオートマタ達の背後に回りこみ

 

「小太刀二刀御神流 奥技之六 薙旋」

 

 甲高い金属音が鳴り響く。

 オートマタに神速の4打を叩き込み無力化した。

 京の目にも3打までしか見切れなかった。それほどに早い。

 これで全てのオートマタは倒された。

 屋敷に入る。

 しかし、すずか達がどこに囚われているかわからない。

 

「大丈夫だ」

 

 士郎が声を掛ける。

 

「御神流 心」

 

 音と気配によってどこにいるか探る。

 

「2階に5人、1階に2人だ、恐らく2階だろう。流石にオートマタの場所は掴めない」

 

「十分です」

 

 呆れを通り越してもうなにを思えばいいかわからない。

 2階に上がろうとするがそこに2人が立ち塞がった。

 

「そこまでだ」

 

 気配がどこか人と違う。

 血のにおいがすずか達よりもはるかに強い、あれは一度嗅いだ覚えがある。

 

「吸血鬼か…」

 

「よくわかるなガキ」

 

 吸血鬼、前の紳士風の男よりはやりそうだ。

 非常に面倒だ。ここで立ち止まるわけないはいかないのに。

 挨拶は終わりだと吸血鬼が突っ込んでくる。

 速い、神速ほどではないが目で追っていては倒されてしまうだろう。

 

「俺の相手はお前だ」

 

 士郎の方にももう1体が交戦を開始したようだ。

 

「オラァ!」

 

 吸血鬼が強烈なストレートを放つ。

 

「ふっ」

 

 咄嗟に避け至近距離からメリケンサックのある左で決めようとする。

 

「おっと、それは報告で聞いてるからな。吸血鬼はそれ食らうとおしまいなんだろ?」

 

「ちっ、何で知ってる…」

 

 ニタリと吸血鬼の口元が歪んだ。

 

「なぁに、簡単な話だ。お前があの尊大なヤローを殺したとき見ているやついたってだけだ、オートマタのなぁっ!!」

 

 京が目を見開く。

 ファリンとノエルに昏倒させられたとき。自分は思わなかっただろうか。

 

『まだ他に視線を感じる、用意周到なことだ。』

 

 アレは誰の視線だったのだろうか

 

「そもそもよぉ? あんなプライドだけの馬鹿がまともに誘拐なんてできるはずねぇだろうが」

 

 そう、前回すずかを誘拐した首謀犯は彼ではない。あくまで監督のようなものだったのだ、そしてお目付け役のオートマタが一部始終を見ていた。

 たったそれだけのこと。

 

「まあ?情報が命だからな、あの馬鹿も仕事はしたんだよ。本命はこっちだってわけだ。」

 

 要はあの紳士風の男は相手の戦力確認程度で成功できれば運が良かったくらいだったということか

 ポチも見えていただろう、脱出時のテバサキさえ見られていたのだろう。

 気配が無いに等しいオートマタ、自分はどこまで知られていたのだろうか

 

「こっちの手の内はバレてるって?」

 

「そういうこった」

 

 獰猛な笑みを浮かべる。

 しかし、こちらも手札が増えていないわけではない。

 

「ブレングリード流血闘術11式 散弾式連突(シュロートフィッシャー)!」

 

 京から仕掛ける、無数の血の手裏剣が襲う。

 

「んなもんわかってるんだよ!!」

 

 全て払い打ち落とされる、吸血鬼の腕には篭手が嵌められていた、対策なのだろう。

 

「そうだろうさ!」

 

 しかし、京もそんなことはわかっている。

 全力で跳躍しジバクくんを投げる。

 

「ジ!!!!!!」

 

 大きな爆発が起こりピンク色の爆煙にまみれる

 

「ちっ!」

 

 このような攻撃があることを知らされていなかったことに動揺するが相手はプロだ切り替え気配を探っている。

 しかし、もう遅い。

 

「なっ!?」

 

 吸血鬼の体からドリルのような触手が貫通していた。

 爆煙が晴れそこにいたのは残りのドリルで天井に張り付きカメラを構えている京だった

 

「これは知らなかっただろ」

 

 シャッターを切る。

 同時に爆発が吸血鬼を包んだ。

 吸血鬼は写殺され爆散した。

 

 京は士郎に加戦しようとしたが

 

「おや、もう終わったのかい?」

 

 8つに分解された吸血鬼を尻目に惚れ惚れするような笑顔をしていた士郎だった。

 

 あとは2階だ。

 そこにいるはずのすずか達を助け出さなければ、しかし…嫌な予感もする。

 そして2階に上がろうとしたとき

 

 ピッと電子音が聞こえた。

 

「「っ!?」」

 

 同時に気づき防衛体制をとる。

 

 そして白い光に包まれ…

 爆炎に包まれた。

 

「ガハッ…何でもありか…」

 

 ボウグの触手が楯状になり何とか衝撃によるダメージだけで済んだようだ。

 しかしボウグはもうこの戦闘では使い物にならなくなってしまったが、腰まであったはずの髪は首元にかかるほどまでに千切れてしまっている。

 煙が晴れ視界が開く

 

「士郎さんっ、大丈夫ですか?」

 

「あぁ…まぁね」

 

 どうもそうには見えない、足と腰から血が滲んでいた。生身でそこまでのダメージに抑えたことは凄まじいの一言に尽きる。

 そして外から足音もする。

 大人数のオートマタが向かっているようだった。

 

「しょうがない…足手まといになりそうだからここで僕が足止めをするよ」

 

 仕方なさそうに

 だが有無を言わさない迫力で士郎が言った。

 

「…わかりました」

 

 2階に駆け上がる京

 後ろからは凄まじい爆音が聞こえる。

 今更ながらに申し訳なく思う。

 

「無事で…」

 

 と独り言のようにつぶやくのだった。

 

 2階に上がった京は気配を探る、近い、前に監禁された部屋だ。

 

 極力気配を消し扉を蹴り破る。

 すかさずジバクくんを投げようとするが

 

「っ」

 

 二刀の斬撃に止められてしまった。

 

「ちぃっ!」

 

 そこにいたのはノエルとファリンのような女性型のオートマタ、2人とも両手に刀を持っている。

 

「京くん!!」

 

 すずかが叫ぶ、無事だったようだ、少し安心する。

 

「やっと会えたね」

 

 太った柄の悪い中年がすずかと忍に銃を向けている。

 

「離してもらおうか」

 

「はは、そんなことをするはずがないだろう。それよりも君に興味があってね」

 

 中年は続ける。

 

「HGSとも違うその不可思議な能力、ぜひとも興味がある。」

 

「はっ…」

 

 連れて変えるとそう視線が言っている。

 京は実験台かなにかだろうにと鼻で笑う。

 

「まぁだからといってこの2人は離さんがね?」

 

 ありきたりな人質、だが効果は抜群である。

 飲んでも飲まなくても最悪なことには変わりない。

 だが人質は取らせない。

 

「いけっ…!」

 

「ジ!!!!」

 

 ひそかに中年に忍び寄っていたジバク君が爆発を起こす。

 同時に京は飛び掛った。

 中年を蹴りすずかと忍を自分の背後に移動させる。

 すずかと忍は中年が盾となったようで大事はない。

 

「調子に乗るな!いけぇっ!」

 

 傍に控えていた2人の吸血鬼が襲い掛かる。

 1対4だ、かなり分が悪い、手持ちは写殺能力とブレングリード流血闘術、拘束する支配者、近接向けは少ない。

 オートマタが襲い掛かる。右手の篭手でいなしつつ左手のメリケンサックで牽制する。

 

 しかし長く持つはずもない、こちらは既に満身創痍、体のあちこちが軋みを上げている。

 京の膝が落ちる。

 その隙を見逃さずに2人のオートマタが切りかかった。

 まだなんとかなる。

 しかし

 

「っ!?」

 

 吸血鬼が向かっていたのはすずかの方だった。

 咄嗟に左腕で庇う。

 深く、肉が裂かれる音がした。

 

「ぁ…あぁ…」

 

 左腕を切られた、かなり深い。ギリギリ動かせるだけだ。

 すずかも青ざめている。

 オートマタはなおも追撃を取る。

 京は段々と防げなくなり、刀が身に迫る。

 

「…!」

 

 しかし、小太刀の二刀で防がれた。

 

「…遅いですよ」

 

「悪い、手間取った」

 

 現れたのは恭也

 

「恭也!!」

 

 忍も嬉しそうだ。

 

「小太刀二刀御神流裏 奥技之参 射抜」

 

 素早く吸血鬼に最速の突きを見舞う。

 

「何をしている!こいつらを片付けるために雇ったんだぞ!!」

 

 誘拐し必ず追ってくるであろう御神の剣士をここで倒す算段だったのだろう。

 ここでようやく2対4だ、しかしこちらは手負い、恭也も多少息が切れている。

 形勢はまだあちらにある。

 

 オートマタと吸血鬼を1セットで受け持ち戦闘を再開した。

 

 吸血鬼のヒット&アウェイ、オートマタの凄まじい猛攻を防ぐ、防ぐ、防ぐ。

 こちらから攻撃に転じることができない。

 恭也も善戦しているがいつまで持つかわからない。

 

 必死に頭を回しどうするか思案する。

 もう左腕の感覚がない、このままではなし崩しにもっていかれるだろう。

 そこで

 

「あの娘等を狙え!」

 

 余計すぎる一言を中年が放った。

 

 中年はすずかに銃を向ける、5mも離れていない、確実に当たる。

 同時に吸血鬼とオートマタも攻撃をした。

 

 これは抑えきれない、自分の身を盾にしてもダメだろう、それに自分が死んでは元も子もないのだ。

 絶望が支配する、時間が止まったように感じる。

 しかし

 

「京くん!!」

 

 その声で思考がクリアになる、どんな能力を使えば今の状況を打破できる か、即座に回答が出される。

 

 京の口が開かれる…

 

 

                                    」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初にオートマタの刀が振り落とされる。

 咄嗟に京はオートマタの手を蹴り上げようとするが間に合わない、足が切り落とされる。

 

「グ…ぅ!?」

 

 吸血鬼の拳がすずかに迫る。

 咄嗟に京はすずかに抱きつき拳を背で受け止めるが

 

「ぢぃ…」

 

 吸血鬼の手首が中ほどまでに入っている、致命傷だ。

 

「まぁ、死体でもいいでしょう」

 

 中年が笑う、吐き気がする。

 そして中年が銃をすずかに向けた。

 

「京くん!!京くんっ!!」

 

 すずかが声を掛けるが返事が無い。

 必死に京を揺さぶるが京はもう既に死んでいた。

 すずかの目から涙が流れる。

 

「ごめんね…」

 

 そしてすずかの胸に銃弾が当り絶命するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど…」

 

京が紡いだ言葉は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「破壊魔定光より椿定光、完全予知能力

 

             ビューティフルジョーよりジョー、VFXパワー  …発動」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オートマタの刀が振り落とされる。

 

「SLOW&MACHSPEED」

 

 京の体がブレる、そして、そこにはオートマタの腕を蹴り砕く京の姿があった。

 

 VFXパワー、映画における様々な演出効果の設定を用いた能力である。

 MACHSPEEDは自分の時間を早くする、SLOWは遅くする、2つの能力を同時に使うことで周りを遅く、しかし自分だけが速く動けるようになるのだ。

 

 そして次の行動に移る、京には見えている。

 相手の次の行動が

 ジバクくんを左手に持ち叫ぶ

 

拘束する支配者(バイインドドミネーター)!!命じる!すずかを守れぇ!!」

 

 左腕に杭が刺さる。

 そこでSLOW&MACHSPEEDの効果が切れた。

 予測どおりにすずかに吸血鬼の拳が迫る。

 だが物理法則を無視し、腕の構造を無視してバキバキと音をたてながら左腕が命令を実行するために動いた。

 

 完全予知能力、あまりの正確さに平行世界すら破壊する最悪極まりない予知能力である。

 

 京の左腕が相手の拳に当たり止まる。

 

「ZOOM」

 

 周りの視点が急に左腕全体を見ているような感覚に襲われる。

 左腕はもう使いものにならない。

 ならそんなものはいらない。

 

「ジ!!!」

 

 そして左腕諸共ジバクくんを爆発させた。

 衝撃によって京の左腕は肘から先がなくなる。

 

「グハっ」

 

 吸血鬼の右腕も吹き飛ぶ。

 だが京はまだ追撃をやめない。

 

「ZOOM&SLOW」

 

 周りの動きがスロー再生のように遅くなり、京の右腕が巨大化したように見える。

 そして特大のボディブローをお見舞いした。

 腹にに深々と刺さった拳を抜く。

 

「ガハッ」

 

 吸血鬼は血を吐いて倒れた、もう立てはしないだろう。

 そして中年が銃を構え銃弾を撃つが…

 京が右手を振り払う。

 どこに当たるか知っているかのように右腕のガントレットに弾かれた。

 

 予想外の事態に恐怖に顔が引きつる中年、こちらに銃を向ける。

 噴出したのはは京を苦しめたあの煙だった。

 そんなものはと構いなく京は突っ込む。

 

「そんなもんもう効かねぇええんだよぉぉぉおお!」

 

 そう、効かないのだ。

 京に宿っている植物はどこにでもある普通の植物だ。

 ならば何故普通の植物がこんな化物染みたことをなせるのか

 それは地球上の全ての植物がまだ時期ではないと動こうとしていないだけ、やろうと思えば1年と掛からず地球を緑で沈めることもできる、力を出し切っていないのだけなのだ。

 京の意志によって本当の力を出しているに過ぎない。

 そして全世界に散らばる植物を回路とし地球サイズのコンピュータとする。ならば毒の解析も容易、自身の細胞を変化させることすら当たり前の植物にとって毒は一時的な弱点でしかない。

 

 そして、腕のなくなったオートマタを蹴り上げ中年にぶつける

 

「うわぁああ」

 

 メリケンサックを拾い上げ右腕につける。

 そして渾身の攻撃を中年に向けた。

 

 

 

「ブレンシュヴァルツ流血闘術

       条件発動型超攻撃術式 アイン・アムニオン・デス・クルースニク」

 

 

 

 

 自らの血で塗れた右腕をオートマタと中年に突き刺す。

 

「ガァァァアアアアアア」

 

 血は中年に侵食し、2mほどの血の十字架を作り出す

 そして…

 

 大爆発を起こした。

 

 爆風に巻き込まれオートマタも破壊される。

 

 恭也もこの爆風にたじろいだ隙を見逃さない。

 

 

「小太刀二刀御神流斬式 奥技之極 閃」

 

 

 一瞬で吸血鬼とオートマタは解体された。

 

 

 

 

 全てが終わり各々の向かうべき人の元に向かう。

 恭也と忍は抱き合っている。

 京は…

 

「…」

 

 なにか言いたいが何を言っていいかわからなかった。

 すずかの顔は青ざめたままだ。

 

「京くん…腕が…」

 

 腕がない、すずかをかばい自分から爆散させた。

 

「…適当に何とかする」

 

「でも!私のせいでこんな…」

 

 罪悪感で締め付けられそうなのだろう、あの別れ方をしてコレだ。

 

「助けられてたのはこっちばかりだったんだから」

 

 気にするなと言う。

 助けられたのはこっちでやっと恩を返せたと思うくらいだ。

 自分は京である、すずかの友達だ。

 

「だから恩返だ」

 

 ニカッと笑う、そういえばこんな風に京が笑ったのは初めてかもしれない。

 

「…ぅん…」

 

「またなにかあれば護るから」

 

「うん!」

 

 すずかが笑った。

 

 そして…

 

 

 暴走が始まった。

 

 

 

「アァァァァアアアアアアアアア!!」

 

 

 

 突如京が叫びを上げた。

 体中から木の蔓が飛び出した。

 左腕から、傷口から、根が飛び出て絡まり異形の形をとっていく。

 床を砕き根が侵食する、天井を突き破り蔓が急成長し木になっていく

 

 その光景を唖然と見つめていた。

 このままでは京は木の一部になってしまうかもしれない。

 

「京くん!!京くん!!」

 

 すずかが悲痛な悲鳴を上げるが京には聞こえない。

 そこに

 

「恭也!!止めるぞ!!」

 

「はい!!」

 

 士郎が現れた、体中に傷があるものの致命傷はない。

 2人は京の体からでる蔦を全て断ち切ろうとするが

 さらに体中から蔓が飛び出し妨害してくる、防衛本能だろう。

 

「埒があかないな」

 

「あぁ…」

 

 成長を続ける木

 そして蔓がすずかおも襲い始めた

 

「しまった!?」

 

 虚を突かれた士郎と恭也は反応できない。

 しかし

 

 京の木でできた異形の左腕がすずかを守る。

 拘束する支配者の釘はまだ刺さったままだ。

 左腕の反応に木々が一瞬止まる。

 

「ガァァァアア」

 

 そこに窓を破りポチが現れ京に全力の体当たりを食らわす。

 ある程度の木が破壊され隙を突くチャンスが来た。

 それを2人は見逃さない。

 

「「御神流 斬」」

 

 士郎が暴走する木と京ごと意識を刈り取り、恭也が京から生える木々を切り抜いた。

 

 倒れる京、体のいたる所から蔓が突き破ったせいで体中がボロボロであった。

 

「京くん!」

 

「病院に連れて行こう…大丈夫、信用できる医者がいる」

 

 

 

 

 そして、このイレギュラーの事件は無事すずかと忍を救出し終結した。

 意識の戻らない京を残して…




最初から最後まで長い長い戦闘の巻きでした。
これでオリジナル回は終了、いかがだったでしょうか?
次回からAs編に入ります。

原作名:破壊魔定光
ジャンル:漫画&アニメ
使用者:椿定光
能力:完全予知能力
完全なる予知能力。
予知能力であるが他作品などの予知と違い、あり得た未来を予測または平行世界の観測によってありえた選択肢を視る能力ではない。
完全なる予知能力、正確すぎるためにもしもが絶対にありえない。この予知能力を持った時点で平行世界への分岐はなくなり、未来を見れば見るほど能力者の視る先だけの世界しか残らなくなる。
(例:○○が死んだという予知をすると、もしも○○が生きていたらというIFの世界、平行世界が生まれない。なぜなら予知は絶対に正確であり、もしもが介在する余地などないのだから)
予知であるので介入は可能、未来を変えることはできる。

と破壊魔定光でした。
お母さんがヒロインというすごい漫画(実際はちょっとだけ違う)
戦闘ももしもという平行世界に渡り主人公が女だったら、双子だったら、凶悪犯罪者だったらなどという分岐世界で戦いを繰り広げたりと面白いです。
能力の設定が難しい、把握はできるのだけど説明しづらい。
本当はポンコツの方を出したかった、ですがこれ以上変身してもしょうがないのでお蔵入りに


原作名:ビューティフルジョー
ジャンル:ゲーム&アニメ
使用者:ジョー
能力:VFXパワー
映画における様々な演出効果の設定を用いた能力、時間や空間を操る。
「SLOW」モチーフは重量や威力を強調するときに用いられる手法から、周
囲の動きを遅くする、もちろん自分も遅くなるが自分だけは通常の思考速度で動くことができる。MACHSPEEDと併用することで自分だけが遅い世界の中で速めに動くことができる。
「MACHSPEED」モチーフはスピードを強調する手法から、非常に素早く動ける。大体3倍くらい。
「ZOOM」モチーフは強調したいものを大きく見せる手法から、周囲から異常に視界を集め攻撃し威力を高める。他の能力と併用することで威力が更に上がる。

とビューティフルジョーでした。
爽快感を売りにしたアクションゲームです。
マゾゲー。
アメコミ調と相まってとても面白いです。
でもマゾゲー。
謎解きもあります。
でもマゾゲー。
アニメでもよく創られていて良作です。
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