既にストックの中で完結しているので早めに終らせられればいいなと思ってます。
第19話
「すぅ……すぅ……」
京は未だに眠っていた。
余程ダメージがあったのだろう。
スターライトブレイカーEXを食らっていればしょうがなくもある。
暗い暗い空間。
だがそんな状況に不満を持つ者もいた。
「ジ!!ジ!!!」
「あ~ん?どうした丸いの?」
突然叫びだしたジバクくんにキールが話しかける。
「ジ…、ジ!ジ!!」
「ほぅ…なるほど」
キールが頷く、実際キールはジバクくんの言葉を理解していない。自分の思うままに解釈しているだけである。
ジバクくんも同意を得てくれたことに喜びのジェスチャーを入れる。
どこか2人は擦れ違っていた。
「ジ!!」
ジバクくんが黒い空間になにか合図をするように叫ぶ。
だが何をしているかはわからない。
「やっぱり俺ぁ思うんだよ、俺にはハードな方が似合うってなあ」
「ジ!ジ!ジ!」
キールは既にジバクくんの言葉にすら耳を傾けていなかった、自分が語りを始めている。
それを知ってかしらずかジバクくんは頷くように叫びを上げる。
黒い空間が少し白い光が漏れ始めていた。
2人はそれに気付かない。
「それでよぉ…?」
「ジジジ!!」
そして気付いた。
「ぉ?」
「ジ?」
黒かった空間が白くなっていた。
なにか拙い事が起きているのではないか、そう2人は直感した。
「おい!いつまで寝てる!起きろ京!」
「ジ!!ジ!!」
「いいじゃないか…もっと……っ!?!?」
京もそれに気付きバッと起き上がる。
何が起こっているかわからない。
だがこの状態には覚えがある。
世界が決定されたときの現象だ。
そして京は
「オイ…説明してもらおうか…」
2人の頭を鷲掴みにし問いを掛けた。
京の顔には青筋が浮かんでいる。
「お…俺はなんにも知らねぇぞ?」
キールは何も知らないと言う。
ジバクくんは
胸を反らしていた。
「お前か…丸い物体…」
どうだと言わんばかりのえばり様になにかが切れてしまいそうになる。
だが同時にジバクくんはキールも指差し一緒にやったのだというジェスチャーもしていた。
「お前もか…」
ゴゴゴと背後から何かが出てきそうな勢いだ。
「知らないって!いや!ホント!」
必死そうなキールを無視して京は溜息を吐いた。
「…はぁ…」
空間が収縮してきている。
これが閉じたとき、自分達は飛ばされるのだろう。
どこだかわからないが
「ヤバイなぁ…」
果たしてどこの世界だろうか
危険極まりない世界だろうか、優しげな世界だろうか
京には知る由も無い。
起こってしまったことはしょうがない。
しばらくは食事抜きだと罰を考え、覚悟を決めたのだった。
これが始まり。
京の予想以上の殺伐とした戦いが幕を上げる。
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目を開ける。
暗がりの地下室のような場所、周りには蟲、蟲、蟲…
来たと同時に情報が頭の中に入り込んできた。
サーヴァント、聖杯、マスター、戦争
京は顔を覆った、なんて世界に、そしてなんて者になってしまっていたのか。
視点が高くなっていた、京は大人の姿になっていた、もう何も突っ込まない。
ここは蟲蔵だろう。
ならば呼び出したのは間桐か
だが自分はイレギュラーとして呼ばれたはず、既存のマスターには呼ばれないはず、では誰か
殺気を出し、蟲を退ける。
蟲がいた小山のようなものがなくなり、そこにいたのは仰向けに倒れている1人の少女
「っ!?」
京の目には一瞬、帰ると約束した少女に被って見えた。容姿が似ていたのか雰囲気が似ていたのかわからないがその姿に京は目を見開き驚く。
「…………」
京は黙ったまま少女を抱き寄せ出て行こうとするが
「待て」
振り返るとそこには不気味な老人が一人
どこから現れたというのか
だがそんなことは京には関係ないことだ。
「8人目のサーヴァントか…お主クラスは?」
「サーヴァント"モンスター"」
イレギュラーサーヴァント"モンスター"、世界から異常と認められるとそのクラスに該当する事が出来る。
「ほぅ、まさにイレギュラーか、間桐にサーヴァントが2体、これなら聖杯を狙えるかもしれんのぅ」
不気味に笑う老人、京に表情は無い。
「どうじゃ?わしがそこの苗床の代わりマスターになるというのは?それよりもマスターとして相応しいと思うぞ?」
そして、京は、キレた。
「黙れ蟲野郎」
全身から殺気を出す、もう我慢ならない、あの少女を見たときから心が氷点下まで冷めた、すずかを汚されたように見えて自制が効かない。
「む…むぅ…」
後ずさる老人
そして少女を抱きかかえたまま京は宣言した。
「この娘は貰っていく」
「そうはいかんのぅ」
老人はまだ不気味に笑っている。
「その娘がよほど大事に見える、その娘の中には蟲が入っていてな、わしの思いひとつで殺すことができるのだが…」
「………」
京の心が更に更に冷めていく
心の中の黒い木の花が1つ、咲く
「死なせたくなければその子を渡してわしのサーヴァントになれ」
「死ね」
死の宣告から同時、京は口からかつて無いほどの煙を吐き出した。
ありとあらゆるものをキノコに変える魔法、これを解除する術は魔術師には存在しない。
煙は間桐邸に隙間なく入り込み全てをキノコに変える。
そして京は手にバイオリンを召還
「魔曲…モーツァルト作『
京が弾く音楽は魔界の力を召還し蟲を死に至らしめる、少女の中の蟲さえも
「なぁ!?」
老人はキノコになっていく、大量の蟲になろうとも煙の前には逃げ場などない、1匹また1匹とキノコになっていき…なにもなくなった。
全て終ったときには間桐邸は家ではなく巨大なキノコになっていた。
「キール」
「おうよ!俺の出番かぁ?」
キールを召還する。
「あの家吹き飛ばす」
「任せとけ!」
「キールロワイヤル!!」
この日、間桐邸は消滅した。
冬木の地の魔術師達が驚愕し探査に周ったのは言うまでもない。
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そして、どこかの廃屋
「ちっ…どうやら俺には廃屋に縁があるらしい」
間桐邸を塵も残さす滅却し、どこか隠れられそうな廃屋に移動した京。
やっと一息つけると思ったとき、抱いていた少女が目を覚ました。
「あなたは…だれ?」
「サーヴァント"モンスター"、君の味方だ」
怖がられないようにできるだけやさしく笑い、頭を撫でる。
それを若干怯えたように少女は震える。
「あ…あの人は…?」
「大丈夫、消してやった」
「ふぇ…」
少女…桜が泣き出す、優しく撫でながら安心させる。
そこに
「戻ったぞ京!どこに飼い主に女物の服盗りに行かせる奴がいるか!!」
「しょうがないだろう、ほら怖がらないで…キールっていう喋る鳥だ」
「わぁ…」
「美しいお嬢さん、こんな格好ではいけません、お召し物をどうぞ…」
態度を即座に変え、少女に服などを一式渡す。
今更に裸だと気づいたのか少し赤くなりながら着替える桜。
「少し失礼する」
京は右手を前に出し桜に向ける
ビクッと警戒した桜だったが触れられていないことと心地よい光に包まれリラックスしている
京がしたものは現象数式、癌でさえも瞬時に直す異世界の医療技術、蟲は完全に取り除いたが改造された痕は酷いものだ、ゆっくりと治療していき治していく。
「おしまい」
治療が完了した。
「さて、マスター、君にはこれから選択肢がある」
ゆっくりと話す。
「1つ、遠坂家に戻ってお母さんとお父さんとお姉ちゃんと一緒に暮らすこと
2つ、間桐のおじさんのところに行って、一緒に暮らす
3つ、とりあえず俺と一緒にいる
どうしたい?」
選択肢を提示する、できれば遠坂家に戻ってもらいたい、恐らく母の元が一番安全だ。
例えマスターがいなくなっても京は高い単独行動と魔力供給の手段がある、巻き込みたくはない。
しかし望み薄だ、父の名を出した瞬間、絶望の顔に変わった。
「モンスターと一緒にいる…」
「了解マスター」
介入すると同時に安全の確保もしなければと思う京であった。
そして現状の確認、これからのことを考える京。
まず今の自分について、能力は問題なく使用することができた。
しかし、問題は魔力だ。自身はあくまでサーヴァント、魔力で構成されており、能力の使用、つまり宝具の真名開放には大量の魔力を持っていかれる。
つまり、能力の連続使用は多用できないということだ。
幸い京の能力は常時使用型が多い為普通の戦闘でも優位に立てるだろう。しかし、同時展開も3つが限界といったところだろう。
先の魔曲とキノコ魔法、そして6割キールロワイヤルを使用して20%ほどの魔力を使用してしまった。連戦は控えたい。
そしてマスターの問題、桜はまだ子供だ、魔力の供給過多で苦しませるなど断じてあってはならない、魔力供給はこちらの能力のおかげでなんとかなるのだが油断するとわからないだろう。
そして、住処だ、自分はこのままでもやっていけるが桜はそうではない、早く保護できる場所か信用できる相手を見つけなければならない。
「問題が山積みだ…」
頭を抱える、どうするべきか、悩む。
せめて協力者でもいれば
「…協力者…ねぇ…」
曲者揃いのマスターの中で信用できそうな者は間桐雁夜とウェイバー・ベルベットか、間桐雁夜ならまず間違いなく協力関係になれるだろう。ウェイバー・ベルベットは魔術師にしては人情が人並み以上にある、こちらも何とかなるだろう。
問題はどう接触するか、例の如く魔力探知などという便利なものは持ち合わせていない。
ウェイバーは町中動いていえれば引っかかるだろう、間桐雁夜については植物とリンクして探さなければならないかもしれない。
これからの行動が纏まったところで自分も霊体化しようとしたとき
「む…」
どこからか殺気のようなものを感じた。
植物とリンクして冬木一帯を探し回るとそこにいるのは2本の槍を持った男と何かを持っている少女が争っている。
「探し回る必要もなさそうだ…」
桜を見ると毛布に包まって寝ている。
「キール、そこのお姫様の護衛頼むぞ」
「おう!任せとけ!!」
「よし…」
不敵に笑うと槍兵と少女がいるところまで全速力で向かっていった。
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「…」
ギリギリ気づかれない範囲から戦闘を眺める、橋の向こうにはライダーも見える。
京の目的はウェイバーとできれば間桐雁夜との接触、介入について考えるのはマスターの安全が確定した後でいい。
ランサーとセイバーの戦闘を眺める。
それを見て自分とどれくらい戦えるか考察する。
五分、そんなところだろう。
ランサーの動きもギリギリ目で追うことはできる、問題はない。
3つのパッシブ系バックアップ能力のお陰でステータスは平均以上に高い、最悪燃費は悪いが鬼神化すればバーサーカーとも殴りあいはできるだろう。
ランサーが宝具を発動しセイバーに手傷を負わせる。
アレの効果は俺にも厄介かなと思う。
白兵戦ではかなり強力な
戦いもそろそろ終盤、2人の騎士はそれぞれ向かい合い
そして…
「AAAALaLaLaLaLaie!!」
雷を纏う牛が引く戦車に乗りながら空から現れる威風堂々とした男に止められた。
「双方、武器を収めよ!王の御前である!」
そして訳のわからないことを発した。
京もそれを見ながら呆れていた。
「余の名は征服王イスカンダル。此度の聖杯戦争の場においてはライダーのクラスを得て現界した!」
堂々と名乗る征服王イスカンダル、しかし他のサーヴァントとマスターは唖然としている。
ライダーは凄まじいほどのドヤ顔を決めて辺りを見回している。
しかし、それを黙ってみているマスターではなかった
「何を……考えてやりますかこの馬鹿はぁぁあああ!!」
叫ぶマスター、哀れである。
「ぐへっ」
でこピンで黙らされた、更に哀愁を誘う。
そのままイスカンダルは続ける。
「お主とは聖杯を求めて相争う巡り合わせだが…矛を交えるより先にまず問うておくことがある。お主ら各々が聖杯に何を期するかは知らぬ。だが今一度考えてみよ。その願望、天地を喰らう大望に比してもなお、まだ重いものであるかどうか」
「どういう意味だライダー」
「何が言いたい…?」
ライダーを睨みながら問いかける。
「まぁ…なんだ、ひとつ我が軍門に降り、聖杯を余に譲る気はないか?さすれば余は貴様らを
しかし当然…
「笑止」
「断る」
見事に断れる。
そして、険悪な空気になり、いつ戦いが始まってもおかしくない状況が続くが…
「条件次第なら考えなくもない、どうだろう征服王よ…?」
京が現れ、場の様相が変わった。
Fate/zero編始まりました。
クラス「モンスター」はFate/extraからあの人のクラスを頂きました。
これからどうなっていくのか、ご期待ください。
中盤あたりからほぼ完全なオリジナル展開になりますのでご了承を
今回新たな能力はありません。
とりあえずステータスでも乗せておきます。
モンスター陣営
【クラス】
モンスター
【真名】
京
【マスター】
間桐 桜
【属性】
混沌・中庸
【ステータス】
筋力:E→B
俊敏:E→B
耐久:E→B
魔力:-→B
幸運:E-
宝具:EX
【クラススキル】
単独行動:A 現界に魔力を必要としない、つまり実質マスターを必要としない。
【固有スキル】
予知:EX
正確無比な予知、絶対に外れることはない。戦闘ではまだ使いこなせていない。
植物感応:A
植物にリンクし、視界などを得ることができる。範囲は植物が生えているところは全て。
光合成:EX
太陽光と水を得ることで魔力を自ら生成することができる。6時間ほどで魔力はフルで回復する。
趣味が光合成だったことから発生した。