バイキンマンボイスで脳内変換して見てください。
あれから暫くの時間が経った。
管理局との交渉により、一時の平穏を取り戻したかに思えた京であったが
「こんにちわ、京くん!」
「こ…こんにちわ」
「…」
京の目の前になのはとフェイトという名の悪魔が立っていたのだ。
美少女2人を前にして何か思うことも無いわけではないが厄介事の塊の匂いしかしない。
そして相互不可侵を貫いているのに何故自分の前にいるというのか
「休戦と不可侵の話は…」
「今日はお友達としてすずかちゃんに会いにきたんだもん!」
「う…うん」
「あぁ…そう」
もう黙るしかない。
なのはは目に決意がギラついている、フェイトもしどろもどろだが目は死んでいない
どういう魂胆か手に取るようにわかる。
魔法少女は挫けない。
不屈の闘志は折れることなどありえない。
少しだけ感心してしまう。
「珍しいね、なのはちゃんから遊びに来るなんて」
そこにすずかがやってきた。
「うん、すずかちゃん暇かなって」
「暫くは時間があるよ」
和気藹々と会話をする。
沢山の猫と戯れたりと普通の小学生のようだ。
そして時間は経ち
「ぁ、そろそろお稽古に行かないと」
「そうだったね」
お前知っててここ着ただろうと京は心の中で突っ込んだ。
「帰りはノエルさんが送ってくれると思うからちょっと待っててね」
「うん、ごめんね急にお邪魔して」
「そんなのいいよ~」
なのは達の考えをすずかは知らない。
「じゃぁ、バイバイ」
「バイバイ」
「いってらっしゃいすずか」
「いってきます京くん」
すずかを送り出す。
そして残ったのは京、なのは、フェイトの3人だった。
「…………」
「…………」
そして沈黙が辺りを包み込むが
なのはが切り出す。
「お話をしよう」
お話が、始まった。
「お友達として…聞くよ」
「お友達…ね、言うだけ言ってみなよ」
お友達、そんな間柄だったろうか
それとも敵と書いて友と読むのだろうか
鼻で笑いたくなる。
「貴方はなんでジュエルシードを壊したの?」
「壊す理由が俺にはあった、それだけだ」
理由を話す気も無い、納得はしないだろう。
「でもジュエルシードは危ないもので…」
「尚更壊してもいいじゃないか、何で管理なんてする必要がある、壊せるならそれでいいじゃないか」
自分でも思ってもいない事が口からスラスラと出てくる。
売り言葉に買い言葉という訳ではないがやや反抗的な口調になっているのは確かだった。
「でも暴走したら…」
「俺が壊したジュエルシードは計9つ、その全ては暴走もなく処分されている」
これは事実だ。
「それは…」
「俺にはその手段があった、理由があった、だから壊した、それでいいじゃないか」
取り付く島も無く答える。
なのは達は言葉に窮していた。
「な…なら、一緒にジュエルシードを何とかする事だって…」
「残念だがそれは無理だ」
「なんでっ!?」
「管理局は俺には信用ならない」
と言う訳でもないがそういうことにしておく。
自分が悪い事をしていると知っていてやっていたとは言えなかった。
「そんなことないよ!リンディさんにクロノくん、他のみんなは優しかった!」
「お前は全ての管理局の人間を見たことがあるのか?」
京自信の知識はあくまで表層上のものである。
管理局はどういうものか、具体的、客観的な知識は京には無かった。
だから不審に思う、警戒する。
「それは…」
「お前達とは分かり合っても関わり合うことはないんだよ」
京は突き放つように言った。
今まで口を閉ざしていたフェイトが言う。
「あなたは誰にも心を開かないの?」
「開いているさ、お前達ではないが」
それは月村家と高町家の男にのみだが
「それはすずかちゃん?」
「その通りだ、すずかには全てを話してる、ジュエルシードの一件はまだ話していないが」
それは京の今までしようとしてきたことを話し、必然的になのは達の事も話すことになるからだ。
「どうして?」
「ならお前たちのことを話していいのか?」
「………」
なのはもそれに思うことはあるのだろう、黙り込んだ。
「お前たちが全てを家族、友達に話していないようにこちらにも言いたくない事があるんだよ」
「でもそれは…」
それでも、となのはは関係ないと言いそうになる。
だがそれを京は無理矢理言葉を続けることで遮った。
「そんなものは建前だ。あちらの世界の理だ。すずかとアリサは心配していたよ、それでもお前達はまだ話していない、それなのに俺に押し付けるな」
「………」
Asではすずかとアリサに魔法が見つかったことで話しているのだ。
それがなければもっと話すのは先になっていただろう、もしかしたら話さなかったかもしれない。
「話は終わりだ、ノエルさんが来た」
それからはお互いに終始無言、ノエルさんは若干困惑していたがなのは達は帰っていた。
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京は考える。
時間のリミットはクリスマス辺りだったはずだ、もう時間がない。
今の実力があれば追い返すことはできるだろう、しかしそれも長くは続かない。
月村家に迷惑をかけることになる、自分以外のことも調べられ夜の一族のことがバレないという事も絶対とは言い切れない。
不安要素は全て取り除いておくべきだ。
だから
「ここから消える…」
エントリー・モードが既に使えるようになっていることはわかっている。
だから行方を晦ます、どこにも見つからない場所へ。
すずかにはなんて言おうか、きっと悲しい顔をさせてしまうに違いない。
どうやって別れようか、手紙を残していつのまにかいなくなっているのが妥当だろうか
だがとりあえず
「そこを動くな…」
面倒な輩の対処をしておかなければならない。
仮面をつけた男がこちらの背後を取っていた。
猫2匹のどちらか片方だろう。
「お前の目的は何だ…?」
またこれかと京は苦く笑う。
目的目的ともっと気の利いたことはいえないのだろうか
「さてね、しいていえば人の生活といったところかな」
「嘘ならもっとましな嘘をつけ」
全く信用されていない。
「はっ…」
鼻で笑う。
勝手に決め付けないで欲しいと
そして
「!?」
仮面の男の足元から夥しい量の蔓が現れる。
「MACHSPEED」
咄嗟に避けようとした仮面の男だったが京に背後をとられ首を左腕に掴まれ拘束される。
「グッ…」
「ここはもう俺のテリトリーだ、迂闊だったな」
月村邸の地下にはアレトゥーサのコジローがいる。月村邸一帯はコジローがいる限り攻略は容易ではない。
これは京が起きてすぐに行ったことだ。
「さて、なんとなくわかるが何の用だと言っておこう」
左腕を緩め話せるようにする。
「お前は私達の計画に邪魔だ…っ」
「あぁ、はいはい、
釘を刺し込み、拘束を解く
「じゃぁね、グレアム中将にヨロシク」
男の体がフルフルと震えている、恐らく逆らって攻撃でもと思っているのだろう。
この命令を解く方法はない、命じた本人にも解くことができない、とりあえずは平気だろう。
京はもう猫を警戒する必要はなくなっている。
管理局に正体がバレている京はすでに詰んでいるのだ、もう交渉の必要すらない。
「はぁ…」
妙な邪魔が入ってしまった。
また思案に入る。
しかし、思案する余地もないのだ、京もそれはわかっている、別れを言って別の世界へ行くだけだ。
「なぁにやってんだよ京」
「あぁ、ここから出て行こうと思うんだが、どう言おうかと思って」
「出ていくだぁ?」
キールがやってきたので事情を話す。
「アレだよアレ、時効狙いってのはどうだ?」
「ふ~ん?」
「永遠の別れとか思ってるのがダメなんだよ、ちょっとしたら戻ってくりゃぁいい」
「へぇ…」
キールにしては利口な発言に失礼にも感心する。
アリだ。
あと6年経てば舞台はミットチルダへと移るのだ、その後は基本干渉禁止の管理外世界地球なら安全とまでは言い切れないが気をつけていれば生活はできる。
「なるほどね…妙に頭が回るじゃないか」
「俺をなんだと思ってるんだ?お前の飼い主様だろーが」
「…言ってろ」
「まぁ、それにしても」
すずかになんと言えばいいか
「なっさけねぇ、ちょっとかっこつけて言ってればいいんだよ!」
とりあえず無視する。
そこにジバクくんが現れる。
「ジ!!」
「お前ならどうするよ?」
「ジ!」
自分を抱きしめてもじもじしているキモイ
これもまたスルーした。
「ダメだなこれは」
そう言いつつも絶望的な状況が少し変えられると思った京はほんのりと笑っていた。
「ま…、クリスマスイブまではあと1週間、のんびりといきますか」
休戦協定解除まであと7日、それ以降はいつ襲われてもわからない。
だから、それまでは遊ぶことにした。
普通の生活だった。
光合成をした、気持ちよかった。
翠屋に行った、ケーキは絶品だった。
サッカーにも参加した、はりきりすぎて無双してしまった。
学校は流石に遠慮した、勉強を教えたらアリサが落ち込んだ。
キールがノエルさんをナンパしていた、フラれていた。
士郎さんと戦った、柳生新陰流と互角ってどういうことだ。
ジバクくんが菓子を大食いをしていた、呆れた。
すずかと猫と戯れた、ちょっと癒された。
光合成をした、すごい気持ちよかった。
そしてクリスマスイブ前日。
「…すずか…」
「なぁに?」
「ちょっとあってさ、出て行こうと思うんだ」
「ぇ…?」
すずかに全てを話す。
ジュエルシードというものを破壊して周ったこと。
そしてその理由、管理局という組織に見つかってしまったこと、自身がロストギア不法所持の疑いを掛けられていること、期限が残り1日だということ
そしてこれは自分の自業自得だということ
「だからさ、ここでお別れだ」
戻ってくることは言わない。
もう一度ここに戻るにはどこかの世界で介入して制限を解除する必要があるということ。
この体だ、生半可な世界では受け入れを拒否されるだろう。
つまりかなり危ないところに行くということだ、死ぬかもしれないだけに絶対とは言いたくない。
「そ…そんな…」
「ぁ、それと明日渡したかったんだけどクリスマスプレゼント」
渡したものは自身で編んだ木できた髪飾り、かなりの細工が施されている。
「今までありがとう、楽しかったよ。」
「待って…待って!」
必死に引きとめようとするすずか
「バイバイ」
有無を言わさずにそこから消えた。
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そしてどことも知らないビルの上
「ジ!!」
「なんだよピンク色の物体」
「ジ!!ジ!!」
「こいつはこう言いたいんだよ、ちょっといきなり過ぎないかなってな!もうちょっとロマンチックにいこうぜぇ?」
「もうやっちまったもんは仕方ないんだよ!すずかの泣き顔苦手なんだよ、勘弁してくれ」
「だからってなぁ~」
文句を言われ続ける京
全て悪いのは京だ、仕方がない。
「…」
そして、視た。
「…キール」
「…どうした?」
「やることができた」
最後の戦いが始まる。
次回、VS防衛プログラム、最高にして最強の能力発動の巻きです。
乞うご期待ください。
今回は能力の追加はございません、申し訳ない。
感想などあればお待ちしております。