「この子が俺のマスターだ」
ライダーの戦車に乗り込み、廃屋に着いて、自分のマスターを紹介する。
「ー…ー…」
桜は寝ているようだ。
「なるほどのぅ、イレギュラーサーヴァントのマスターもまたイレギュラーという訳か」
納得したように頷く。
こちらの意図も多少予想がついているだろう。
京は早速本題に入る。
「条件は簡単だ、この子の保護を頼みたい。それで俺はこの聖杯戦争のみあなたの元に下ろう」
「お主は聖杯に望みはないのか?」
「無い、がその子の無事は最優先事項だ。」
そう、京の目的は物語の介入によるエントリー・モードの制限解放、介入が目的であり目的が手段なのだ。
以前とは違い、自身がここに存在するだけでこの戦争は変わる。あとは生き残るだけでいい、何もしないわけではないが
できればこの少女にマシな未来を与えてあげたい。
「随分とマスターにご執心のようだな?」
「大切な人と似ている、それだけだ」
「ふむ…、だそうだぞマスター」
ウェイバーに話を振る。
まだこちらに警戒しているのかずっと黙っている。
「保護を認めてくれるならできうる限りそちらに勝てるように動くつもりだ。マスター権を譲渡してもいい。質問にも答えよう。」
「じゃあ聞こう、何故俺達なんだ?ライダーの演説に共感した訳じゃないんだろ?わざわざ現れなくても俺より優秀なマスターはもっといる、そっちにいった方がより安全だ。」
尤もな話だ、ウェイバーより優秀なマスターは多い、わざわざこちらに話をする必要性は低いと思うだろう。
「簡単な話だ。魔術師ではなく人として見る目があった、君なら彼女を利用したりはしないだろ?」
「利用する?どういうことだ?」
「その子の名前は間桐桜だ。」
「…御三家の…、その子はイレギュラー、つまり正規の間桐のマスターがいるってことか」
そうなのだ、ライダーとバーサーカー陣営以外はこぞって利用しようとするだろう。
「話が早くて助かる。子供をこんな場所にいさせる訳にはいかない。そちらの拠点にいさせて欲しいが…」
「わかった、これからは協力関係だ。ライダー!お前が引っ掛けたんだからな!責任とれよ!」
「わかっとるわ、まだ聞きたいこともあるが後でよかろう」
一先ずはこれで協力関係を結ぶことはできた、後は間桐雁夜と協力関係を結ぶことができれば多少は安心できるだろう。
「桜起きて…、桜…」
「ん…ぅ…、モンスター?」
桜を起こしライダー陣営の拠点に向かう。
「起きた?これからあのお兄さんの家にいくからね」
「うん…」
「あの戦闘の時と今では別人だのぅ」
「自分じゃわからないな…」
そして4人を乗せ、丘の上の一軒家に着く、ライダー陣営の拠点、どう見ても普通の一軒家だ。
桜を寝かせこれからの事を話し合うことにする。
「ここの防衛は大丈夫なのか?」
「いや…、未熟者なもんでね…その代わりに索敵範囲は広い、こっちには足があるからな」
そうウェイバーは苦い顔をしながら言うがライダーがサーヴァントなら有効な手なのだろう、篭城をする質でもない。
「なら俺が手を加えるが構わないか?」
「お前そんなこともできるのか…?」
「あぁ、
現れる拘束者、放たれる釘は1000を遥かに超える、ありとあらゆる物に突き刺さる。
対月村家よりもかなり厳しい仕様だ、殺す気で襲い掛かる。
「これでここに近づく奴はこの土地全てが敵になる」
「お前なんでもアリだな…」
呆れるように言うウェイバー。
「で、だ。」
そこにライダーも話に加わり
「お前はどこのサーヴァントだ?」
尤もな話だ、自身の配下になるのだ。知っていなければおかしい話だ。
「そうだな…俺は異世界のサーヴァントだ。」
能力を詰め込みまくった一般人とは口が裂けても言えない。
それっぽいことを言いながら嘘を突き通す。
「なるほど…異世界か…いいのぅ。浪漫があるのぅ…」
征服王はいい事を聞いたとさも楽しそうに無邪気に笑った。
次の征服先が決まったかもしれない。
「なるほどな、ならあのおかしな宝具も納得できる、宝具はあれで全部なのか?」
「いや、あと18種類ある」
「は?」
「ハッハッハ、マスターよ。よかったではないか!敵にならないどころが余の配下だぞ!!」
「規格外すぎるだろ…」
それから自身の持っている宝具全てを教え呆れられたり魔術師としてどうのと落ち込まれたりと忙しなかった。
「さて…、これからのことだが」
話が先に進まなさそうなので京から切り出す。
「俺は明日、間桐雁夜に協力を仰ぎに行くつもりだ。」
「バーサーカーのマスターか?」
「そうだ、彼の目的は桜の間桐からの奪還、俺が間桐を潰して桜を保護していることで既に達成されている」
これで雁夜が乗ってこない可能性はない筈だ。
同時にバーサーカーが手に入るなら力強い。
「なるほど…、バーサーカーが仲間になるのならば力強い」
「約束はもう取り付けてある、バーサーカーと戦ったときに伝えてある」
「バーサーカーが止まったのはそういうことか」
「明日の夜に〇〇〇公園でと伝えてある、それまでは休息させてもらう」
と霊体化しようとしたところで京が止まった。
霊体化ができない。
霊体化しようと思ったところ、思っただけでやり方がわからなかった。
しかし、自分は魔力で構成されているのはわかる。
まさかと能力を試しに追加しようとする。
「Fate/stay nightよりギルガメッシュ、『エラーです』…なるほど」
自分の大本の能力にデメリットがあったようだ。
推察するならマイナー能力以外に関して今いる世界の能力に該当するものも片っ端から使えないということだろう。
確かにあの管理者から言わせればマイナー能力を持つのにその世界の能力を使ってどうするのか、といったところだろう。
つまり、自分はサーヴァントという名の反則臭い能力を持った一般人であり、体が魔力で構成されているため自身の能力に魔力量というリミッターがついたということ
ほとんど弱体化してる。
霊体化のメリットでもある、背後霊のようにマスターに付き従ったり一端霊体化することにより傷を修復したりなどができないということである。
予想外だ、まさかこんな地雷があったとは思わなかった、これでは他のサーヴァントとしての強みも消え失せている可能性が高い。
とりあえず、使える宝具に使用回数という制限がかかったと考えればいいだろう。
「何を考え込んでいる?休息するのではなかったか?」
「あ…あぁ、霊体化できないのに気づいてな」
「そんなもん気にするでないわい!余を見てみろ!常に実体化しているではないか!!」
「だーかーらー!魔力消費を抑えるために霊体化しろといっているだろうが!!」
また騒がしくなりそうなので用意された寝室に行き寝ることにする。
今日は色々なことがあった、また明日からもやらなければならないこともある。
隣で眠る桜を見る。
どことなく雰囲気がすずかと似ていた。
守りたいと何故かそう思ってしまう。
ここでどうするか、生きていれば目的は達成されるために明確な方針は無かったが、決めた。
桜の無事がまず第一、なんとしても守りぬかなければならない。
自分だけではいつどうなるかわからない、だからライダーに自分の力と引き換えに協力を仰いだ。だから出来うる限りライダーを勝たせるように動く。
そして桜が今後生活できるように道を開いておく。
…犠牲は厭わない、知ったことではない。
汚れた聖杯は、どうにでもなる。
今後の方針を決め、眠りに着くのだった。
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そして、朝。
「おい、なにやってるんだ?」
ウェイバーが起きてきたようだ、こちらがやっていることに疑問を持っているようだ。
「見てわからないのか?」
「わかるか!!」
京がしているのは屋上で全身から草花を出してのんびりしていることである。
「光合成だ」
「はぁ?」
呆れるように疑問符を出すウェイバー。
「俺は光合成をすることで魔力を自分で生産できる」
「なんだそれは!マスターいらないじゃないか!!」
「そうだな、いらないぁ。でもあれだ。魔力タンクとしては使えるな」
「もう…いいよ…」
なんで俺の周りのサーヴァントは…と小言を言っているようだが今は京の至福の時間だ、気にしてなどいられない。
そして、昼は桜のケアをしつつ魔力回復を図り、夜まで待つのだった。
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そして、夜。
公園に向かうとフードを被った男がいる、間桐雁夜だろう。
「待たせたな」
「お前!桜ちゃんはどこにいる!!」
バーサーカーを出し一触触発の状況になってしまう。
「待て、保護しているだけだ」
「どういうことだ!言え!!」
雁夜は焦っているのか冷静さを失っているのか錯乱気味だ。
「俺が桜にサーヴァントとして呼ばれた。」
「なんだと?」
予想外の回答に虚を突かれたのか少し冷静になってくれたようだ。
「理由は知らない。だが俺がサーヴァントとして、桜がマスターになったということだ。俺はイレギュラーとして呼ばれた8番目のサーヴァントだ。」
「桜ちゃんがマスターになるなんて…」
軽く絶望しているようだがこんな話をしにきたわけではない。
「もう間桐の家は潰した」
「なに?」
再び虚を疲れたように唖然とする。
「召還されたときに気に入らない爺に会ってな、消してしまったよ、家ごと」
「あれはお前が…」
そして交渉に入る。
できるとほぼ確信しているが
「そうだ、そして間桐雁夜、交渉だ」
「…言ってみろ」
「今、俺はライダーの傘下に入るという条件で桜を保護してもらっている。力を貸してほしい。」
「どういうつもりだ?」
「ライダーのマスターは人として信用できる、俺はそう判断した。よって傘下に入るという条件で保護を依頼した、そういうことだ」
「お前は何がしたい?何が目的だ?」
上手すぎる話、流石に雁夜もその言葉だけで信用するにはまだ無理がある。
しかし、話して信用を得る以外は手が無い。
幸いにして雁夜は冷静という訳ではない、畳み掛ければいける。
「目的はない、なにせイレギュラーで呼ばれたのだからな。あと桜の治療はした、体は普通に戻っている」
「本当か!」
「あぁ、だが問題は心だ。あんな仕打ちを受けたんだ、今は安定しているがいつどうなるかわからない、安心できる人物が必要だ。遠坂家は桜自身が拒んだ、お前の力がいる。」
遠坂家を拒絶したこと、雁夜の力が必要なことを前面に押し出し理解を得ようと釣りに掛かる。
どうやら功をそうしたようだ。
「…わかった。礼を言う」
「いや…」
そう答えようとしたとき、暗闇から何本もの武器が飛来した
ちょろいなと内心で舌を出す。
雁夜について京は何も感じることは無い。
桜に必要だから、ただそれだけ
そして、その時だった。
ナニカが飛来する。
「っ!?」
咄嗟に雁夜を庇い、攻撃を何箇所かに受ける。
「グ…ゥ…」
「やっと見つけたぞ…、狂犬に害獣がぁ…」
現れたのは黄金のサーヴァント、ギルガメッシュ。殺意に目を光らせながらこちらを見下していた。
「なぜここにいるのがわかった?」
京が痛みに顔を歪ませながらも疑問に思う。
何故、ここがバレタのだろう。
自身の索敵は完璧だったはず。
「フン、雑種にも使える奴がいてなぁ?そこの男に張り付いている奴がいたのでな、報告を受け誅罰を下しに来たというわけだ」
アサシン、迂闊だった。
遠坂時臣と言峰綺礼は組んでいる、そして斥候を辺りに派遣していたはずだったのだ。
「今宵は誅罰を止める愚か者もいない。ここに我が潰してくれるわ!!」
ギルガメッシュの背後に広がるはとてつもない数の宝具、見えるだけでも100は超えている。
「雁夜、まずはここを切り抜けてからだ」
「わかった。こちらもバーサーカーで」
「あぁ…」
そう言ったもののマズい、あの数の宝具をどうやって雁夜を守りつつ捌ききるか
「死ぬがいい塵芥共がぁ!!」
こちらに向かって一斉掃射される宝具郡
京は千手天衣、COFFIN、を出して迎撃に入る。
「MACHSPEED&SLOW」
周りの世界を遅くする。そして降り注ぐ宝具の中、雁夜を背後に庇い、当たるものだけを見極めバルカンで全て撃ち落とす。
しかし、一向に止む気配がない宝具の雨
「ブレングリード血闘術11式
落とす、落とす。
自身に向かってくる宝具を髪で銃で棺桶で千手で血でありとあらゆる方法で落としていく。
しかし、打ち出しているものによって迎撃率がかなり変わる。Aランク相当の武器では千手天衣でしか防ぐことができない。髪もかなり切れている。
バーサーカーもかなり善戦しているが防戦一方だ。
「塵共が…手古摺らせてくれるなよ」
ギルガメッシュはあくまで冷静にさらに宝具の数を増やす。
更に攻撃が激しくなる。
「ちぃ!」
右腕が宙を舞った。
断面から夥しい血が流れる。
「グガッ…!」
痛みに叫びたくなる衝動を堪え、迎撃に専念する。
既に100以上の宝具を弾き落としている京、しかし手にする武器は既にボロボロになっている。
埒があかない、これでは削られるままに終わりだろう。
「バーサーカー!」
雁夜が叫ぶ
「■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ !!」
バーサーカーは飛び掛る武器を掴み、投擲、打ち払うなど様々な方法で防御しながらアーチャーの元に突進していく、しかし、無事では済まない。あちこちに武器が刺さっている。
「ぐぅぅう」
魔力をかなり絞られているのか苦悶の表情の雁夜
「猪口才な…」
ギルガメッシュはそう言い、背後から自身の最強の武器を取り出す。
拙い。)
京はアレがなにかわかる
乖離剣エア、時空断層による空間切断による攻撃、基本これを防ぐにはシールドなどの通常防御では根本的に防ぐことができない、防ぐには時空そのものを固定するような防御法か時空断層を起こす前に強力な攻撃で相手の魔力を四散させるしかない。
そして、今の京の手持ちにそのような能力は無い。
「初めは我を愚弄し傷つけた塵屑どもに誅罰を与えるつもりであったが…中々に興じさせてくれる。いいだろう、この我の最強の武器によって死ぬことを許そう」
「はっ…、簡便願いたいね」
軽口を吐くがあれを防ぐ手段が出てこない。
「では…死ね」
エアが高速回転を始める。
京は雁夜を全力で後方に投げ飛ばす。
「
京は賭けに出る
心の中の黒い木の花が1つ、咲く
「無限の住人より卍、血仙蟲 …発動!!」
「…
荒れ狂う魔力の奔流が京を襲う。
咄嗟に全ての能力で防御を図るが徐々に砕かれる。
そして
「ガァァァァアアアアああアアアアアアアア!!」
体を真っ二つにされた。
「■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ !!」
バーサーカーもこれには耐え切れず四散する。
静けさの中に残ったものは荒れ果てた公園、いや更地だ。
そのなかに佇むのはギルガメッシュ、つまらなそうに鼻を鳴らす。
「ふん、塵共が…」
そう吐き棄て自らの誅罰は終ったと帰還するのだった。
「痛い…な」
真っ二つになりながらも生きている京を置いて…
バーサーカーご退場の巻き
原作名:無限の住人
ジャンル:漫画&アニメ
能力:血仙蟲
体に巣くう蟲、チベットの秘術
蟲が生きている限り死なない体になる、老化も止まる。
体内に蟲が入ると体内で無数の「蟲」が培養され、傷を負ってもその蟲が損なわれた体組織を代用し直ちに修復される。
弱点は酸素の供給不足(溺死など)、寒さ
と無限の住人でした。
絵がなんかすごい。
あと主人公がかっこいい。そんな漫画です。
読む機会があれば是非に