マイナー能力者が往く異世界記   作:じろー

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第14話

「ロストロギアの不法所持…?」

 

そんなものは持っていない。

だが心当たりなら腐るほどある。

ロストロギア、古代文明の遺産。超高度の技術により作られ、危険と判断されたものだ。

要はなにがどうなっているか理解不能で危ないものの総称だ。

京の能力がそれに該当していると思われればそれも頷けない話ではない。

 

「そしてあなたは管理局の執務官および協力者に対し妨害と危害を加えました」

 

「…ぁー…」

 

それは事実だ。

スターライトブレイカー食らったのでちゃらにしてくれないだろうか

 

「仲間になったんだ」

 

知ってはいても言ってしまう。

フェイトはそれほどになのはを気に掛けていた。

 

「友達だ!」

 

要領を得ない返答とその態度に同行する気は無いと判断したのか、杖を手に突っ込んでくるフェイト。

 

そして…三つ巴の戦いが始まるのだった。

 

「サイズスラッシュ!」

 

フェイトの鎌が襲い掛かる。

 

「ふっ」

 

左腕でいなす。

それからはフェイトが連続で切り続け京が余裕を持って捌く状況が続く

 

「な…なんだいったい!?」

 

突然起こった複雑きわまる事態に困惑の声を上げるヴィータ。

 

「説明は後だ、要はあいつら全て敵だ」

 

「よっしゃ!そういうことなら任せろ!」

 

かなり大ざっぱだがこの方が分かり易いのだろう。

ヴィータがカードリッジを2つ消費する。

 

「轟天爆砕!ギガントシュラーク!」

 

2人を一気に巻き込むように特大のハンマーが振るわれる。

 

「!?」

 

完全なる不意打ち、フェイトは一瞬止まる。

京は予め予知していたようですぐに引き下がった。

そしてヴィータのギガントシュラークがフェイトに迫る。

しかし

 

「サークルプロテクション!」

 

現れたアルフによって防がれた。

 

「大丈夫?なのは…」

 

「大丈夫…」

 

なのはの傍にも人間形態のユーノが現れ付き添う。

 

「あいつは…」

 

「ジュエルシードを破壊してまわってた奴…!」

 

京にあからさまな敵意を向けているアルフとユーノ。

随分嫌われたなと自業自得だが少し傷付く京だった。

 

「これはどういう状況?」

 

ユーノが聞く。

 

「突然あの赤い子が襲ってきたの、それで戦ってるところに緑色の砲撃が…」

 

こちらに視線が向く

思わず目を背ける京。

 

「またお前か…!」

 

アルフが吠える。

 

「見たところあいつと他の人は仲間じゃないみたい」

 

フェイトはそう言った。

 

「とりあえずあの人から話を聞くの…!」

 

何かと謎が多いこちらを狙うのは当然か

京はなんとか逃げ出す算段を考えようと悩む。

管理局は4人、ヴォルケンズは3人、こちらは1人だ。しかもあちらは殺る気満々、そしてこちらは2つの主力能力エネルギーが切れかかっている。

 

「…ちょっと拙い?」

 

「おぃおぃ京、これは拙いと俺ぁ思うぞ」

 

「ちっ…、こちとら元凡人だからな」

 

いくら様々な能力を得ても入れ物は普通の9才児、身体能力はパッシブ系バックアップ能力の植物人間と七ツノ魂があるが、あくまで回復力と身体能力の向上まで、なにか代償がある能力に関しては底が浅いのだ。

むしろよく持っている方である、精神が高いお陰といったところか

 

「ぉぃ、なんか能力ないのかよ京!」

 

「…ある…けど…」

 

キールに答える、身体能力だけでなくエネルギー的なものも底上げするような能力、あるにはあるのだ。

 

「じゃぁなんで使わねぇ?」

 

「………」

 

「何かあるなら何も言わねぇよ」

 

この能力は相当前から思いついていた、しかし得たときにどのようになるかが未知数で保留にしていたのだ。

幸い他の能力が強かったお陰で使う機会がなかったのだが…

 

「すまない…」

 

そこに

 

「スパークスマッシャー!」

 

「ディバインバスター!」

 

黄色と桜色の閃光が京を襲う!

 

「ちっ」

 

悩ませてもくれないかと愚痴る。

反射的に避けながらも辺りに注意を向けた。

 

「シュワルベフリーゲン!」

 

そこになのは、フェイト、京を狙った魔力弾をウィータが飛ばす。

 

「「プロテクション!」」

 

サポートのアルフとユーノが防御し、京は左腕で弾こうとするが

 

「バリア貫通!?」

 

「っ!」

 

同時に爆発した。

バリア貫通と着弾時炸裂の効果を持った攻撃に予想外のダメージを負う。

 

「陣風!」

 

シグナムもレヴァンティンから衝撃波を出し、なのは達を追撃する。

しかしそれを食らうほどなのは達も甘くはない。高速移動で危機を脱した。

三者三様、京を拘束して事情を把握したい管理局、闇の書への魔力吸収を行いたいヴォルケンリッター、ここから脱したい京である。

動き出したところから第3者に攻撃を貰う、動くに動けない。

 

「シュワルベフリーゲン!」

 

最初に動き出したのはヴィータ、そう気も長くない。

 

「なのは!フェイト!避けて!」

 

「フラッシュムーブ」

 

「ブリッツアクション」

 

高速移動しヴェルケンリッターに迫るなのはとフェイト、それに乗じて逃げ出そうとする京

 

「逃がしはしない!」

 

そこに立ちふさがったのはザフィーラ

 

「…どけ」

 

邪魔だと襲い掛かる。

ザフィーラと打撃戦を繰り広げる、攻撃力も早さもこちらの方が上だが防御力はあちらが上だ。

互角とまではいかないが足止めを食らってしまう。

 

「飛竜一閃!」

 

「ラケーテンハンマー!」

 

向こうではなのは達が戦いデバイスが壊れかけている、アルフとユーノが居るため負傷はしていないようだが

 

「ディバインシューター!」

 

「アークセイバー!」

 

なのは達も負けじと応戦にでる、サポートのお陰もありまだ劣勢ではあるものの戦えているようだ。

 

京はこの状況を考える、誰かが倒れたところから均衡が崩れる。誰が先に倒れるか、管理局勢が倒れれば逃げる算段を取りやすいかもしれない、サポート2人は厄介だ。

狙いをアルフとユーノに絞る。

まずは邪魔な…

 

「邪魔だ!」

 

ザフィーラを蔓とボウグの触手で縛る。

 

「無駄だ!」

 

力任せに引き千切ろうとするが隙だらけだ。

 

「MACHSPEED&SLOW&ZOOM」

 

全てのVFXパワーを使い最大級の一撃をザフィーラに叩き込む。

 

「ガハッ」

 

吹き飛び大ダメージは与えたもののダウンはしていないようだ、流石は盾の守護獣といったところか

そして、残りのサイキック能力を全て使い切りアルフの真後ろにテレポーテーションする。

 

「!?」

 

「はぁああ!」

 

左腕を思い切り振るう。

硬化させた左腕の攻撃をモロに食ら、アルフが吹き飛ばされる。

そのまま動かなくなった。

 

「! …アルフ!」

 

フェイトがアルフの元に駆け寄ろうとするが

 

「他人の心配とは余裕だな!」

 

シグナムは攻撃の手を緩めない。

サポートを失ったことで一気に天平が傾く。

そして京はヴィータとなのはに向かって

 

「キールロワイヤル!」

 

出力7割ほどのキールロワイヤルを叩き込んだ

なのはを守ろうとプロテクションを張ったユーノだがあまりの威力に砕かれユーノも巻き込まれ墜ちていった。

これでフリーなのは京1人、もう戦える能力も乏しい。

すぐさま逃げ出そうとする京

 

「おい!そいつ逃げちまうぞ!」

 

ヴィータが気づき叫ぶ

 

「問題ない。そいつの居場所は割れている」

 

「…」

 

すずかとはやての会話の時、そこにはシグナムがいた、京が住むことも知っているのはおかしくない。

いつでも月村邸に行けば強襲を掛けられるということである。

そこで京が止まった。

ここで何かしらの策を打たなければすずか達を巻き込むということだ。

迂闊、そんなことも気づかない自分に、逃げることを第一に考えていた京は自分に腹立たしくなる。

 

「私達の目的の邪魔になるものは排除する、それだけだ。」

 

守るべき主のためのその行動

しかし、今の京にだけは逆効果だ。

 

「キール、暴走したら何も考えずに逃げろ、いいな」

 

京が紡いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クロザクロよりザクロ、傀牙(オーガ)の種  …発動」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラス玉に人型の怪物の人形が入ったような形の物が体に入り込んでいく。

 

「ガァァァァアアアア」

 

種を入れる痛みで叫ぶ京!

 

「ぉ…ぉぃ。大丈夫か京!」

 

キールが必死に声をかける。

そして京が落ち着きを取り戻し

 

「あぁ…大丈夫だ。」

 

結果は成功。

暴走もなかった、そしてこの能力の真髄は

 

京の心の中にナニカが発生する。

それは小さな世界だった。

夕暮れの丘の上に枯れたような大きな黒い木が1本、ただそれだけの世界。

そして京が願ったとき木に1つの黒い花が咲いた。

 

力が少しだけ沸きあがる。

そして能力を得たことにより更に体の細胞が変質する。人間の上位存在といわれる傀牙(オーガ)へと

 

京の願いに答え咲いた花からエネルギーが発せられていた。

これなら使える、まだ戦える。

燃料が切れていたサイキックとVFXパワーの能力がわずかながら回復する。

そして、京はすぐさま行動に移った。

 

「MACHSPEED」

 

以前よりも速いスピードで高速移動する、そしてヴィータの背後を取り至近距離から

 

「キールロワイヤル」

 

砲撃を放つ。

ほぼゼロ距離から全身に攻撃をくらい叫びを上げることもできないまま墜ちていった。

 

「っ!」

 

シグナムが気づき斬りかかろうとするが

 

「人のことは言えないね!」

 

フェイトは意趣返しとシグナムを牽制する。

だがもうその行動は

京の予知の内だった。

 

「MACHSPEED&SLOW」

 

至近距離から打ち合うシグナムとフェイトの間に割り込み、シグナムに回し蹴りをフェイトに左腕の裏拳を決める。

 

「フェイトちゃん!」

 

なのはは心配して駆け寄るが

なのはの胸から腕が飛び出した

 

「…ぇ?」

 

飛び出した腕の先にはなのはのリンカーコア、魔力を蒐集し小さくなっていく。

 

「うぁぁあああ!」

 

あまりの痛みに叫び気絶してしまうなのは

 

「なのは!」

 

痛みを堪えなのはの元に向かうフェイト

 

「ここまでとは…」

 

シグナムは相手が予想以上に厄介だったことに苦い顔をした。

 

「シンハ!」

 

だが京の攻撃は終っていない。

吹き飛ばされるシグナム、吹き飛ばされながらも攻撃を放つ。

 

「シュランゲバイセン!」

 

しかし、新たな能力を得た京にはSLOWを使わずともスロー再生のように見える。

そして

 

ガリッと砕ける音がした。

 

レヴァティンを噛み砕く。

そして、蔓と触手で拘束した。

 

「なっ!?」

 

耐久と威力に重点を置かれたレヴァティンが噛み砕かれたのだ、驚かない方がおかしい。

 

「さて…お話といこうか」

 

正確に言うと説得だが

 

「お前に話すことなど何もない!」

 

強気に発言をするが

 

「八神はやて」

 

シグナムが反応をする。

 

「彼女が大事なんだろ?お互い不可侵といかないか」

 

「貴様…!」

 

「お前達にも守りたいものがあるんだろ?お前達だけと思うなよ」

 

殺気を出しながら言う。

 

「俺はお前達の行動に手出しはしない、相互不干渉だ、簡単だろ?」

 

「信用できないな」

 

「今お前がそれを言う立場にあると」

 

総勢50本もの蔓と触手がシグナムを囲んでいる。

 

「監視の件は申し訳なかった。もう二度としないと誓う」

 

誠心誠意を以って謝罪する。

誠意からの謝罪と脅迫、これが京のできる方法だった。

 

「…わかった」

 

「ありがとう」

 

「ああ…」

 

シグナムはもうなにも話さない。

こちらの話はついた、もう帰ってもいいだろう。

戦った連中を尻目に退散する。

 

「おい、キール、もうしゃべってもいいぞ」

 

「ぷはぁ~、息が詰まるかと思ったぜぇ、それにしても悪役が様になってるじゃねーか!」

 

「…」

 

京は答えない。自分でも薄々思っていることだ。

やることなすこと彼女達の妨害になってしまっている。

 

「さて、最後の仕事だ、いくぞキール!」

 

「OK!派手にいくぜ!」

 

「キールロワイヤル!!」

 

結界を破壊し、月村邸に帰る京、かなり駆け足だ。

戦っていたせいでだいぶ日も暮れている。

 

「で!その美人3人とかわいこちゃん1人はどんな感じなんだ?」

 

分離したキールはハイテンションに語りかける。

 

「すぐ見れるんだ、事前情報なしのほうが燃えるだろ?」

 

「あぁ!まったくだ!」

 

 

 

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

 

 

 

そして、月村家に帰宅した京

 

「もう遅いよ!」

 

すずかが怒りながら待っていた。

 

「ごめん、前の住処の様子を見てきたんだ。」

 

「ほほぅ…これは将来有望そうな…私めはキールと申します。是非あなたのお名前を…」

 

「ぇ…ぇと月村すずかです。鳥さんが喋ってる…?」

 

「あぁ、こいつは飼ってるキールっていうんだ、今まで見せてなかったから」

 

「コラァ、俺がお前の飼い主だってーの!」

 

そして、月村邸に入り、美人メイド2人と忍にキールのテンションが振り切れ、ちょっとした歓迎会はちょっとした大騒ぎの場となってしまったのだった。

こういうのも悪くはない、キールのお調子者な性格のお陰ですぐに仲良くもなり、これからの前途多難な生活も悪くないものかと思ったのであった。

 

しかし、京は知らない、気づかない。

完全予知能力でこの世界の1ヶ月以降の未来が見れないことに

この生活も長くは続かないということに




今回も戦闘。
戦闘ばっかりですね、少しは日常も書いたほうがいいのだろうか
今ある能力も本気を出していないものが多々あるのでご期待ください。

作品名:クロザクロ
ジャンル:漫画
使用者:ザクロ
能力名:傀牙の種
上位種と呼ばれる種族によって人間を媒体に傀牙(オーガ)を作り出す種。
この種を植え付けられることにより人間の上位種たる傀牙へと体が編成される。
運動能力や視力などが急激に上昇し、攻撃的な性格になり、異常に食欲が増すようになり、成熟するにつれ理性を失い怪物の姿となり、本能のみで動くようになる。
以上のような欠点が本来あるが能力詠唱時、使用者名を本来種を植え付けられる桜井幹人という人物ではなく、植えつける側の上位種ザクロにしたことで能力が変質している。
運動能力や視力などの上昇はそのままに上位種の意思を使うことができる為、以上の本能は全て抑えることができる。
また、心の中に夕暮れの丘の上に枯れたような大きな黒い木が1本生えている世界ができ、強い思いを掲げることで木に黒い花を咲かせることができる。この黒い花はエネルギーを発生し、咲けば咲くほどに強くなることができる。
そして願いの花が満開になったとき…

とクロザクロでした。
巻数は短いものの纏まっていて面白い作品。
ザクロがいいキャラしてます。
黒い花の咲く下りは大好きです。
是非読んでみてはどうでしょう?
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